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速報:共同通信「安倍元首相国葬に反対53% 内閣支持12ポイント急落51%」~民意は「国葬に反対」が多数

 

 共同通信が7月30、31日に実施した世論調査の結果が報じられています。

 安倍晋三元首相の国葬に「反対」「どちらかといえば反対」が計53.3%を占め、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計45.1%を上回った。岸田内閣の支持率は51.0%で7月11、12両日の前回調査から12.2ポイント急落し、昨年10月の内閣発足以来最低となった。

※共同通信「安倍元首相国葬に反対53% 内閣支持12ポイント急落51%」
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 「反対」が過半数で「賛成」との差は7ポイント余り。先行の世論調査ではNHKが国葬を決めた政府の判断に対して「評価する」「評価しない」を、産経新聞・FNNもやはり政府の判断に対して「よかった」「よくなかった」をそれぞれ尋ねていました。国葬への賛否の直接の質問ではなく、政府の方針をどう判断しているかを聞いていました。NHK調査では「評価する」49%、「評価しない」38%、産経新聞・FNN調査では「よかった」「どちらかといえばよかった」が計50.1%、「よくなかった」「どちらかといえばよくなかった」が計46.9%でした。

 共同通信調査はすっきりと、国葬に対して「賛成」「反対」を尋ねました。その結果として、これだけの有意の差が出たのですから、「民意は国葬に反対が多数」と言っていいように思います。国葬それ自体にも、また岸田文雄内閣が国葬を閣議決定で決めたことにも、法的根拠がないとの批判があります。手続きは岸田首相の主導で進んだことが繰り返し報道され、自民党内の基盤が弱い岸田首相が、安倍元首相の支持層をつなぎとめるために画策した、いわば政治利用との指摘もあります。岸田首相が国葬の方針を記者会見で表明したのは、共同通信の前回調査直後の7月14日でした。わずか3週間で内閣支持率が12ポイントも急落した要因には、やはり国葬をめぐる岸田首相の強引さへの批判が含まれているのだと思います。