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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

ひとこと:女性自衛官の勝訴確定と普天間訴訟の行方

 一つ前のエントリーで取り上げた航空自衛隊の女性自衛官に対する性的暴行と退職強要を認定した7月29日の札幌地裁判決が、13日午前零時で確定しました。防衛省は12日、控訴を断念することを表明しました。
 「セクハラ訴訟で国控訴断念 『感無量』と元女性自衛官」(47news=共同通信
  http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010081201000539.html

 札幌市で記者会見した原告の女性は「感無量です。自衛隊はこれから、わたしのような事件が起こらないよう、隊員の人権を守る組織に変わってほしい」と話したと伝えられています。仮に、現に今も自衛隊内でハラスメントやいじめなどに苦しんでいる自衛官がいるとすれば、そうした自衛官たちにこそ届いてほしいニュースです。

 同じ7月29日、沖縄県の米軍普天間飛行場の周辺住民への賠償を国に命じた普天間爆音訴訟の福岡高裁那覇支部判決に対しても、やはり国は上告しませんでした。
 「普天間訴訟、国上告せず」(47news=共同通信
  http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010081201000976.html
 今後は、住民のうち10人が上告した飛行差し止めと騒音測定請求の部分について、最高裁がどのような判断を示すのか、注目していきたいと思います。

※参考過去エントリー
 「『個』が尊重されない自衛隊〜札幌地裁が性的暴行と退職強要を認定」(2010年8月2日)
  http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20100802/1280676310

 「『飛行差し止め』を実現させるもの」(2010年8月1日)
  http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20100801/1280622901