ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「桜」疑惑の本質は安倍前首相による公権力の私物化~検察の捜査への根本的な疑問とマスメディアの課題

安倍晋三首相当時の「桜を見る会」前夜祭(夕食会)の経費補填問題で、東京地検特捜部は12月24日午前、安倍前首相を嫌疑不十分で不起訴とし、公設第1秘書を政治資金規正法の不記載罪で略式起訴としました。東京簡裁は秘書に罰金100万円の略式命令を…

「桜を見る会」検察捜査への疑問とマスメディアの報道に思うこと ※追記 あれよという間に略式命令、罰金100万円

※12月23日までの動きを踏まえて書きました 安倍晋三首相当時の「桜を見る会」前夜祭(夕食会)の経費補填問題で、東京地検特捜部が12月21日に安倍前首相を事情聴取したと報じられました。新聞、テレビの各メディアは一斉に「第一秘書を略式起訴」「…

菅首相は、なぜこんなにも感染リスクに無頓着なのか~「生活感」との大きな乖離、落差

菅義偉政権が新型コロナウイルスの感染拡大防止のために掲げた「勝負の3週間」は、感染者が日を追って増大する一方のうちに過ぎました。今、明らかになっているのは、対策が後手後手に回っている政権の実状だけではありません。信じがたいほどの、菅首相自…

内閣支持率の急落と「GoToトラベル」停止~世論が動けば状況は変わる

歴史的と言ってもいい内閣支持率の急落ぶりではないでしょうか。NHKが12月11~13日に実施した世論調査によると、菅義偉内閣の支持率は前月調査から14ポイント下がって42%でした。毎日新聞と社会調査研究センターが12月12日に実施した調査…

「遂に宣戦布告」79年前の見出し/真珠湾攻撃「死後の選別」に迫った神戸新聞

太平洋戦争開戦の日の12月8日前後には、新聞各紙にも関連の記事が目につきました。8月の敗戦の日だけでなく、戦争が始まった日のことも語り継ぐことが、戦争体験を風化させず継承していくことにつながるのだと思います。目にした記事の中で、特に印象に…

為政者は国民をたやすく戦争に駆り立てることができる~ニーメラー、ゲーリングと今日の日本社会

今から79年前、1941年の12月8日、日本は米国や英国との「太平洋戦争」に踏み切りました。その以前から中国との戦争が続いていました。それから3年8カ月、最後は自国に加え、アジア諸国にもおびただしい住民の犠牲を生んで、1945年8月に日本…

安倍前首相の聴取もまだなのに「秘書ら略式起訴へ」は早すぎる

安倍晋三首相当時の「桜を見る会」前夜祭(夕食会)の経費補填問題で、朝日新聞が12月4日付朝刊の1面トップで「安倍氏公設秘書ら略式起訴へ」と報じました。東京地検特捜部が、安倍前首相の公設第1秘書で「安倍晋三後援会」の代表と事務担当者の2人を…

検事総長人事と「日本学術会議」会員人選に通底するもの

安倍晋三首相当時の「桜を見る会」前夜祭(夕食会)の経費補填問題は、読売新聞が12月3日付朝刊で「安倍前首相の公設秘書を立件へ」と報じたのを皮切りに、各マスメディアも追随。刑事事件化する様相がはっきりしてきました。安倍前首相に対しても、東京…

夕食会の費用だけではない、「桜を見る会」安倍前首相答弁の焦点~1年前の世論調査振り返り

はてなブログから、1年前のブログ記事を振り返りませんか、とのメールが届きました。「どれどれ」と思いながらちょうど1年前、昨年12月1日にアップした記事を見たら、前月11月にマスメディア各社が実施した世論調査結果のまとめでした。 安倍晋三首相…