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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

防衛省、自衛隊のずさんな発表とマスメディアの当事者性~「大本営発表」の再来を危惧

自衛隊の不祥事の続きです。 自衛隊には捜査権、逮捕権を備えた警察機関があります。警務隊です。海上自衛隊の潜水手当の不正受給事件では、昨年11月に警務隊が4人を逮捕していたのに、防衛大臣には報告が上がっていませんでした。防衛省は「文民統制の観…

自衛隊の“逮捕隠し”が常態化していないか~潜水手当不正受給、実は4人逮捕 ※追記:大臣にすら隠蔽8カ月

一つ前の記事にも関連する内容なのですが、防衛省の「隠蔽体質」の根深さを示しているように思えますので、別の記事にして書きとめておきます。 防衛省が7月12日に発表した4種の不祥事処分の一つは、海自隊員の潜水手当の不正受給でした。免職11人、停…

「不正飲食」処分を防衛省本省が発表するのは異例~自衛隊員の不祥事は現地部隊が報道対応

防衛省が7月12日に発表した不祥事の大規模処分について、一つ前の記事の続きです。 性格が異なる4種の不祥事の処分を防衛省が一括して発表したことについて、マスメディアが合計人数「218人処分」を最前面に出して報じたことに対して、「防衛省に『し…

“してやられた”感の防衛省「218人処分」~本質は特定秘密保護法と米軍自衛隊の一体化

「防衛省にしてやられた」の感があります。不祥事の大規模処分の発表と報道のことです。 防衛省は7月12日、特定秘密の違法な運用や手当の不正受給、隊内の「不正喫食」、内局幹部のパワハラの4種の不祥事で自衛隊員計218人を処分したことを発表しまし…

組織の危機の自覚がうかがえない新検事総長~裏金事件で自民党議員を不問とした当事者

一つ前の記事の続きになります。畝本直美検事総長が7月9日就任し、会見しました。危機的な状況にある検察組織の立て直しが急務のはずですが、報道によると、適正な権限の行使に努める、といった一般論の域を出ない発言が中心だったようです。少なくとも報…

「初の女性トップ」だけ伝えればいいのか~危機的状況のさなか、検事総長が交代

法務検察トップの検事総長に7月9日付で畝本直美・東京高検検事長が就く人事が6月28日の閣議で決まりました。マスメディアの報道では「検事総長に初の女性」の一点に注目が集まった観があります。裁判官、検察官、弁護士の「法曹三者」でトップに女性が…