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今夏五輪「反対」55% 「賛成」33%(朝日新聞調査)~開幕1週間前、菅内閣支持率は軒並み最低

 先週末に実施された世論調査の結果が報じられています。朝日新聞(7月17~18日実施)、共同通信(同)、毎日新聞・社会調査研究センター(17日実施)の各調査では、菅義偉内閣の支持率は30~35.9%に低下。「不支持」は49~62%に上っています。対面式で9~12日に実施された時事通信調査では、支持率は29.3%と3割を切りました。4件とも、支持率は菅内閣発足以降、最低です。
 東京五輪を政権浮揚につなげるのが菅首相の思惑であると再三、報じられていますが、23日の開幕まで1週間を切った時点での調査でも支持率は下がり続けています。

【内閣支持率】 ※カッコ内は前回比、Pはポイント
▼朝日新聞 17~18日実施
 「支持」31%(3P減) 「不支持」49%(7P増)
▼共同通信 17~18日実施
 「支持」35.9%(8.1P減) 「不支持」49.8%(7.6P増)
▼毎日新聞・社会調査研究センター 17日実施
 「支持」30%(4P減) 「不支持」62%(7P増)
▼時事通信 9~12日実施
 「支持」29.3%(3.8P減) 「不支持」49.8%(5.6P増)

 各調査の質問項目のうち東京五輪の関連では、朝日新聞調査がこの夏の開催について、賛成かどうかを尋ねています。回答は賛成が33%、反対が55%。反対が過半数の一方で賛成は3分の1にとどまっており、この辺の民意が内閣支持率にも反映しているのではないかと思います。
 共同通信や毎日新聞の調査は、無観客、有観客と中止や延期が選択肢の中で同列になっており、朝日新聞の調査のようにすっきりした形ではないのですが、共同通信の調査では「中止」が31.2%、毎日新聞調査では「延期か中止」が40%です。
 東京では新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、緊急事態宣言下で大会が開催されます。共同通信調査では、五輪パラリンピックの開催によって感染が再び急拡大する不安を感じているとの回答が、「ある程度」も含めて87.0%に上っています。朝日新聞、毎日新聞の調査でも、「安全安心」な形の開催は「できない」がそれぞれ68%、65%に達しています。
 このまま開幕を迎えた後で、仮にコロナ対応などで想定外の事態が起きた場合、強固な支持を得られない政権がことに当たるのでは、社会不安は高まる一方でしょう。大会期間中であっても、速やかに中止できる準備も必要だと思います。

【東京五輪】
▼朝日新聞
・この夏に東京五輪・パラリンピックを開くことに賛成ですか。
  賛成 33%
  反対 55%
・東京五輪は、ほとんどの会場で観客を入れずに実施することになりました。無観客になったことはよかったと思いますか。
  よかった   76%
  よくなかった 17%
・今回の東京五輪・パラリンピックは、菅首相が繰り返し述べたように「安全・安心の大会」にできると思いますか。
  できる  21%
  できない 68%

▼共同通信
・23日に開幕する東京五輪は首都圏など、ほとんどの会場で無観客の開催が決まりました。あなたは、この方針についてどう思いますか。
  適切だ 43.6%
  少人数でも観客を入れて開催すべきだ
      23.6%
  五輪を中止するべきだ
      31.2%
・あなたは、東京五輪・パラリンピックが開催された場合に、新型コロナウイルスも感染が再び拡大する不安を感じていますか、感じていませんか。
  不安を感じている     50.9%
  ある程度不安を感じている 36.1%
  あまり不安を感じていない  9.0%
  不安を感じていない     3.8%

▼毎日新聞
・東京オリンピックはほとんどの競技が無観客で開催されます。これをどう思いますか。
  妥当だ 36%
  観客を入れて開催してほしかった
      20%
  延期か中止にしてほしかった
      40%
・東京オリンピック・パラリンピックで安全、安心な形で開催できると思いますか。
  できると思う    19%
  できるとは思わない 65%

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