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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

京品ホテル闘争が勝利的和解〜意義が増す「自主営業」

 東京のJR品川駅前にあった老舗の「京品ホテル」をめぐって、経営者が2008年10月、廃業と全従業員の解雇を一方的に通告したものの、従業員が労働組合を結成して自主営業に乗り出し話題になりました。ほぼ1年前の昨年1月、東京地裁強制執行によって自主営業は終わりましたが、地位確認などを求めていた訴訟で和解が成立していたことが今週、報じられました。
※「京品ホテルと元従業員が和解 『勝利的』と評価」(47news=共同通信
 http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020401000296.html

ブログ「京品ホテルの労働者は闘い続ける」には2月2日に以下のエントリーがアップされています。
 http://keihinhotel.blog49.fc2.com/blog-entry-62.html

京品ホテル闘争、勝利的和解を勝ち取りました!
 京品ホテルの闘いは昨年2009年11月16日から破産管財人との団体交渉を繰り返していました。23回を重ね1月29日、東京地裁勝利的和解を勝ち取りました。和解条項が完全に履行されるまで和解内容への言及は守秘義務によってさしひかえさせていただきますが、雇用保障についても破産管財人から理解を得た満足できる内容です。
 外資ファンドの債権者や債権譲渡先の雇用責任を追及する、労働組合にとって未知の闘いでした。この勝利しは熱烈に支援してくださった労働組合、市民のみなさんの力に包まれた成果であり感謝いたします。なお2010年4月28日(水)19時から、総評会館で「解決報告集会とパーティ」を開催いたします。ご参加をお願いします。

 守秘義務ということで和解内容が具体的に分からず、どうにももどかしさがあるのですが、まずは粘り強く闘った皆さん、本当にお疲れさまでした。「雇用保障についても破産管財人から理解を得た満足できる内容です」とある点が特に関心を引きますが、和解条項の履行が終わって和解内容が公になるのを待ちたいと思います。
 同じく従業員が労働組合を結成して自主営業している東京・上野の「サウナ王城」についてのエントリーで書きましたが、今や本当に「自主営業」は「生きるための最後の砦」だと思います。労働組合という権利を手にし、行使することによってこういう方法が可能だということ、京品ホテルやサウナ王城のように現にがんばっている人たちがいるということが、社会に広く知られることの意義は大きいと思います。マスメディアの役目です。

※参考過去エントリー
京品ホテルはだれのものか?=2009年1月16日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090116/1232064213

京品ホテル強制執行=2009年1月25日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090125/1232846643

京品ホテル強制執行で裁判官の人権感覚が問われている=2009年1月30日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090130/1233248699

「生きるための最後の砦」王城ユニオン自主営業の意義=2010年1月6日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20100106/1262709959

東京新聞に「サウナ王城」自主営業の記事(共同通信配信)=2010年1月24日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20100124/1264295763