新聞・マスメディア

名護市長に岸田政権支援の現職再選、しかし辺野古の新基地容認ではない~「沈黙 私たちも問われている」(朝日新聞)

沖縄県名護市長選が1月23日投開票され、現職で自民、公明両党の推薦を受けた渡具知武豊氏(60歳)が、同市辺野古の新基地建設に反対する前市議で、立憲民主や共産、社民各党などの推薦を受けた新人の岸本洋平氏(49歳)を破って再選されました。渡具…

基地の過剰負担は本土の日本国民も当事者~名護市長選皮切り、復帰50年の沖縄の選挙を注視する

沖縄県名護市長選が1月16日、告示されました。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に日米両政府が合意したのは1996年。その後に移設先として名護市辺野古が浮上してから7回目の市長選です。立候補したのは自民、公明の推薦を得て2期目を目指…

変わるもの、変えてはいけないもの~東京発行新聞各紙 元日付1面の記録

新聞はニュースの格付けにこだわるメディアです。日々のニュースで、その日もっとも重要だと判断したニュースを1面トップに置きます。1年の始まり、元日の朝に届く紙面であれば、1面トップには事前に時間と労力をかけて取材し仕込んだ大きな独自記事を各…

だれもが情報発信できる社会と「プロの責任」~新しい年の始めに

新しい年、2022年になりました。61歳で迎えた年の始めです。 2020年の秋に還暦を迎え、勤務先の通信社をいったん定年退社しました。そのまま1年更新の継続雇用契約に移り、管理職のまま同じ職務に就いていました。次の人事異動で役職を外れたら、…

戦争は真珠湾攻撃の前に始まっていたし、対米国だけでもなかった~太平洋戦争開戦80年の報道の記録と伊丹万作「だまされることの罪」

ことし12月8日は、1941年の太平洋戦争開戦から80年でした。節目ということからか、マスメディアでも8日前後は関連の報道が例年より手厚かったように思います。東京発行の新聞各紙も、12月8日付朝刊、9日付朝刊で大きく扱う紙面が目に付きまし…

敗戦の教訓を引き継ぐ~西日本新聞のコラム「『暑いな』とデスクは言った」

先日、フェイスブックの知人の投稿で知った西日本新聞のコラムを紹介します。3年近く前のものですが、平成最後の年明けに、「昭和が終わった日」を振り返った内容です。「当時入社7年目で警察担当だった」という筆者は、わたしと同世代のようです。 ※「『…

衆院選後の世論調査でも野党4党の共通政策の質問はない~衆院選報道振り返り④

一つ前の記事の続きです。 衆院選での立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党の共闘の意義は、小選挙区での候補一本化もさることながら、その前段で市民連合を仲立ちとして共通政策に4党が合意していたこと、その共通政策の内容が、安倍・菅政…

在京紙は野党4党の共通政策合意をどう報じていたか~自民党総裁選とに大きな差 衆院選報道振り返り③

少し時間がたちましたが、衆院選でマスメディアがどのような報道を展開したか、振り返りの続きです。 今回の衆院選は、「市民連合」(正式名称「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」)を仲立ちに、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の…

25年前に日米が合意したのは「辺野古移設」ではなかった(沖縄タイムス社説)~岸田政権、松野官房長官も「唯一の解決策」強調 ※追記 「新基地見直し聞き流すな」(琉球新報社説)

松野博一官房長官が11月6日、沖縄県で玉城デニー知事と会談しました。同県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、玉城知事が「直ちに中断し、問題解決に向け国と県の協議の場を設けてほしい」と求めたのに対し、松野…

「不発」野党共闘の意義~自民「絶対安定多数」を読めなかったマスメディア 衆院選報道振り返り①

10月31日投開票の衆院選は、終わってみれば自民党が261議席(無所属からの追加公認2人を含む)を得て、全ての常任委員会で委員長ポストを独占し、なおかつ全委員会で過半数の委員を確保する「絶対安定多数」に達しました。改選前から15議席減とは…

伝えるべきは「皇族の人権」~小室眞子さん、圭さんの結婚が可視化させたこと

秋篠宮家の長女眞子さんが10月26日、小室圭さんと結婚して皇籍を離れ、小室眞子さんとなりました。記者会見では眞子さん、圭さんがそれぞれ心境などを述べましたが、質疑応答はなく、報道側が事前に提出した質問に文書で回答する形式が取られました。眞…

「軍事優先社会」で何が起こるかを伝えることが衆院選報道に必要~マスメディアにも「表現の自由」の当事者性

衆院選が10月19日、公示されました。自民党、公明党連立の岸田文雄内閣は10月4日に発足したばかり。一方で野党は、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の4党が市民連合との間で共通政策に合意し、選挙区での候補者一本化を進めるなど共闘体制…

自民党公約が明示する「軍拡」~政権選択の最大論点

衆議院が10月14日、解散されました。衆院選は19日公示、31日に投開票されます。憲法70条は、衆院選の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は総辞職をしなければならないと規定しています。自民党、公明党連立の岸田文雄内閣は10月4日に発…

岸田首相の所信表明に地方から懐疑、批判~「『みんな』に沖縄は含まれるのか」(琉球新報)、「被災者にどう寄り添う」(福島民報)、「被爆地の期待、裏切られた」(中国新聞)

岸田文雄首相が10月8日、国会で就任後初の所信表明演説を行いました。総じて具体性に乏しく、就任以来盛んに強調している「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」についても、何がどう新しいのかよく分かりません。実質的には、安倍晋三元首相が進め菅…

支持率45~59%、岸田政権“ご祝儀”少な目~「新しい資本主義」は耳当たりがいいが「雇用の質」をどう考えるのか

自民党の岸田文雄総裁が10月4日、国会で第100代首相に選出され、自民、公明両党連立の新内閣が発足しました。岸田首相は同日夜の記者会見で、臨時国会会期末の14日に衆院を解散し、19日公示、31日投開票とすることを表明。これまでは自治体など…

「自民党劇場」が圧倒、野党の動きは紙面で埋没~有権者の政権選択に資する報道への課題

自民党の岸田文雄・新総裁の選出に伴い、臨時国会が10月4日に召集。岸田氏が首相に選出され、組閣が行われます。既に党役員人事では、麻生太郎副総裁、甘利明幹事長、総裁選で安倍晋三前首相が強力に後押しした高市早苗氏が政調会長など、「安倍・麻生・…

安倍前首相のアシストで岸田氏圧勝~衆院選へ、「自民党劇場」で終わらない報道が必要

自民党の新総裁に9月29日、岸田文雄氏が選出されました。国会議員票と同数の党員票の獲得を競った1回目の投票で1位。世論調査などでトップの人気があった河野太郎氏を1票差で交わしました。国会議員票の比重が圧倒的に高い決選投票では、河野氏に大差…

コロナ死者1万7千人超、在宅死続出に、総裁選候補者は当事者意識があるだろうか~宝島社が今度は“見殺し”広告

出版社の宝島社が、9月22日付の朝日新聞、読売新聞、日経新聞の各朝刊に、見開き2ページ前面を使った企業広告を出稿しました。放り出されたようなクマのぬいぐるみと、新型コロナウイルスとおぼしき赤い球体。「国民は、自宅で見殺しにされようとしてい…

「自民党劇場の人気投票」の伝え方と課題~有権者の政権選択を見据えた報道が必要

菅義偉首相の自民党総裁職の任期満了に伴う党総裁選が9月17日、告示されました。かねて立候補を表明していた河野太郎、岸田文雄、高市早苗の3氏に、直前になって推薦人20人の確保に至った野田聖子氏の4人の争いになりました。世論調査などで不人気ぶ…

検証の対象は「安倍・菅政治」~“打算”の寄り集まり政権 1年で離散、投げ出し

菅義偉首相が9月3日、17日告示、29日投開票の自民党総裁選に立候補しないことを党役員会で表明しました。前日は二階俊博幹事長に立候補することを伝えに党本部に出向いており、3日当日の新聞各紙朝刊の中には「総裁選出馬へ」の見出しが付いた紙面も…

「廃棄」のハードル低い五輪組織委への疑念~パラ・在京紙1面の報道の記録 8月26日付~31日付

東京五輪パラリンピック組織委員会を巡って気になるニュースが8月31日に報じられています。 ※共同通信「五輪会場の医療用手袋など廃棄 コロナ用、500万円分」 https://nordot.app/805361363655360512 東京五輪・パラリンピック組織委員会は31日、新…

コロナ感染拡大と五輪開催「影響したと思う」74%(毎日新聞調査)~支持続落の菅首相が奇策“二階外し”

毎日新聞と社会調査研究センターが8月28日に実施した世論調査と、日経新聞とテレビ東京が27~29日に実施した世論調査の結果が報じられています。 菅義偉内閣の支持率は以下の通りです(カッコ内は前月調査比、Pはポイント)。 ▼毎日新聞・社会調査研…

コロナ感染爆発でも中止の議論ないまま~パラ開会前後の新聞各紙の社説、論説の記録

パラリンピックが開会した8月24日前後に、新聞各紙が掲載した関連の社説、論説のうち、各紙のサイト上で読めるものを中心に見てみました。 五輪大会の期間中に、東京では新型コロナウイルスの感染者数は爆発的に増加し、現在は全国へと広がっています。に…

読売紙面のオリパラ大広告と新聞社の生き残り~パラリンピックが開会、漂う「特別扱い」感

新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大のさなかの8月24日、東京パラリンピック大会が開会しました。東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)は25日付朝刊でそろって1面トップで報じました。目を引くのは読売新聞です。五輪の開会式…

菅批判票の明確な受け皿になった新人が圧勝~示唆に富む横浜市長選の結果

8月22日投開票の横浜市長選で、菅義偉首相が全面的に支援していた小此木八郎候補が、立憲民主党推薦の新人、山中竹春候補に大差で敗れました。横浜市議から衆院議員へと進んだ菅氏にとって、地元の市長選での大敗は、党総裁選や衆院解散・総選挙への対応…

爆発的感染さなかの「9月解散戦略」「東京の底力」「パラ強行と学校連携観戦」

新型コロナウイルスの感染者急増は東京から他地域に広がり、政府は8月17日、緊急事態宣言の対象に7府県を追加することを決めました。対象は計13都府県となり、期間は9月12日まで。東京など6都府県では当初、8月31日までとされていました。東京…

カテゴリ「東京五輪・直前2カ月~期間中の社説」

東京五輪開会2カ月前の5月23日付から、新聞各紙の五輪関連の社説、論説を、各紙のサイト上で読めるものを対象に記録してきました。8月11日付で区切りとします。 新聞の社説、論説は時の世論そのものではないにしても、世論を探るための歴史史料として…

選手たちが五輪のありようとスポーツの価値を語る意義~五輪閉会、地方紙の社説論説

東京五輪閉会後に大会を振り返った地方紙、ブロック紙の社説、論説の記録です。 総じて、選手たちが技と力の競い合いを繰り広げたことは好意的に評価しつつ、新型コロナウイルス禍で開催の意義が二転、三転しながら強行されたことや、国際オリンピック委員会…

思惑外れた菅首相、世論からは「ダメ出し」~東京五輪・在京紙の報道の記録(番外)8月10日付

東京五輪閉会から1日過ぎて、東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)の紙面がそれぞれに興味深かったので、番外編としてもう1日、記録を書きとめておきます。 【9月10日付】 ■バブル崩壊 1面トップに東京五輪を持ってきたのは毎日…

力と技への感動と共感、社会に刻まれた深い不信と分断、IOCの尊大さ~東京五輪閉幕の在京紙、北海道新聞の社説の記録

一つ前の記事の続きです。 東京五輪が8月8日閉会しました。新聞各紙も9日付の社説、論説で大会を振り返り、今後の課題を展望しています。発行元の新聞社が大会の公式スポンサーに名前を連ねる全国紙5紙と北海道新聞、それに東京で発行している東京新聞(…