軍事費大幅増の賛否逆転、増税は反対が圧倒~岸田軍拡への民意の評価は変わり始めている

今年に入って実施されたNHKと読売新聞の2件の世論調査の結果が報じられています。岸田文雄政権が表明した軍事費の大幅増に対して、読売新聞の調査では賛成43%、反対49%と、反対が賛成を6ポイント上回りました。 ■読売新聞 1月13~15日実施・…

「地域」に立脚した確固とした視点~ブロック紙・地方紙39紙の年頭の社説、論説を読む

非常勤講師を務める大学で先日、今年最初の授業がありました。手元にあった東京発行の新聞各紙の元日付け紙面を教室に持ち込み、それぞれの特徴などを解説しました。ロシアのウクライナ侵攻が続く中での新年であり、各紙の紙面を通じたキーワードが「戦争」…

「戦争」「平和」「民主主義」~在京各紙の元日付紙面

近年、東京発行の新聞各紙の元日付朝刊1面トップには、その1年を展望する大きなテーマを取り上げた企画記事の初回を据える傾向が定着しています。ことしも各紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京6紙)のうち、読売以外の5紙は企画記事でした。ロシアによ…

「ニュース離れ」と組織ジャーナリズムの持続可能性

新しい年、2023年になりました。 昨年、英国のロイタージャーナリズム研究所が公表した「デジタルニュースリポート2022」が、ニュースそのものに触れることを意図的に避けようとする人たちが世界的に増加しているとの分析を示し、メディア関係者の間…

小林多喜二の拷問死から90年、その今日的な意味~容易ならざる時代と向き合う覚悟

今年7月に書きかけて、どうにも進まずそのままになっていた記事がありました。今年最後の記事として、書き上げることにしました。 今年6月に休みを取って札幌に行く機会がありました。最終日の帰京の飛行機を夜の最終便にして、小樽まで足を延ばし、「蟹工…

敵基地攻撃能力の保有、「世論調査で賛成多数」に疑問と危惧~政府主張への疑義に触れない質問であることに留意が必要

先週末の12月17、18日に実施された3件の世論調査の結果が週明けに報じられました。敵基地攻撃能力の保有などを明記した安保3文書の改定が、16日に閣議決定された直後の調査です。世論調査の結果とその読み方は折に触れ、このブログで紹介してきま…

決め方も金の使い道としても疑問の「敵基地攻撃能力」保有~「我々は攻撃されかかっている」ゲーリングが喝破していたロジック

岸田文雄政権は12月16日、「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の安保関連3文書の改定を閣議決定しました。敵基地攻撃能力を「反撃能力」と呼び方を変えて保有を明記し、軍事(防衛)関連予算を2027年度に対国内総生産(GDP)比…

戦争の教訓の継承は、今こそ大きな意味がある~破局を“予言”していた桐生悠々、井上成美

今年春から大学で「文章作法」の非常勤講師を務めていることは、以前の記事に書きました。授業では日々の新聞報道の比較、解説も行っています。先日の授業では、12月8日の太平洋戦争開戦81年の報道を取り上げました。 日本の新聞は戦前の統制で、いくつ…

「反撃能力」と呼んでも攻撃的な軍事力の保有に変わりはない~自公合意、在京紙の報道の記録

自民、公明両党が12月2日、「敵基地攻撃能力」を日本が保有することを認めることで合意しました。敵国のミサイル発射拠点などを攻撃する能力のことです。政府、与党は、国際法に反する先制攻撃ではなく、専守防衛の基本方針に変わりはないと強調している…

安倍元首相の国葬と自衛隊~軍事組織が思い入れを持つことへの不安と危惧

9月27日に行われた安倍晋三元首相の国葬で、気にかかっていることがあります。自衛隊の役割です。 国葬当日、遺骨を載せた車は会場の日本武道館に向かう途中で、市谷の防衛省に立ち寄りました。庁舎前の広場を通ると、集まった約800人の自衛隊員らは敬…

新聞の大きさを生かす~中日新聞・東京新聞「『ネコ電車』に朝刊が包まれた!」

ことし春から、勤務先からの派遣の形で、首都圏の大学で「文章作法」の授業の非常勤講師を務めています。文章の書き方の指導です。受講生はメディアやコミュニケーションに関心がある学生たちなので、授業では毎回、東京発行の新聞各紙を教材に、日々のニュ…

那覇市長選の本土メディアの報道に危惧~自公系勝利は辺野古移設容認ではない

沖縄県の県庁所在地、那覇市の市長選が10月23日に行われ、国政与党の自民、公明両党が推薦した前副市長の知念覚氏が、玉城デニー知事が支持する元県議の翁長雄治氏を破って初当選しました。この選挙結果を伝えた日本本土のマスメディアの報道ぶりに危惧…

国葬の社会的評価は定まった~「よかった」18%、「しないよりはよかった」17%、「するべきではなかった」60%(毎日新聞調査)

9月27日に行われた安倍晋三元首相の国葬に対して、毎日新聞が10月22、23日に実施した世論調査で、ちょっと工夫した選択肢を設けているのが目にとまりましたので、書きとめておきます。他社を含めたこれまでの世論調査では、国葬の実施に対して賛否…

民意は「国葬やって良かった」とはならず

10月15、16日の週末に実施された世論調査2件の結果を目にしました。産経新聞とFNN(フジテレビ系)の合同調査では、岸田文雄内閣の支持率は5カ月連続の下落で40.9%。昨年10月の政権発足後、最低でした。ANNの調査でも、やはり政権発足後最低…

新幹線200系の記憶

10月14日は1972(明治5)年に日本で最初の鉄道が新橋~横浜間に開業した「鉄道の日」です。ことしは150年という区切りの年に当たることから、JR各社ではいろいろと記念のイベントを企画しているようです。特にJR東日本では、東北・上越新幹線の…

国葬「反対多数」と岸田内閣の支持続落に変わりなく~続く混迷と緊張に岸田首相で大丈夫か

「どんどん反対が増えていったけど、やっぱりやって良かった―」とはならなかったようです。9月27日に行われた安倍晋三元首相の国葬のことです。10月最初の週末、1、2両日に実施された世論調査3件の結果によると、国葬実施に対して、いずれの調査でも…

「安倍政治」全肯定、主観と印象論の菅前首相の弔辞~「『功』より『罪』」のアベノミクスには触れず

9月27日に実施された安倍晋三元首相の国葬や、その報道について、わたしの思うところ、感じるところを備忘を兼ねて書きとめておきます。まずは、国葬で読み上げられた弔辞のことです。 弔辞(追悼の辞)は、国葬の実行委員長を務める岸田文雄首相と、安倍…

社会の分断が可視化された日~安倍元首相「国葬」 在京紙の報道の記録

安倍晋三元首相の国葬が9月27日、実施されました。このブログでも詳細に記録してきましたが、マスメディア各社の世論調査では、当初から賛否は分かれていました。時間がたつにつれ否定的な意見が増え、9月の調査では反対が6割に達しました。岸田文雄内…

沖縄の苛烈な戦後史を知る~「ドキュメント〈アメリカ世〉の沖縄」(宮城修、岩波新書)

ことし、2022年は、1972年5月に沖縄の施政権が米国から日本に返還されて50年の節目の年です。現在、日本にある米軍専用施設の70%が沖縄に集中し、米軍普天間飛行場の移設問題では、名護市辺野古沿岸部の埋め立てと新基地建設を巡って、沖縄県…

国葬それ自体に加え、岸田首相の姿勢も問われている~「強行するなら信を問え」(沖縄タイムス)

安倍晋三元首相の9月27日の国葬が近づいています。岸田文雄首相が国会で説明を行ったにもかかわらず、マスメディア各社の世論調査では国葬に否定的な意見が6割に達しています。このまま国葬が強行され、社会の分断を深める結果を招くことを危惧します。…

国葬「国論を二分」の表現は「印象操作」のおそれ

いつも参考にしているツイッター・アカウントの「三春充希(はる)⭐未来社会プロジェクト」さん(@miraisyakai)が、安倍元首相の国葬について、世論調査の集計をもとに「国論二分といえたのは7月中の一時期だけで、その後、世論は一方的に反対へと傾いていっ…

増え続ける「国葬反対」、下がり続ける岸田内閣支持率~自民党支持率も下落

この週末、9月17、18両日に実施された世論調査の結果が報じられています。岸田文雄内閣の支持率は下落し続け、毎日新聞・社会調査研究センターの調査(以下「毎日新聞調査」)では29%と3割を割り込みました。共同通信の調査では40.2%ですが、8月…

日本政府に重なるキャラウェイ「沖縄の自治は神話」発言~玉城知事大差で再選の意味 ※改題しました

沖縄の日本復帰から50年のことし、沖縄県知事選の投開票が9月11日に行われ、玉城デニー氏が再選されました。この選挙結果が持つ意味は、玉城氏が訴えた米軍普天間飛行場の辺野古移設反対が、今も変わらない沖縄の民意として示されたことにとどまらない…

国葬「賛成」25% 「反対」は倍の51% 対面による時事通信調査

時事通信が9月9~12日に実施した世論調査の結果が報じられています。安倍晋三元首相の国葬に対しては「賛成」25.3%に対し「反対」51.9%でした。「反対」が「賛成」の倍に上っています。 岸田文雄内閣の支持率は、前月比12.0ポイント減の3…

「国葬」評価、若い世代に急激な変化~もはや「世論を二分」ではなく「反対多数」

先週末に実施されたNHKと朝日新聞の世論調査のうち、安倍晋三元首相の国葬への賛否の評価を問う設問への回答結果が、興味深いことになっています。 朝日新聞の調査(9月10、11日実施)では、国葬に対し「賛成」38%、「反対」56%でした。前回調査(…

地方紙は国葬へ批判が圧倒、撤回求める社説、論説も

安倍晋三元首相の国葬を巡り、閣議決定による実施は適切だなどと岸田文雄首相が強調した9月8日の国会の閉会中審査について、地方紙も9日付の社説、論説で一斉に取り上げています。ネット上で目にした限りでは、批判的、懐疑的な論調が圧倒しています。 岸…

だれであれ「国葬」強行は民主主義の危機~岸田首相の国会説明 「法治逸脱」あらためて

安倍晋三元首相の国葬を巡る国会の閉会中審査が9月8日、衆参両院の議院運営委員会で行われ、岸田文雄首相が出席して質疑に応じました。国葬を行う理由や法的な根拠について、何も新しい発言がなかったのは予想通りです。到底納得できない、民意の多数の理…

若年層の安倍政治支持に変化が起きているのか~「国葬」へ否定的評価が急増

ひとつ前の記事の続きです。 読売新聞が9月2~4日に実施した世論調査では、安倍晋三元首相の国葬に対する評価が、同じ質問をした8月の調査(8月5~7日)から大きく変化しました。「評価する」は49%から11ポイントも減って38%にとどまった一方…

読売調査も賛否逆転 安倍元首相の国葬「評価しない」56%~世論の推移をまとめました

読売新聞とTBS系列のJNNが先週末、それぞれ実施した世論調査の結果が報じられています。安倍晋三元首相の国葬について、読売新聞調査では「評価する」38%に対し「評価しない」56%と、18ポイントもの差で否定的な評価が上回りました。前回8月…

安倍元首相「国葬」 世論の推移 ※随時更新

9月27日の安倍晋三元首相の国葬に対し、マスメディア各社の世論調査で賛否がどう推移したかを、わたしが目にした範囲で書きとめておきます。随時、更新します。 【10月】■9月27日に国葬が実施されたことに対しての評価です。 ・毎日新聞 ※22、23…