ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2008-01-01から1年間の記事一覧

希望はつながる〜1年の最後に

本年はこのブログへのご訪問ありがとうございました。ことし最後のエントリーです。 職場を休職して専従で新聞労連委員長を務めていた当時に運営していた旧ブログ「ニュース・ワーカー」の2005年の大晦日のエントリーを読み返してみました。「もはや戦前…

読書:「明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法」(佐藤尚之 アスキー新書)

明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)作者: 佐藤尚之出版社/メーカー: アスキー発売日: 2008/01/10メディア: 新書購入: 40人 クリック: 540回この商品を含むブログ (168件) を見る 広告関係者の間で、ことし非常に話題…

読書:「ルポ労働と戦争―この国のいまと未来」(島本慈子 岩波新書)

ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来 (岩波新書)作者: 島本慈子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/11/20メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (14件) を見る 労働組合の運動に身を置く中で折に触れて日本国憲法の条文を読み、その意味を学…

読書:「テレビニュースは終わらない」(金平茂紀 集英社新書)

テレビニュースは終わらない (集英社新書)作者: 金平茂紀出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/07/22メディア: 新書購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (14件) を見る 著者は民間テレビの報道部門では著名な方ですが、本文中では自身の所属企業名…

二度と「検閲容認」の轍を踏んではならない〜自衛隊イラク派遣の終結に思うこと

既に報道されているように、航空自衛隊のイラク派遣部隊のC130輸送機3機が帰国し、24日に愛知県の小牧基地で隊旗返還式がありました。これで2004年に始まった自衛隊のイラク派遣は終了したことになります。17日に3機目が活動拠点のクウェート…

読書:「情報革命バブルの崩壊」(山本一郎 文春新書)

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)作者: 山本一郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11メディア: 新書購入: 8人 クリック: 120回この商品を含むブログ (67件) を見る 著者は人気ブロガー「切り込み隊長」。目次には「本当に、新聞はネットに読者を奪われ…

続・労働組合は奮起のとき〜個人加盟の産別組合が持つ可能性

12月17日は休暇を取り、船員の労働組合である全日本海員組合の依頼で、新任専従職員の研修会に講師として参加しました。「報道の現場から見る労働運動」のタイトルで、労働組合について思うところを話しました。海員組合では今年9月にも講師をさせても…

揺らぐ「マス」の正当性と「プロ」の正統性

12月9日に東京・池袋の立教大学で行われたNPJ(News for the People in Japan)などの市民メディア共催のパネルディスカッションに、パネラーの1人として参加したことは以前のエントリーで報告しました。12月13日のエントリーでお知らせしたように…

労働組合は奮起のとき〜連合・高木会長インタビュー記事

朝日新聞の14日付朝刊の第1面に「非正規の大量解雇 大企業が特に問題」の見出しで、労働組合のナショナルセンター「連合」(日本労働組合総連合会)の高木剛会長のインタビュー記事が掲載されています。朝日のサイトでは紙面よりも長い全文がアップされて…

NPJシンポの動画がJANJANにアップ

以前のエントリーで紹介しましたが、12月9日に東京・池袋の立教大学で行われたNPJ(News for the People in Japan)などの市民メディア共催のパネルディスカッションの動画が、共催団体のひとつのJANJANのサイトにアップされました。 「パネルディ…

今はコストカットしかない新聞経営〜産経新聞が九州地区の印刷を毎日新聞に委託

産経新聞社が九州地区で発行する紙面の印刷を毎日新聞社に委託するとのニュースが11日、流れました。来年10月からとかなり先の話なのですが、新聞経営をめぐる新たな話題です。 産経新聞のWeb記事(というか社告に近いと思います)によると、印刷委託先…

「表現の自由」を守り抜くのがプロではないか〜NPJのパネルディスカッションに参加しました

以前のエントリーでお知らせしたように、9日夕方から東京・池袋の立教大学で開かれた「NPJ」(News for the People in Japan)などの市民メディア共催のパネルディスカッションに参加してきました。「今、メディアに問われるもの」と題したディスカッショ…

多喜二虐殺の今日的な意味〜横浜事件の再審開始決定と「渋谷事件」から

かなり時間がたってしまいましたが、10月31日に横浜地裁で、戦時下最大の冤罪・言論弾圧事件として知られる「横浜事件」の元被告(故人)に対する再審開始決定が出ました(大島隆明裁判長、五島真希、横倉雄一郎両裁判官の合議)。先日、その地裁決定の…

ひとこと:麻生内閣支持率が急落

共同通信が6―7日に実施した世論調査によると、麻生内閣の支持率は11月から15・4ポイント急落し、25・5%になりました。不支持率も19・4ポイント増加し61・3%。一方、読売新聞の世論調査では、支持率はさらに低い20・9%、不支持率は66・…

ひとこと:週刊ダイヤモンド「新聞・テレビ複合不況」

週刊 ダイヤモンド 2008年 12/6号 [雑誌]出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2008/12/01メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る ようやく買ってきて読み始めました。ふだんは読んでいない雑誌でも、タイトルを見ると、どうし…

追悼 加藤周一さん

評論家の加藤周一さんが5日、死去しました。89歳。ご冥福をお祈りします。 幅広い評論で知られる加藤さんですが、わたしの個人的な思いは2004年6月に立ち上がった「九条の会」に尽きます。憲法9条に絞って、運動の統一ではなく連帯を求めた同会の呼…

ひとこと:山本五十六の肉筆「述志」を見たい

太平洋戦争開戦時の旧海軍連合艦隊司令長官だった山本五十六大将が残していた肉筆の「述志」の現物が見つかった、とのニュースがありました。共同通信の記事を一部引用します。 旧日本海軍の山本五十六・連合艦隊司令長官が太平洋戦争開戦時などに決意を書き…

お知らせ:ブログ引越し完了しました

以前のエントリーでお知らせした通り、ブログ「ニュース・ワーカー2」は2008年11月末日をもってエキサイト版の更新を停止し、この「はてなダイアリー」版への引越しを完了しました。 ただし当「はてな」版のエントリーは2008年11月以降です。2…

読書「次世代マーケティングプラットホーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」

次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの作者: 湯川鶴章出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2008/09/27メディア: 単行本購入: 16人 クリック: 146回この商品を含むブログ (36件) を見る マスメディア、そ…

お知らせ:12月9日のNPJ勉強会に参加します

お知らせです。いつもこのブログのエントリーを紹介いただいているニュースサイト「NPJ」(News for the People in Japan)にお誘いをいただき、12月9日午後5時半から東京・立教大学で行われる勉強会「マスメディアと市民メディア 何が伝えられるの?〜…

「テロ」の見出しに部内議論はあったのか〜元厚生次官ら連続殺傷の報道で考えること

さいたま市南区で18日午前、元厚生省事務次官の山口剛彦さん夫妻が殺害されているのが見つかり、夜には東京都中野区でやはり元厚生省事務次官の吉原健二さんの妻が自宅で刺され重傷を負った事件は、22日夜になって警視庁に血の付いたナイフなどを持った…

中労委に初めて非連合委員〜労働運動の新しい機運に期待

労働争議を第三者の裁定に委ねようとする場合、行き先は大きく分けて裁判所と都道府県の労働委員会の二つがあります。裁判所の場合は、判決や決定に不服なら高裁などへ上訴する道があり、それと似て労働委員会にも、労働組合法に基づく国の行政委員会である…

読書「労働再規制―反転の構図を読みとく」(五十嵐仁 ちくま新書)

労働再規制―反転の構図を読みとく (ちくま新書)作者: 五十嵐仁出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/10メディア: 新書購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログ (17件) を見る 書評と言うより、個人的な体験を重ね合わせた勝手な感想です。 本書は、労…

新聞労連の就職フォーラム、11月30日東京、12月6日大阪

新聞業界を就職先に考えている学生さんらへのお知らせです。 全国の新聞社の労働組合でつくる新聞労連が、11月30日に東京で、12月6日に大阪で、新聞業界就職フォーラムを開催します。2010年春入社を目指す方々(10生)が主な対象です。 以前の…

はてな版「ニュース・ワーカー2」年譜(随時更新)

▽2008年11月09日 はてな版公開。エキサイト版と並行運営。エキサイトブログのカウンター13324人を引き継ぎました。 ▽2008年12月1日 エキサイト版の更新を停止しました。 ▽2009年1月1日 2008年12月31日までの訪問者(ユニ…

引越し準備中です

ブログの引越し準備として本日、公開設定を「パブリック」にしました。エキサイトで同名のブログ「ニュース・ワーカー2」を運営中です。しばらくの間は、エキサイトが「主」、本ブログが「従」となり、同内容のエントリーを双方にアップします。はてなの機…

続・高須大将の述懐

田母神俊雄・前航空幕僚長の侵略戦争否定発言をめぐって、前回のエントリー「五・一五事件裁判長が遺した述懐〜『前空幕長処分せず』で危惧されること」で取り上げた阿川弘之「軍艦長門の生涯」に出てくる高須四郎大将の逸話について、エントリーでもご紹介…

五・一五事件裁判長が遺した述懐〜「前空幕長処分せず」で危惧されること

前回のエントリーで取り上げた航空自衛隊の田母神俊雄・前航空幕僚長の侵略否定論文問題で3日、大きな動きがありました。3日夜、防衛省は田母神氏が定年退職となったことを公表。防衛省の説明では、空幕長の定年は62歳、空将の定年は60歳で、10月3…

田母神空幕長の更迭で決着ではないはず〜自衛隊で何が起きているのか 

航空自衛隊トップの田母神俊雄・航空幕僚長が、過去の中国侵略や朝鮮半島の植民地支配を正当化して「わが国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬ」と主張する論文を発表し、マンション・ホテルチェーンのAPAグループが主催する「第1回真の近現代…

「対米配慮」を追認した司法〜イージス艦情報流出事件の横浜地裁判決

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8843555 また自衛隊の話題です。 防衛秘密にあたる海上自衛隊イージス艦のイージスシステム情報を流出させたとして「日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法(以下、秘密保…