新聞・マスメディア

宮内庁長官「拝察」報道の記録

宮内庁の西村泰彦長官が6月24日の記者会見で、「天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変心配されている。国民に不安の声がある中で、開催が感染拡大につながらないか、懸念されていると拝察している」(共同通信)と述べ、万全の対策…

菅首相「『1万人』五輪相へ自ら提案」(産経)、「『無観客』盾に強行突破」(毎日)~会場の酒類販売は見送り

東京五輪の観客は、収容定員の50%以内で上限1万人に決まりました。6月21日に大会組織委員会、日本政府、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者協議が開かれ、終了後に橋本聖子・組織委会長が記者会見…

日本社会を覆う感染拡大の不安~五輪開催強行は内閣支持に結び付いていない

先週末に実施された電話世論調査の結果がいくつか報じられています。そのうち朝日新聞(6月19、20日実施)、共同通信(同)、毎日新聞・社会調査研究センター(6月19日実施)の3件について、東京五輪・パラリンピックに関連する質問と回答の状況を…

政治利用、危険だけでなくアンフェア、民意の支持少数~もはや止まらない東京五輪「観客入り開催」への疑問

東京五輪・パラリンピックは今夏、観客を入れての予定日程通りの開催に大きく舵が切られました。 菅義偉首相は6月17日、新型コロナウイルス対応として東京都や大阪府など10都道府県に出している緊急事態宣言を、沖縄県を残して20日で解除することを表…

「人権侵害の懸念消えず」(沖縄タイムス) 「欠陥法は認められない」(琉球新報)~土地規正法成立、在京各紙はスタンスに違い

自衛隊や米軍基地など安全保障上の「重要施設」周辺や国境に近い離島などの土地利用を規制する法律が16日未明、参院本会議で可決、成立しました。マスメディアの報道では「土地規制法」との呼び方が主流のようです。自民党、公明党に加え日本維新の会、国…

沖縄マスコミ労協とMICが連名で「重要土地規制法案」への反対声明を公表

衆議院を通過した「重要土地調査規制法案」に反対する声明が、沖縄県内のマスメディア労組でつくる「沖縄県マスコミ労働組合協議会」議長と、新聞労連や民放労連、出版労連などでつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(略称MIC)議長の連名で発出され…

「明確なストーリー」も「リスクの最小化」もなかった菅首相~五輪まで6週間、党首討論 在京紙報道の記録

菅義偉首相と野党党首による党首討論が6月9日午後、国会で開かれました。最大かつ唯一のテーマは、新型コロナウイルス禍と東京五輪であり、この状況であっても開催することの意義や、「安全・安心」の具体策を菅首相がどう説明するかに注目しましたが、質…

経理部長の自死を報じる意味~東京五輪を「働き方・働かされ方」から見る視点

いたましい出来事です。 日本オリンピック委員会(JOC)の52歳の経理部長の男性が6月7日午前、東京都内の都営地下鉄駅で電車にはねられ亡くなりました。報道によると、男性が自ら飛び込むところを駅の警備員らが目撃しており、警視庁は自死とみている…

コロナ禍の五輪開催の意義と「安全、安心」の基準

国会では先週来、東京五輪開催を巡る質疑が続いています。ここにきて大きな焦点になっていることの一つは、この新型コロナウイルス禍の下で五輪を開催すること自体の意義です。もう一つは、何をもって「安全、安心な五輪開催」と言うのか、その基準です。マ…

今夏の五輪、読売新聞調査では「中止」が最多の48% ※追記:JNN調査も「中止」が最多

読売新聞が6月4~6日に実施した全国電話世論調査の結果が報じられました。 東京五輪・パラリンピック大会に関連した質問は二つです。備忘を兼ねて、若干の感想とともに書きとめておきます。 ◆今年夏の東京オリンピック・パラリンピックは、どうするのがよ…

尾身会長発言に「言葉が過ぎる」と話した「自民幹部」とは誰か~政治報道の匿名多用への疑問

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長の一連の発言を巡る前回の記事の続きです。テーマがマスメディアの政治報道のありようになるので、別の記事にすることにしました。 尾身会長の発言を巡る報道の中で、気になる記事がありました。 朝日…

尾身会長の直言に向き合わない菅政権

政治と科学、ないしは政治と科学者の問題は、人間の歴史の普遍的なテーマの一つだろうと思います。開発されて間もない核分裂の技術が即座に広島、長崎への原爆投下に使われたことは、その一例だと思います。そういう意味でも、歴史の記録に残しておかなけれ…

「大切な命を守れるのか」 限りなく「中止」に近い中日・東京新聞の社説

新聞各紙の6月1日付の社説、論説で、新型コロナウイルスと東京五輪を取り上げた内容のものがいくつか目に付きました。 中日新聞は「大切な命を守れるのか」との見出しで、五輪の開催強行に強い疑念を表明しました。記者会見での質問に正面から答えなかった…

「中止を決断すべき時だ」(琉球新報)、「それでも開催の大義はあるのか」(神戸新聞)~民意を代弁する地方紙の社説、論説

新型コロナウイルス対策で東京、大阪など9都道府県への緊急事態宣言の再延期が5月28日に決まったことに対して、多くの地方紙が29日付以降、社説、論説で論評しています。その中で7月23日開幕の東京五輪に触れたものもいくつか目を引きました。菅義…

「五輪ありき 宣言延長」(東京新聞)、「開催『突進』 社会を分断」(毎日新聞)~緊急事態宣言再延長、在京各紙の報道の記録

新型コロナウイルス対策として東京、大阪など9都道府県に発令されている緊急事態宣言は、5月31日までとしていた当初予定を延長し、6月20日までとすることが5月28日、決まりました。菅義偉首相は感染拡大の防止とワクチン接種の推進の「2正面の作…

公式スポンサーが五輪中止を求めることに格段の重み~読売新聞は「開催へ感染防止策を徹底せよ」

朝日新聞社が公式サイトに5月26日、「東京2020オフィシャルパートナーとして」を掲載しました。一部を引用します。 https://www.asahi.com/corporate/info/14357747 新型コロナウイルス感染の拡大により、大会の開催を懸念する声が広がるなど、さまざまな…

内閣支持率と支持政党を最初に聞くか、最後に聞くか~菅内閣支持率16%(東京新聞など)の驚き

東京新聞が東京MXテレビ、JX通信社と合同で東京都民を対象に5月22、23両日実施した電話世論調査で、菅義偉内閣の支持率が16.1%、不支持率が64.4%だったことが話題になっています。その1週間前、15、16日に朝日新聞が実施した調査で…

「東京五輪中止」掲げるのは地方紙~「強行すれば首相退陣だ」(沖縄タイムス)、「理解得られぬなら中止を」(西日本新聞) 【追記】公式スポンサーの朝日新聞も「中止の決断を首相に求める」

7月23日に開会予定の東京五輪まで2カ月を切りました。IOCからはコーツ調整委員長の「緊急事態宣言下でも開催する」発言を始めとして、何が何でも開催との強硬な姿勢がいよいよ露骨になってきています。新型コロナウイルス感染拡大の収束はまったく見…

新聞労連が防衛省への抗議を表明

防衛省が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模集団接種を巡り、予約システムに架空のデータを入力しても予約ができてしまう不備を実際にシステムを使って実証していた毎日新聞と朝日新聞出版に、防衛省が抗議したことに対し、新聞労連(日本新聞労働…

信濃毎日新聞「政府は中止を決断せよ」 初めての明快な社説・論説

このブログの以前の記事で触れたように、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長やバッハ会長が、東京五輪開催への強硬姿勢を相次いで見せている中で、信濃毎日新聞(本社長野市)は23日付で「東京五輪・パラ大会 政府は中止を決断せよ」との…

「誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない」~IOC会長も東京五輪開催強行を言明 ※追記 「犠牲」は日本人意図せず

国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長(IOC副会長)が、東京五輪は新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発令されていても開催する、と明言したのに続いて、さらに驚くニュースをデイリースポーツのサイトで目にしました。IOCのバッ…

IOCの意思は開催国の主権を上回るのか~東京五輪「緊急事態宣言下でも開催」

驚きました。東京五輪を巡り、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長(IOC副会長)が5月21日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言下にあっても大会を開催するかを問われ、「答えはイエスだ」と明言した、…

予約システムの不備、東京新聞も架空データで検証取材~メディアのスクラムで圧力に対抗

防衛省による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種の予約システムを巡る欠陥の続きです。 毎日新聞とニュースサイト「AERAdot.(アエラドット)」が市区町村コードや接種券番号に架空のデータを入力し、システムの欠陥を実証取材していたことに対…

ワクチン大規模接種 なおも「自衛隊の政治利用」の疑念~架空データ予約の検証取材で何が明らかになったか

自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種オペレーションの予約受け付けが5月17日、始まりました。市区町村が配布している接種券に記載されていない架空の市区町村コードや接種券番号を入力しても予約ができてしまうことが判明し、「接種会場…

コロナ政府対応 新聞各紙のミスリードの教訓~「落としどころ」を探るばかりでなく

新型コロナウイルスへの対応で日本政府は5月14日、新たに北海道と岡山、広島両県を緊急事態宣言の対象とし、群馬、石川、熊本の3県に「まん延防止重点措置」を適用することを決めました。前日の13日に政府が決めた方針は、緊急事態宣言の新たな対象指…

前宮古島市長逮捕のニュースバリュー~在京紙の報道の記録

東京発行の新聞各紙の13日付朝刊紙面を見て、少なからず驚きました。沖縄県・宮古島に配備された陸上自衛隊部隊の駐屯地用地取得を巡る贈収賄容疑で、下地敏彦・前宮古島市長らが逮捕された事件の扱いです。 1面に入ったのは朝日新聞のみ。産経新聞は社会…

宝島社 タケヤリ広告に改めて思う「だまされることの罪」 ※追記 宝島社のヘイト本

出版社の宝島社が5月11日付の朝日新聞、読売新聞、日経新聞の3紙朝刊に出稿した企業広告が話題になっています。見開き2ページいっぱいに、戦時中の少女たちの戦闘訓練とおぼしき写真、その中央に新型コロナウイルスを模したと思われる赤い球体を配して…

これでも「何があっても五輪開催」なのか~本土決戦(76年前の「オリンピック作戦」)を回避した歴史の教訓に目を

新型コロナウイルス対策として、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に5月11日を期限に出されていた緊急事態宣言が、5月末まで延長されることが7日、決まりました。12日から愛知、福岡両県も加わり、計6都府県となります。変異株の拡大によって大阪は医…

もはや「改憲」「護憲」の二項対立ではない~世論調査結果からうかがえる民意

5月3日の憲法記念日に合わせて、マスメディア各社の憲法に関する世論調査の結果が報じられています。目に付いたところでは朝日新聞、毎日新聞、読売新聞が3日付朝刊に掲載。共同通信は1日付朝刊用に配信し、NHKは2日夜、公式サイトにアップしていま…

朝日新聞阪神支局の記者殺傷事件を風化させない~テロであり、異論を認めない社会を是としていた二重の意味で許すことができない

34年前の1987年5月3日夕、兵庫県西宮市の朝日新聞社阪神支局が散弾銃を持った男に襲われ、勤務中だった小尻知博記者が撃たれて亡くなりました。29歳でした。ほかに記者1人が重傷。共同通信などに届いた犯行声明は「日本民族独立義勇軍 別動 赤報隊…