ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

秘密保護法

不祥事続きの海自にさらに負荷の悪循環~護衛艦の台湾海峡通過への危惧

海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が9月25日、台湾海峡を通過したと報じられました。最初に報じたのは読売新聞のようです。※「海自護衛艦『さざなみ』が台湾海峡を初通過、岸田首相が派遣指示…軍事的威圧強める中国をけん制」=9月26日05:00 https:…

軍拡の中で自衛隊に何が起きているのか~中国領海航行の護衛艦、正確な位置を艦長把握せず

海上自衛隊を巡って共同通信が配信したニュースを見て驚きました。 ことし7月4日、中国東部浙江省の沖合を航行していた護衛艦「すずつき」が一時、中国の領海内に入ったという出来事がありました。当時、中国軍の訓練の監視任務に当たっていました。中国側…

自衛隊の“逮捕隠し”が常態化していないか~潜水手当不正受給、実は4人逮捕 ※追記:大臣にすら隠蔽8カ月

一つ前の記事にも関連する内容なのですが、防衛省の「隠蔽体質」の根深さを示しているように思えますので、別の記事にして書きとめておきます。 防衛省が7月12日に発表した4種の不祥事処分の一つは、海自隊員の潜水手当の不正受給でした。免職11人、停…

「不正飲食」処分を防衛省本省が発表するのは異例~自衛隊員の不祥事は現地部隊が報道対応

防衛省が7月12日に発表した不祥事の大規模処分について、一つ前の記事の続きです。 性格が異なる4種の不祥事の処分を防衛省が一括して発表したことについて、マスメディアが合計人数「218人処分」を最前面に出して報じたことに対して、「防衛省に『し…

“してやられた”感の防衛省「218人処分」~本質は特定秘密保護法と米軍自衛隊の一体化

「防衛省にしてやられた」の感があります。不祥事の大規模処分の発表と報道のことです。 防衛省は7月12日、特定秘密の違法な運用や手当の不正受給、隊内の「不正喫食」、内局幹部のパワハラの4種の不祥事で自衛隊員計218人を処分したことを発表しまし…

「表現の自由」「報道の自由」と「社会の信頼」~新人記者の皆さんへ

今年も新聞社や通信社に新人記者が加わりました。配属先も決まって研修を受け、そろそろ実務に入ろうか、という人もいるのではないでしょうか。わたし自身はこの春で、マスメディアでジャーナリズムの仕事をしてきて40年になりました。現役の時間はとうに…

感謝の対象に「こんな人たち」は入っているのか~根深い分断残した「安倍政治」の功罪

安倍晋三首相が8月28日、辞任することを記者会見で表明しました。持病の潰瘍性大腸炎が再発したこと、政治判断を誤ることがあってはならないと考えたことが理由だと説明しました。職務を続けることも考えたとのことですが、賢明な結論だと思います。病気…

戦後70年と安倍晋三政権、憲法〜全国保団連四国ブロック講演会の報告

2月22日の日曜日、全国保険医団体連合会(全国保団連)四国ブロック協議会の主催で愛媛県松山市で開かれた学習講演会で、お話をさせていただきました。全国保団連とは、開業医や勤務医の方々でつくる各地の保険医協会・保険医会が加盟する全国組織です。…

やはり地方紙は反対や批判的論調が圧倒〜秘密保護法施行の社説

特定秘密保護法が施行された12月10日前後に、全国のブロック紙、地方紙が社説でどのように取り上げているか、ネット上で調べてみました。対象は、ネット上の自社サイトで社説を公開している新聞です。9日から11日まで、見出しのみの新聞も含めて以下…

特定秘密保護法が施行、在京紙の報道の記録

特定秘密保護法が12月10日午前零時、施行されました。「何が秘密か、それ自体が秘密」との指摘に代表される、批判の多い法律です。 10日付の東京発行の新聞各紙朝刊は、扱いが分かれました。朝日新聞、毎日新聞、東京新聞は本記を1面トップで大きく扱…

特定秘密保護法と新聞週間〜ブロック紙、地方紙の社説(備忘)

国民の「知る権利」や、報道の自由が損なわれるとの指摘が続いている特定秘密保護法をめぐって、安倍晋三内閣は14日、特定秘密の指定や解除の運用基準と、同法の施行日を12月10日とする政令を決定しました。※「特定秘密法の運用基準決定 指定対象55…

琉球新報「闇から闇に葬るつもりか」〜備忘・沖縄密約訴訟の最高裁判決

1972年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書の開示を元毎日新聞記者の西山太吉さんらが求めた訴訟で最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)が7月14日、判決を言い渡しました。一審の開示命令を取り消した二審東京高裁判決を支持する内容で、西山さんらの…

戦争許容社会と表現の自由、知る権利〜福岡県歯科保険医協会の市民公開講演会で話したこと

5月24日の土曜日、福岡県歯科保険医協会のお招きを受け、協会の第37回定期総会に続いて福岡市内のホテルで開かれた市民公開講演会で講演をさせていただきました。昨年11月、全国保険医団体連合会(全国保団連)の機関紙誌交流会でお話をさせていただ…

海自の隠蔽体質を批判した東京高裁判決が確定〜護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺訴訟

以前の記事で取り上げた海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺訴訟は、上司らの責任や海自による文書隠しを認め、約7300万円の支払いを命令した東京高裁判決が8日午前零時をもって確定しました。海自は、文書隠しを内部告発した3等海佐を処分しない…

護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺訴訟と秘密保護法

海上自衛隊の護衛艦たちかぜ乗組員だった21歳の1等海士が2004年10月に自殺し、遺族が「先輩のいじめが原因だった」として、国と先輩の元隊員に賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は4月23日、いじめを苦に自殺する恐れがあることを上官らが予…