「新しい日常」と新しい共助、共生~緊急事態宣言下 在京紙報道の記録13(完):5月25~26日付

 新型コロナウイルス禍対策の緊急事態宣言は5月25日、最後に残っていた北海道と首都圏4都県が解除され、4月7日に7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)で始まった同宣言は49日で全て解除されました。翌26日付の東京発行の新聞各紙朝刊は、1面から総合面、各面へ大きな扱い。総じて各紙とも、5月末を待たずに解除が早まった要因として、経済優先の安倍晋三政権の姿勢があることを伝えました。ウイルス感染は第2波、3波の可能性が指摘されており、他人との接触を減らすことが基本になる「新しい日常」の到来も大きく報じられています。経済活動の再起動が強調されていますが、しかし実際には、社会がどれだけ傷みを負ったか、とりわけ雇用や就業の面でその実状が本当に目に見えて明らかになってくるのはこれからだろうと思います。人と人が向き合い手をつなぐことも制限を余儀なくされる「新しい日常」の中で、新しい共助と共生の形を探っていくことが社会全体の課題になるのではないかと感じています。49日間の検証とともに、この点もマスメディアの報道にとっても重要な課題だと思います。

 このブログで続けてきた、緊急事態宣言下での在京紙の報道の記録は、5月26日付でひとまず区切りとします。過去記事は「カテゴリー」の「COVID-19緊急事態宣言下・在京紙の記録 」で検索できます。

【5月26日(火)付】

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▼朝刊 ※1面トップと準トップの記事、新型コロナ関連の総合面や社会面の主な記事、社説の各見出しを書きとめています
・朝日新聞 28P
1面トップ「緊急事態 全国で解除/経済活動 段階的に拡大/首都圏・北海道も 再流行なお警戒」
1面準トップ「法務省『黒川氏は懲戒相当』/官邸側と調整後 訓告に」
2面・時時刻刻「解除の判断 急いだ政権」「経済影響・批判拡大を懸念」「『総合的判断』諮問委は了承/『不安な要素ないわけではない』」「重症者向け病床確保・早期検査の整備/『第2波』対策 課題は」
3面・視点「ウイルスと新たな日常へ」石田勲・科学医療部長
社会面「耐えた49日 新たな模索/『怒濤の日々 また前向いて』」
社説「緊急事態の全面解除 教訓くみとり『次』に備えよ」/日本型の効果検証を/国民との『目詰まり』/重み増す政治の判断

・毎日新聞 24P
1面トップ「緊急事態 全面解除/政府、1カ月半ぶり/首相『入院患者2000人切る』/2次補正 事業規模100兆円」
1面準トップ「活動 段階的に再開/外出やイベント 政府指針」
2面「第2波 根強い懸念/『医療現場負担大きい』」「通常診療と両立課題」
3面・クローズアップ「経済優先 急ぐ政権/感染リスク ある前提」「GDP回復に4年」「『我慢の限界』都、緩和前倒し」
社会面「解除 そろり再始動/一歩前進/手放しで喜べぬ」
社説「緊急事態の全面解除 教訓刻み再流行に備えを」/医療の拡充を引き続き/工夫して経済と両立へ

・読売新聞 32P
1面トップ「緊急事態 全面解除/首相『流行ほぼ収束』/政府対策本部 『宣言』1か月半」「経済対策200兆円規模」
1面準トップ「プロ野球 来月19日開幕/120試合予定 当面は無観客」
1面「偶然頼みから脱したい」滝田恭子・編集局次長
3面・スキャナー「解除 急いだ首相/経済悪化・政権不信 懸念」「再流行なら批判必至」「『病床数に余裕』根拠に」
社会面「1か月半 待ってた/営業再開へ加速 首都圏も解除」
社説「緊急事態解除 経済を回復軌道に乗せたい 感染症に強い社会を構築せよ」/病床数に一定の余裕/検査強化で流行監視を/入国制限の緩和も論点

・日経新聞 34P
1面トップ「緊急事態 全面解除/1カ月半ぶり 経済再開に軸足/全国移動 来月19日解禁」
1面準トップ「地方交付金2兆円増/2次補正 家賃最大600万円給付」
2面「『東京早く』急いだ首相/緊急事態解除 官邸主導、道筋描く」
3面「『7割経済』向き合う企業/車 世界販売2割減も 外食 客席半分や値下げ」
3面「『命も経済も』備え万全か」青木慎一・科学技術部長
社会面「飲食店『日常へ一歩』 カラオケ『再開いつ』/事業者、安堵と不安 交錯」
社説「経済再開と感染防止策の両立が必要だ」

・産経新聞 26P
1面トップ「緊急事態 全面解除/首相『流行ほぼ収束』/5都道県、7週間ぶり」
1面準トップ「イベント 段階的再開/観光は8月から全面的に」
2面「コロナ克服へ 社会変革/『3密回避』経済 正念場続く」
3面「新たな日常 第2波警戒/感染の早期発見・病床維持 課題」「小売り 手探りの始動」「学校クラスター 教委不安」「在宅勤務 分かれる対応」
社会面「待望の再開 安全第一/緊急事態解除『新日常』へ/飲食店・繁華街・観光地」
社説「緊急事態全て解除 次の波への備えを急げ 対応検証し新たな戦略を示せ」医療者らに感謝したい/行政の弱点克服必要だ

・東京新聞 26P
1面トップ「緊急事態 全面解除/『ほぼ収束』経済前面/5都道県 首相 再発令にも言及」
1面準トップ「首都圏 緩和判断に差/都、劇場など休業要請継続」
2面・核心「解除基準より経済優先/医療現場 疲弊/検査体制目標値なし」/解説「再流行備え検証を」
3面「停滞長期化は不可避/経済活動 感染防止が足かせ/外食・宿泊支出15兆円減『戻るまでに1年以上』」
社会面「始まる 新たな日常/『共存』は長丁場に」「商業施設 家族の雰囲気『少し明るく』」「観光地 再開準備急ピッチ」「飲食店 『長期のフォローを』」
社説「緊急宣言の全面解除 新しい日常へ進むには」必要な情報を公開せず/経済支援の継続不可欠/個々人ができることを

▼夕刊
・朝日新聞 8P
「50日目の朝/5都道県も解除 第2波に警戒も」
(NEWSダイジェスト「検察の刷新会議設置 首相が表明」など3本)
社会面「命・暮らし守る人 支えたい/ホテル宿泊『無料』・スクーター300台貸し出し・採用準備を肩代わり」
・毎日新聞 8P
「日常へ 慎重な一歩/通勤客増 繁華街は人まばら」
「東証一時2万1000円回復」
社会面「非正規女性29万人減/母子・単身『生きられない』/3月労働力調査 男性は2万人増」
・読売新聞 12P
「日常 徐々に/首都圏 通勤混雑・動物園再開見送り」
「観光施設 感染対策支援/体温計測やキャッシュレス化」
社会面「やっと再開 笑顔/図書館など予防念入り」
・日経新聞 10P
「コロナとの日常 手探り/週の半分出勤・間あけ登校」
「ルフトハンザ1兆円支援/独政府が20%出資」
社会面「保育園 登園か自粛か/3密の回避困難 自治体、対応手探り」
・東京新聞 10P
「授業挽回 急ぎ足/行事縮小 子どもの負担懸念」
「静かな日常一歩/図書館で 公園で 対策念入り」
社会面「不安共有 心の健康ケア/東京医科歯科大病院 全職員対象に専門チーム」

【5月25日(月)付】=緊急事態宣言49日目:解除
▼朝刊
・朝日新聞 24P
「緊急事態きょう全域解除へ/自粛要請緩和は段階的」
「内閣支持 最低の29%/本紙世論調査 不支持は52%」
社会面「9月入学 私は思う/保護者『未就学児で調整するのはやめて』/教育関係者『遅れ取り戻す効果はない』」
・毎日新聞 24P
「緊急事態きょう全面解除/5都道県 政府、総合的判断」
「病の先 夢見た甲子園/色あせぬ 努力の日々/愛知・豊橋西野球部主将」#最期の1年
社会面「冬信じて『返り咲く』/総体中止 過疎で迫る廃校/青森・五戸高サッカー部」
・読売新聞 28P
「経済活動 段階的に展開/政府対処方針案 感染防止と両立/緊急事態きょう解除」
「国境離島 確認できず/認定根拠/地図・海図不正確か」
社会面「1滴に集中 精密判定/検体 3ミリ間隔で配置」コロナ最前線@PCR検査機関
・日経新聞 36P
「全面解除きょう諮問/緊急事態宣言 『感染減少続く』」
「使い方次第の『背番号』/個人か社会か さまようマイナンバー」データの世紀 危機が問う選択 上
社会面「消えた『最期の夏』/高校スポーツ、新型コロナで中止相次ぐ」ドキュメント日本
・産経新聞 24P
「緊急事態 全面解除へ/首都圏・北海道きょう決定」
「中国、日本抗議後も追尾/尖閣領海外でも45キロ」
社会面「9月入学 見えた課題/一斉移行 新入生1.4倍 教員が不足/段階移行 待機児童 5年で46万人」
・東京新聞 22P
「原発事故処理に 再エネ財源流用/政府提出のエネ特会改正案」
「森友改ざん 終わっていない/職員自殺 妻『再調査を』」
社会面「生きるため営業『中傷悲しい』/のしかかる家賃『苦渋の決断 分かって』/荒川の飲食店『自粛しない非国民』張り紙」

▼夕刊
・朝日新聞 10P
「『宣言』1カ月半 全国解除へ/今夜首相会見 緩和3週ごと3段階」
「関西『日常』の週明け、授業再開」
社会面「現役教員 無料で『寺子屋』/オンラインの個別授業」
・毎日新聞 10P
「重症化把握に日本技術/血中酸素算出 パルスオキシメーター/故青柳卓雄さん 改良重ね50年」
「全面解除 諮問委了承/緊急事態 政府、午後決定」
社会面「我慢の限界 首相に背/ベルギー医療従事者 訪問前夜 アプリで共有」
・読売新聞 12P
「緊急事態 今夜全面解除/諮問委了承 首都圏・北海道」
「『疎開』別荘へ続々/賃貸需要5倍・地方は感染警戒」コロナ最前線@モスクワ
社会面「写経流行疫病退散/家で手軽『心落ち着く』」
・日経新聞 10P
「緊急事態 全面解除へ/首都圏・北海道も 今夜決定」
「米、香港統制強化なら制裁/大統領補佐官、中国けん制」
社会面「責任は運転者?それとも…/自動運転 ブレーキ作動せず事故」
・東京新聞 8P
「5都道県 7週間ぶり/緊急事態を今夜全面解除」
「空でもマスク 常識に/航空各社 経済回復へ対策強化」
社会面「登下校の安全 再確認を/交通教室自粛のまま学校再開へ」 

新聞労連が声明「『賭け麻雀』を繰り返さないために」を発表

 東京高検検事長だった黒川弘務氏と産経新聞社の記者2人、朝日新聞社の経営部門の社員(元記者)が賭けマージャンを繰り返していた問題に対して、新聞労連(日本新聞労働組合連合)が5月26日、声明「『賭け麻雀』を繰り返さないために」を発表しました。賭け麻雀が違法行為であることもさることながら、メディアと権力の癒着を市民が感じ取っているとの指摘は、この問題を考える上での重要な論点だと思います。 全文を転載します。 

◎「賭け麻雀」を繰り返さないために

 新型コロナウイルスの感染拡大をうけた緊急事態宣言下、産経新聞の記者2人と朝日新聞の管理職社員(元記者)が、東京高検の黒川弘務検事長と賭け麻雀をしていたことが発覚しました。賭け麻雀は賭博罪に抵触します。報道機関の人間が、権力者と一緒になって違法行為を重ねていたことは、権力者を監視し、事実を社会に伝えていくというジャーナリズムの使命や精神に反するもので、許しがたい行為です。しかも、この賭け麻雀は、検察庁法改正案に関連して、黒川氏の異例の定年延長に市民の疑念や批判が高まっているさなかに行われました。市民はメディアと権力の癒着を感じ取り、黒川氏の問題を愚直に追及してきた新聞記者たちの信頼をも揺るがしています。
 今回の問題は、3人を断罪すれば、解決する話でもありません。
 公権力の取材においては、圧倒的な情報量を持つ取材先から情報を引き出すために、新聞記者は清濁合わせ呑む取材を重ねてきました。特に、捜査当局を担当する記者は、ごく少数の関係者が握る情報を引き出すために、「取材先に食い込む」努力を続けています。公式な説明責任に消極的な日本の公権力の動きを探り、当局が把握している事実を社会に明らかにしていく上で有用とされ、そうしたことをできる記者が報道機関内で評価されてきました。
 しかし、こうした取材慣行は、ときに「犯人視報道」による人権侵害につながっていると指摘され、取材記者のセクシュアルハラスメント被害の「泣き寝入り」の温床にもなってきました。長時間労働を前提にしてきた無理な働き方で、育児などとの両立も難しく、結果的に女性が育児を担うことが多い日本社会において、女性の参入障壁にもつながっています。
 さらに、捜査関係者と並走することによって政治権力の不正を暴き、権力監視の一端を担うことができた環境からも変化しています。平成の30年あまりの政治・行政改革によって、首相官邸への権限集中が進みました。今回の黒川氏の問題で取りざたされたように人事権を通じた官邸の影響から捜査当局や裁判所も無関係とは言えません。逮捕状の執行が見送られた末、刑事事件では不起訴になったものの、民事裁判で性暴力が認定された伊藤詩織さんの事件や、公文書を改ざんした当時の財務省幹部らが全員不起訴になった森友学園事件のように、捜査当局の判断に市民が疑問を感じるケースが増えています。当局との距離感を保ちながら、市民の疑問に応えられる取材・報道のあり方が強く求められています。
 新聞労連は、事実を報じるためにあらゆる取材手法を駆使する記者に敬意を表し、安易な取材規制には反対です。しかし、報道機関を支えているのは、権力者ではなく、市民であることを忘れてはなりません。市民の信頼なくしては存立することはできません。森雅子法相が5月26日の記者会見で、今回の賭け麻雀問題を受けて「法務・検察行政刷新会議」を設け、対応策を検討していく考えを明らかにしましたが、公権力主導での取材規制に陥らないよう、報道機関が自らを律して、改革をしなければなりません。
 「賭け麻雀」は市民や時代の要請に応えきれていない歪みの象徴です。
 次世代の記者が同じような歪みを我慢し、市民からの不信にさらされないように、各報道機関の幹部には体質の転換に向けた具体的な行動を強く求めます。

2020年5月26日 
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 南  彰 

 ※労連声明:「賭け麻雀」を繰り返さないために

http://shimbunroren.or.jp/200526statement/

黒川氏が退場しても、違法と指摘される定年延長の事実は残っている~緊急事態宣言下 在京紙報道の記録12:5月20日~24日付

 コロナ禍対策の緊急事態宣言は、5月21日に京都・大阪。兵庫の3府県が解除され、残る北海道と首都圏4都県も25日に解除の見通しとなりました。しかし感染の第2波、3波の可能性も指摘されており、「コロナ後」の日々が始まる、と受け止めるにはまだ早いようです。

 さて、この1週間弱の間に、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長問題が思いもかけない展開を見せました。5月20日(水)に週刊文春が公式サイトで、黒川氏が5月に2回、産経新聞記者、朝日新聞社員と一緒に産経記者の自宅で長時間、賭けマージャンをしていた疑いがあることを報道。翌21日には黒川氏は事実を認めて辞表を提出し、政府は22日に辞職を認めました。黒川氏に対する処分は訓告で懲戒ではなく、退職金は満額が支給される見通しと報じられています。
 驚いたことに安倍晋三首相は、検察官の定年延長と一部の幹部検察官に対する特例措置を盛り込んだ検察庁法改正案について、他の国家公務員の定年延長の法案もろとも、廃案とする方向性を示しました。黒川氏は1月の閣議決定で定年が延長されており、これには違法、脱法との指摘が野党のみならず、日弁連や各地の弁護士会、検察官OBからも上がっていました。検察庁法改正案に対しても、黒川氏の定年延長措置を事後的に正当化するものとの批判がありました。安倍首相としては、黒川氏の退場と共に改正案が廃案になれば事態は沈静化すると期待しているのかもしれません。
 しかし、黒川氏を訓告として辞職を認めたことは、1月の閣議決定による定年延長が有効であることを固定化することです。黒川氏に対しては、賭けマージャンを刑事事件として立件するとともに懲戒処分とするよう求める声がネット上では強いようですが、わたしは1月の閣議決定が有効のままでは、法改正がなくても内閣の意向次第で特定の幹部検察官の定年延長が可能であることが恒常化することを危惧します。

 密室での賭けマージャンをマスメディアの問題としてとらえるなら、様々な論点があると思います。産経新聞社では調査が続いているようでもあり、後日あらためて考えを整理してみたいと思いますが、公権力と記者の間合い、記者の働き方、仕事の評価軸といったこともキーワードになるのではないかと感じています。

 23日には毎日新聞社の世論調査で、安倍晋三内閣の支持率が前回5月6日との比較で13ポイント減の27%だと報じられました。不支持率は19ポイント増の64%です。以前にも書きましたが、コロナ禍で政治を自分のことととらえる人たちが増えているのは間違いないと思います。政権サイドがその変化から目をそむけるように、時間がたてば支持率が回復する、と期待しているのだとすれば、それもまた政権が民意から遊離していることを示しているのではないでしょうか。特に支持率の低下ぶりを上回って不支持率が跳ね上がっていることは、安倍政権に対してネガティブな評価を明確に持つ人が急増したことを示しているように思えます。後続の調査結果を注視しています。

 以下は東京発行新聞各紙の1面と社会面の記録の続きです。
【5月24日(日)付】=緊急事態宣言48日目
▼朝刊
・朝日新聞 24P
「首都圏・北海道 解除で調整/緊急事態 政府あす判断」
「コロナ 米英留学直撃/年750万円『渡米 オンライン授業のためではない』/入学激減か 大学経営難に直結」
社会面「マスク 夏が怖い/熱中症多発なら『医療現場は崩壊』」
・毎日新聞 24P
「内閣支持急落27%/検察人事批判 『不支持』64%」
「あす全面解除で調整/緊急宣言 新規感染 東京2人」
社会面「別居親 子と面会難しく/家近くても感染怖がられ」
・読売新聞 24P
「緊急事態解除へ最終調整/新型コロナ 最後の5都道県」
「劣後ローン枠6兆円超/政府 企業の資本強化策」
社会面「『コロナ解雇』深刻/57歳運転手 突然の通告」
・日経新聞 28P
「米、波乱含みの経済再開/24州で感染増加 『第2波』リスクも」チャートは語る
「消費支援へ対象追加/宅配・持ち帰り ポイント 都道府県内の旅行 割引」
社会面「『脱・霞が関』夫婦一緒に/競争から共生 心機一転」
・産経新聞 26P
「香港の自由 大幅制限/国家安全法 中国、異例手続き」
「消費者と新しい価値を作る/社会を良くする仕事で報酬受け取る」経団連会長 中西宏明氏 コロナ 知は語る
社会面「高校最後の夏 奪われた/『総体なくなりショック』『日本一の目標変わらぬ』」
・東京新聞 24P
「緊急事態解除あす有力/首都圏など感染者減」
「マスクの次は消毒液/政府、医療機関にずさん供給」
社会面「生きていけない 休業いつまで/水商売協会 クラブのママら窮状訴え」

【5月23日(土)付】=緊急事態宣言47日目
▼朝刊
・朝日新聞 36P
「都の緩和 最速26日から/西村担当相 25日の宣言解除視野」
「香港に監視機関設置案/中国『一国二制度』危機に」
社会面「学校再開へ 3段階の目安/間隔『1~2メートル』・できる活動明示」
・毎日新聞 26P
「定年延長 首相一変/『法案 もう一度検討』/コロナ理由 与党も批判」
「給食早く食べたいな」明日へ
社会面「保健所職員 残業の山/過労死ライン超え相次ぐ」
・読売新聞 28P
「都、26日にも休業緩和/宣言解除なら 無観客試合も」
「中国 軍事費6.6%増/全人代開幕 成長目標示さず」
社会面「休業緩和 道見えた/都知事『経済と両立』」
・日経新聞 32P
「『新常態』探る企業/入退店 デジタル記録/工場 効率より接触減/オフィス 机間隔1.8メートル」
「中国、香港統制へ法調整/全人代開幕 歳入減も財政出動拡大」
社会面「『もう もたない』苦渋の深夜再開/従業員の雇用配慮/都内飲食店『解除』まだだが…」
・産経新聞 28P
「都、26日にも飲食店緩和/プロ野球など無観客で 緊急事態解除後」
「黒川検事長の辞職承認/首相『批判受け止めたい』」
社会面「学校再開 我慢は続く/『学習時間の確保難しい』」
・東京新聞 24P
「都、自粛・休業緩和3段階/学校 まず分散登校/飲食店 午後10時まで」
「黒川検事長が辞職/首相『定年延長 問題なかった』」
社会面「『ネカフェ戻るか 徘徊か』/困窮者にホテル 打ち切り不安」

▼夕刊
・朝日新聞 8P
「スウェーデンの独自路線/厳しい行動制限も都市封鎖もなし」
「先生も1年生」Photo Story ※新任の小学教諭
社会面「飲食宅配自転車 飛ばしすぎ?/危険な運転指摘 通報相次ぐ」
・毎日新聞 8P
「ビニールカーテン 火災注意/コロナ対策 在室・設置場所考えて」
「『医』『食』を笑顔に」読む写真 ※キッチンカーが無料で食事提供
社会面「中止でも『栄冠は君に』/沖縄6校 監督ら配信」
・読売新聞 12P
「シェア自転車『新様式』の足/3密避け通勤 飲食宅配代行」
「全人代開幕『感染ゼロ』/習政権『正常化』強調」
社会面「自粛店で窃盗多発/『火事場泥棒 許せない』」
・日経新聞 8P
「SNS直売 生産者救う/消費者とのつながり、励み」
「外出そろり 日常探る/関西3府県、宣言解除後 初の週末」
社会面「行き場失う愛煙家/『3密』回避で喫煙所閉鎖」
・東京新聞 8P
「愛され40年 ロケ聖地 居酒屋『酔の助』幕/神保町 老朽化 コロナ追い打ち」
「ブラジル感染33万人に 世界2位/WHO『新たな中心地』」
社会面「最期に会えない/遺体厳重に密封『火葬速やかに』」

【5月22日(金)付】=緊急事態宣言46日目
▼朝刊
・朝日新聞 28P
「黒川検事長きょう辞職/宣言中 賭けマージャン」
「関西3府県 緊急事態解除/首都圏・北海道 25日にも判断」
社会面「あと少し?耐える首都圏/休業続ける焼き鳥店/夜9時でもにぎわう居酒屋」
・毎日新聞 24P
「黒川検事長 きょう辞職/賭けマージャン引責」
「大阪、京都、兵庫 解除/首都圏・北海道 25日判断」
社会面「『危機感なし』市民怒り/『3密』賭けマージャン」
・読売新聞 28P
「大阪・兵庫・京都を解除/首都圏・北海道 25日にも判断 緊急事態宣言」
「黒川検事長が辞表/賭けマージャン 訓告」
社会面「『黒川氏の辞職 当然』/検察 賭けマージャン非難」
・日経新聞 34面
「首都圏 25日にも判断/関西3府県 緊急事態解除」
「マイナス金利 政策論議再び/英米導入を市場織り込む」
社会面「検察の信頼 大きな傷/黒川氏辞表 コロナ下、批判の声」
・産経新聞 24P
「黒川検事長が辞職/賭けマージャン認め引責 訓告処分」
「東京など25日判断/緊急事態 大阪・京都・兵庫 解除」
社会面「『検察の信用 失墜させた』/突き放す幹部やOB」
・東京新聞 22P
「黒川検事長 辞表を提出/賭けマージャン認める」
「近畿3府県 緊急事態解除/首都圏・北海道は25日判断」
社会面「『こんな時期になぜ』/『国民の信頼失われた』法務・検察に激震」

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 ※黒川検事長の賭けマージャン問題で、産経新聞は1面に4段見出しでおわびを掲載しました。取材であっても違法な賭けマージャンは許されない、との論旨です。朝日新聞は1面下部に2段見出しで広報担当執行役員のおわびコメントを掲載。前日と同じく、取材活動ではない社員の行動との位置付けです。

▼夕刊
・朝日新聞 12P
「東京緩和3段階/飲食店 午後10時まで延長→学習塾・劇場・映画館を解禁→パチンコ・漫画喫茶もOK」
「森法相が進退伺提出 首相慰留/黒川検事長辞職 閣議承認」
社会面「全国一斉 希望の花火を/苦境の業者 同時打ち上げ計画」
・毎日新聞 10P
「黒川検事長辞職 承認/政府 賭けマージャン『遺憾』」
「中国 成長目標設定せず/全人代開幕 コロナ対策『成果』」
社会面「情報収集 もろさ露呈/31保健所→ファクス1台/コロナ感染者 集計ミス123人」
・読売新聞 12P
「中国 成長率目標見送り/全人代開幕 軍事費6.6%増」
「黒川氏後任 林氏が軸/辞職承認 法相が陳謝」
社会面「ごみリサイクル 悲鳴/巣ごもり 廃プラ急増」
・日経新聞 12P
「中国、成長率目標見送り/全人代開幕 コロナ『終息せず』」
「企業金融支援 総枠75兆円/日銀、臨時会合で拡充決定」
社会面「黒川検事長 なぜ『訓告』/賭けマージャン 検察OBら疑問」
・東京新聞 8P
「黒川検事長の辞職承認/政府 退職金支払いへ」
「中国、成長目標設定せず/全人代2カ月半遅れで開幕」
社会面「異国で築いた幸せ 暗転/自粛あおり ミャンマー難民の店 苦境」

【5月21日(木)付】=緊急事態宣言45日目
▼朝刊
・朝日新聞 30P
「黒川検事長が辞意/賭けマージャン認める」
「夏の高校野球選手権中止/新型コロナ 影響を考慮」
社会面「球児の夢 夏もかなわず/選手『挑戦もできず悔しい』 監督『かける言葉見当たらない』」
・毎日新聞 24P
「夏の甲子園中止/79年ぶり 感染拡散回避」
「北海道・首都圏 継続へ/緊急事態宣言 感染数基準上回る 政府きょう決定」
社会面「最後の夏 願い届かず/『残念』『今後に生かす』」
・読売新聞 28P
「ES細胞 初の移植/肝疾患の新生児に 国立成育研」
「夏の甲子園 中止/戦後初 地方大会も」
社会面「夏の夢も消えた/球児『練習、何を目標に』」
・日経新聞 32P
「世界の社債発行 最高に/低コストで資金確保 4月67兆円」
「自治体、第2波備え/PCRセンター 1カ月で全国110カ所」
社会面「遠隔授業 通信スムーズに/大学、サーバーダウン対策共有/海外交流へノウハウ蓄積」
・産経新聞 26P
「蔡総統 一国二制度を拒否/中国に対等な対話要求 台湾2期目就任」
「緊急事態宣言 40知事『効果』/本紙全国アンケート 権限強化 4割『法改正必要』」
社会面「『夏こそ』球児の夢散る/『甲子園連れて行きたかった』」
・東京新聞 24P
「黒川検事長 辞任論強まる/『賭けマージャン』報道」
「夏の甲子園 中止決定/高野連 戦後初、地方大会も」
社会面「『9月入学』難しい宿題/国際化に利点・教員、保育現場に負担」

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 ※黒川検事長の賭けマージャン報道(週刊文春)の問題を、産経新聞は3面に掲載。東京本社編集局長の説明も載せています。取材源の秘匿の責務があり、文春側には「取材に関することにはお答えしていない」と回答したが、取材過程で不適切な行為が伴うことは許されないと考えており、そうした行為があった場合は社内規定にのっとって適切に対処する、との内容です。朝日新聞は1面トップ。社の見解は第2社会面です。「勤務時間外の社員の個人的行動」の位置付けです。
 在京他紙の扱いは以下の通りです。
・毎日:社会面左肩「黒川検事長の交代検討/法務省 賭けマージャン文春報道」
・読売:1面「黒川検事長、辞任の意向/緊急事態中 マージャン報道」
・日経:4面(政治)「黒川検事長 辞任論強まる/報道受け与党内でも」
・東京:1面トップ「黒川検事長 辞任論強まる/『賭けマージャン』報道」

▼夕刊
・朝日新聞 12P
「黒川検事長辞意 伝達/賭けマージャン処分検討/政府高官『一両日中に対応』」
「関西解除 新たな日常へ/緊急事態 首都圏と北海道は継続」
社会面「球児の進路 監督バックアップ/仙台育英 選手のPV」
・毎日新聞 8P
「黒川検事長辞職へ/賭けマージャン認める/官邸、総長の辞職要求」
「近畿解除 諮問委が了承/緊急事態宣言 政府、午後決定」
社会面「名将贈る言葉/甲子園中止で球児へ」横浜・渡辺元監督、智弁和歌山・高嶋前監督
・読売新聞 12P
「大阪・京都・兵庫解除へ/諮問委了承 感染目安下回る 緊急事態宣言」
「黒川検事長辞職へ/賭けマージャン認める」
社会面「味な支援 ネットで/銀座の名物 物々交換 農産品 J選手がPR」
・日経新聞 10P
「大阪・京都・兵庫 解除へ/緊急事態宣言 政府、今夕決定」
「黒川検事長、辞意固める/賭けマージャン認める」
社会面「法務・検察当局に衝撃/『まさか』『タイミング最悪』黒川氏辞意/総長候補 突然の退場」「定年延長巡り波紋」
・東京新聞 8P
「黒川検事長 辞職へ/緊急事態中 賭けマージャン/法務省の聴取に認める」/解説「安倍内閣の責任重く」
「首都圏・北海道 継続へ/諮問委 近畿3府県解除を了承」
社会面「政界に豊富な人脈/『花の35期』総長有力候補/菅氏、法改正は『必要』」/「賭けマージャン 賭博罪で立件も」/「検察幹部不祥事 過去も/証拠改ざん隠蔽、収賄…」/「定年延長 全弁護士会が反対」

【5月20日(水)付】=緊急事態宣言44日目
▼夕刊
・朝日新聞 8P
「リモート時代 見つけた商機/缶ビール片手 自宅から接客・画面越し 一緒にヨガ」
(NEWSダイジェスト「『圏域の一体性』解除で配慮要求へ」など3本)
社会面「下町ロケットの知 不況の波/町工場 増税にコロナ追い打ち」
・毎日新聞 8P
「ビッグデータ活用 官民一体/携帯位置情報で街の人出分析」
(NEWS FLASH「対応検証決議採択 WHO総会閉幕」など4本)
社会面「営業再開 生きるため/休業要請対象外 業界の苦悩/横浜・美容室経営の男性」
・読売新聞 12P
「『首都圏の一体性配慮を』/知事会提案 政府判断控え 緊急事態解除」
「解雇2か月 職なく/『正気保つのに必死』失業90万人予想」コロナ最前線@NY
社会面「消毒用お酒 蔵出し/ハーブの香り・在庫ビールで」
・日経新聞 12P
「中国勢の米上場 制限へ/ナスダック 米中摩擦飛び火」
「WHO、協調へ不安残す/米中対立 溝埋まらず」
社会面「立ち会い出産制限 心細い/オンライン中継の病院も」
・東京新聞 8P
「川内原発2号機 停止/テロ対策遅れ 2例目」
「長旅も出張も 予約で安心/新幹線『特大荷物』発車」
社会面「ウイルスとも『共生』を/造形作家・中垣さん 新作で表現」

検察庁法改正反対 民意の高まりの発起点~コロナ禍の下の政治意識とマスメディア

 新型コロナ禍の緊急事態宣言が続く中で、国会採決の強行が危惧された検察庁法改正案は5月18日の月曜日、政府・与党が今国会での採決見送りを決めました。「束ね法案」としていた国家公務員の定年延長法案丸ごとの措置です。5月8日の衆院内閣委での審議入り以降、ツイッターで検察庁法改正案に反対の投稿が相次ぎ、著名人も次々に加わったことを社会現象としてマスメディアが追随して報じる流れが続きました。コロナ禍に政府がどう対応するのか、政治への関心が高まっていたことが大きな力を生む元になったと感じます。元検事総長らが異例の反対表明を行ったことも含めて、ネット上に表れた民意が現実を動かしたという、かつてなかった出来事であり、コロナ禍の下で起きた社会の大きな変化と言っていいのではないかと考えています。
 しかし、これをマスメディアの組織ジャーナリズムに引き寄せて考えると、8日の衆院委の審議入りがニュースとしては決して大きく扱われていなかったことに留意しておく必要があると思います。このブログの以前の記事に書きとめていますが、9日付の東京発行新聞各紙の扱いを例に取れば以下の通りです。1面に入れたのは朝日だけで、読売新聞は見出しに「検察」の2文字がなく、日経新聞、産経新聞は記事が見当たりませんでした。

・朝日新聞:1面「検察の定年延長 与党が審議強行/法相出席応じず 野党反発」
・毎日新聞:3面「野党が審議欠席/与党の法相出席拒否で 検察官定年」
・読売新聞:3面「『65歳定年』法案 実質審議入り/一部野党欠席」
・日経新聞 ※見当たらず
・産経新聞 ※見当たらず
・東京新聞:3面「検察官対象に反発 野党が審議を拒否/衆院委 国家公務員定年延長法案」

news-worker.hatenablog.com

 ツイッター上で最初に「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグを投稿した方のブログ記事を読みました。そこには以下のように書かれています。

 4月から法案の行方が気になってはいたのですが、5月8日(金曜日)にいきなり内閣委員会で野党欠席のもと審議されて、来週には法案が通ることになったというニュースを見て震え上がりました。マスコミも大々的に報道せず、こっそり隠して採決まで持ってこうとしているようにも見えました。いても立ってもいられなくなり、とりあえず金曜の夜に1人でTwitterデモをやってみました。自分から発信した初めてのオンラインデモでした。

note.com

 留意すべきは、反対の民意の高まりの発起点が、マスメディアの報道というよりも、報道が少なかったことだったと考えた方がいいのではないか、ということです。コロナ禍による社会の変化、その後の社会のありようを考える時に、マスメディアの組織ジャーナリズムはどうなるのか、何ができるのか、何を目指すべきなのか。様々に考えています。

 ※検察庁法改正案の今国会採決見送りは、東京発行の新聞各紙も19日付朝刊で大きく扱いました。朝日、毎日、読売、東京の4紙が1面トップ、日経、産経両紙も1面で報じました。

f:id:news-worker:20200520173027j:plain

 ※検察官の定年延長を巡るさまざな問題の発端は、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を安倍晋三政権が1月に閣議で決めたことでした。その黒川氏を巡って週刊文春が21日発売号で、新聞記者との賭け麻雀を報じることが明らかになりました。黒川氏が職にとどまることは難しいようです。思いもかけなかった展開です。成り行きを注視しています。 

※47news=共同通信「黒川検事長、辞職は不可避 与野党批判、検察幹部も」2020年5月20日 

https://this.kiji.is/635726883844588641?c=39546741839462401

this.kiji.is

 

緊急事態宣言下 在京紙報道の記録11:5月16日~20日付

 緊急事態宣言下の在京各紙1面と社会面の記録の続きです。21日には京都、大阪、兵庫の緊急事態宣言が解除の見通しと報じられています。国会採決の強行が危惧された検察庁法改正案は週明け18日の月曜日、政府・与党が今国会での採決見送りを決めました。19日付朝刊では各紙とも1面で扱っています。

【5月20日(水)付】=緊急事態宣言44日目
▼朝刊
・朝日新聞 32P
「最新ミサイル性能漏洩か/三菱電機 防衛省が調査」「サイバー攻撃 戦争に発展も」日米安保の現在地 近未来の同盟
「米、WHO脱退示唆/トランプ氏 コロナ対応批判」
社会面「案里氏秘書、主導役を否定/違法報酬公判 起訴内容認める」
・毎日新聞 26P
「近畿3府県あす解除 調整/北海道・首都圏 困難」
「リーダー不在 危うく/米・国際政治学者 イアン・ブレマー氏」ポストコロナの世界
社会面「検査泣く『陰性』不安/『以前の生活戻れず』『家族とどう接すれば』」
・読売新聞 32P
「緊急事態 関西の解除有力/政府 感染状況 あす判断」
「WHO拠出金 恒久停止も/米大統領 脱退示唆の書簡」
社会面「長い拘束 被告に不利益/『認知症進む可能性』 裁判員裁判延期」※1面に本記
・日経新聞 36P
「中小企業にも資本注入/数百社に500億円規模 2次補正」
「ワクチン開発 米中攻防/量産課題、奪い合い懸念」
社会面「職場感染 拭えぬ不安/相談増、労使交渉も」
・産経新聞 28P
「近畿3府県あす解除で調整/東京・神奈川 目安届かず」
「『人間善』求める時代終わる/完全に元の生活には戻らない」慶大教授 安宅和人氏 コロナ 知は語る
社会面「子育てや介護で辞退 常駐医師確保に時間/軽症者の宿泊療養 見えてきた課題」
・東京新聞 24P
「申告の区分で対象外/○『事業収入』×『雑所得』『給与所得』/最大100万円 持続化給付金」
「倒産 1万件超見通し/帝国データ 休廃業は2万5000件」
社会面「先生 心配いっぱい/再開後の学校 勉強ばかりに?/『人と関わる力 育めるか』」

【5月19日(火)付】=緊急事態宣言43日目
▼朝刊
・朝日新聞 26P
「検察庁法改正 今国会断念/政府、世論の反発受け」
「GDP 年率3.4%減」
社会面「抗議の渦 政権動かす/検察庁法改正案『油断できぬ』『撤回まで』」
・毎日新聞 24P
「検察庁法改正見送り/世論反発で転換」
「GDP2期連続減/1~3月 年マイナス3.4%」
社会面「歴代特捜検事も声上げ/『定年延長 中立性崩す』」
・読売新聞 28P
「検察庁法案 今国会見送り/政府・与党 『定年特例』反発受け」
「GDP2期連続マイナス/1~3月 コロナ影響 年3.4%減」
社会面「子供の感染 家庭8割/育児中『防ぐのは難しい』」
・日経新聞 32P
「アリババ株1.25兆円 現金化/ソフトバンクG最終赤字1.4兆円 1~3月」
「ファーウェイ、スマホ生産打撃/TSMCが新規受注停止」
社会面「農産品や牛乳 行き場失う/休業・休校で生産者苦境」
・産経新聞 24P
「中国 コロナ対策に20億ドル/習氏表明 責任論回避 WHO総会開幕」
「検察庁法案 今国会断念/首相『国民の声に耳傾け』」
社会面「DV被害 コロナが覆う/配偶者在宅 相談の障壁」
・東京新聞 22P
「検察庁法案 今国会断念/うねる民意 首相追い込む」
「新卒抑制26%に拡大/21年度採用 主要111社、不況警戒」
社会面「『#抗議します』届いた/今国会見送り『廃案まで黙らない』」

▼夕刊
・朝日新聞 10P
「コロナの先へ 踏み出す世界/米ワクチン、8人で抗体確認」
「NY株911ドル高/東証も好感」
社会面「宣言解除でも…悩む『東京都湯沢町』/首都圏の客殺到? 町『営業自粛お願い』」
・毎日新聞 8P
「筋肉意識 コロナ太り撃退/アスリート支える専門家に聞く体づくり」
(NEWS FLASH「外交青書『コロナ世界で猛威』など5本」
社会面「世界初 宇宙スタジオ/ISSに解説へ JAXA・民間企業」
・読売新聞 12P
「米、WHO脱退示唆/対中国 見直し迫る」
「月探査30センチ衛星 JAXA/着陸・観測 来年にも2基」
社会面「店と大家 共倒れ防げ/猶予や融資申請手助け」
・日経新聞 10P
「ソニー、『金融』完全子会社化/今夏めど 4000億円でTOB」
「米ワクチン 抗体確認/モデルナ『初期の治験、有望』」
社会面「コロナ 子供も知りたい/感染仕組みや予防 ネットや本で イラスト使いやさしく」
・東京新聞 8P
「ライブハウス 救いたい/アーティスト 曲やデモ音源提供」
「困窮学生に最大20万円/対象43万人想定 閣議決定」
社会面「NO密 おうち演劇/劇団ノーミーツ 稽古も本番もオンライン」

【5月18日(月)付】=緊急事態宣言42日目
▼朝刊
・朝日新聞 22P
「河井夫妻、30人に700万円超/参院選前に持参 県議、市議ら証言」
「検察庁法改正案『反対』64%『賛成』15% 本社世論調査」
社会面「『ひとつ応援を』残された封筒/克行議員、案里氏の選挙前 中には5万円」
・毎日新聞 24P
「公営入居相談 全国1106件/リーマン1年分の4分の1提供」
「人出戻った? 『解除』後初の日曜」
社会面「コロナ 住まいまでも/仕事奪った『リーマン』、大震災」
・読売新聞 28P
「検察庁法案 見送り検討/今国会 世論反発に配慮」
「介護『コロナ手当』助成/厚労省 事業継続を後押し」
社会面「夜8時以降 営業続々/都内飲食店『もう限界』」
・日経新聞 24p
「ネット診療 世界で拡大/米英中は保険適用」
「コロナ経済対策 環境重視/航空→鉄道/温暖化ガス削減」
社会面「『自粛警察』危うい正義感/『オミセシメロ』店を脅す貼り紙」ドキュメント日本
・産経新聞 24P
「米中 台湾産科で対決/WHO『新冷戦』の舞台」
「地球環境視野に教訓生かせ/国家エゴに利用されるな」米進化生物学者 ジャレド・ダイアモンド氏 コロナ 知は語る
社会面「子育て支援に空白/『感染拡大怖い』乳幼児健診休止相次ぐ」
・東京新聞 20P
「高3 入試不安/家で学習できる人と格差 初の共通テストは?」
「関連NPOが口座管理/ホームレス支援不正 主導か」
社会面「ダミー会社で経費補う/NPO 水増し受給させ捻出」

▼夕刊
・朝日新聞
「検察庁法案 今国会見送り浮上」
「GDP打撃 年3.4%減/2期連続 消費・訪日客、コロナで減 1~3月期」
社会面「母国語の本 借りたいな/図書館 外国人向けサービス途上」
・毎日新聞
「検察庁法改正 今国会断念/定年延長 反発強く」
「GDP年3.4%減/1~3月期 2期連続マイナス」
社会面「政府9月入学3案/課題多く今年は見送り」
・読売新聞 12P
「GDP 年3.4%減/2期連続マイナス コロナ影響 1~3月」
「検察庁法案 見送りへ調整/政府・与党 国家公務員法改正も」
社会面「口元彩る職人魂/マスク 染織で・祭り衣装で」
・日経新聞 10P
「GDP年率3.4%減/2期連続マイナス 1~3月実質」
「米コロナ検査7割増/今月、1日30万件 官民一体で加速」
社会面「婚活パーティー 肩書査証相次ぐ/『身分証確認の徹底を』」スコープ
・東京新聞 8P
「検察定年延長 見送り調整/今国会、世論反発受け」#ウオッチ 検察庁法改正案
「GDP年3.4%減/1~3月期 2期連続マイナス」
社会面「『検察の独立性 損なう恐れ』/元特捜部長ら38人も意見書」

【5月17日(日)付】=緊急事態宣言41日目
・朝日新聞 24P
「屋形船 独り歩きした感染経路/中国客との結びつき 都が示唆」(2面へ)プレミアムA 東京100days ※紙面とデジタルで
「教員2.8万人不足の推計/来秋9月入学 待機児童も増」
社会面「手探りの週末/緊急事態 範囲縮小/都内の商業施設 体温チェック・茨城の海岸『自粛』看板」
・毎日新聞 24P
「授業料減免 大学に助成/政府方針 対象者に一定基準」
「新卒採用『減らす』26%/主要111社調査 前年比10ポイント増」(共同通信)
社会面「みとりに壁 対面できず/感染防止 遺族、喪失感深く/『カメラ越し』実現も」
・読売新聞 28P
「『手術前にPCR』3割超/本社調査 院内感染対策で 特定機能病院」
「救済一時金申請7.6%/法施行1年 制度周知に課題」
社会面「自慢の味 行き場なく/給食用野菜2.5トン破棄」コロナ最前線@食の流通
・日経新聞 28P
「忍び寄る世界デフレ/慢性化回避 時間との闘い」チャートは語る・AR
「唾液のPCR検査試薬/タカラバイオ 自分で採取可能」
社会面「観光地 戻らぬ日常/飲食スペース閉鎖・休業継続/39県『緊急事態』解除も厳戒態勢」
・産経新聞 24P
「『尖閣支配』試される日本/領海侵入の抗議も効果なく/中国、コロナ禍の隙突き海洋攻勢」
「繁華街 再開手探り/担当相『気の緩み』警戒」
社会面「観光地 静寂は続く/『第2、3波の方が怖い』/解除39県 初の週末」
・東京新聞 20面
「給付金に過剰手数料/『事業者支援』10~20%請求続々」
「7年 質問無視され続けた」空気は、読まない。首相会見を変えたフリージャーナリスト 江川紹子
社会面「困窮の学生 危ういバイト/『チャットレディ』性的行為教養被害も/休業で稼げず 減る貯金 やむなく応募」

【5月16日(土)付】=緊急事態宣言40日目
▼夕刊
・朝日新聞 8P
「家にいても 平和運動しよう/若者発 オンラインで『勝手にNPT会議!』」
「眠らぬクリニック」PhotoStory プレハブ個室のクリニック・埼玉県三芳町
社会面「共にコケて半世紀/『日本一有名なイス』文枝さんの分身・相棒」
・毎日新聞 10P
「虫捕り来島『自粛して』/沖縄 コロナ拡大懸念」
「渋谷 消えた広告」読む 写真
社会面「ゴールデン街もネット活路/外出自粛下『灯消すな』」
・読売新聞 12P
「輸入フルーツ品薄/バナナ 都市封鎖 収穫遅れ マンゴー 航空便激減 運べず」
「独、2か月ぶり国境開放/ルクセンブルクと『待ち望んだ日』」
社会面「行楽地 湿る出足/検温、ショー座席半分に」
・日経新聞 8P
「eスポーツで社内結束/飲み会に代わる交流機会」
「米下院、追加対策を可決/3兆ドル、野党主導 与党は対案検討」
社会面「『コロナごっこ』子の不安映す/『小さな変化にも注意を』」
・東京新聞 8P
「妊娠中の医療職守って/配慮求めネット署名3万8000筆 厚労省に提出」
「再開 待ちわびた/不安 第2波は」
社会面「2mってこれくらい 『アビイ・ロード』のビートルズ・クロマグロ1匹/感染予防の距離 ユニークに照会」

「やはり撤回しかない」「禍根残す」「憲政史に汚点」~検察庁法改正案 新聞各紙の社説、論説(5月14日以降)

 特定の幹部検察官の定年を内閣、法相の判断で延長できる特例を設けた検察庁法改正案は、当初与党が目指したとされる週内の衆院内閣委での採決には至らず、週明けに持ち越しになりました。8日以降、ツイッターでは法案に反対するハッシュタグが次々に生まれ、投稿が続いています。コロナ禍の中でのバーチャルデモとして、民意の新しい表現方法が生まれつつある(あるいは生まれた)と言っていいように感じます。15日には松尾邦弘・元検事総長ら検察OBが、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を違法・無効と指摘し、検察庁法改正案に反対する意見書を法務省に提出。「法が終わるところ、暴政が始まる」との政治思想家ジョン・ロックの著「統治二論」の言葉を引用した意見書は、マスメディアでも大きく報じられました。
 そうした中で、新聞各紙も断続的に社説、論説で改正案を取り上げています。ここでは5月14日以降の社説、論説について、可能な範囲で見てみました。「やはり撤回しかない」(朝日新聞)、「拙速な改正は禍根を残す」(日経新聞)、「国民の理解を得られるか」(北國新聞)、「強行は憲政史に汚点残す」(琉球新報)など、批判的ないしは懐疑的な見出しが並びます。
 以下に、内容を読むことができたものは一部を引用して書きとめておきます。17日午前の段階でネット上で読むことができるものは、リンクも張っておきます。

 5月13日以前の社説、論説については、以下の過去記事にまとめてあります。

news-worker.hatenablog.com

news-worker.hatenablog.com

【5月17日付】

・南日本新聞「[検察官定年延長] 広がる反対 受け止めよ」
 https://373news.com/_column/syasetu.php?storyid=119684

 検察は行政機構の一部だが、強力な権限を持ち、時には政権の疑惑にメスを入れる。だからこそ高い独立性と中立性が要る。特別法の検察庁法が設けられているのもそのためである。
 今回のような特例規定を設ければ、時の政権が人事で検察に介入できる恣意(しい)的な運用の恐れがあることは、日弁連はじめ多くの法曹関係者、識者が指摘している。
 黒川氏の定年延長に際して、政府は立法府の手続きを踏まないばかりか文書にも残さず、口頭で内閣法制局や人事院の決裁を得たとする。およそ「法の支配」と呼べないやり方は批判されて当然だろう。
 安倍晋三首相は衆院本会議や会見の場で改正案について「恣意的な人事が行われることはない」と繰り返す。それでも国民の納得が得られないのは、全てここから始まっている。
 検察が厳正中立であることは国民の信頼の源泉に違いない。インターネットなどを通して関心が広がったのも、それが損なわれることを懸念するからではないか。「法治国家」の存在意義が問われている。
 

【5月16日付】
・朝日新聞「検察庁法改正 やはり撤回しかない」
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14477736.html

 戦後つくられた検察庁法は「検事総長は65歳、その他の検察官は63歳で退官」と定め、年齢以外の要素を排除している。政治が介入する余地を残すことで、職務遂行の適正さや検察の中立性が損なわれるのを防ぐためだ。このルールは、1月末に安倍内閣が東京高検検事長の定年延長を決めて留任させるまで、例外なく守られてきた。
 法案は今回の「特例」を制度化するもので、検察官のありようの根源的な見直しとなる。政府はその詳しい理由とあわせ、延長を認める具体的な基準も示して、国会の審議を仰ぐのが筋だ。だが法相は「これから適切に定める」と繰り返し、理解を求めた。そんな白紙委任のようなまねができるはずがない。
 法相に限らない。安倍首相は「検察官も行政官であることは間違いない」と述べ、内閣の統制に服するのを当然のようにいう。司法と密接に関わり、政治家の不正にも切り込む検察の使命をおよそ理解していない。
 時の政権が幹部人事への影響力を強めることが、検察をどう変質させ、国民の信頼をいかに傷つけるか。きのう松尾邦弘・元検事総長ら検察OB有志が、改正案に反対する異例の意見書を法務省に提出したのも、深刻な危機感の表れだ。

・毎日新聞「検察庁法改正案 疑念は何も解消されない」
 https://mainichi.jp/articles/20200516/ddm/005/070/070000c

 元検事総長ら検察OBが改正案に反対する異例の意見書をきのう法務省に提出した。抗議の声は国民の間にさらに拡大している。
 懸念する意見は与党にもある。ところが、採決の際には退席する考えを表明した内閣委の自民党委員を即座に差し替えるなど同党執行部は異論封じに躍起だ。公明党も「しっかり説明を」と繰り返すだけでひとごとのようだ。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止に力を注ぐべき時に与野党対立をあおる改正案の成立を急ぐのは、「当面総選挙はなさそうで、それまでには国民は忘れる」と高をくくっているとしか思えない。

・日経新聞「拙速な検察庁法の改正は禍根を残す」

 こうした政府の判断による特例措置は、検察の政治的中立性や独立性に懸念を抱かせる。検事総長人事などに政権の意向が反映されているのではと受け止められるだけで、検察の捜査や刑事処分に対する信頼が揺らぎかねない。
 委員会での審議は8日に始まったばかりだ。政府・与党は今国会での成立を目指して先を急ぐが、ことは検察組織にとどまらず、刑事司法の根幹にもかかわる。
 数の力で審議を打ち切ったり、採決に持ち込んだりしてよい話ではない。将来に禍根を残さないよう十分に時間をかけ、国民に分かりやすい丁寧な議論を行うよう求める。

・北海道新聞「検察庁法改正案 撤回せねば独立危うい」
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/421397?rct=c_editorial

 森雅子法相は野党から衆院内閣委員会での審議に出席するよう強く求められ、きのう答弁に立ったが、定年延長に特例を設けるべき根拠を具体的に示せなかった。
 そもそも昨年秋に内閣法制局が了承した改正案に特例規定はなかった。前例のない黒川氏の定年延長を国会で追及されたため、検察官全体に延長特例を広げて、批判をかわそうとした疑いが濃い。
 安倍晋三首相は特例適用時の要件について「事前に明確化する」と繰り返している。だがいまだ黒川氏の定年延長の根拠すら明確に示しておらず、説得力はない。
 法案採決は持ち越されたが、問題は延長要件の中身ではない。特例を認めること自体である。

・岩手日報「検察庁法の改正 今なぜ無理を通すのか」

・中日新聞・東京新聞「法が終わり、暴政が… 検察庁法改正案」/政権の意に忖度しては/「特例」人事を削除せよ/「正しいこと」を行えと
 https://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2020051602000110.html

 「今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺(そ)ぐことを意図していると考えられる」-検察OBたちはずばり法案の意図を読んでいる。
 (中略)
 国家公務員の定年を六十五歳とするのに合わせて検察官の定年を六十五歳とする-これに異論はない。問題なのは政権による「特例」の人事を認める規定である。
 十本もの法案を一括した「束ね法案」になっているから、この特例部分を分離・排除すればよいのだ。野党も主張している。法務省も昨年段階までは、そのような内容の原案をつくり、内閣法制局の内諾も得ていたはずである。特例部分の削除は容易にできると考える。
 安倍晋三首相は十四日の記者会見で恣意(しい)的な人事を否定し、「三権分立は侵害されない」と述べたが、いったい誰がこの言葉を信じよう。内閣人事局を通じ「安倍カラー」の人事を乱発し、霞が関の官僚を操ってきたのではなかったか。検察で同じことが起きる可能性は十分にある。
 衆院内閣委員会での審議の在り方に与党議員から疑義も出ていた。委員だった自民党の泉田裕彦議員(新潟5区)が「国会は言論の府。審議を尽くすことが重要であり、強行採決は自殺行為だ」と表明したとたん、自民党は別の議員に差し替えてしまった。
 この出来事に歌手で女優の小泉今日子さんは「もうなんか、怖い」とツイートした。あまりに強権的な自民党の体質にも不信が出ていることを知るべきである。

・北國新聞「検察庁法改正案 国民の理解を得られるか」

 野党側の危惧には、もっともな面もあろう。が、そもそも検察官人事は行政府の人事であり、検事総長や次長検事、検事長は内閣が任免し、天皇が認証する。内閣の恣意が入る余地をなくすべきというのであれば、人事制度自体を考え直さなければなるまい。
 また、検察の独立性を絶対視して内閣が人事に関与できないとすれば、「検察権力」の独走の恐れもなしとしない。国民の監視下で人事を適正に行うにはどのような制度がよいのか。検察庁法改正案は本来、そうした本質的問題も含め、国家公務員法改正案と別に審議するのが筋ではないか。
 公務の運営上、幹部の留任を認めざるを得ない場合があることを理解するとしても、具体的にどのような事態を想定しているのか、政府は明らかにしておらず、説明不足は否めない。一方、改正法が今国会で成立しても、施行は22年度で、65歳定年の完全実施は30年度からである。異例の定年延長が決まった黒川弘務東京高検検事長の問題と、検察庁法改正案は直接関わるものではなかろう。

・琉球新報「検察庁法の改正 強行は憲政史に汚点残す」
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1122958.html

 会員制交流サイト(SNS)のツイッター上では衆院内閣委での「強行採決に反対する」という書き込みが15日、70万件を超えた。与党議員は国民から湧き上がる抗議の意思表示に、何も感じないのか。
 自民党議員の一人は、強行採決をするなら退席する意向を示し内閣委から外された。同様の動きが広がらないのは末期的症状と言える。改正を強行するなら憲政史上に汚点を残す暴挙となるだろう。
 為政者が民の声を顧みなくなったとき、独裁政治が始まる。それを防ぐのは国会の重大な使命だ。

【5月15日付】
・山陽新聞「検察庁法改正案 批判を受け止め再考せよ」
 https://www.sanyonews.jp/article/1012449?rct=shasetsu

 黒川氏の定年延長に批判が噴出する中での今回の改正案である。法案の作成過程も不自然だ。昨年秋の段階では改正案に特例規定はなく、法務省も不要との見解を示していたという。改正案が、黒川氏の定年延長を正当化するための「つじつま合わせ」とみられても仕方あるまい。
 しかも改正案は国家公務員の定年を60歳から65歳に引き上げる国家公務員法改正案と一緒にした「束ね法案」として国会に提出された。衆院内閣委員会でコロナ対策と同時並行で審議されており、十分な審議が行われているとはとてもいえない。政府、与党は近日中の衆院通過を目指すというが、あまりにも拙速だ。
 改正案に対する批判の声は広がる一方である。日弁連をはじめ、岡山、広島、香川県など全国40の弁護士会が反対声明を出した。元検事総長ら検察OBが反対の意見書を提出する動きもある。会員制交流サイト(SNS)でも著名人らが相次いで抗議の意思を表明している。こうした批判を無視すれば、政権への国民不信は強まるだけだろう。

・宮崎日日新聞「検察庁法改正 恣意的な人事の余地残すな」
 https://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_44965.html

 検察は行政機構の一部だが、捜査から起訴までの強力な権限を持ち、時に政権与党の政治とカネなどの疑惑にもメスを入れる。だからこそ、高い独立性や中立性が欠かせず、それが国民の信頼の源泉でもある。政権の恣意(しい)的な人事の余地は、可能な限り排除すべきではないのか。
 このまま「火事場泥棒」的なやり方で、強行突破すれば、検察の独立性は根底から揺らぐ。まず検事長人事を白紙に戻し、検察庁法改正案の審議は切り離す。法相を答弁席に座らせ、検察の在り方を含め、徹底的な論戦が必要だ。ツイッターでは「検察庁法改正案に抗議します」に同調する投稿が数百万に達した。「法治国家」の存在意義が問われている。


【5月14日付】
・秋田魁新報「検察官定年延長 法案分離し慎重審議を」
 https://www.sakigake.jp/news/article/20200514AK0018/

 定年延長問題は、特定の現職幹部の定年を半年延長する法解釈の変更を1月末に閣議決定したことに端を発する。安倍政権に近いとされる人物を検事総長に据えるためとみられており、各方面に波紋を広げた。
 この解釈変更は、歴代内閣が禁じてきた集団的自衛権行使を可能にした2014年の閣議決定と同じ手法だ。このような形で法解釈を変えることは、「法の支配」を脅かすと憲法学者は警鐘を鳴らす。
 国家権力を法で拘束し国民の権利と自由を守ることを目的とするこの原理は、立憲主義と密接に関わる重要なものだ。解釈変更の危険性は明らかだろう。
 (中略)
 特に定年延長の特例は検察の独立性を揺るがしかねない大きな問題だ。束ね法案から検察庁法改正案を切り離し、もっと時間をかけ慎重かつ多角的に議論すべきだ。強引に成立させて将来に禍根を残してはならない。

・愛媛新聞「政治介入の余地排除が不可欠だ」
・北日本新聞「検察官の定年延長法案/政治不信に拍車掛ける」

39県を解除~緊急事態宣言下 在京紙報道の記録10:5月12日~16日付

 新型コロナウイルス対策として、特措法に基づき全都道府県に出されていた緊急事態宣言について、政府は5月14日、39県を解除しました。北海道、東京、千葉、埼玉、神奈川、京都、大阪、兵庫の8都道府県は継続です。
 翌15日付の東京発行新聞各紙は、それぞれに大きく報じました。1面、総合面、社会面、社説の主な見出しを書きとめておきます。

▽朝日新聞 28P
1面
トップ「緊急事態 範囲を縮小/39県解除 特定5県含む 継続自治体 21日めど再検討/感染拡大なら再宣言も」
「大阪府、休業要請を解除へ」
2面
時時刻刻「経済危惧 出口へ前倒し/39県解除 延長表明10日/政府『第2波』に不安も」「解除基準『他国より厳格に』」「再指定 数値目安避ける」「『大阪モデル』経済との両立強調/数値目標『科学的根拠ない』指摘も」
3面
「経済回復 見通せず」「解除39県 GDPの半分程度/大都市圏 回復に影響」「2次補正 政府の検討本格化/大企業へ資本注入も」
「緩和後に再拡大 規制強化も」
社会面見開き「解除39県 笑顔と不安/8都道府県 増す疲れ」
社説「宣言一部解除 再流行への備え怠るな」

▽毎日新聞 24P
1面
トップ「39県 緊急事態解除/東京など 21日判断/首相、2次補正を指示」「大阪、段階的解除 休業補正」
「39県『感染観察』に」
2面
「数値目標 専門家と溝」「『全国一律』巡り綱引き」「都と隣接考慮 千葉見送り」「感染者減 病床に余裕」
3面
クローズアップ「政府 解除拡大に腐心/経済と感染抑制 両立探る」「自治体 リスク懸念の声」
社会面見開き「元の暮らしへ手探り/学校再開 前倒し探る」
社説「緊急事態の一部解除 感染拡大引き続き警戒を」「コロナ下のWHO総会 台湾参加が国際協調の道」

▽読売新聞 28P
1面
トップ「緊急事態 39県解除/首相、2次補正指示/継続8都道府県『収束へ前進』 新型コロナ」
「事業再開へ感染防止策/業界指針 週休3日や入店制限」
「経済と両立 新段階/政府・専門家会議 『対策緩和なら再燃』」再生への道
2面
「感染防止 中小資金の壁/情報保全も課題 業界指針」
「9月入学検討 次官級チーム/政府方針 首相『有力な選択肢』」など
3面
スキャナー「経済再生 首相決断/活動再開『少しずつ』」「再流行の阻止課題に」「感染・医療・検査 総合的に判断」
社会面見開き「飲食店 まず安堵/首都圏 我慢続く」
社説「緊急事態の解除 油断せず段階的に活動再開を」「2次補正指示 危機回避へ安全網を強化せよ」

▽日経新聞 36P
1面
トップ「首相『県またぐ移動 自粛を』/緊急事態宣言39県解除/休業要請緩和 40超の道府県で」/「『次』への備え 進んだか」
「日産、生産能力2割削減/3社連合、一体で再編」
2面
「経済再開 段階的に探る/再拡大防止と両にらみ」
「産業界 感染防止へ指針/スーパー 試食中止 旅館 入浴を制限」など
3面
「検査・医療 備え欠く/PCRは1万件に届かず ピーク時にICU不足も」
「世界に『第2波』懸念/パンデミックは序章」
社会面「緊張感伴う『新たな日常』/飲食店 再開に不安も 住民ら『生活戻せない』」
社説「再流行警戒しながら慎重に経済再開を」「定着させたい働き方の新常態」

▽産経新聞 24P
1面
トップ「緊急事態 39県解除/8都道府県 21日めど判断/首相、2次補正 編成表明」
「全国3分類し感染対策/専門家会議、警戒継続へ提言」
「大阪 休業要請を段階解除/あすから 指標、7日連続達成」
2面
「首相、生活と雇用重視/長期戦 新たな日常呼びかけ」
「継続の大都市圏 GDP51%」
3面
「第2波備え 基準柔軟/緊急事態 再指定の数値定めず 専門家会議」「大阪、業種別に感染防止策」
「制限緩和 海外は/活動再開に条件/新規感染者増なら停止」
社会面「首都再起動へ 緩み戒め/『第2波 大きければ危機的』」
社説(「主張」)「緊急事態39県解除 感染対策と経済の両立を/『3密』避ける行動を続けたい」/気を緩めれば再拡大へ/学校の再開も工夫せよ

▽東京新聞 24P
1面
トップ「緊急事態 39県解除/特定警戒8都道府県 21日検討/首相『3密回避継続を』」
「東京見送り 警戒続く/首都圏 千葉・埼玉・神奈川も」
2面
核心「解除 あいまいさ残る/緩和と感染防止 地域任せ/再流行リスク 消えず」
3面
「首相 政治決断封印/基準重視 知事らに押され」「感染状況で3区分化/地域対策 専門家会議提案」
「再開 変わる働き方/出勤時検温 オンライン名交換 作業2メートル間隔 時間ずらし着替え 経団連 感染防止へ指針」
社会面「『日常』へ一歩 不安なお/『お客さま受け入れられる喜びはある』『感染者増えるのは怖い』/群馬・伊香保温泉 秋田・沖縄・長野」
社説「緊急事態宣言 再流行へ警戒怠れない」「首都圏の対応 活動再開には慎重さを」

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 以下は1面と社会面の記録の続きです。
【5月16日(土)付】=緊急事態宣言40日目
▼朝刊
・朝日新聞 32P
「検察定年延長 採決先送り/衆院委 竹田担当相 不信任案」
「都、段階的緩和指標 7項目/感染1日20人未満など」
社会面「検察OB 公然と反対/『三権分立否定つながりかねない』」
・毎日新聞 26P
「都が休業緩和3指標/感染1日20人未満 経路不明50%未満 前週より減少」
「検察庁法案 採決先送り/野党、担当相不信任案提出」
社会面「元検事総長 異例の反対/『法改正 検察 封じ込め意図』」
・読売新聞 30P
「休業解除 都が7指標/感染1日20人未満 経路不明50%未満 週単位で減少」
「企業の半数以上減益/3月期最終利益 コロナ打撃」
社会面「東京モデル 慎重基準/知事 『出口』表現避ける」
・日経新聞 36P
「レナウンが民事再生/コロナで上場企業初」
「在宅勤務 制度見直し/日本型時間管理に限界」
社会面「大舞台 夏も消える/甲子園大会 戦後初の中止へ」
・産経新聞 26P
「都、休業解除へ7指標/新規感染20人未満など」
「需要消失 派遣切り最悪/企業経営・働き方変え復活図れ」コロナ 21世紀の大恐慌
社会面「新たな日常 一歩/緊急事態解除の街 さまざま/映画館 密集状態避ける 百貨店 出入り口で検温」
・東京新聞 26P
「『政権の意のまま』懸念/元検事総長ら『適正・公平 理念崩れる』/政府へ反対意見書」#ウオッチ 検察庁法改正案
「法相 延長基準説明できず/野党 行革不信任案を提出/衆院委採決先送り」
社会面「路上生活者 給付金もらえず/住民登録 高いハードル」

【5月15日(金)付】=緊急事態宣言39日目・拡大30日目
▼夕刊
・朝日新聞 10P
「再始動の朝/『休業で犬もストレス』準備急ぐ 茨城・観光施設/『スタッフに会えるのうれしい』福岡・雑貨店/『気緩めたら、また』愛知・通勤客」
「宣言続く街『補償ないと不安募る』」
社会面「学生のリスク 透ける世相/11年 悪質な宗教団体・14年 就活・20年 災害」
・毎日新聞 8P
「抗体検査1万件実施へ/厚労省 来月めど/検査キット性能評価 陽性率 都内0.6%」
「東大抗体検査も0.6%」
社会面「アマビエの次は… 『黄ぶな』でコロナ退散/宇都宮 無病息災の伝説 再注目」
・読売新聞 12P
「都、休業解除に7指標案/感染1日平均20人未満 経路不明者が50%未満」
「抗体検査1万人実施/厚労省、来月にも 東京や大阪で 新型コロナ」
社会面「都内 緩めず再開/入店前検温・『立ち読み遠慮を』」
・日経新聞 12P
「中国、工業生産プラス/4月 4カ月ぶり、3.9%増」
「『新しい日常』始動/緊急事態解除の愛知や福岡」
社会面「8都道府県 まだ我慢/東京や北海道 警戒継続『息詰まる』」
・東京新聞 8P
「抗体調査 来月1万人規模/東京500検体 0.6%陽性 厚労省」
「夏の甲子園 中止へ/選抜に続き」
社会面「少女のSOS急増/『望まぬ妊娠したかも』/社会に不安 居場所求め『大人の支え必要』」

【5月14日(木)付】=緊急事態宣言38日目・拡大29日目
▼朝刊
・朝日新聞 28P
「緊急事態 39県解除へ/きょう決定 愛知・福岡も対象」
「六カ所核燃再処理『適合』/新基準 稼働は見通せず」
社会面「10万円ネット申請 逆に手間/重複・誤記入も受け付け…自治体混乱」
・毎日新聞 24P
「『緊急事態』39県解除/きょう決定 判断基準提示へ」
「原燃再処理工場『合格』/『新基準』で規制委判断」
社会面「『おかしい』#に思い/検察庁法改正案に抗議 初投稿/コロナ対策違和感きっかけ」
・読売新聞 28P
「緊急事態 きょう39県解除/政府 特定警戒5県含め」
「核燃再処理『新基準適合』/規制委了承 夏以降に詳細審査」
社会面「10人部屋『感染怖い』/困窮者向け宿泊所」
・日経新聞 36P
「企業救済へ資本注入/劣後ローン・優先株で迅速に」
「未来への投資 今こそ/待望のワクチン開発」コロナ 出口は見えるか 6
社会面「現金の趣旨・金額が焦点/河井前法相、立件視野に」
・産経新聞 28P
「39県きょう解除決定/8都道府県は継続」
「マイナス成長40%の世界/第2波警戒 V字回復『夢物語』」コロナ 21世紀の大恐慌
社会面「コロナ闘病 心むしばむ/退院の20代男性 経験語る」
・東京新聞 24P
「定年延長『運用基準ない』/行革相、黒川氏と同例『あり得る』 衆院内閣委」#ウオッチ 検察庁法改正案
「10万円支給 14市区が6月以降/関東31市区集計」
社会面「『政権意識』イメージ懸念/定年延長問題 検察内でも波紋/『公正さ疑われる特例』」

▼夕刊
・朝日新聞 10P
「緊急事態 列島色分け/39県解除 8都道府県継続 諮問委承認/感染 対応3区分案 専門家会議」
「『新しい生活様式』向き合い悩む現場/それでもコロナの日常は続く」
社会面「地場の力 今こそ/酒→消毒液 設備活用 業種の垣根越え/和紙→マスク 三重構造 伝統の技」
・毎日新聞 10P
「緊急事態39県解除 諮問/新型コロナ 政府午後決定」
(NEWS FLASH「FRB議長『追加の金融措置必要』」など4本)
社会面「『会社の対応で炎上』提訴/元従業員 ネットで中傷受け/仙台 挙式トラブル巡り」
・読売新聞 12P
「『再流行リスク』警鐘/専門家会議 減少傾向は評価 新型コロナ」
「EU域内移動緩和 提案/欧州委 旅行再開目指す」
社会面「『マスク熱中症』ご注意/渇き気づかず脱水 水分補給こまめに」
・日経新聞 10P
「緊急事態 39県解除へ/諮問委『評価』 政府、今夜決定」
「EU移動制限 緩和提案/欧州委 医療体制整備など条件」
社会面「手続き混雑/10万円ネット申請で自治体/ビザ更新求め 東京入管でも」
・東京新聞 8P
「元検事総長ら反対意見書/定年延長 あす法務省に提出」
「緊急事態 解除目安議論/専門家会議 『地域3分類』を提言」
社会面「困窮者の宿泊所 感染対策に懸念/高齢者多く 相部屋で『3密』も」

【5月13日(水)付】=緊急事態宣言37日目・拡大28日目
▼朝刊
・朝日新聞 28P
「夏休み短縮検討 9割超/121自治体調査 7割が月内休校」
「往来自粛 対処方針明記へ」
社会面「登校日 人数制限・保護者のみ/家庭学習 端末貸与・支援の動画/3密・勉強不足 防止へ工夫」
・毎日新聞 26P
「定年解釈変更 議事録なし/法務省回答 決定過程不明 検察庁法改正案」
「トヨタ営業益2兆円減/今期予想 コロナ打撃深刻」
社会面「進まぬ学校再開/保護者の不安根強く/地方で休業解除広がる中…」
・読売新聞 30P
「トヨタ8割減益予想/コロナ直撃 販売1000万台割れ」
「河井前法相 立件視野/案里氏選挙で買収容疑 検察当局」
社会面「みんなで授業 いつ/児童 体育館で自習」コロナ最前線@小学校
・日経新聞 36P
「東京・大阪『特定』継続へ/34県・愛知・京都・福岡など宣言解除」
「9月入学 知事の6割賛成/本社調査 グローバル化期待」
社会面「巣ごもり 家庭ごみ増/療養者のマスク混在 専門家『袋の密閉 配慮を』」
・産経新聞 26P
「7都府県の死者 増加抑制/新規感染さらに減少 緊急事態5週間」
「環太平洋演習 日本が要望/8月ハワイ 活発な中国軍を牽制」
社会面「熱中症 医療崩壊の懸念/コロナと似た症状 患者増加も」
・東京新聞 24P
「抗原検査キット承認/コロナウイルス15~30分で検出 週20万件可能 検査拡充に期待」
「河井前法相を立件へ/検察 案里氏巡り買収容疑 昨年参院選」
社会面「あふれる抗議#900万円/『政治を動かすのは私たち』発信の女性」

▼夕刊
・朝日新聞 8P
「セイジカノマスク/富士山柄/小池モデル/支援者お手製/沖縄の染織/サクランボ/アイヌ文様」
(NEWSダイジェスト「六ケ所再処理工場 新基準に『適合』」など3本)
社会面「現場発 シンプル防護服/看護師が考案 ごみ袋が材料」
・毎日新聞 8P
「再処理工場 適合へ/新基準 安全審査 青森・六ケ所」
「脱フードロス J選手奮闘/コロナで販売困難 通販サイト立ち上げ/試合できない今だからこそ」
社会面「支援の弁当 心にも栄養/医療機関スタッフへ/福岡・開業医と飲食業者がタッグ」
・読売新聞 12P
「原燃再処理工場『合格』/規制委 安全対策を了承」
「大相撲1000人抗体検査/来週から 力士、行司ら全員」
社会面「デマ拡散 客が激減/『感染者の親が働いている』/休業迫る『自粛警察』」
・日経新聞 12P
「コロナ 世界にデフレ圧力/米物価、11年ぶり下げ幅 中国0.9%低下 4月前月比」
「原燃の再処理工場『合格』/規制委審査 稼働は来年度以降」
社会面「夏のマスク 熱中症注意/専門家 水分補給呼びかけ」
・東京新聞 8P
「核燃再処理 新基準『適合』/規制委了承 稼働は見通せず 青森・六ケ所村」
「『特例』経緯説明できず/検察定年 衆院内閣委で行革相」
社会面「無念の帰国 せめて歌おう/青年海外協力隊76人『世界勇気づけたい』」

【5月12日(火)付】=緊急事態宣言36日目・拡大27日目
▼朝刊
・朝日新聞 28P
「首相 今国会成立の構え/検察庁法改正案 抗議ツイート急拡大」
「雇用助成 上限1.5万円検討/首相、引き上げ額言及」
社会面「避難所『3密』防ぐには/間仕切り導入・開設増やす」
・毎日新聞 24P
「野党、定年延長で修正案/『検事総長68歳』削除」
「34県間の移動緩和検討/政府 大規模行事は自粛継続」
社会面「コロナ再陽性37人/17道府県 再発・再感染か 本紙調査」
・読売新聞 30P
「自粛解除へ独自基準/陽性率や新規感染数 特定警戒自治体」
「雇用助成金『1万5000円程度』/首相 2次補正『今国会で』」
社会面「マスク急増 値下がりも/居酒屋・両替店 店先に 品質まちまち 注意を」
・日経新聞 34P
「医療品 海外依存高く/呼吸器9割 感染爆発、備え不安」
「『非接触』が新標準に/安全確保にもがく企業」コロナ 出口は見えるか 5
社会面「税務上の扱いに違い/一律給付金は非課税、休業協力金は課税」
・産経新聞 24P
「緊急事態 34県一斉解除へ/政府調整『特定警戒』一部も」
「民主国家結束 日本が主導を/韓国と5Gで連合 国際秩序支え」慶応大教授 細谷雄一氏 コロナ 知は語る
社会面「解剖で感染 不安/医療用マスクなし『自殺行為』」
・東京新聞 24P
「週内採決 自民が方針/定年延長 野党『コロナ悪用』」
「34県一斉解除で調整/緊急事態 『特定警戒』茨城も視野」
社会面「オンライン申請なのに窓口混雑/10万円給付『暗証番号忘れた』」

▼夕刊
・朝日新聞 8P
「スナック 3密ゆえに/自粛で苦境『人と触れ合うことが酸き 文句は言えませんが…』」
「諮問委に経済学者4人調整」/「『雇用・収入不安』飲食66%」
社会面「電車 また混んでない?/山手線 連休前の1~2割増」
・毎日新聞 8P
「コロナ萎縮 動物に異変/ネズミ目撃増 観光地ウサギ空腹 奈良のシカ健康に」
(NEWS FLASH「抗原検査キット あす実用化」など4本)
社会面「心待ち 先生と『もしもし』/保護者『生活リズム整う』 オンライン保育」
・読売新聞 12P
「トヨタ・ホンダ 北米操業再開/車生産 世界で徐々に」
「英 5段階で感染警戒/現状はレベル4 流行に応じ対策」
社会面「支援の手にコロナの影/『地域で共に子育て』事業/不慣れ外国人 生活相談」
・日経新聞 10P
「役員報酬減、日米英で拡大/600社超 コロナで業績悪化」
「トヨタ、今期8割減益/営業益5000億円 世界販売155万台減」
社会面「医療現場の妊婦 葛藤/もし感染したら 簡単には休めない」
・東京新聞 8P
「都道府県またぐ移動自粛を/知事会提言 宣言一部解除後も」
「自民、学生に10万円支援策/対象2割想定 収入減救済」
社会面「ホームレス苦境 支援の輪/収入減の雑誌街頭販売 低迷」

 

黒川検事長は堂々と職を辞せばいい~元総長らの意見書が説く「国民の信託」

 検察官の定年を一律65歳に延長する一方で、幹部検察官については内閣や法相の判断次第で役職の延長が可能になる検察庁法改正案に対し、松尾邦弘・元検事総長ら検察官OB有志14人が5月15日、連名で、反対の意見書を法務相宛てに提出しました。この記事を書いている16日午後現在、全文を朝日新聞のサイトで読むことができます。

※朝日新聞デジタル「【意見書全文】首相は『朕は国家』のルイ14世を彷彿」
 https://www.asahi.com/articles/ASN5H4RTHN5HUTIL027.html

 まず、安倍晋三政権が黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を法解釈の変更と閣議決定で強行したことに対して、検察庁法と国家公務員法の関係を平易に説きながら「皮相な解釈は成り立たない」「この閣議決定による黒川氏の定年延長は検察庁法に基づかないものであり、黒川氏の留任には法的根拠はない」と言い切っています。そして、検察庁法改正に対しても「検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺ぐことを意図していると考えられる」と指摘しています。
 意見書の前半の圧巻は以下の部分だと思います。

 本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。
 時代背景は異なるが17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「統治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。

 後半は「ロッキード世代」という言葉が出てきます。全日空の旅客機選定を巡る受託収賄容疑で東京地検特捜部が田中角栄元首相を逮捕した「ロッキード事件」を知る世代ということのようです。
 ※ウイキペディア「ロッキード事件」  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 意見書はロッキード事件の捜査当時を振り返って、以下のように書きます。

 特捜部が造船疑獄事件の時のように指揮権発動に怯えることなくのびのびと事件の解明に全力を傾注できたのは検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制的な政治家たちの存在であった。
 国会で捜査の進展状況や疑惑を持たれている政治家の名前を明らかにせよと迫る国会議員に対して捜査の秘密を楯に断固拒否し続けた安原美穂刑事局長の姿が思い出される。

 少しだけ個人的な経験を書けば、もう四半世紀も前になりますが、わたしは社会部記者として一時期、検察を担当しました。中でも東京地検特捜部の事件捜査は最重要の取材テーマでした。当時の検察には、この「ロッキード世代」の気概のようなものが色濃く残っていました。この意見書に名を連ねている方々が、検察や法務省の第一線にいた時代です。「検察官は捜査権を持ち、公訴権を独占している。だからこそ抑制的に、謙虚に振る舞わなければいけないんだ」というような言葉も、何度か聞きました。だからこの意見書に込められたOBたちの熱量のようなものを理解できます。
 この意見書は読む人によって受け止め方は様々だろうと思うのですが、わたしがもっとも印象に残ったのは、次の部分です。この部分を、現役の検察官、そして法務官僚はどんな思いで読んでいるでしょうか。中でも黒川検事長は。

 しかし検察の歴史には、捜査幹部が押収資料を改ざんするという天を仰ぎたくなるような恥ずべき事件もあった。後輩たちがこの事件がトラウマとなって弱体化し、きちんと育っていないのではないかという思いもある。それが今回のように政治権力につけ込まれる隙を与えてしまったのではないかとの懸念もある。検察は強い権力を持つ組織としてあくまで謙虚でなくてはならない。
 しかしながら、検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。
 正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない。

 この意見書に先立って、意見書にも名前を連ねている元法務省官房長の堀田力さんのインタビュー記事が朝日新聞に掲載されました(14日付朝刊・オピニオン面)。見出しは「総長と黒川氏は辞職せよ」。堀田さんはこう話しています。

 私の経験から言えば、政治家がその権力を背景に捜査に圧力をかけてくることはよくあります。それでもひるまず真相を解明しようとする気概のある上司が多かった。組織のトップたる検事総長や検事長には政治の不当な圧力に対抗できる胆力が求められ、その人事が政治家の判断にかかるようなことはあってはならないのです。
 (中略)
 定年延長を受け入れた黒川君の責任は大きいし、それを認めた稲田伸夫・現総長も責任がある。2人とは親しいですが、それでも言わざるを得ない。自ら辞職すべきです。そして、仮に改正法が成立しても「政府から定年延長を持ちかけられても受けない」くらいの宣言をする。それによって検察の原点である公正中立を守り、国民の信頼を回復するのに貢献してほしいと願います。

 今回の問題では、黒川検事長自身がどう考えているのかが伝わってきません。検事総長ポストへ意欲を燃やしているのかどうかは分かりません。ただ黒川氏には「能吏」という人物評があるようです。官吏の本分として、人事権者が決めた人事には異論を口にせず従う、という信念があるのかもしれません。意見書でOBたちが指摘しているような違法性や疑問点は十分に分かっているはずです。それでもなお、定年延長を拒まなかったのは、それが官吏の本分である、と考えているのかもしれないと思います。逆のケースを考えれば、その考え方にも一理あるように思います。意に沿わないポストを任命権者から指示された時に、それを拒否し始めたら組織の規律は保てません。
 OBたちの意見書は「人事権者の決めたことであっても、それが違法であるのなら従う必要はない」と後輩を諭している、あるいは背中を押してやろうとしているようにも思えます。形式的には人事権者に対する「抗命」かもしれないが、強大な権限を持つ検察官は国民の信託に応えることの方がより大切ではないのか、と。
 今からでも黒川氏は堂々と職を辞せばいいと思います。その環境もOBたちの意見書で整ったのではないかと思います。

「白紙に戻して出直せ」「不要不急の法案」「批判受け止め撤回を」~検察庁法改正案 新聞各紙の社説、論説

 衆議院内閣委員会で先週5月8日に審議入りした検察庁法改正案に対して、新聞各紙が社説、論説でどのように扱っているか、可能な範囲で見てみました。地方紙、ブロック紙はネット上の各紙のサイトで読めるものが中心です。
 検察庁法改正案は、検察官の定年を65歳に延長してそろえるのと同時に、検事長などの幹部検察官は63歳で役職定年とする内容ですが、内閣が必要と判断すれば最長3年間、その役職にとどまることができるとする点に、批判が集まっています。違法・脱法との指摘が絶えない黒川弘務・東京高検検事長の定年延長(勤務延長)のケースは、この法改正によって事後的に正当化されかねません。改正案の審議は、ほかの公務員の定年延長法案と一括して審議されており、野党が求めた法相の出席もありません。そうした状況の中で9日から10日にかけては、ツイッター上で「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグをつけたツイートの投稿が爆発的に相次ぐ出来事もありました。
 各紙の社説、論説を見ると、地方紙、ブロック紙では「一度白紙に戻して出直せ」(河北新報)、「不要不急の法案でないか」(熊本日日新聞)、「批判受け止めて撤回を」(信濃毎日新聞)などの見出しが並びます。主張として①黒川検事長の定年延長を決めた閣議決定を撤回する②検察庁法改正案をほかの法案から切り離し、法相が出席する場で審議する―の2点が目につきます。
 全国紙では朝日新聞、毎日新聞、産経新聞が社説で取り上げています。このブログの一つ前の記事に追記しましたが、産経新聞が「コロナ対策を優先すべきだとの批判は当たらない」としながらも「『国民の誤解や疑念に真摯(しんし)に説明したい』というなら、検察庁法の改正案は内閣委から分離して法務委員会で審議することが筋である」と指摘しているのは、その通りだろうと感じます。

 以下に、目にできた範囲で各紙の社説、論説の見出しと本文の一部を書きとめておきます。サイト上で読めるものはリンクも張っておきます。

▽地方紙、ブロック紙
【5月13日付】
・河北新報「検察庁法改正/一度白紙に戻して出直せ」
 https://www.kahoku.co.jp/editorial/20200513_01.html

 恣意(しい)的な検察人事につながるとの批判に対し、自民党の森山裕国対委員長は「内閣は国民が選んだ人たちで構成される。非常に公正公平なやり方だ」と反論している。
 しかし黒川氏の続投決定を立法府の手続きを経ない、事実上の法改正と言うべき解釈変更によって強引に行ったのは安倍内閣だ。しかも文書に残さず、口頭で内閣法制局や人事院の決裁を得たと、信じがたい釈明をしている。内閣の「公正公平」を疑わせているのは安倍内閣自身だろう。
 ツイッターで、検察庁法改正に抗議する投稿が数百万を超えた。新型コロナウイルスの感染拡大で直接行動ができない国民の意思の表れだ。
 まず黒川氏の人事を白紙に戻し、検察庁法改正案の審議は切り離して法相を交えて徹底的に行うべきだ。

・神奈川新聞「検察定年延長 疫病下の強行、許されぬ」
・山梨日日新聞「[検察への“介入”法案]法治国家壊す強行 許されぬ」

・新潟日報「検察庁法改正 国民無視の成立ありきか」
 https://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20200513543032.html

 驚くのは、政府与党に疑問に正面から向き合おうとの姿勢がうかがえないことだ。
 与党側は野党の要求に耳を傾けず、森雅子法相を法案審議で答弁させない「森隠し」で臨んでいる。
 森氏は検察官の定年延長を巡る国会答弁が混乱を招いたとはいえ、検察の所管大臣である。
 検察庁法改正案を国家公務員法改正案と束ねる形で提出したことで、丁寧な審議が難しくなったとの指摘もある。
 さらに看過できないのは、国民の批判や疑問を無視して法案成立に突き進もうとするような態度だ。
 検察庁法の改正を巡っては最近、ネット上で著名人らの抗議が急速に広がった。
 歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんは「コロナの件で国民が大変な時に今急いで動く必要があるのか、自分たちの未来を守りたい」との思いから抗議の声を上げたという。共感を覚える人は少なくないはずだ。

・福井新聞「検察庁法改正案 国民の抗議に耳を傾けよ」
 https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1084952

 首相をも逮捕できる権限を持つ検察に、時の政権が介入できる恐れは否めない。政権に都合のよい人物を幹部に残すことで、政権の意向を捜査に反映させかねない危うさをはらむ。司法の一翼を担う検察が行政に絡め取られる構図に危機感を抱く人も少なくない。現にツイッターでは法案への抗議に同調する投稿が数百万に達した。政府は真摯(しんし)に耳を傾ける必要がある。
 (中略)
 野党の指摘通り、このまま「火事場泥棒」的な手法で強行突破することは断じて許されない。検察の独立性が揺らぐようでは国民の信頼も得られない。検事長人事を白紙に戻し、検察庁法改正案は別途、法相出席の下、審議を仕切り直し熟議を尽くすべきだ。

・神戸新聞「検察庁法改正/いま急ぐ必要があるのは」
 https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202005/0013335457.shtml

 国会提出に至るいきさつを含め、多くの問題を抱えた法案に野党は反発している。政府、与党は週内に衆院を通過させる方針だが、数の力で成立を強行すべきではない。
 改正案を審議する内閣委は新型コロナウイルス対策の特別措置法に関する質疑も扱う。与野党の対立をあおる「不要不急」の法案で時間を費やしている場合ではない。多くの著名人がツイッター上で抗議を表明したのは、そのいら立ちからだろう。
 (中略)
 一般の国家公務員の定年引き上げとひとくくりにした上に、コロナ対策のどさくさに紛れて通過を図る対応は許されない。現行法に反する黒川氏続投の閣議決定は撤回し、政治介入を許す検察官の定年延長規定は削除して仕切り直すべきだ。

・山陰中央新報「検察庁法改正/恣意的人事の余地残すな」
 https://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1589335867810/index.html

・熊本日日新聞「検察官定年延長 不要不急の法案でないか」
 https://kumanichi.com/column/syasetsu/1459446/

 検察官は、刑事訴追の強い権限を持ち一般公務員以上に政治的中立性が求められる。それが検察に対する国民の信頼の源泉でもあろう。だからこそ過去の政府は、国家公務員法の規定は適用されないという解釈を続け、人事介入には一定の距離を取っていたのではないか。それを一挙に覆す安倍政権の姿勢はあまりにも強引だ。
 検察庁法改正案を巡っては、批判のツイートが急速に広がるなど多くの国民から不信の目が向けられ始めている。発端である黒川氏の定年延長から説得力のある説明が全くできていない以上、この人事は白紙に戻し、検察庁法改正案については国家公務員法改正案とは切り離して、コロナ対応が一段落した後に徹底した論議を行うべきだ。
 今国会ではほかにも、農家の自家増殖を制限する種苗法改正案など、賛否が分かれ熟議が必要な法案が提出されている。これらも、コロナ対応にまぎれて拙速な審議がなされないか、注視しておかねばなるまい。

【5月12日付】
・東奥日報「独立性巡る論戦 徹底的に/検察庁法改正案 審議入り」
 https://www.toonippo.co.jp/articles/-/350906

・信濃毎日新聞「検察庁法改正案 批判受け止めて撤回を」
 https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200512/KT200511ETI090004000.php

 検事長らの定年延長を可能にする検察庁法の改正案に対するツイッター上の抗議が、9~10日にかけ一時約380万件に達した。
 人事を通して検察庁の独立性がゆがめられかねない、との批判が広がった。抗議は記録的な数といっていい。
 コロナ禍への対策が不十分で国民の疲弊が深まっている。それなのに、感染対策と無関係な法案の成立を急ぐ政府、与党への不信感も抗議を後押ししたのだろう。
 野党は「政府は感染症による危機状況を悪用している」と批判している。当然の反応だ。
 安倍首相はきのうの衆院予算委員会で「懸念は全く当たらない」などと述べ、抗議の拡大について正面から答えなかった。政府は批判を受け止めるべきだ。

・中日新聞・東京新聞「検事の定年延長 ツイートの抗議に耳を」
 https://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2020051202000113.html

 そもそも黒川弘務東京高検検事長の定年を延長する閣議決定をめぐり、安倍晋三首相は「解釈の変更」と述べた。だが、解釈とは条文から複数の読み方ができる場合のみ可能となる。
 検察庁法には国家公務員法を適用しないことが確定している以上、読み方は一つで、解釈変更はありえないはずだ。
 政権の都合でルール変更が可能なら、その政権は事実上、法律に拘束されていないことになる。解釈変更という実質的な法改正を政権自身が行っているのに等しい。これは「法の支配」が崩壊している姿である。
 内閣委では与党側が近日中に強行的に法案採決する可能性がある。緊急事態宣言の中、火事場泥棒的な法案の成立は阻止せねばならない。

・京都新聞「検察庁法改正 コロナ禍になぜ急ぐか」
 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/241957

 検察官は戦後制定された検察庁法で身分保障され、一般の国家公務員と一線を画された経緯がある。ところが、今回の改正案は国家公務員の定年を延長する国家公務員法改正案と一緒にされた「束ね法案」として提出されている。
 改正案を審議するなら、問題点について質疑を尽くす必要がある。そのためには法案を別にして提出し直すべきだ。
 そもそも黒川検事長の定年延長が唐突に閣議決定されたことが発端だ。安倍首相は改正案について「恣意(しい)的に人事に介入することは絶対にない」と主張するが、これまでの言動から真に受けることはできない。
 改正案が審議される内閣委員会では、コロナ対策の議論が進められている。休業補償など問題が山積する中で、改正法案成立が国民の求めることとは思えない。

・中国新聞「検察庁法改正案 審議に値せず、撤回せよ」
 https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=641860&comment_sub_id=0&category_id=142

 検察庁法には、同じ年にできた憲法でうたう「司法権の独立」を守る役割があるという。検察官が厳正中立、不偏不党のモットーを重んじるのも、行政と司法双方の性質を持つがゆえだ。早い話が「戦後最大の汚職」とされるロッキード事件のように、首相経験者を逮捕することもある。昨年夏の参院選を巡り、現在も河井克行前法相夫妻にまつわる公選法違反疑惑の捜査を進めている。
 政治家の犯罪も摘発をいとわぬ検察の威信は、国民の信頼があってこそのものだ。公費で賄う首相主催の行事に後援会員を招いた「桜を見る会」疑惑で検察は動かず、今はむしろ不信感が増している。
 四方八方から嫌疑がかかってもなお、ポストにかじりついているように映る黒川検事長の真意は計りかねる。
 共同通信社の世論調査で先日、新型コロナへの政府対応を「評価しない」とする声が過半数の57%に上った。首相はどう受け止めているのだろう。
 身勝手な解釈変更にもかかわらず、記録文書を残さない…。そんな首相の姿勢は、国民の信を失いつつあるのではないか。このままでは、肝心の新型コロナ対策でメッセージや施策を発しても空回りしかねない。
 政治に信頼を取り戻すためにも、政府自らが、法案撤回で白紙に戻すべきである。

・徳島新聞「検察庁法改正案 政権への従属につながる」

・高知新聞「【検察定年延長】法案成立を急ぐ必要ない」
 https://www.kochinews.co.jp/article/366673/

 無理に無理を重ねるような手法が国民に理解されるはずもない。
 共同通信の3月の世論調査で、黒川検事長の定年延長を巡り6割強が「納得できない」とした。コロナ禍で集会などが開きにくい中でも、会員制交流サイト(SNS)のツイッター上で抗議する市民や著名人らのツイートが相次いでいる。
 検察庁法改正案は、国家公務員の定年を65歳へ段階的に引き上げる国家公務員法改正案と一緒に、「束ね法案」として提出されている。安倍首相は「高齢期の職員の豊富な知識、経験を最大限活用する」と意義を強調する。
 それも大切なことだろう。しかし法の支配に関わる検察官の定年延長は切り離して、より慎重に審議するべきだ。
 改正案は新型コロナ特別措置法に関する質疑もある内閣委員会で、コロナ対策と同時並行で審議されている。国民が注目し、内容を理解するに十分な審議が尽くされるのか。疑問を禁じ得ない。
 「どさくさ紛れ」「火事場泥棒」といった批判がつきまとう審議では将来に禍根を残す。

・沖縄タイムス「[検察庁法改正案] 一体誰のため 何のため」
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/570103

 法案は、黒川氏の定年延長を後付けで正当化するものであり、特例を設けることで政府の意向が人事に反映されやすい仕組みになっている。
 検察官が持つ公訴権は、極めて重く大きな権限だ。1985年に検事総長に就任した伊藤栄樹氏は、部下にこう訓示したといわれる。「巨悪を眠らせるな、被害者と共に泣け、国民に嘘(うそ)をつくな」
 このような形で安倍政権まる抱えの検事総長が誕生した場合、国政全般に及ぼすマイナスの影響は計り知れない。黒川氏の定年延長の閣議決定を早急に見直すべきだ。

・琉球新報「検察庁法改正に抗議 国民の声に耳傾け撤回を」
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1120383.html

 仮に厳格な要件が付されたとしても、解釈し運用するのは内閣や法相だ。事実上、いくらでも人事に介入できる余地はあろう。今般、検察庁法に反し、黒川弘務東京高検検事長の勤務を延長したのはその疑念を裏付けるものだ。
 法解釈を変更し国家公務員法を適用したと政府は強弁したが、同法も無制限に定年延長を認めるわけではない。
 人事院規則は、後任を容易に得られないとき、勤務環境から欠員補充が容易でないとき、担当者の交代で業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき―と条件を挙げる。高検検事長にはどれも当てはまらないのは明らかだろう。
 検察庁法は、原則として検察官がその意思に反して官を失うことはないと定める。外部の圧力から守り、公正な職務の執行を担保するためだ。内閣等の意向で人事に介入し厚遇も冷遇もできる仕組みは検察の独立を脅かす。
 今や法曹関係者のみならず、幅広い層から危機感を訴える声が上がっている。政府は国民の声に耳を傾けるべきだ。改悪の強行は許されない。

【5月10日付】
・南日本新聞「[検察庁法改正] いま急ぐ必要があるか」
 https://373news.com/_column/syasetu.php?storyid=119367

 検察人事を巡る追及が続く中、政府は3月13日に改正案を閣議決定。同じ日に新型コロナ特措法が成立し、4月に入ると緊急事態宣言が出された。
 改正案は、特措法に関する質疑もある内閣委で審議されるため、急を要する新型コロナ対策と同時並行で進むことになる。十分に議論する時間が取れるのか心もとない。
 8日の内閣委で立憲民主、国民民主両党などの野党会派は森法相の出席を求めたが、自民党が応じなかった。多くの野党議員が欠席する中、政府側は検察庁法改正部分を含む国家公務員法改正を「少子高齢化が進む中、時代のニーズだ」と答弁した。
 確かに重要な法案に違いない。ならばなおさら、国民が内容を十分理解できるよう議論を尽くす必要がある。
 政府与党には、コロナ禍のどさくさにまぎれて拙速に成立させることのないよう慎重な対応を求めたい。

▽全国紙
・朝日新聞12日付「検察庁法改正 国民を愚弄する暴挙だ」
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14472264.html

 きのう安倍首相は「内閣が恣意(しい)的に人事をするという懸念は当たらない」と述べた。だがことし1月、長年の法解釈をあっさり覆して、東京高検検事長の定年を延長したのは、当の安倍内閣ではないか。法案は、この脱法的な行為を事後的に正当化するものに他ならない。
 加えて政権は、検察庁法を所管する森雅子法相を法案審議の場に出席させないという暴挙に出た。「公務の運営に著しい支障が生じる」とはどんな場合を想定しているのか。検察官の職責をどう考えるのか。法相に問うべきことは山ほどある。
 コロナ禍で人々は検察庁法どころではないし、最後はいつも通り数の力で押し切ればいい。政権がそう思っているとしたら国民を愚弄(ぐろう)すること甚だしい。

・毎日新聞11日付「検察官の定年延長法案 何のために成立急ぐのか」
 https://mainichi.jp/articles/20200511/ddm/005/070/017000c

 検察官は行政組織の一員であると同時に、刑事訴追の権限をほぼ独占する「準司法官」でもある。社会の公正を保つ立場として、政治的中立性が求められる。
 そのため、一般の公務員とは任免の取り扱いが異なるべきだと考えられてきた。検察庁法に定年延長の規定は設けられず、国家公務員法の定年延長規定も適用されないとの解釈が続けられてきた。
 検察庁法改正案は、国家公務員の定年を引き上げる法案の一つとして、一括で国会に提出されている。しかし、検察官の定年は権力の分立にも関わる問題だ。別に議論されなければならない。
 新型コロナウイルス対策の審議に紛れて、成立を急ぐことなど許されない。

・産経新聞(「主張」)13日付「検察庁法改正案 疑念もたれぬ説明尽くせ」
 https://www.sankei.com/column/news/200513/clm2005130002-n1.html

 コロナ対策を優先すべきだとの批判は当たらない。重要法案であればいくらでも並行して審議することは可能である。
 (中略)
しかもこの特例は、黒川弘務東京高検検事長の定年を半年間延長するという前例のない閣議決定が行われた直後に加えられた。森雅子法相がいくら「東京高検検事長の人事と今回の法案は関係ない。法案自体は数年前から検討されていた内容で問題ない」と強弁しても、疑いは簡単に晴れない。
 そもそも森法相は内閣委の審議に参加していない。「国民の誤解や疑念に真摯(しんし)に説明したい」というなら、検察庁法の改正案は内閣委から分離して法務委員会で審議することが筋である。
 黒川氏の定年延長について森法相は2月、「検察官としての豊富な経験知識等に基づく部下職員に対する指揮監督が不可欠であると判断した」と述べた。
 こうした属人的判断が改正案の特例に反映されるのか否かが問われている。疑念をもたれぬ説明を尽くすには、法務委での審議が必要だろう。

 

 この問題を東京発行の新聞各紙が13日付朝刊でどのように扱ったかも、以下に書きとめておきます。

▼朝日新聞
3面(総合)
「検察定年延長『特例削除を』/野党、法案修正案を提示/与野党、審議は合意」
「早くから総長候補・官房長や事務次官7年超/黒川検事長 人物像は」
第2社会面
「抗議の声 背を向ける自民/数百万ツイート『あり得ない数字』 検察庁法改正案」
「拡散 不自然な傾向ほぼなし」

▼毎日新聞
1面
トップ「定年解釈変更 議事録なし/法務省回答 決定過程不明 検察庁法改正案」/「『週内衆院通過』与野党攻防激化」
5面(総合)
「検察庁法改正案反対/4党首ら、ネット会見」

▼読売新聞
4面(政治)
「『検察定年延長』採決拒否/野党『最長3年』削除案提示へ」

▼日経新聞
4面(政治)
「検察庁法 野党が修正案/幹部の定年延長 削除」
第2社会面
「検察、批判拡大に困惑/日弁連『独立性、強く危惧』/定年延長の改正案」

▼産経新聞
2面(総合)
「検察官定年 野党が修正案/延長削除 首相は『疑惑隠し』否定」
5面(総合)
「誤解や曲解 検察困惑/対応次第で火種に 自民懸念/定年延長 反対投稿が拡大」
社説(「主張」)「検察庁法改正案 疑念もたれぬ説明尽くせ」

▼東京新聞
2面(総合)
「野党 特例削除の修正案/政府提出 定年3年延長部分」#ウオッチ 検察庁法改正案
核心「法務省原案にも特例規定なし/『黒川型』人事 法成立なら合法に」
6面(総合)
「枝野氏『姑息で許さない』/検察定年延長法案 ネットで共同会見」/「法案分離を維新は要求 『国民に疑念』」
社会面
トップ「あふれる抗議#900万円/『政治を動かすのは私たち』発信の女性/『ステイホームデモ』・『政策へ不満たまっていた』」#ウオッチ 検察庁法改正案
「『官邸の力強めたい政権』/検察OB『独立性が揺らぐ』」

検察庁法改正案、在京各紙の扱いの違いが明確に ※追記「法務委での審議が必要」(産経「主張」)

 前日の記事(「『#検察庁法改正案に抗議します』の報じられ方~衆院委員会審議入り、在京各紙の記録」)の続きです。検察庁法改正案を巡る報道の記録です。
 東京発行新聞各紙の5月12日付朝刊では、この問題の続報を朝日新聞、毎日新聞、東京新聞の3紙が1面トップで報じました。それぞれ総合面や特報面にも関係記事を大きく展開しています。朝日、東京両紙は社説でも取り上げました。
 対して読売新聞は政治面と第2社会面の扱い。産経新聞は総合面に載せた衆院予算委の記事の中で、この問題を巡るやり取りがあったことに触れていますが、見出しに「検察」や「定年延長」の用語はありません。
 ここに来て、検察官の定年延長問題に対する在京紙の報道は、扱いの違いが明確になってきたように思います。

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【写真説明】1面トップでそろった朝日、毎日、東京の3紙

 

 以下に各紙の12日付朝刊に掲載された関連記事の見出しを書きとめておきます。
▼朝日新聞
1面トップ「首相 今国会成立の構え/検察庁法改正案 抗議ツイート急拡大/自民『週内に衆院通過』」
2面・時時刻刻「『火事場泥棒』『後付け』批判/コロナ禍の中 法改正急ぐ政権に/法案束ねる手法 疑問/検察内にも異論『唐突な特例』」
3面「検事長定年延長『正当化』 特例規定 政治介入の恐れ/検察庁法改正案 問題点は/政府答弁 迷走の末」「検察、元首相の逮捕も 独立性が必須/首相『恣意的人事ない』」
4面「検察幹部人事 与野党が論戦/相次ぐ『#検察庁法改正案に抗議します』/衆参予算委 集中審議」/「『ネット上の意見承知。コメントは控える』/会見で菅氏」
第3社会面「『#抗議します』 芸能人も次々ツイート」ニュースQ3
社説「検察庁法改正 国民を愚弄する暴挙だ」

▼毎日新聞
1面トップ「野党、定年延長で修正案/『検事総長68歳』削除」
3面・クローズアップ「恣意的人事に懸念/SNSで抗議 400万件/生活優先されず『怒り』」
3面「『内閣が判断』の新規定」/「日弁連反対声明『急ぐ理由皆無』」

▼読売新聞
4面(政治)「検察『定年延長』野党が攻勢/ツイッターで抗議拡大『火事場泥棒』」
第2社会面「検察定年 議論が過熱/特例延長に法曹界反発」

▼日経新聞
4面(政治)「枝野氏、『恣意的人事』に懸念/首相、定年延長で知見活用/検察庁法改正案巡り論戦」

▼産経新聞
5面(総合)「追加対策 野党に配慮/衆院予算委 首相、家賃・学生支援で」

▼東京新聞
1面トップ「週内採決 自民が方針/定年延長 野党『コロナ悪用』/首相『恣意的 当たらない』」ワッペン・#ウオッチ 検察庁法改正案
1面「ネットでも拡大 法相不在で審議」Q&A
特報面(21、22面)「ツイッターでも 政治・社会動かす?」「コロナ禍で『政治不信』うねり」
第2社会面「『政治的中立性 脅かされる』/検察庁法改正案 日弁連が抗議声明」
社説「検事の定年延長 ツイートの抗議に耳を」

 

※追記 2020年5月13日8時55分
 産経新聞は13日付の社説(「主張」)「検察庁法改正案 疑念もたれぬ説明尽くせ」で、法案の審議手続きの「筋」を説いています。この論旨には同感です。
 https://www.sankei.com/column/news/200513/clm2005130002-n1.html 

 問題は特例として、内閣が「公務の運営に著しい支障が生じる」と認めた場合、引き続き次長検事や検事長を続けられると定めたことだ。これに野党などは「内閣が恣意(しい)的に人事介入できる」と反発している。
 しかもこの特例は、黒川弘務東京高検検事長の定年を半年間延長するという前例のない閣議決定が行われた直後に加えられた。森雅子法相がいくら「東京高検検事長の人事と今回の法案は関係ない。法案自体は数年前から検討されていた内容で問題ない」と強弁しても、疑いは簡単に晴れない。
 そもそも森法相は内閣委の審議に参加していない。「国民の誤解や疑念に真摯(しんし)に説明したい」というなら、検察庁法の改正案は内閣委から分離して法務委員会で審議することが筋である。
 黒川氏の定年延長について森法相は2月、「検察官としての豊富な経験知識等に基づく部下職員に対する指揮監督が不可欠であると判断した」と述べた。
 こうした属人的判断が改正案の特例に反映されるのか否かが問われている。疑念をもたれぬ説明を尽くすには、法務委での審議が必要だろう。