ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

非常勤講師

意見の違いを認めつつ、読み手に納得してもらえるスキル~4月から半期、文章指導の講座を担当

この4月から半期、東京・成城大学文芸学部で非常勤講師を務めることになり、第1回の授業を先日行いました。講座名は「マスコミ特殊講義」。マスメディアの実務経験者による実習を含んだ実践的な内容です。わたしの場合は、新聞ジャーナリズムの実務経験者…

私家版ガイド:二・二六事件の関係地

1936年のクーデター未遂事件「二・二六事件」からことしは88年。別の記事に書きましたが、一部の若い軍人が部下を私兵化して起こした独善的な反乱であるこの事件には、今日的な教訓も少なくないと思います。 非常勤講師を務めた大学の授業では履修生た…

正確な情報の共有は「感情の氾濫」を止める~「文章作法」で気付かされた視点

東京近郊の大学で非常勤講師を務めていた「文章作法」の授業が先日、終了しました。2年間の非常勤講師の任期も3月で終了します。 最後の授業で講評した課題は小論文。メディアやコミュニケーションに関心がある学生を対象にした講座ですので、テーマは「ニ…

「文章作法」と新聞

東京近郊の大学で非常勤講師を務めている「文章作法」の年明け最初の授業が先日、ありました。「年明け最初」と言っても、次回が最終回。この大学での2年間の任期が間もなく終わります。 授業では、履修生たちに冬休みの宿題として小論文を課していました。…

軍事最優先の下で人命は軽視される~オスプレイ墜落と82年前の日本の戦争の底流に共通すること

昨年の春から2年間の予定で、東京近郊の大学で「文章作法」の講座の非常勤講師を務めています。いい文章を書くには、日ごろから社会とのかかわりを意識しておくことが大事だとアドバイスしており、その一助として授業では毎回、時々のニュースを1件取り上…

「自己検証」が問われているのはテレビだけではない~「沈黙」を重ねることへの危惧 追記:TBSが特別委の調査結果公表

旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害と「マスメディアの沈黙」に対して、テレビ朝日が11月12日に1時間の自己検証の番組を放送しました。9月11日にNHKが「クローズアップ現代」で、自局を含めてテレビが報じてこなかった経緯を…

この夏 「現場」のススメ~関東大震災100年、敗戦から78年、 私家版 史跡ガイド

東京近郊の大学で昨年春から週に1回、非常勤講師として「文章作法」の講座を受け持っています。本年度前期の授業が先日、無事に終了しました。履修生たちの文章力はそれぞれに上がっており、講師としてうれしい限りです。 前期は作文の指導が中心でした。自…

米軍基地、NATOへの接近、負傷兵受け入れ、原爆投下の責任と謝罪~広島G7サミット報道の追記

非常勤講師を務めている大学の授業で先日、広島市で開催されたG7サミットを巡る新聞各紙の報道について話をしました。一貫して「核廃絶」を焦点に報じた地元紙の中国新聞から、ウクライナ支援の強化などを通じてG7の結束の固さを証明していくべきだとして…

ジャニーズ「性加害」へのマスメディアの当事者性~「沈黙は虐待そのものと同じくらい恐ろしい」(BBC)

2週間も前のことになりますが、マスメディアの報道のありようが問われる事例だと考え、備忘を兼ねて書きとめておきます。 4月12日午前、ジャニーズJr.として活動していた歌手のカウアン・オカモトさんが東京の日本外国特派員協会で記者会見し、ジャニー…

新聞各紙の報道を比較することで分かること

首都圏の大学で非常勤講師として受け持っている「文章作法」の授業は2年目に入りました。1年目後期の最後の授業は1月末でした。それから2カ月余り。ことし最初の授業で久しぶりに訪ねたキャンパスは、イチョウ並木の新緑が目に鮮やかでした。ことしは桜…

「地域」に立脚した確固とした視点~ブロック紙・地方紙39紙の年頭の社説、論説を読む

非常勤講師を務める大学で先日、今年最初の授業がありました。手元にあった東京発行の新聞各紙の元日付け紙面を教室に持ち込み、それぞれの特徴などを解説しました。ロシアのウクライナ侵攻が続く中での新年であり、各紙の紙面を通じたキーワードが「戦争」…

敵基地攻撃能力の保有、「世論調査で賛成多数」に疑問と危惧~政府主張への疑義に触れない質問であることに留意が必要

先週末の12月17、18日に実施された3件の世論調査の結果が週明けに報じられました。敵基地攻撃能力の保有などを明記した安保3文書の改定が、16日に閣議決定された直後の調査です。世論調査の結果とその読み方は折に触れ、このブログで紹介してきま…

戦争の教訓の継承は、今こそ大きな意味がある~破局を“予言”していた桐生悠々、井上成美

今年春から大学で「文章作法」の非常勤講師を務めていることは、以前の記事に書きました。授業では日々の新聞報道の比較、解説も行っています。先日の授業では、12月8日の太平洋戦争開戦81年の報道を取り上げました。 日本の新聞は戦前の統制で、いくつ…

新聞の大きさを生かす~中日新聞・東京新聞「『ネコ電車』に朝刊が包まれた!」

ことし春から、勤務先からの派遣の形で、首都圏の大学で「文章作法」の授業の非常勤講師を務めています。文章の書き方の指導です。受講生はメディアやコミュニケーションに関心がある学生たちなので、授業では毎回、東京発行の新聞各紙を教材に、日々のニュ…

あらためて「教えるは学ぶに通ず」

4月から7月まで非常勤講師として講義を担当した明治学院大学から、「授業評価調査」の結果が送られてきました。受講した学生たちに文字通り、授業内容をアンケート方式で評価してもらうものです。2年前に非常勤講師を務めた際に経験済みでしたので、今回…

非常勤講師の授業が無事終了

4月から毎週土曜日の午前中に続けてきた明治学院大学社会学部の非常勤講師は10日、全14回の授業を無事に終えました。ここ数年のわたし自身の考察テーマである企業内記者の働き方と、インターネットの普及による社会の情報流通の変化、それに伴うマスメ…

再び「ジャーナリズムを担うのはだれか」

明治学院大社会学部での非常勤講師は今週末10日の授業で全14コマを終えます。前回(3日)と次回で「新しいジャーナリズムへ」と題して、新聞を中心にこれからのマスメディアとそこで働く記者のありようについて、さらにはマスメディアの専有ではない多…

新聞記者とジャーナリストの間

4月から毎週土曜日午前中の日課になっている明治学院大社会学部の非常勤講師の講義では、6月26日の前回まで3回にわたって「新聞記者とジャーナリストの間」をテーマに話しました。早いもので残りは7月3日と10日の2回。この2回で、授業全体を通じ…

大学生が「新聞」に持つイメージ

明治学院大社会学部の非常勤講師の授業で先日、学生たちに新聞に対して持っているイメージを挙げてもらいました。「新聞に接触している人は91・3%」との調査結果が先ごろ、日本新聞協会から発表されましたが、新聞の読まれ方に年代によって差があること…

「ニュースが僕を探してきてくれる」時代

毎週土曜日の午前中に行っている明治学院大学社会学部での非常勤講師の講義は、5月22日で7回が終わりました。以前のエントリー(「紙面、取材組織、記者クラブの『三位一体』」的な縦割り〜ネット以前と同じ新聞メディア」)で触れましたが、「可視化さ…

紙面、取材組織、記者クラブの「三位一体」的な縦割り〜ネット以前と同じ新聞メディア

明治学院大社会学部での非常勤講師は24日が3回目の講義でした。初回の概論紹介に続き第2回(17日)から本論ということで、計4回分をめどに「可視化されるマスメディア」をテーマに話を進めています。 ここで言う「マスメディア」は新聞と放送に特化し…

ジャーナリズムとジャーナリストの未来像を探る〜明治学院大での非常勤講師が始まりました

ことし最初のエントリーで少しだけお知らせしていましたが、明治学院大学社会学部で2年ぶりに非常勤講師を務めることになり、10日が第1回の講義でした。7月まで毎週土曜日の午前中、東京・白金のキャンパスに通います。 2年前は新聞ジャーナリズムがテ…

学生たちからの「通信簿」

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8700354/ 4月から務めていた明治学院大学社会学部の非常勤講師は、9月いっぱいで名実ともに終了しました。そのタイミングに合わせてでしょうか、きょう(10月1日)、授…

新聞は戦争を止められるか〜非常勤講師を終えて

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8267571/ 4月から続けていた明治学院大学社会学部の非常勤講師の講義が昨日(12日)で終わりました。「新聞ジャーナリズム」をテーマに計13回の講義でしたが、終わって…

新聞ジャーナリズムがネット規制を呼び込むことにならないように

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8232280/ 明治学院大社会学部での講義はきのう(5日)、「ネット社会、多メディア社会と新聞ジャーナリズム」のテーマを終え、残すところ次回の1回だけとなりました。 き…

新聞が書かなくても読者は知っていることがある〜ネット時代の新聞ジャーナリズム

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8149490/ 4月から毎週土曜日の午前中に行っている明治学院大学社会学部での講義は昨日(6月21日)が10回目でした。開講した当初は長丁場をどう乗り切るか不安がありま…

「組織」と「個々の良心」

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8106301/ 前回のエントリで取り上げたNHK番組改変訴訟の最高裁判決を、昨日(6月14日)の明治学院大社会学部での講義のテーマにしました。ここ2回は「表現規制と新聞…

「メディア規制」「取材・報道規制」ではなく「表現規制」と呼ぶ

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8018714/ 明治学院大学社会学部での非常勤講師の講義は、昨日(5月31日)から「表現規制と新聞ジャーナリズム」のテーマに入りました。長らくの間、直接、法規制が問題に…

近況:「軍事報道と表現の自由」の講義が終わりました

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/7974637/ 近況です。4月から毎週土曜日の午前、明治学院大学社会学部で、非常勤講師として新聞ジャーナリズムをテーマに講義をしています。きのう(24日)で6回が終わり…

講義が始まりました

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。 http://newswork2.exblog.jp/7695619/ 近況です。 先週の土曜日の4月12日、非常勤講師として明治学院大学社会学部で、新聞ジャーナリズムをテーマに週1回の講義を始めました。7月いっぱいまで計13、4回…