ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

ネット社会

衆院選を「人気投票」にしない、「白紙委任」「全権委任」を認めない~高市首相の“危うさ”とマスメディアの報道

衆議院が1月23日、解散されました。高市早苗首相が自らへの「白紙委任」「全権委任」を主権者に求める総選挙が、27日に公示されます。支持率が高い今のうちに議席を増やし、政権を安定させたいとの思惑が透けて見えます。「人気投票」になってはならな…

主権者に問われるのは、高市首相が進める「戦争の準備」の是非~衆院選を「人気投票」で終わらせないために

通常国会が1月23日に開会します。その冒頭、高市早苗首相が衆議院を解散することが確定的になりました。高市首相は1月14日に、自民党の鈴木俊一幹事長、“連立”を組む日本維新の会の吉村洋文代表に、冒頭解散の意向を伝えたと報じられています。始まり…

立花孝志党首を逮捕した捜査当局の“本気”~虚偽の拡散には現行法令で対処が可能

新聞やテレビの報道よりもSNSや動画サイトの情報流通が、有権者の投票行動に大きな影響力を持ったことが指摘された昨年11月の兵庫県知事選を巡って、兵庫県警、神戸地検で二つの大きな動きがありました。一つは政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝…

危惧するのは「こんな人たちに」発言の再来~高市内閣への民意の期待は手放しではない

高市早苗内閣が10月21日、発足しました。日本で首相に女性が就いたのは初めて。画期的な出来事です。共同通信社が21、22両日に実施した世論調査では、内閣支持率は64.4%。発足時では石破(50.7%)、岸田(55.7%)両内閣を上回りまし…

古い自民党そのままの高市早苗新総裁の選出~社会に分断をもたらす発言の危うさ

自民党の新総裁に10月4日、高市早苗氏が選出されました。マスメディアの情勢報道などで優位とみられていた小泉進次郎農相との決選投票で、国会議員票を大きく上積みして引き離しました。1955年の結党以来、女性の総裁は初めて。国会では衆参両院とも…

「差別は自分に返ってくる」~手塚治虫さん「アドルフに告ぐ」に感じる「差別」の本質と愚かさ ■追記:基本的人権の戒め

差別は他者との違いを認めず、相手より自分の方が優れていると考えることから始まります。自分と他人には、違いはあって当たり前です。生まれも育ちも、性格も特性も、好きになる相手も、家族の形も人それぞれ。でもその違いを巡ってひとたび差別が起これば…

乙武洋匡さん「『健常者ファースト』のこの国で。」~ニーメラー、ゲーリングとわたしたち 参院選の投票日に

ひとたび始まった差別はどんどん広がる。「日本人ファースト」の「日本人」をほかの言葉に置き換えてみるとどうだろうか。「○○ファースト」-。 参院選の投票日の朝、そんなことを考えているときに、乙武洋匡さんの「『健常者ファースト』のこの国で。」とい…

差別発言をなぜ笑うのか~ささやかでも「差別はだめ」「だれもが平等で自由」と声に出す

ひどい参院選になってしまいました。「日本人ファースト」の参政党をはじめ、いくつかの政治勢力が差別を競い合うような状況です。街頭で人権侵害の発言がまかり通っています。この状況を傍観し沈黙してしまうと、差別は勢いを増します。だから、黙っている…

「日本国籍=日本人」ではない参政党「憲法草案」の国民要件~「生まれ」「人種」を問うのは差別そのもの

このブログで4回連続の更新になりますが、参院選で「日本人ファースト」を掲げている参政党の「憲法草案」について、もう少し書きとめておきます。 現行の日本国憲法が保障している数々の国民の権利が、この「憲法草案」には見当たらないことは、一つ前の記…

「表現の自由」が失われた社会を想像してみる~参政党の憲法草案の考察

このブログの一つ前の記事で、参政党の「憲法草案」には「言論の自由」も「表現の自由」もないこと、それなのにTBSの報道への抗議の中では「民主主義の根幹である言論の自由と公正な報道の確保を強く求めてまいります」などと「言論の自由」を強調してい…

“違憲”の参政党が「言論の自由」を強調することの違和感~報道業務は「国営または自国の資本」と「憲法草案」に

このブログの一つ前の記事では、参政党が「新しい憲法を創る」ことを参院選の公約に掲げ、「憲法草案」を公表していることをめぐって、国会議員である神谷宗幣代表、さらには計5人の国会議員を擁する参政党が、現行の日本国憲法に違反している疑いがあるこ…

訃報の異例の扱いを説明した東京新聞「ぎろんの森」~「かつてのようなマス」はもうない

一つ前の記事(「戦後史のアイコン『長嶋茂雄』~訃報を伝える視点と在京紙の報道の記録」)の続きです。 元プロ野球選手、元監督の長嶋茂雄さんの訃報を、東京発行の新聞各紙が大きく掲載したことを巡って、東京新聞が6月7日付朝刊に掲載した「ぎろんの森…

戦後史のアイコン「長嶋茂雄」~訃報を伝える視点と在京紙の報道の記録

プロ野球の元巨人選手、監督の長嶋茂雄さんが6月3日、89歳で亡くなりました。つつしんで哀悼の意を表します。 立教大から巨人に入団したのは1958年、昭和33年でした。1960年生まれのわたしは福岡県で過ごしていた小学生のころ、プロ野球にはさ…

兵庫と千葉、二つの「2馬力選挙」の思惑と報じ方~マスメディアに問われているデジタル、SNSへの視点と知見

一つ前の記事(「立花孝志『2馬力』選挙」と報じることで見えにくくなること)の続きです。 千葉県知事選に出馬を表明している立花孝志・「NHKから国民を守る党」党首が2月14日の定例会見で、「2馬力選挙」の撤回を表明しました。出馬自体は維持する…

「立花孝志『2馬力』選挙」と報じることで見えにくくなること

少し時間がたちましたが、興味深いことに気が付きました。備忘を兼ねて書きとめておきます。 昨年11月の兵庫県知事選で、自身の当選ではなく、斎藤元彦知事の再選を目指して出馬した「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が2月7日、千葉県知事選(2…

慎重姿勢が前面に、兵庫県知事選巡る強制捜査の“異例”感~より本質は「2馬力選挙」とデマ

選挙とSNS、あるいは選挙とデマやフェイク、さらには他候補の当選のために出馬した「2馬力選挙」候補の扱いなど、マスメディアの政治報道、選挙報道にいくつもの課題が突き付けられた昨年11月17日の兵庫県知事選を巡って、新たな展開がありました。…

寄稿「『フェイク対ファクト』の視点を/問われる旧態依然の選挙報道」(新聞通信調査会「メディア展望」)

昨年の東京都知事選、衆院選、兵庫県知事選ではSNSが注目を集めました。兵庫県知事選では、新聞、テレビが当初劣勢だと報じていた斎藤元彦知事が当選したことで、SNS上に「マスメディアの敗北」との言説が飛び交いました。勝ち負けの問題ではないので…

「戦後80年」「昭和100年」の年明け~デジタル化社会30年と「一方通行」の組織ジャーナリズム

新しい年、2025年になりました。 いろいろな節目に当たる年です。 一つは「戦後80年」。1945年8月の日本の敗戦から80年です。もう少し時間軸をさかのぼれば「昭和100年」です。 子どものころの記憶をたどれば、1968年(昭和43年)は「…

「国家を監視する新聞」から「国家と一体の新聞」への転換 魚住昭さんの渡辺恒雄・読売新聞主筆の評伝

読売新聞グループ本社の渡辺恒雄・代表取締役主筆の訃報が伝えられました。新聞の発行部数が減少の一途とはいえ、618万部余(2023年7月~12月平均、「読売新聞MEDIA GUIDE2024-2025」より)で日本最大の部数の同紙は、12月20日付の…

選挙とSNS、「新聞」はどうネット空間に分け入っていくのか~世論調査の記録:国民民主の支持率 野党トップに

先週末に実施された4件の世論調査(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、共同通信)の結果を目にしました。特徴的なのは、政党支持率ではいずれの調査でも国民民主党が立憲民主党を上回り、野党でトップになっていることです。 国民民主党は10月の衆院選では「…

備忘メモ:本質は公益通報者保護のありよう~兵庫県の混迷、TBS「報道特集」見逃し配信12月8日まで

備忘のメモを兼ねて書きとめておきます。 TBS系列で11月30日(土)に放映された報道特集の「兵庫県知事選“斎藤現象”を考える」を、インターネト上の見逃し配信サービスTVerで見ました。事の発端から、兵庫県知事選を経て斎藤元彦知事が再選され、…

備忘メモ:年配層も新聞、テレビとネットをシームレスに行き来~メディアの主役の本格的な交代期か

備忘のメモを兼ねて、書きとめておきます(精緻な論考ではありません)。 この週末に参加した内輪の勉強会で、テレビに詳しい方から、斎藤元彦知事が再選された11月17日の兵庫県知事選とテレビについて、お話を伺う機会がありました。同感のことが少なく…

何も真相は明らかになっていない斎藤知事代理人の会見~「N国は反社会的カルト集団」に名誉棄損認めず

何も真相は明らかになっていない、と感じた記者会見でした。やはり知事本人の説明が必要なのではないでしょうか。 兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事のSNS運用に、公職選挙法違反ではないかとの指摘が続いていることに対して、斎藤知事の代理人の奥見…

「公選法抵触の認識ない」「弁護士が対応」繰り返す斎藤知事~SNSから現実社会の「疑惑」へ 兵庫県知事選に思うこと・その7

兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事陣営のSNS戦略を巡って、公職選挙法違反との指摘が出ている問題は、新たな段階に進みました。斎藤知事は11月25日午後、東京で開かれた全国知事会議の終了後に記者団に囲まれ、いくつか重要なことを自ら口にしま…

逆転劇から1週間、高まる「選挙違反」の指摘~「SNSに真実」は一面で真実 兵庫県知事選に思うこと・その6 【追記】報酬あってもなくても違法~しんぶん赤旗で上脇教授が指摘

兵庫県知事選挙で斎藤元彦知事が再選されたのは11月17日でした。失職当初は劣勢が伝えられながら、SNSを追い風にした逆転劇に、ネット空間は熱気と高揚感に覆われていたように感じました。あれから24日で1週間。わずかな時間のうちに、潮目はすっ…

斎藤知事「法に抵触することしていない」、でもSNSで“炎上”やまず~潮目変わり新たな展開 兵庫県知事選に思うこと・その5

兵庫県知事選とSNSを巡って、新たな展開が始まっていると感じます。 再選された斎藤元彦知事の広報全般を任されていたとして、PR会社「merchu」代表取締役の折田楓氏が、斎藤知事との打ち合わせなどとする写真や提案資料のスライドなどとともに経…

「何があったのか」の疑問に応える組織ジャーナリズムを~SNS戦略のnote改変とマスメディア 兵庫県知事選に思うこと・その4

兵庫県知事選で、斎藤元彦知事のSNS戦略を担当していたという方が11月20日午前、インターネット上の「note」に「兵庫県知事選挙における戦略的広報:『#さいとう元知事がんばれ』を『#さいとう元彦知事がんばれ』に」とのタイトルの記事をアップロー…

「公益通報者の保護」の論点と、首長、議会の二元代表制の意義~兵庫県知事選に思うこと・その3

兵庫県知事選の経緯をあらためて振り返ると、このままないがしろにはできないことが一つあると感じます。斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発していた文書の扱いです。公益通報者の保護の問題の根幹にかかわるからです。 文書は兵庫県の元西播磨県民局長が…

なぜ有権者はネットを開いたか~キーワードは「立花孝志」 続・兵庫県知事選に思うこと ※追記「テレビや新聞が、SNSに選挙報道の主役の座を譲った転換点」 ※追記2「NHK会長が選挙報道の検討表明」

斎藤元彦元知事が再選された兵庫県知事選について、全国紙の中で興味深く読んだ記事がいくつかあります。 このブログの一つ前の記事で触れた「マスメディアの敗北」については、朝日新聞のいくつかの記事が参考になると感じました。特に西田亮介・日大教授へ…

都知事選でマスメディアは既に敗北していたのではなかったか~兵庫県知事選に思うこと

斎藤元彦前知事の失職に伴う兵庫県知事選は11月17日に投開票があり、斎藤氏が再選されました。県議会が全会派一致で斎藤前知事の不信任決議を可決。選挙戦の当初は稲村和美・元尼崎市長のリードが伝えられていましたが、逆転しました。 東京にいて、マス…