コロナ感染拡大と五輪開催「影響したと思う」74%(毎日新聞調査)~支持続落の菅首相が奇策“二階外し”

 毎日新聞と社会調査研究センターが8月28日に実施した世論調査と、日経新聞とテレビ東京が27~29日に実施した世論調査の結果が報じられています。
 菅義偉内閣の支持率は以下の通りです(カッコ内は前月調査比、Pはポイント)。
 ▼毎日新聞・社会調査研究センター
 「支持」26%(4P減) 「不支持」66%(4P増)
 ▼日経新聞・テレビ東京
 「支持」34%(±ゼロ) 「不支持」56%(1P減)
 日経新聞調査では横ばいですが、上昇に転じてはいないわけで、大勢としては8月前半に実施した他社の調査結果と同じく続落傾向が続いています。菅政権の新型コロナウイルス対策への評価は、両調査とも「評価しない」が前回調査より6~7ポイント増え、毎日調査では70%、日経調査では64%となっています。感染者の爆発的な増加と医療ひっ迫が菅政権のコロナ対応への評価を下げ、支持率も回復しない要因になっていることがうかがえます。

 毎日の調査では「東京オリンピックの開催が新型コロナの感染拡大に影響したと思いますか」との質問があります。回答は「大きく影響したと思う」33%、「多少は影響したと思う」41%、「影響したとは思わない」21%、「何とも言えない」5%。「大きく」「多少は」を合わせて「影響したと思う」との回答は74%に上ります。爆発的な感染者増と五輪の開催の関連性については、間接的な「気の緩み」も含めて菅首相、小池百合子・東京都知事ともかたくなに否定しているのですが、民意の認識との間に大きな乖離があります。

 衆院選での投票先に関する質問では、両調査ともトップは自民党で変わりなく、2位の立憲民主党との間にはかなりの差があります。2009年の政権交代の直前と比べると、政権支持率(当時は麻生太郎首相)が下がり続けているのは共通していますが、野党第一党に当時のような勢いはありません。ただ、先日の横浜市長選では、野党が支援の共闘体制を組んだ新人候補が菅政権批判の受け皿になり、投票率も上がって圧勝しました。衆院選の帰すうは、野党の選挙協力の進展いかんではないかと感じます。

 ■刷新感を演出

 菅首相も民意の支持を得るために、いろいろ考えているのかもしれません。30日深夜から31日未明にかけて、ちょっと驚くような動きがマスメディアで一斉に報じられました。新聞各紙も31日付朝刊で大きく扱っています。
※共同通信「自民・二階幹事長交代へ 首相、解散せず10.17衆院選」=2021年8月31日
 https://nordot.app/805046097039228928

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 菅義偉首相(自民党総裁)は衆院選前に党役員を刷新し、二階俊博幹事長を交代させる調整に入った。二階氏も容認した。首相が衆院解散の権限を行使せず、衆院議員の任期満了(10月21日)に伴って次期衆院選を閣議決定する案も政権内で浮上した。「10月5日公示、17日投開票」が軸となる。複数の政権関係者が30日、明らかにした。

 無派閥で自民党内に確固とした支持基盤がない菅首相にとって、安倍晋三前首相・党総裁当時から幹事長職にあり、いち早く「菅氏支持」を打ち出した二階氏は、最大の後ろ盾だったはずです。逆に言えば、その二階氏を幹事長職から外せば、「刷新」感は演出できるのかもしれません。奇策ではあるようですが、菅首相が地位にとどまりたいがための人事権の私物化といった批判も免れないように思います。そもそも、菅首相と政権への民意の不信の根深さは、そんな小手先の対応でぬぐえるようなものではないと思います。

 ちょっと気になるのは、二階幹事長を巡る動きです。
※共同通信
「二階氏、幹事長交代容認の意向伝達」=2021年8月30日
 https://nordot.app/805087810306359296

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「二階氏、岸田氏党改革案に不快感 役員任期巡り『失敬だ』」=2021年8月30日
 https://nordot.app/804975608147476480

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 二階氏は共同通信とのインタビューでは、岸田文雄・前党政調会長が総裁選出馬表明に際して掲げた「党役員は1期1年、連続3期まで」との改革案に「就きたいと名乗り出た覚えは一回もない。長いと文句を言われる筋合いもない。失敬だ」と不快感を示しています。その一方で、菅首相との会談では「自分には遠慮せず、気にせずに人事を行ってほしい」と幹事長職降板を容認すると伝えたと報じられています。
 人事権者である党総裁の言いつけには従う、ということなのか。菅首相は岸田氏の公約に着想を得て、“二階外し”を思い付いた可能性はないのか。そうだとしても、二階氏もその後にそれなりの処遇がなければ「はい、そうですか」とは行かないようにも思います。自民党政治ではよく目にする例えですが「表紙が代わっても中身はそのまま」ということはないのか、気になるところです。新聞の内幕検証に期待しています。