ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

新聞・マスメディア

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戦争が始まるとき、民衆もその戦争を支持している~80年前の敗戦の教訓と現代のわたしたち

1945年8月に日本がポツダム宣言受け入れを表明し、第2次世界大戦は終結しました。それから80年の年、2025年が終わります。 「敗戦80年」を新聞、テレビのマスメディアも様々に報じました。戦争を直接体験した世代がまもなくいなくなることから…

「日中 衝突防ぐ冷静さを」(朝日)、「危険極まりない中国の挑発だ」(読売) 地方紙は高市首相発言の軽率さの指摘も~中国機の自衛隊機へのレーダー照射、新聞各紙の社説、論説の記録

沖縄本島南東の公海上空で12月6日、中国空母の艦載機が、スクランブルの航空自衛隊機に2度、レーダーを照射する出来事がありました。危険な行為として日本政府が抗議したことに対し、中国側は、自衛隊機が接近して訓練を妨害したとしており、主張は対立…

「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」発言を賞賛することの危うさ

危惧していた通りのことが起きている―。そう感じるニュースです。 例年、この時期に話題になる「新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識選 2025T&D保険グループ新語・流行語大賞」)の発表が12月1日にありました。年間大賞は「働いて働いて働いて働い…

高市首相が「台湾有事の存立危機事態」を答弁した岡田議員の質問の趣旨

高市早苗首相が11月7日の衆院予算員会で、台湾有事をめぐり、日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当し得ると述べたことに対し、中国の激しい反発が続いています。日本への旅行や留学の自粛を求めたり、19日には日本の水産物の事実上の…

立花孝志党首を逮捕した捜査当局の“本気”~虚偽の拡散には現行法令で対処が可能

新聞やテレビの報道よりもSNSや動画サイトの情報流通が、有権者の投票行動に大きな影響力を持ったことが指摘された昨年11月の兵庫県知事選を巡って、兵庫県警、神戸地検で二つの大きな動きがありました。一つは政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝…

「放送レポート」休刊~メディア研究の成果は報道現場で生かされているか

メディア総合研究所(メディア総研)が隔月で編集、発行してきた「放送レポート」が、11月1日付発行の317号で休刊となりました。その最後の1冊が先日、手元に届きました。 創刊号は1972年1月号。もともと、民間放送局の労働組合の連合体である産…

「あからさまな米国追従だ」(琉球新報)、「対米追従からの脱却を」(沖縄タイムス)~高市首相の「主権」意識を問う

10月27日から3日間に渡ったトランプ大統領の来日と、出迎えた高市早苗首相の言動を巡って感じたことを、このブログのひとつ前の記事に書きました。中でも、日本の国家主権の観点から疑問に思うのは、高市首相が大統領専用ヘリに同乗し、東京都心の六本…

高市首相が東京の米軍基地から大統領専用ヘリで米空母を訪ね、軍事力強化を強調したことの意味~「安倍元首相」を巡る二つのニュースを俯瞰する視点はマスメディアにあるか

トランプ米大統領が10月27日に来日し、29日朝まで滞在しました。初日は天皇と会見。高市早苗首相は28日に初めての日米首脳会談を行いました。日本が軍事力の抜本的な強化と軍事費増に取り組む決意を伝え、「日米同盟の新たな黄金時代をともに作りた…

高市内閣への期待は高いが、自民党の支持率は石破内閣発足時より低い

高市早苗内閣が10月21日に発足して1週間。主なマスメディアの世論調査で、内閣支持率が出そろってきました。支持率は70%前後と高い水準です。日経新聞・テレビ東京の調査では74%、毎日新聞の調査では65%。いずれの調査でも、昨年10月の石破…

危惧するのは「こんな人たちに」発言の再来~高市内閣への民意の期待は手放しではない

高市早苗内閣が10月21日、発足しました。日本で首相に女性が就いたのは初めて。画期的な出来事です。共同通信社が21、22両日に実施した世論調査では、内閣支持率は64.4%。発足時では石破(50.7%)、岸田(55.7%)両内閣を上回りまし…

メモ:理念も倫理もなく、「狂気」を伴った高市政権なのか ※追記:吉田松陰の言葉と明治維新と内戦

自民党と日本維新の会(以下「維新」と表記します)が10月20日、連立政権合意書に調印しました。21日の臨時国会冒頭で高市早苗・自民党総裁が首相に選出。維新は高市内閣に閣僚を出さない「閣外協力」ですが、自民党と維新の双方とも「連立」であると…

維新との連携協議、NHK党議員受け入れの深刻さ~理念、倫理が感じられない自民党の「数合わせ」

高市早苗・自民党新総裁の選出、公明党が自民党との連立政権からの離脱を表明と、1週間ごとに政治が大きく動いています。この週末は、日本維新の会(以下「維新」)が自民党と政権強力に向けて基本的に合意したと報じられました。維新は立憲民主党、国民民…

公明党を連立離脱に踏み切らせた自民党のすさまじい劣化ぶり~「政治とカネ」への鈍感さは高市総裁だけの問題ではない

公明党の斉藤鉄夫代表は10月10日、自民党の高市早苗総裁との会談で、連立政権からの離脱を通告しました。選挙協力も白紙。次の臨時国会での首相指名でも、公明党の議員は高市総裁には投票しないとしています。1999年から続いた自公の協力関係は終わ…

メモ:公明党「連立離脱」の流れに

自民党の高市早苗総裁の元での自民、公明両党の連立協議は予断を許さない展開になっています。政局のウオッチが身上の全国紙の政治報道に、そのことが見て取れます。 毎日新聞のデジタル版は、10月10日早朝更新の記事で「公明、連立離脱の見方強まる」と…

「論功」を超えた露骨な「麻生支配」ではないのか~「党内政権交代」(日経新聞) 高市自民党の執行部人事

自民党の高市早苗総裁が10月7日、新執行部を発足させました。わたしなりの受け止めを言えば「派閥支配」と「裏金政治家のなし崩しの復権」です。刷新感は皆無。後退、劣化の感しかありません。連立政権を組んできた公明党も、高市自民党との連立継続を即…

古い自民党そのままの高市早苗新総裁の選出~社会に分断をもたらす発言の危うさ

自民党の新総裁に10月4日、高市早苗氏が選出されました。マスメディアの情勢報道などで優位とみられていた小泉進次郎農相との決選投票で、国会議員票を大きく上積みして引き離しました。1955年の結党以来、女性の総裁は初めて。国会では衆参両院とも…

「共通のアイデンティーは育ちにくい」(沖縄タイムス)、「戦後日本の矛盾が沖縄に集中」「国民の理解不十分」(琉球新報)~敗戦80年、沖縄の新聞の本土への視線

一つ前の記事の続きです。 1945年の敗戦から80年の8月です。地方紙、ブロック紙が8月15日付、16日付で掲載した関連の社説、論説をネット上の各紙のサイトで見てみました。 目を引くのは沖縄の2紙、沖縄タイムスと琉球新報です。 それぞれ、見出…

「歴史を見過ごさないために」(朝日新聞)、「平和つくる行動を今こそ」(毎日新聞)、「80年続いた平和を次の世代に」(読売新聞)~敗戦から80年、在京紙の報道の記録

日本の敗戦から80年のことし8月15日、各地で追悼式典が開かれたと報じられています。東京発行の新聞各紙の16日付朝刊は、東京・日本武道館で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式の様子を始め、「敗戦80年」の関連記事を複数のページにまたがって掲…

戦意高揚の一翼を担った新聞~特別企画展「社会を映す、動かす-ポスターにあらわれる国策宣伝の姿-」

1945年8月、日本無条件降伏を受諾して第2次世界大戦は終結しました。それから80年の夏です。関連の企画やイベントが全国各地で開催されています。 東京・九段にある厚労省所管の博物館「昭和館」では、特別企画展「社会を映す、動かす-ポスターにあ…

続・「沈まぬ太陽」山崎豊子さんインタビューの紹介~ジャンボ機事故から40年

1985年8月12日、東京・羽田空港から大阪・伊丹空港に向かっていた日本航空123便ジャンボ機が群馬県の山中に墜落し、乗客乗員520人が犠牲になりました。あの事故からことしで40年になります。マスメディアでも、例年にも増して関連の報道が目…

特定の記者、媒体の選別と排除が可能な参政党「記者会見」登録制~「沈黙」は「承認」と受け取られる

参政党の「記者会見」が、特定の記者、特定の媒体を事実上、選別し排除できる仕組みになっていることは、このブログで触れてきました。会見への参加問題以前に、記者を選別することなく質問を受ける、という姿勢を欠いているのであれば、「記者会見」と呼べ…

原爆投下80年の夏に考える「差別」~教訓を継承し人間の「弱さ」を乗り越える ※追記:「地球市民」の視点

ことしは広島に原爆が投下されて80年。8月6日朝、広島市の平和記念式典の様子をテレビで見ました。投下時刻の8時15分、鐘の音とともにわたしも黙とう。続いて松井一実市長の「平和宣言」、小学生2人の「平和への誓い」、石破茂首相や湯崎英彦・広島…

一人の記者、一つの新聞社の問題と捉えると「報道統制の発想」が見えなくなる~参政党「記者会見」の発言封じの何が問題か

臨時国会が8月1日に開会しました。7月の参院選で14人を当選させ、所属国会議員が18人になった参政党は同日午後に「記者会見」を開きました。わたしは動画で視聴しました。 7月22日の会見を排除された神奈川新聞の石橋学記者はこの日は参加。しかし…

備忘:「非国民」発言の参政党・初鹿野議員を神谷代表が「ポンコツ」「イエローカード」(「アエラデジタル」インタビュー記事)

備忘を兼ねて書きとめておきます。 朝日新聞出版が運営するサイト「アエラデジタル」に、参政党の神谷宗幣代表のインタビュー記事が掲載されています。▽「参政党・神谷代表に聞いた『日本人ファースト』の“真意” 『初鹿野さんにはめちゃめちゃ注意しています…

「表現の自由」を欠き「報道統制」を志向する参政党の憲法観~記者排除で「非国民」発言もうやむやなのか

一つ前の記事で以下のようなことを書きました。 参政党は7月22日に開いた「記者会見」から神奈川新聞の石橋学記者を排除しました。その本質は、現行の日本国憲法が保障している「表現の自由」および「報道の自由」の否定です。参政党が公表している憲法観…

「記者排除」の本質は現行憲法の否定~参政党の「記者会見」は記者会見ではない、一方的プロパガンダの場

国会議員の地位は日本国憲法で規定され、保障されています。だから国会議員であれば、憲法を順守するのは当然のことなのですが、それでも憲法は国会議員を含めた公務員に対し、憲法を尊重し擁護する義務を明文で課しています。努力目標ではありません。天皇…

「差別は自分に返ってくる」~手塚治虫さん「アドルフに告ぐ」に感じる「差別」の本質と愚かさ ■追記:基本的人権の戒め

差別は他者との違いを認めず、相手より自分の方が優れていると考えることから始まります。自分と他人には、違いはあって当たり前です。生まれも育ちも、性格も特性も、好きになる相手も、家族の形も人それぞれ。でもその違いを巡ってひとたび差別が起これば…

差別発言をなぜ笑うのか~ささやかでも「差別はだめ」「だれもが平等で自由」と声に出す

ひどい参院選になってしまいました。「日本人ファースト」の参政党をはじめ、いくつかの政治勢力が差別を競い合うような状況です。街頭で人権侵害の発言がまかり通っています。この状況を傍観し沈黙してしまうと、差別は勢いを増します。だから、黙っている…

「表現の自由」が失われた社会を想像してみる~参政党の憲法草案の考察

このブログの一つ前の記事で、参政党の「憲法草案」には「言論の自由」も「表現の自由」もないこと、それなのにTBSの報道への抗議の中では「民主主義の根幹である言論の自由と公正な報道の確保を強く求めてまいります」などと「言論の自由」を強調してい…

“違憲”の参政党が「言論の自由」を強調することの違和感~報道業務は「国営または自国の資本」と「憲法草案」に

このブログの一つ前の記事では、参政党が「新しい憲法を創る」ことを参院選の公約に掲げ、「憲法草案」を公表していることをめぐって、国会議員である神谷宗幣代表、さらには計5人の国会議員を擁する参政党が、現行の日本国憲法に違反している疑いがあるこ…