戦争と平和

岸田首相あいさつ「ほぼコピペ」、長崎の8割は広島と同じ~改造内閣の第一の課題は「防衛力強化」=「軍拡」

8月9日は長崎の原爆の日でした。平和祈念式典での岸田文雄首相のあいさつは、6日の広島と同じく、核兵器禁止条約には触れませんでした。気になったのは、枢要な部分の表現が、広島でのあいさつと相当程度、一緒だったことです。「非核三原則を堅持しつつ…

すれ違う「被爆地の思い」と「首相の言葉」~ロシアのウクライナ侵攻のさなかで迎えた広島原爆の日

77年前の1945年8月6日、広島市に原爆が投下されました。今年はその日を、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で迎えました。ロシアのプーチン大統領は核兵器の保有を強調して国際社会を威圧しており、近年になく核兵器が実際に使われることが危惧さ…

参院選 自民大勝~早急な改憲は必要なのか

参院選は7月10日投票が行われ、11日にかけての開票で全議席が確定しました。自民党は改選前から8議席増の63議席を獲得し、単独で改選125席の過半数に達しました。大勝です。次いで、各党の獲得議席は以下の通りでした。 立憲民主党17議席(改選…

「『ノーモア戦争』の声を」(沖縄タイムス)、「『前夜』を拒絶する日に」(琉球新報)~沖縄慰霊の日の地元紙社説

参院選公示の翌日、6月23日は沖縄の慰霊の日でした。第二次世界大戦末期の沖縄戦で、日本軍の組織的戦闘が終わったとされる日です。ロシアによるウクライナ侵攻のさなか、23日付の沖縄タイムス、琉球新報の社説は、新たな戦争への危惧と、歴史から学ぼ…

参院選の争点は「物価高」「安保」「改憲」、根底で問われるのは「非戦の国是」

参議院議員選挙が6月22日、公示されました。 折しも、2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は終わりが見えず、ロシアへの経済制裁は原油の高騰、物価高となって日本の社会にも跳ね返ってきています。ロシアは日本の隣国でもあり、不安を感じる人は…

東京の空は沖縄の空につながっている~米大統領の横田基地、都心ヘリポート利用の意味を報じなかった在京各紙

米国のバイデン大統領が5月22日に来日し、24日に帰国の途に就くまで東京に滞在しました。この間、日米首脳会談と、日米両国にオーストラリア、インドを加えた4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合が東京で開かれました。ウクライナ侵攻を続けるロ…

沖縄の過重な基地負担を「自分ごと」に~「後ろめたさ」も、復帰50年 地方紙の社説、論説の記録

沖縄の日本復帰50年を地方紙の社説、論説はどのように論じたのか。5月15日当日前後の掲載について、主な地方紙各紙を調べてみました。いつもはネット上の各紙サイトで内容が読めるものを対象にしているのですが、今回はそれ以外の新聞についても可能な…

「『平和の島』達成されず」(玉城知事) 「強い経済実現」(岸田首相)~沖縄復帰50年式典、在京紙の報道の記録

沖縄の日本復帰50年の日だった5月15日、記念の式典が東京と沖縄で開催されました。東京発行の新聞各紙も、翌16日付の朝刊で報じています。日経新聞以外は1面トップでした。 各紙の1面本記の見出しを並べてみます。【朝日】「50年『平和の島』達成…

問われているのは「沖縄の自己決定権」と「本土のわたしたち」~施政権返還、日本復帰50年の在京紙報道の記録

沖縄の施政権が日本に返還されて、5月15日で50年を迎えました。東京発行の新聞各紙はいずれも、15日付朝刊紙面で関連の記事を大きく扱っています。日経新聞以外の5紙(朝日、毎日、読売、産経、東京)はいずれも1面トップ。日経も本記は1面です。…

平和の理念尊重の論調が圧倒~憲法記念日の地方紙、ブロック紙の社説

5月3日付の地方紙、ブロック紙各紙に掲載された憲法記念日の社説、論説を、ネット上の各紙のサイトで読める範囲でチェックしました。ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵攻の真っただ中であり、やはり日本国憲法の平和主義の理念を堅持し、現実の外交…

課題は平和主義の実践と生かし方~改憲に民意は冷静、危機下の憲法記念日

ことしの5月3日、憲法記念日を、ロシアのウクライナ侵攻が続く中で迎えました。東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)の3日付朝刊紙面にも、そのことを意識した記事が目に付きました。特に全国紙5紙の社説では、日本国憲法の前文を…

新人の皆さんへ~組織ジャーナリズムの仕事と表現の自由

この春、マスメディア企業に入社した新人たちと話す機会がありました。わたしが話したことの大意を書きとめておきます。将来の仕事として、組織ジャーナリズムが選択肢に入っている学生さんたちにも読んでもらえればうれしいです。 マスメディアの仕事につい…

「弁護士よりも労働組合の方が強い力を持っている」(今泉義竜弁護士)~労働組合のススメと今日の課題

4月も中旬に入りました。新しく社会人になった皆さんも、少しずつ勤務先の雰囲気に慣れてきたころではないでしょうか。そんな皆さんに参考になるのでは、と思ったツイッターのツイートと、ネット上の記事を紹介します。 https://twitter.com/i_yoshitatsu/s…

「表現の自由侵害」を当の安倍元首相はどう考えるのか~在京紙の扱いが分かれた札幌地裁判決

2019年7月、参院選期間中に当時の安倍晋三首相が札幌市のJR札幌駅前で街頭演説をした際、「安倍辞めろ」「増税反対」などとヤジを飛ばした市民が、北海道警の警察官に片や腕などをつかまれその場から排除されたり、長時間にわたって付きまとわれたり…

「NO WAR」への連帯は、戦争をやめさせるための希望~ロシアの放送局員が生放送中に抗議行動

マスメディアで働く一人として、黙って見過ごすわけにいかない出来事です。 ※共同通信「生放送で『戦争やめて』、ロシア TV局の女性社員が紙掲げる」=2022年3月15日 https://nordot.app/876234491127693312?c タス通信などによると、ロシアの主要テ…

「戦争で最初に犠牲になるのは真実」~自由な報道、自由な表現への弾圧は、戦争に反対する世界中の人々への攻撃

ウクライナに軍事侵攻しているロシアのプーチン大統領が、報道に対する規制を強めています。ロシア軍の行動や戦況を巡る虚偽情報に対しては、最大で禁固15年や150万ルーブルの罰金を科す内容の刑法改正案に、プーチン大統領が3月4日、署名したと報じ…

「戦争反対」の声を広く伝える~イラク戦争当時のこと 付記・安倍晋三元首相「核共有」発言の愚かしさ

ロシアのウクライナ侵攻に対する民衆の抗議行動が世界各地で続いています。日本でも2月27日の日曜日、各地で集会などが開かれました。このブログの一つ前の記事で書いたことですが、国際的な民衆の連帯でウクライナの人々を支えること、ロシア社会で戦争…

「平和を愛する諸国民の公正と信義」はロシア社会にもある~戦争をやめさせるためにジャーナリズムができること

戦争が起きました。わたしがジャーナリズムの仕事に就いてから何度目になるのでしょうか。2月24日に始まったロシアのウクライナに対する軍事侵攻は、どのような大義が主張されようとも、どのような理屈付けがあろうとも決して容認できません。ジャーナリ…

原発にも、本土の米軍基地にも共通の視点~名護市長選に対する地方紙、ブロック紙の社説、論説(その2)

1月23日の沖縄県名護市長選の結果に対する、地方紙の社説、論説の続きです。各紙のサイトで読める範囲でチェックしました。 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡っては、2019年2月の県民投票で「反対」が7割を占めたように、沖縄の民意は明…

地方自治の視座から、政府に転換求める地方紙~名護市長選に対する地方紙、ブロック紙の社説、論説

沖縄県名護市長選の結果に対する新聞各紙の扱いの続きです。地方紙・ブロック紙の社説も、各紙の自社サイトで確認できるもののみですが、チェックしました。 この選挙結果をもって、辺野古新基地の建設推進を地元の民意が容認したとは言えない、との点が各紙…

「移設容認と短絡するな」(朝日) 「普天間移設の進展を着実に」(読売)~名護市長選 東京発行各紙の社説

沖縄県名護市長選で、自民、公明両党が推薦した現職が、同市辺野古の新基地建設に反対する前市議の新人に5000票余の大差をつけて再選されたことを、東京発行の新聞各紙が1月25日付朝刊の社説でそろって取り上げました。 選挙戦では現職の渡具知武豊氏…

名護市長に岸田政権支援の現職再選、しかし辺野古の新基地容認ではない~「沈黙 私たちも問われている」(朝日新聞)

沖縄県名護市長選が1月23日投開票され、現職で自民、公明両党の推薦を受けた渡具知武豊氏(60歳)が、同市辺野古の新基地建設に反対する前市議で、立憲民主や共産、社民各党などの推薦を受けた新人の岸本洋平氏(49歳)を破って再選されました。渡具…

黒船来航の地に残る、日本海軍を支えた「浦賀ドック」

江戸時代末期の1853年、ペリー率いる米国の東インド艦隊の艦船4隻が浦賀に来航しました。日本になかった蒸気船は「黒船」と呼ばれました。江戸幕府は開国を与儀なくされ、さらには武家政権の終焉と明治維新に至ります。15年後の1868年のことです…

基地の過剰負担は本土の日本国民も当事者~名護市長選皮切り、復帰50年の沖縄の選挙を注視する

沖縄県名護市長選が1月16日、告示されました。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に日米両政府が合意したのは1996年。その後に移設先として名護市辺野古が浮上してから7回目の市長選です。立候補したのは自民、公明の推薦を得て2期目を目指…

戦争は真珠湾攻撃の前に始まっていたし、対米国だけでもなかった~太平洋戦争開戦80年の報道の記録と伊丹万作「だまされることの罪」

ことし12月8日は、1941年の太平洋戦争開戦から80年でした。節目ということからか、マスメディアでも8日前後は関連の報道が例年より手厚かったように思います。東京発行の新聞各紙も、12月8日付朝刊、9日付朝刊で大きく扱う紙面が目に付きまし…

敗戦の教訓を引き継ぐ~西日本新聞のコラム「『暑いな』とデスクは言った」

先日、フェイスブックの知人の投稿で知った西日本新聞のコラムを紹介します。3年近く前のものですが、平成最後の年明けに、「昭和が終わった日」を振り返った内容です。「当時入社7年目で警察担当だった」という筆者は、わたしと同世代のようです。 ※「『…

25年前に日米が合意したのは「辺野古移設」ではなかった(沖縄タイムス社説)~岸田政権、松野官房長官も「唯一の解決策」強調 ※追記 「新基地見直し聞き流すな」(琉球新報社説)

松野博一官房長官が11月6日、沖縄県で玉城デニー知事と会談しました。同県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、玉城知事が「直ちに中断し、問題解決に向け国と県の協議の場を設けてほしい」と求めたのに対し、松野…

「敵を想定しその敵地を侵攻するという狂気」(保坂正康さん)~戦争体験の風化と軍拡公約の承認 衆院選報道振り返り②

今回の衆院選で自民党は、軍事費の大幅な増加と敵基地攻撃能力の保有を公約に明記しました。そのことが何を意味するのか、わたしはこのブログの以前の記事(「『軍事優先社会』で何が起こるかを伝えることが衆院選報道に必要~マスメディアにも『表現の自由…

「軍事優先社会」で何が起こるかを伝えることが衆院選報道に必要~マスメディアにも「表現の自由」の当事者性

衆院選が10月19日、公示されました。自民党、公明党連立の岸田文雄内閣は10月4日に発足したばかり。一方で野党は、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の4党が市民連合との間で共通政策に合意し、選挙区での候補者一本化を進めるなど共闘体制…

自民党公約が明示する「軍拡」~政権選択の最大論点

衆議院が10月14日、解散されました。衆院選は19日公示、31日に投開票されます。憲法70条は、衆院選の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は総辞職をしなければならないと規定しています。自民党、公明党連立の岸田文雄内閣は10月4日に発…