ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2011-01-01から1年間の記事一覧

「公務員組合の体質を改めることにしか日本再生の道はない」のか?〜橋下大阪市長が労組と対決姿勢

大阪以外の地域ではどのように報道され、どの程度知られているのでしょうか。大阪市の橋下徹市長が28日に市議会で行った就任後初の施政方針所信表明演説の中で、市職員の労組に敵意をむき出しにし、“適正化”に執念を燃やすと表明しました。産経新聞のサイ…

次の敵は「国」と宣言〜橋下徹氏が大阪市長就任

12月19日は、大阪市の新市長に11月27日の大阪ダブル選挙で圧勝した橋下徹氏が就任し、市役所に初登庁した日でした。午前11時からの記者会見を、わたしは職場で民放テレビの中継で見ました。橋下氏は選挙公約だった「大阪都」構想の実現に意欲を見…

「橋下か、反橋下か」の対立軸がもたらしたもの ※追記 橋下氏の強さと危うさが分かる毎日「記者の目」

11月27日の大阪市長選、大阪府知事選のダブル選挙は、既に広く報じられている通り、大阪市長に橋下徹氏、知事に松井一郎氏が当選。橋下氏が代表の「大阪維新の会」が完勝しました。得票は市長選で橋下氏が75万813票、一騎打ちの相手の現職平松邦夫…

公約の監視は選挙後も〜大阪ダブル選と新聞 ※追記 敗れた側の日常が問われていないか

大阪ダブル選挙の投開票日までにもう1回ぐらいは記事のアップを、と思いながら、前回の各紙世論調査の紹介以降、更新がないまま当日になりました。今夜遅くには、新しい大阪市長、大阪府知事が決まる見通しです。新聞各紙もネット上の自社サイトで当選速報…

有権者から見ると「大阪都構想」の優先順位は低い:大阪ダブル選挙の各紙世論調査

週明けの21日付朝刊で、朝日、毎日、読売、日経各紙がそろって1面に大阪市長選、大阪府知事選のダブル選挙に関する世論調査結果を掲載しました。1日早く20日付朝刊に載せた産経新聞を含めて、大阪で紙面を発行する大手紙5紙の調査結果が出そろいまし…

大阪ダブル選挙あと1週間 ※追記あり(各紙、中盤情勢記事をアップ)

大阪市長選と大阪府知事選のダブル選挙は、11月27日の投開票日まであと1週間となりました。大阪発行の新聞は各紙とも連日、関連記事を載せています。この2日ほどの各紙の報道ぶりを書き留めておきます。 ▼11月18日付朝刊 【朝日】▽2社面「都市の…

沸騰、ヒートアップ、大将戦―:14日の大阪ダブル選挙紙面

大阪府知事から大阪市長への転身を図る橋下徹氏と、市長再選を目指す平松邦夫氏の一騎打ちが確定した13日の大阪市長選告示について、大阪発行の新聞各紙は14日の夕刊で一斉に大きく報じました。朝日、毎日、読売、産経の4紙はいずれも1面トップ、社会…

橋下氏と平松氏が激突:13日の大阪ダブル選挙紙面

大阪市長選が13日、告示され、大阪府知事からの転身を図る橋下徹氏と、再選を目指す平松邦夫氏の2人以外に立候補の届け出がなく、一騎打ちとなることが確定しました。 ※「都構想、政治手法が争点に 平松、橋下氏が一騎打ち」(47news=共同通信) http://…

争点は収れんするのか拡散するのか〜まず知事選スタート:10日の大阪ダブル選挙紙面

大阪府知事選が10日、始まりました。13日には大阪市長選も告示になり、27日の投開票日まで論戦が続きます。 在阪各紙の10日夕刊紙面は、朝日、毎日、読売、産経の4紙が1面トップでした。各紙とも社会面にも雑観やサイド記事などを載せ、大きく展開…

争点化してもいい生活保護の高受給率:9日の大阪ダブル選挙紙面

9日付朝刊は各紙とも「知事選あす告示」が1面に載りました。各紙の見出しを見渡して目に付くのは「政党」「独裁」などのキーワード。新聞メディアは総じて、既成政党vs橋下徹氏・維新の会の構図での選挙と位置付け、「独裁」的だとしばしば批判される橋下…

「既成政党vs首長新党」の構図も見え始めた:5〜8日の大阪ダブル選挙紙面

大阪市長選に共産党推薦で出馬を予定していた渡司考一氏が4日夜、出馬を取りやめるとのニュースが流れました。5日付けの新聞各紙も一斉に報じています。渡司氏は各紙の取材に対して「私の出馬で『反独裁』の票が割れ、橋下氏の当選を許すことを避けたかっ…

橋下氏に対抗、「反独裁」明確に:11月3〜4日の大阪ダブル選挙紙面 ※追記:市長選は「独裁」めぐり一騎打ちへ

大阪府知事選と大阪市長選のダブル選挙は、知事選告示まで1週間を切りました。大阪発行の新聞各紙の関連報道も熱がこもってきたと感じます。 【追記】2011年11月5日午前7時45分 大阪市長選の構図が変わります。共産党推薦で立候補を予定していた…

対立候補は大阪都構想を否定:11月2日の大阪ダブル選挙紙面

大阪市長選と大阪府知事選のダブル選挙(11月26日投開票)をめぐって、橋下徹・前大阪府知事が代表の「大阪維新の会」は1日、選挙公約を正式に発表しました。大阪発行の新聞各紙は2日付の朝刊で報じていますが、内容については既に明らかになっていた…

ダブルスコアか、横一線か:11月1日の大阪ダブル選挙紙面

月があらたまり11月を迎えました。大阪府知事選は10日(木)、大阪市長選は13日(日)にそれぞれ告示され、ともに27日(日)に投開票です。 1日付け朝刊では、朝日新聞と読売新聞が世論調査結果を掲載しているのが目を引きました。各紙の主な記事は…

池田市長の出馬表明で選挙構図固まる:10月27日〜31日の大阪ダブル選挙紙面

先週後半は大阪を離れていたりで、在阪各紙をその日のうちには読めませんでした。少し時間がたってしまいましたが、前回のエントリー以降の大阪ダブル選の各紙記事について、特徴的だと感じた点に絞って書き留めておきます。 27日付朝刊 【朝日】1面トッ…

12月3日に上智大でシンポ「調査報道をどう進めていくか」

案内をいただいたイベントのお知らせです。 <シンポジウム> 調査報道をどう進めていくか 「3・11」の大震災に伴う福島第一原発の災害をめぐっては、「大本営発表ばかりの報道だった」などの激しい大メディア批判が沸き起こった。その一方で、「ジャーナ…

争点に識者が賛否、企画記事で「争点掘り起こし」も:25〜26日の大阪ダブル選挙紙面

10月25日から26日にかけての、大阪ダブル選挙をめぐる新聞各紙の主な記事について、備忘を兼ねて書き留めておきます。 25日付朝刊 【朝日】「民主 倉田氏擁立へ加速」「自民 維新と対決ムード」「府知事選候補者選び大詰め」(第2社会面、全7段)▼…

10月30日東京、12月4日大阪で新聞産業就職フォーラム

就職活動中の大学生の皆さんへのイベントの案内です。 全国の新聞社の労働組合でつくる日本新聞労働組合連合(新聞労連)が、就職先として新聞産業を考えている学生の皆さんに向けた「新聞産業就職フォーラム」を東京と大阪で開催します。東京は10月30日…

未明の知事「辞職」と市長選出馬表明〜大阪ダブル選挙まで1カ月余

大阪府の橋下徹知事が先週末の22日(土)未明、辞職願を府議会議長に提出。ただちに府議会本会議で同意が得られ、今月31日付での辞職が決まりました。議会後、橋下氏は報道陣に、既に11月27日の投開票の日程が決まっている大阪市長選への出馬を表明…

11月3日にシンポジウム「震災と憲法」

案内をいただいたシンポジウムの紹介です。 法学館憲法研究所サイト http://www.jicl.jp/index.html シンポジウムのチラシもPDFファイルでダウンロードできます。 20111103シンポ「震災と憲法」.pdf 〔シンポジウム「震災と憲法」(11/3)のご案内〕 被災者…

「廃棄すれば終わり」ではないはず〜沖縄密約文書・東京高裁判決への懸念

1972年の沖縄返還の費用の肩代わりをめぐって日米両政府が結んでいた密約に対し、元毎日新聞記者の西山太吉さんらが関連文書の開示や損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9月29日、東京高裁であり、青柳馨裁判長は原告勝訴の一審判決を取り消し、請求…

10月10日にシンポ「日本スポーツの『これまで』と『これから』」

案内をいただいたイベントの紹介です。チラシもPDFファイルでダウンロードできます。 20111010メディア総研「体育の日シンポ」.pdf 「体育の日」スペシャル・シンポジウム 日本スポーツの「これまで」と「これから」 〜JOC・日本体育協会創立100周年の節…

「『脱原発』に6万人」関西各紙の報道

東京・明治公園で19日、作家の大江健三郎さんらが脱原発を目指して呼び掛けた「さようなら原発5万人集会」が開かれました。わたしは関西にいて、ネット上のソーシャルメディアやマスメディアを通じてそのもようを知るだけでしたが、例えばツイッターのわ…

この半年、この10年〜こうの史代さん「3.11を心に刻んで」を胸に

きょう9月11日は、東日本大震災から半年です。犠牲者が1万5781人、いまだ4086人の方が行方不明(10日現在の警察庁集計)。福島第一原発事故は収束せず、多くの方々が避難生活を余儀なくされたままです。犠牲になった方々のご冥福をあらためて…

脱「政争」の報道へ

今回も少し日が経ってしまいましたが、備忘を兼ねてのエントリーです。 民主党は8月29日、新代表に野田佳彦氏を選出しました。野田氏は30日に国会で首相に選出され、9月2日に組閣。2年前の政権交代後、3人目の首相です。 民主党の代表選には5人が…

「公務員」「教育」と「政治主導」〜論議呼ぶ大阪維新の会の条例案

少し日が経ってしまいましたが、記録の意味でも書き留めておきたいと思います。 大阪府の橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が8月22日、「教育基本条例案」と「職員基本条例案」の概要を発表しました。ともに9月以降、大阪府議会と大阪、…

9月30日に東京で学習会「福島原発事故から考える〜国家と犠牲」

案内をいただいた集会の紹介です。 4団体(MIC、JCJ、マスコミ関連九条、自由法曹団)学習会 「福島原発事故から考える〜国家と犠牲」 ▽基調講演:「福島原発事故から考える〜国家と犠牲」 高橋 哲哉(東京大学大学院総合文化研究科教授) プロフィール:19…

「あと1日」を許さなかった8月14日の大阪大空襲

66年前、1945年の8月14日午後、大阪は米軍B29爆撃機140機余による空襲を受けました。標的は大阪城周辺に広がっていた陸軍の工廠でしたが、近くの国鉄京橋駅(今のJR大阪環状線京橋駅)にも直撃弾がありました。大勢の乗客らが犠牲になった…

被爆者運動の歴史から見通す原発事故〜被爆地の記者に学ぶ視点

8月6日の広島に続き、9日は長崎の原爆の日でした。一つ前のエントリー(「大震災、原発事故と『戦争と平和』、ジャーナリズムの間〜8月を迎えて考え続ける)を書いた後も、同じ核である原爆と原発の二つをどう考えていけばいいのかと、色々な人の発言を…

大震災、原発事故と「戦争と平和」、ジャーナリズムの間〜8月を迎えて考え続ける

8月6日は66回目の広島原爆の日でした。投下時刻の午前8時15分、一人でそっと黙祷しました。 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の後、初めての原爆の日。松井一実市長は平和記念式典の平和宣言で「脱原発を主張する人々、あるいは、原子力管理の…