戦争と平和

沖縄戦から76年 犠牲者を悼み、歴史に学ぶ~「教訓を後世に」(琉球新報)、「記憶継承へ支援の輪を」(沖縄タイムス)

6月23日は沖縄の「慰霊の日」です。第2次大戦末期の沖縄戦で、沖縄守備隊の第32軍・牛島満司令官と長勇参謀長が自決して指揮系統は消滅、日本軍の組織的戦闘が終結したとされる日です。76年前、沖縄は日本軍の本土決戦までの時間稼ぎの捨て石にされ…

「人権侵害の懸念消えず」(沖縄タイムス) 「欠陥法は認められない」(琉球新報)~土地規正法成立、在京各紙はスタンスに違い

自衛隊や米軍基地など安全保障上の「重要施設」周辺や国境に近い離島などの土地利用を規制する法律が16日未明、参院本会議で可決、成立しました。マスメディアの報道では「土地規制法」との呼び方が主流のようです。自民党、公明党に加え日本維新の会、国…

沖縄マスコミ労協とMICが連名で「重要土地規制法案」への反対声明を公表

衆議院を通過した「重要土地調査規制法案」に反対する声明が、沖縄県内のマスメディア労組でつくる「沖縄県マスコミ労働組合協議会」議長と、新聞労連や民放労連、出版労連などでつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(略称MIC)議長の連名で発出され…

菅政権直結だった宮古島市の前市長逮捕~自衛隊配備、巨大利権だったのか

沖縄県宮古島への陸上自衛隊配備を巡って、いささか衝撃的なニュースです。沖縄県警捜査2課は5月12日、宮古島市の下地敏彦・前市長(75)を収賄容疑で逮捕しました。 ※琉球新報「陸自駐屯地めぐり650万円贈収賄容疑 前宮古島市長と千代田CC元社長を逮…

宝島社 タケヤリ広告に改めて思う「だまされることの罪」 ※追記 宝島社のヘイト本

出版社の宝島社が5月11日付の朝日新聞、読売新聞、日経新聞の3紙朝刊に出稿した企業広告が話題になっています。見開き2ページいっぱいに、戦時中の少女たちの戦闘訓練とおぼしき写真、その中央に新型コロナウイルスを模したと思われる赤い球体を配して…

これでも「何があっても五輪開催」なのか~本土決戦(76年前の「オリンピック作戦」)を回避した歴史の教訓に目を

新型コロナウイルス対策として、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に5月11日を期限に出されていた緊急事態宣言が、5月末まで延長されることが7日、決まりました。12日から愛知、福岡両県も加わり、計6都府県となります。変異株の拡大によって大阪は医…

「昭和」の戦争とコロナ禍での東京五輪開催強行

4月29日は「昭和の日」の祝日です。昭和のころは天皇誕生日でした。1989年1月に昭和天皇が亡くなり「平成」に改元されると、しばらくは「みどりの日」でした。2007年に現在の呼び名に変わりました。「国民の祝日に関する法律」は「激動の日々を…

バイデン米大統領が菅首相を呼んで確認を求めたこと~対中国の抑止破綻まで織り込んだ共同声明

菅義偉首相が訪米し、バイデン大統領と4月16日午後(日本時間17日未明)にホワイトハウスで会談しました。会談後に発表した共同声明には「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」として、「台湾」が…

「即時閉鎖こそ負担軽減だ」(琉球新報)、「辺野古にしがみつく愚」(沖縄タイムス)~普天間返還合意から25年、主権者一人ひとりが当事者

沖縄県嘉手納市の米軍普天間飛行場の返還に日米両国が合意したのは1996年4月12日。ことしで25年がたちました。しかし、いまだ返還も閉鎖もされず、周囲の市街地を米軍機が飛び交う危険な状態が続いています。同じ沖縄県内、名護市辺野古では普天間…

東京大空襲から76年、在京紙の報道の記録

第二次世界大戦の末期、1945年3月10日未明に東京の下町、現在の江東区から墨田区にかけての一帯は米軍のB29爆撃機の大編隊の空襲を受け、一夜にして10万人を超える住民が犠牲になりました。「東京大空襲」です。以後、日本中の都市が次々に空襲…

空襲の惨禍からよみがえった川崎大師「奇跡の銀杏」

先日、神奈川県川崎市の川崎大師(真言宗智山派大本山平間寺=へいげんじ)を訪ねました。東京・品川から京浜急行線の特急に乗れば、15分ほどで京急川崎駅に。大師線に乗り換えて三つ目の「川崎大師」駅から徒歩で10分足らずです。初詣でには大勢の参拝…

「辺野古新基地に自衛隊常駐を極秘合意」沖縄タイムスと共同通信が合同取材~新基地の位置付け明確に

1月25日付の沖縄タイムスに、陸上自衛隊と米海兵隊が、辺野古新基地に陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年、極秘に合意していたことが分かった、との記事が掲載されました。「沖縄タイムスと共同通信の合同取材に日米両政府関…

「遂に宣戦布告」79年前の見出し/真珠湾攻撃「死後の選別」に迫った神戸新聞

太平洋戦争開戦の日の12月8日前後には、新聞各紙にも関連の記事が目につきました。8月の敗戦の日だけでなく、戦争が始まった日のことも語り継ぐことが、戦争体験を風化させず継承していくことにつながるのだと思います。目にした記事の中で、特に印象に…

為政者は国民をたやすく戦争に駆り立てることができる~ニーメラー、ゲーリングと今日の日本社会

今から79年前、1941年の12月8日、日本は米国や英国との「太平洋戦争」に踏み切りました。その以前から中国との戦争が続いていました。それから3年8カ月、最後は自国に加え、アジア諸国にもおびただしい住民の犠牲を生んで、1945年8月に日本…

「東京大空襲」身代わりの焼けイチョウ

11月の3連休に、ふと思い立って東京都墨田区の飛木稲荷神社を訪ねました。このブログでも2回紹介していますが、東京で戦争があったことを今に伝えるイチョウの木がある神社です。 第2次世界大戦の末期、今から75年前の1945年3月10日未明、現在…

水木しげるさん「総員玉砕せよ!」の“事実を超える真実”~戦争による死を美化しない

8月15日は、日本の敗戦で第2次世界大戦が終結して75年の日でした。わたしが今、危惧するのは、社会で戦争体験の継承が難しくなっていることです。特に戦没者を「尊い犠牲」と美化し「その上に今日の日本の繁栄がある」と位置付けることは、戦争の実相…

戦争と平和を考える特別の新聞~「ヒロシマ新聞」から「しんけん平和新聞」へ

8月になりました。この十数年来、わたしにとっては戦争と平和を考える特別な時間です。 広島市に本社を置く中国新聞社の従業員でつくる中国新聞労働組合は戦後50年の1995年8月、「ヒロシマ新聞」を制作しました。原爆投下によって、中国新聞社は45…

国家と地域・住民の関係を問う沖縄「慰霊の日」~地方紙・ブロック紙社説の記録

6月23日は、1945年の沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」でした。75年のことし、沖縄タイムスと琉球新報は23日付の社説で、沖縄戦の体験を継承していくことの意義をそれぞれ説いています。▼沖縄タイムス「[慰霊の日に]知…

国と地域の関係を問う辺野古埋め立て工事の再開~控え目な在京各紙の報道

沖縄県議選の投開票から5日後の6月12日、日本政府は沖縄県名護市辺野古の新基地予定地の埋め立て工事を再開しました。工事関係者1人が新型コロナウイルスに感染したことから、4月17日から工事は中断していました。県議選では、玉城デニー知事の県政…

「大本営発表」報道の今日的教訓~東京大空襲から75年

第2次世界大戦末期の1945年3月10日未明、東京の下町一帯は米軍B29爆撃機の大編隊による空襲を受け、一夜で10万人以上が犠牲になりました。東京大空襲からことしは75年です。このブログでは毎年この日は、努めて何かを書きとめるようにしてい…

1970年当時より今の方が近い「光る風」(山上たつひこ)が描く絶望的な近未来

光る風 作者:山上 たつひこ 出版社/メーカー: フリースタイル 発売日: 2015/03/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) 山上たつひこさんと言えば、少年警察官こまわり君と同級生らのギャグ漫画「がきデカ」で知られます。週刊漫画誌「少年チャンピオン」での…

日韓のメディア労組が共同宣言「事実に基づいた報道で、国境を越えて平和と人権が尊重される社会を目指そう」

新聞労連や民放労連、出版労連など日本のメディア関連労組でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(略称MIC)と韓国のテレビ、新聞などメディア労働者の「全国言論労働組合」(略称NUM=National Union of Mediaworkers)が9月27日、共同宣言を…

昭和天皇の「戦後責任」~「拝謁記」 沖縄の新聞の視点

戦後、初代宮内庁長官を務めた故田島道治氏が昭和天皇とのやり取りを書き記していた「拝謁記」をNHKが遺族から入手し、その内容を8月16日に放送しました。NHKは同19日に「拝謁記」のうち自局で放送済みの部分を公開。これを元に新聞各紙も19日…

事実を歴史としてどう継承するのか~敗戦から74年の課題 付記・ブロック紙、地方紙の社説から

日本の敗戦で第2次世界大戦が終結して74年。ことしの8月15日は、重苦しい気持ちで迎えました。 一つは日本と韓国の政府間関係の悪化です。大きな要因は、元徴用工への賠償という歴史問題です。「日韓基本条約で解決済み」という主張があるにしても、日…

扱いが分かれた「表現の不自由展・その後」の中止~在京紙の報道の記録 付記・MIC声明「『表現の不自由展』が続けられる社会を取り戻そう」

名古屋市など愛知県で8月1日に始まった芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中の企画展「表現の不自由展・その後」の中止が3日、発表されました。この企画展には韓国の彫刻家が制作した慰安婦を象徴した「平和の少女像」が出展されており、2日に視…

「不偏不党」と「ペンか、パンか」~故原寿雄さんが問うた組織ジャーナリズムの命題

一つ前の記事「『不偏不党』の由来と歴史を考える~読書:『戦後日本ジャーナリズムの思想』(根津朝彦 東京大学出版会)」を読み返しながら考えたことを書きとめておきます。組織ジャーナリズムと「ペンか、パンか」の命題のことです。 「ペンは剣よりも強…

障がい者と沖縄戦~「埋もれた声に思い寄せ」慰霊の日・沖縄タイムスの社説

第2次大戦末期の1945年6月23日に、沖縄では日本軍の組織的戦闘が終結したとされます。この日は沖縄では「慰霊の日」です。沖縄タイムス、琉球新報の2紙も23日付の社説は慰霊の日がテーマです。 74年前の沖縄戦は、日本本土に米軍を迎え撃つ「本…

二・二六事件の現場、東京・赤坂「高橋是清翁記念公園」~昭和の惨劇を次代に語り継ぐ

6月に入って間もなく、東京都港区赤坂にある「高橋是清翁記念公園」を訪ねる機会がありました。大正から昭和初期にかけて首相、蔵相を務め、1936(昭和11)年に一部の陸軍将校らが起こしたクーデター未遂事件、二・二六事件で暗殺された高橋是清(1…

東京大空襲から74年 殉職した電話局職員31人の記録~「一顧の歴史と 寸時の祈念とを惜しませ給うな」(吉川英治の碑文) ※追記 吉川英治記念館のこと

第2次世界大戦の末期、1945(昭和20)年の3月10日未明、東京の下町地区は米軍B29爆撃機の大編隊の空襲を受け、一夜にして住民10万人以上が犠牲になりました。その「東京大空襲」からことしは74年です。わたしなりに戦争を、中でも生活の場…

沖縄の自己決定権と「本土」の責任、当事者性~沖縄県民投票の地方紙、ブロック紙社説の記録

※「『本土も当事者』おおむね共通~沖縄県民投票の地方紙、ブロック紙社説」から改題しました(2月28日) 2月24日の沖縄県民投票の結果に対しては、日本本土の地方紙、ブロック紙も社説、論説で取り上げています。ネット上でチェックできたものをまと…