戦争と平和

名護市長に岸田政権支援の現職再選、しかし辺野古の新基地容認ではない~「沈黙 私たちも問われている」(朝日新聞)

沖縄県名護市長選が1月23日投開票され、現職で自民、公明両党の推薦を受けた渡具知武豊氏(60歳)が、同市辺野古の新基地建設に反対する前市議で、立憲民主や共産、社民各党などの推薦を受けた新人の岸本洋平氏(49歳)を破って再選されました。渡具…

黒船来航の地に残る、日本海軍を支えた「浦賀ドック」

江戸時代末期の1853年、ペリー率いる米国の東インド艦隊の艦船4隻が浦賀に来航しました。日本になかった蒸気船は「黒船」と呼ばれました。江戸幕府は開国を与儀なくされ、さらには武家政権の終焉と明治維新に至ります。15年後の1868年のことです…

基地の過剰負担は本土の日本国民も当事者~名護市長選皮切り、復帰50年の沖縄の選挙を注視する

沖縄県名護市長選が1月16日、告示されました。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に日米両政府が合意したのは1996年。その後に移設先として名護市辺野古が浮上してから7回目の市長選です。立候補したのは自民、公明の推薦を得て2期目を目指…

戦争は真珠湾攻撃の前に始まっていたし、対米国だけでもなかった~太平洋戦争開戦80年の報道の記録と伊丹万作「だまされることの罪」

ことし12月8日は、1941年の太平洋戦争開戦から80年でした。節目ということからか、マスメディアでも8日前後は関連の報道が例年より手厚かったように思います。東京発行の新聞各紙も、12月8日付朝刊、9日付朝刊で大きく扱う紙面が目に付きまし…

敗戦の教訓を引き継ぐ~西日本新聞のコラム「『暑いな』とデスクは言った」

先日、フェイスブックの知人の投稿で知った西日本新聞のコラムを紹介します。3年近く前のものですが、平成最後の年明けに、「昭和が終わった日」を振り返った内容です。「当時入社7年目で警察担当だった」という筆者は、わたしと同世代のようです。 ※「『…

25年前に日米が合意したのは「辺野古移設」ではなかった(沖縄タイムス社説)~岸田政権、松野官房長官も「唯一の解決策」強調 ※追記 「新基地見直し聞き流すな」(琉球新報社説)

松野博一官房長官が11月6日、沖縄県で玉城デニー知事と会談しました。同県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、玉城知事が「直ちに中断し、問題解決に向け国と県の協議の場を設けてほしい」と求めたのに対し、松野…

「敵を想定しその敵地を侵攻するという狂気」(保坂正康さん)~戦争体験の風化と軍拡公約の承認 衆院選報道振り返り②

今回の衆院選で自民党は、軍事費の大幅な増加と敵基地攻撃能力の保有を公約に明記しました。そのことが何を意味するのか、わたしはこのブログの以前の記事(「『軍事優先社会』で何が起こるかを伝えることが衆院選報道に必要~マスメディアにも『表現の自由…

「軍事優先社会」で何が起こるかを伝えることが衆院選報道に必要~マスメディアにも「表現の自由」の当事者性

衆院選が10月19日、公示されました。自民党、公明党連立の岸田文雄内閣は10月4日に発足したばかり。一方で野党は、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の4党が市民連合との間で共通政策に合意し、選挙区での候補者一本化を進めるなど共闘体制…

自民党公約が明示する「軍拡」~政権選択の最大論点

衆議院が10月14日、解散されました。衆院選は19日公示、31日に投開票されます。憲法70条は、衆院選の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は総辞職をしなければならないと規定しています。自民党、公明党連立の岸田文雄内閣は10月4日に発…

祭りは終わっても、コロナ感染爆発は続く~東京五輪・在京紙の報道の記録⑪8月6日付、7日付

東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)が東京五輪をどのように報じたか、その記録です。各紙の朝刊1面が中心です。 【8月6日付、7日付】 新型コロナウイルスの日本国内感染者が8月6日、100万人を超えました。50万人に達した…

五輪開会から2週間の惨状~フェーズ変わらないメディア:東京五輪・在京紙の報道の記録⑩8月5日付

東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)が東京五輪をどのように報じたかの記録です。各紙の朝刊1面が中心です。 【8月5日付】 8月4日に発表された新型コロナウイルスの東京都の新規感染者は4166人、全国では1万4千人を超えま…

広島原爆の日、黙とう呼び掛けず~東京五輪・在京紙の報道の記録⑦8月2日付

東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)が東京五輪をどのように報じたかの記録です。各紙の朝刊1面が中心です。 【8月2日付】 8月1日に発表された新型コロナウイルスの新たな感染者は、東京で3058人でした。全国では1万人を超…

沖縄戦から76年 犠牲者を悼み、歴史に学ぶ~「教訓を後世に」(琉球新報)、「記憶継承へ支援の輪を」(沖縄タイムス)

6月23日は沖縄の「慰霊の日」です。第2次大戦末期の沖縄戦で、沖縄守備隊の第32軍・牛島満司令官と長勇参謀長が自決して指揮系統は消滅、日本軍の組織的戦闘が終結したとされる日です。76年前、沖縄は日本軍の本土決戦までの時間稼ぎの捨て石にされ…

「人権侵害の懸念消えず」(沖縄タイムス) 「欠陥法は認められない」(琉球新報)~土地規正法成立、在京各紙はスタンスに違い

自衛隊や米軍基地など安全保障上の「重要施設」周辺や国境に近い離島などの土地利用を規制する法律が16日未明、参院本会議で可決、成立しました。マスメディアの報道では「土地規制法」との呼び方が主流のようです。自民党、公明党に加え日本維新の会、国…

沖縄マスコミ労協とMICが連名で「重要土地規制法案」への反対声明を公表

衆議院を通過した「重要土地調査規制法案」に反対する声明が、沖縄県内のマスメディア労組でつくる「沖縄県マスコミ労働組合協議会」議長と、新聞労連や民放労連、出版労連などでつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(略称MIC)議長の連名で発出され…

菅政権直結だった宮古島市の前市長逮捕~自衛隊配備、巨大利権だったのか

沖縄県宮古島への陸上自衛隊配備を巡って、いささか衝撃的なニュースです。沖縄県警捜査2課は5月12日、宮古島市の下地敏彦・前市長(75)を収賄容疑で逮捕しました。 ※琉球新報「陸自駐屯地めぐり650万円贈収賄容疑 前宮古島市長と千代田CC元社長を逮…

宝島社 タケヤリ広告に改めて思う「だまされることの罪」 ※追記 宝島社のヘイト本

出版社の宝島社が5月11日付の朝日新聞、読売新聞、日経新聞の3紙朝刊に出稿した企業広告が話題になっています。見開き2ページいっぱいに、戦時中の少女たちの戦闘訓練とおぼしき写真、その中央に新型コロナウイルスを模したと思われる赤い球体を配して…

これでも「何があっても五輪開催」なのか~本土決戦(76年前の「オリンピック作戦」)を回避した歴史の教訓に目を

新型コロナウイルス対策として、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に5月11日を期限に出されていた緊急事態宣言が、5月末まで延長されることが7日、決まりました。12日から愛知、福岡両県も加わり、計6都府県となります。変異株の拡大によって大阪は医…

「昭和」の戦争とコロナ禍での東京五輪開催強行

4月29日は「昭和の日」の祝日です。昭和のころは天皇誕生日でした。1989年1月に昭和天皇が亡くなり「平成」に改元されると、しばらくは「みどりの日」でした。2007年に現在の呼び名に変わりました。「国民の祝日に関する法律」は「激動の日々を…

バイデン米大統領が菅首相を呼んで確認を求めたこと~対中国の抑止破綻まで織り込んだ共同声明

菅義偉首相が訪米し、バイデン大統領と4月16日午後(日本時間17日未明)にホワイトハウスで会談しました。会談後に発表した共同声明には「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」として、「台湾」が…

「即時閉鎖こそ負担軽減だ」(琉球新報)、「辺野古にしがみつく愚」(沖縄タイムス)~普天間返還合意から25年、主権者一人ひとりが当事者

沖縄県嘉手納市の米軍普天間飛行場の返還に日米両国が合意したのは1996年4月12日。ことしで25年がたちました。しかし、いまだ返還も閉鎖もされず、周囲の市街地を米軍機が飛び交う危険な状態が続いています。同じ沖縄県内、名護市辺野古では普天間…

東京大空襲から76年、在京紙の報道の記録

第二次世界大戦の末期、1945年3月10日未明に東京の下町、現在の江東区から墨田区にかけての一帯は米軍のB29爆撃機の大編隊の空襲を受け、一夜にして10万人を超える住民が犠牲になりました。「東京大空襲」です。以後、日本中の都市が次々に空襲…

空襲の惨禍からよみがえった川崎大師「奇跡の銀杏」

先日、神奈川県川崎市の川崎大師(真言宗智山派大本山平間寺=へいげんじ)を訪ねました。東京・品川から京浜急行線の特急に乗れば、15分ほどで京急川崎駅に。大師線に乗り換えて三つ目の「川崎大師」駅から徒歩で10分足らずです。初詣でには大勢の参拝…

「辺野古新基地に自衛隊常駐を極秘合意」沖縄タイムスと共同通信が合同取材~新基地の位置付け明確に

1月25日付の沖縄タイムスに、陸上自衛隊と米海兵隊が、辺野古新基地に陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年、極秘に合意していたことが分かった、との記事が掲載されました。「沖縄タイムスと共同通信の合同取材に日米両政府関…

「遂に宣戦布告」79年前の見出し/真珠湾攻撃「死後の選別」に迫った神戸新聞

太平洋戦争開戦の日の12月8日前後には、新聞各紙にも関連の記事が目につきました。8月の敗戦の日だけでなく、戦争が始まった日のことも語り継ぐことが、戦争体験を風化させず継承していくことにつながるのだと思います。目にした記事の中で、特に印象に…

為政者は国民をたやすく戦争に駆り立てることができる~ニーメラー、ゲーリングと今日の日本社会

今から79年前、1941年の12月8日、日本は米国や英国との「太平洋戦争」に踏み切りました。その以前から中国との戦争が続いていました。それから3年8カ月、最後は自国に加え、アジア諸国にもおびただしい住民の犠牲を生んで、1945年8月に日本…

「東京大空襲」身代わりの焼けイチョウ

11月の3連休に、ふと思い立って東京都墨田区の飛木稲荷神社を訪ねました。このブログでも2回紹介していますが、東京で戦争があったことを今に伝えるイチョウの木がある神社です。 第2次世界大戦の末期、今から75年前の1945年3月10日未明、現在…

水木しげるさん「総員玉砕せよ!」の“事実を超える真実”~戦争による死を美化しない

8月15日は、日本の敗戦で第2次世界大戦が終結して75年の日でした。わたしが今、危惧するのは、社会で戦争体験の継承が難しくなっていることです。特に戦没者を「尊い犠牲」と美化し「その上に今日の日本の繁栄がある」と位置付けることは、戦争の実相…

戦争と平和を考える特別の新聞~「ヒロシマ新聞」から「しんけん平和新聞」へ

8月になりました。この十数年来、わたしにとっては戦争と平和を考える特別な時間です。 広島市に本社を置く中国新聞社の従業員でつくる中国新聞労働組合は戦後50年の1995年8月、「ヒロシマ新聞」を制作しました。原爆投下によって、中国新聞社は45…

国家と地域・住民の関係を問う沖縄「慰霊の日」~地方紙・ブロック紙社説の記録

6月23日は、1945年の沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」でした。75年のことし、沖縄タイムスと琉球新報は23日付の社説で、沖縄戦の体験を継承していくことの意義をそれぞれ説いています。▼沖縄タイムス「[慰霊の日に]知…