ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

貧困社会

「軍事優先社会」で何が起こるかを伝えることが衆院選報道に必要~マスメディアにも「表現の自由」の当事者性

衆院選が10月19日、公示されました。自民党、公明党連立の岸田文雄内閣は10月4日に発足したばかり。一方で野党は、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の4党が市民連合との間で共通政策に合意し、選挙区での候補者一本化を進めるなど共闘体制…

岸田首相の所信表明に地方から懐疑、批判~「『みんな』に沖縄は含まれるのか」(琉球新報)、「被災者にどう寄り添う」(福島民報)、「被爆地の期待、裏切られた」(中国新聞)

岸田文雄首相が10月8日、国会で就任後初の所信表明演説を行いました。総じて具体性に乏しく、就任以来盛んに強調している「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」についても、何がどう新しいのかよく分かりません。実質的には、安倍晋三元首相が進め菅…

支持率45~59%、岸田政権“ご祝儀”少な目~「新しい資本主義」は耳当たりがいいが「雇用の質」をどう考えるのか

自民党の岸田文雄総裁が10月4日、国会で第100代首相に選出され、自民、公明両党連立の新内閣が発足しました。岸田首相は同日夜の記者会見で、臨時国会会期末の14日に衆院を解散し、19日公示、31日投開票とすることを表明。これまでは自治体など…

働き方改革法成立の在京紙報道~「高プロ」に懸念の一方で、改革に前向きも

当座の備忘メモです。 働き方改革法案が6月29日の参院本会議で可決され、成立しました。30日付の東京発行新聞各紙は6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)とも1面トップの扱い。本記(事実を伝える中心的な記事)を中心とする1面掲載の記事の見…

二階俊博氏「『産まない』は勝手な考え」「食べるのに困る家ない。こんなに素晴らしい幸せな国はない」

自民党の二階俊博幹事長が6月26日に行った講演がマスメディアに報じられています。 ※47news=共同通信「二階氏『産まない』は勝手な考え 都内で講演、少子化問題巡り発言」 https://this.kiji.is/384253021293397089 自民党の二階俊博幹事長は26日…

京品ホテル闘争が勝利的和解〜意義が増す「自主営業」

東京のJR品川駅前にあった老舗の「京品ホテル」をめぐって、経営者が2008年10月、廃業と全従業員の解雇を一方的に通告したものの、従業員が労働組合を結成して自主営業に乗り出し話題になりました。ほぼ1年前の昨年1月、東京地裁の強制執行によって…

東京新聞に「サウナ王城」自主営業の記事(共同通信配信)

以前のエントリーで紹介した東京・上野の「サウナ王城」の労働組合員による自主営業が、東京新聞の24日付朝刊の第2社会面に掲載されています。共同通信の配信記事なので、ほかの地方紙にも掲載されているかもしれません。 東京新聞の見出しは「閉鎖通告 …

「生きるための最後の砦」王城ユニオン自主営業の意義

この年末年始は、昨年の「年越し派遣村」に代わって、東京都が国の費用負担のもとで渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターに失業者らを集め、食事や宿泊場所を提供しました。この様子はマスメディアも「公設派遣村」として連日、紹介しました。4…

表現するのは「個人」〜メディフェス2009分科会の簡単な振り返り

昨日(20日)は午後、東京・表参道のウィメンズプラザで22日まで開催中の「第7回市民メディア全国交流集会〜TOKYOメディフェス2009」の分科会「徹底討論!『貧困の報道』と『報道の貧困』」に参加しました(参照過去エントリー)。日本ジャー…

2つの「3月20日」

3月20日という日を、わたしは14年前の地下鉄サリン事件と6年前のイラク戦争開戦の2つの出来事があった日として記憶しています。いずれもマスメディアの仕事の中で過ごしました。ことしも、この2つの出来事が日本の社会に何を残したのか、わたしたち…

春闘要求の正当性と「労労対立」

今春闘は18日、大手自動車メーカーの労働組合が一斉に要求を提出し、本格的な交渉段階に入りました。しかしトヨタの会社側は賃金改善(ベア)4000円の要求に対しゼロ回答をする方針と早くも伝えられています(47news=共同通信記事)。自動車産業内…

「年越し派遣村」を社会運動として伝える意義〜ボランティア「とね」様へのお答え

前回のエントリーの続きです。年越し派遣村のボランティアに参加された「とね」様からのご質問に答えてみたいと思います。 重複になりますが、1月4日のエントリーに対する「とね」様からのコメントを再掲します。 私の記事を取り上げていただき、ありがと…

「年越し派遣村」ボランティアの「とね」様のご質問

年末の12月31日から東京・日比谷公園に開設されていた「年越し派遣村」が1月5日、区切りを迎えて終了しました。1月4日のエントリー「他人事ではないから『年越し派遣村』を報じる意味は大きい」の「追記」でリポートを引用、紹介したボランティアの…

他人事ではないから「年越し派遣村」を報じる意味は大きい

ひとつ前のエントリーでも書きましたが、昨年12月31日に東京・日比谷公園で始まった「年越し派遣村」は1月2日になって入村者が収容能力を大幅に超え、実行委員会の申し入れを受けた厚生労働省が省内の講堂を5日朝まで開放。年明け早々の大きなニュー…

年越し派遣村のボランティアに敬意

新しい年になりました。本年もよろしくお願いいたします。 昨日のテレビニュースをはじめ、けさの新聞各紙も取り上げているようですが、東京・日比谷公園で昨日から1月5日までの予定で「年越し派遣村」が開かれています。共同通信の記事の一部を引用します…

読書:「蟹工船」(小林多喜二、新潮文庫「蟹工船・党生活者」)

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8823571/ ベストセラーになって久しい小林多喜二の1929年の小説「蟹工船」を先日、新潮文庫版で買い求め、読みました。大学生のころに一度読んでおり、ストーリーはほぼ…

読書:「人が壊れてゆく職場 自分を守るために何が必要か」(笹山尚人 光文社新書)

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8591142/ 賃金が生活保護水準を下回るような「ワーキングプア」や「偽装請負」、「名ばかり管理職」など、働き方、働かされ方をめぐる話題が最近は報道でも目につくようにな…

読書:「反貧困 『すべり台社会』からの脱出」(湯浅誠 岩波新書)

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8449148/ ことし4月に刊行されたときから早く読みたいと思いながら、先日ようやく読み終えました。著者の湯浅誠さんはNPO法人自立生活サポートセンター「もやい」の事務…

お知らせ:シンポ「憲法25条・生存権とメディア」詳報がアップされました

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8000177/ お知らせです。 以前のエントリで紹介したシンポ「憲法25条・生存権とメディア」のやり取りの詳報がサイト「憲法メディアフォーラム」にアップされました。トッ…

読書:「労働ダンピング―雇用の多様化の果てに」(中野麻美 岩波新書)

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/7955440/ この数日、日本マクドナルドがいわゆる「名ばかり管理職」を見直し、店長にも残業代を支給すると発表したり(20日)、トヨタ自動車が「QCサークル」活動に残業代…

読書:「ルポ 貧困大国アメリカ」(堤未香 岩波新書)

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/7785815/ 以前のエントリーで報告したシンポ「憲法25条・生存権とメディア」でのやり取りを聞いていて、堤未香さんの「ルポ 貧困大国アメリカ」を思い出しました。 全5章…

「信頼と希望のネットワークをつくる運動に報道の焦点を」〜シンポ「憲法25条・生存権とメディア」報告

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/7746996/ 19日の土曜日は大学の授業の後、午後から憲法メディアフォーラム開設3周年の記念シンポジムに行ってきました。 テーマは「憲法25条・生存権とメディア」。憲…

お知らせ・シンポジウム「憲法25条・生存権とメディア」

憲法メディアフォーラム開設3周年記念シンポジウム 「憲法25条・生存権とメディア」日時 4月19日(土)13時30分〜16時30分 資料代 500円 場所 KFCホール 東京都墨田区横網 1 丁目6番 1 号 <TEL> 03-5610-5801 [地下鉄] 都営地下鉄大江戸線「両国駅」A1出…