ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

追悼 桂敬一さん~自国が海外でどう見られているかの視点

メディア研究者の桂敬一さんが1月19日、89歳で逝去されました。つつしんで哀悼の意を表します。新聞協会事務局勤務から転じて、東大新聞研究所教授や立命館大教授を務められました。新聞のありようについても、社会で積極的に発言されていました。 わた…

「人権」の教訓が問われるのはフジテレビだけか~10時間超“やり直し”会見の在京紙報道

「中居正広・性加害問題」への対応や「性接待疑惑」を巡って、フジテレビは1月27日の臨時取締役会で、港浩一社長と嘉納修治会長が同日付で辞任することを決定しました。その後、午後4時から行われたやり直しの記者会見は、翌28日午前2時24分に終了…

「沈黙」の教訓化が見えないままの新聞~フジテレビの「性加害問題」対応を巡る報道に感じる危うさ

このブログの以前の記事で触れた「中居正広・性加害問題」と、フジテレビに指摘されている「性接待疑惑」は、その後も展開が続いています。1月23日は「中居引退表明」とフジテレビの第三者委設置・記者会見のやり直しの決定の、二つの大きな動きがありま…

トランプ「黄金時代」への戦慄~大統領就任、在京紙の報道の記録

米国大統領にトランプ氏が1月20日(日本時間21日未明)、就任しました。4年ぶり、2期目になります。初日から大統領令を連発。その内容を見れば、前バイデン政権の政策を大きく転換するだけでなく、国際協調に背を向け、分断と混乱を激化させることは…

「沈黙」の反省と教訓が組織ジャーナリズムに問われている~フジテレビ「性加害問題」会見の本質を考える

フジテレビの港浩一社長が1月17日、記者会見し、タレント中居正広さんと女性の「トラブル」について、弁護士ら第三者が加わった委員会を設け調査することを明らかにしました。東京発行の新聞各紙も18日付朝刊で、社会面を中心に比較的大きな見出しで報…

第三者を交えた「検証」が検察に必要~袴田さんの冤罪 新聞各紙の社説、論説

再審無罪が確定した袴田巌さんの冤罪事件に対し、最高検と静岡県警が昨年12月26日に公表した捜査や公判の検証結果のことは、このブログの以前の記事に書きました。特に最高検に対しは、全体として自己弁護に終始し「検察は悪くない」とだけ主張している…

寄稿「『フェイク対ファクト』の視点を/問われる旧態依然の選挙報道」(新聞通信調査会「メディア展望」)

昨年の東京都知事選、衆院選、兵庫県知事選ではSNSが注目を集めました。兵庫県知事選では、新聞、テレビが当初劣勢だと報じていた斎藤元彦知事が当選したことで、SNS上に「マスメディアの敗北」との言説が飛び交いました。勝ち負けの問題ではないので…

「戦後80年」「昭和100年」の年明け~デジタル化社会30年と「一方通行」の組織ジャーナリズム

新しい年、2025年になりました。 いろいろな節目に当たる年です。 一つは「戦後80年」。1945年8月の日本の敗戦から80年です。もう少し時間軸をさかのぼれば「昭和100年」です。 子どものころの記憶をたどれば、1968年(昭和43年)は「…