ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

プロのプロたるゆえん~新人記者の皆さんへ伝えたいこと

 新年度を迎えました。今年も新聞社・通信社各社に新しい顔ぶれが加わりました。どんなに社会環境が変わっても、これまで新聞が培ってきた組織ジャーナリズムは、社会にとってなお不可欠です。現役の時間を終えたわたしにとって、若い皆さんは将来への希望です。期待しています。
 わたしは通信社で働き41年になります。記者、デスク、出稿部や整理部門の管理職として報道の現場に長く身を置き、その後は知財管理や人材育成・研修などの担当として組織運営にもかかわってきました。40代半ばまでに労働組合の専従役員も2回務め、計3年間休職し、自分の仕事を少し距離を置いたところから見つめる時間も得ました。それらの経験をもとに昨年4月、このブログで「新人記者の皆さんへ」と題した文章を計5本書きました。これからの組織ジャーナリズムを担う皆さんに、そのキャリアの始まりに当たって伝えたいことです。わたし自身が、先輩たちから受け継いできたことも多々含まれています。1年後の今、読み返しても、思いは変わっていません。
 記者の仕事は日本国憲法に由来する「表現の自由」や「報道の自由」、そして何よりも「社会の信頼」が不可欠であること、社会の人たちが何を考え、何を望んでいるか、民意を知ること、市民を信頼し、その期待に応えること、「わが国」といった大きな主語を使ったり、大きな主語で考えたりすることは控えたほうがいいこと、日本国憲法が社会の隅々まで無縁ではないことを知ること、歴史の記録として後世の評価に耐えうる記事を目指すこと、「新聞」を支えているすべての人たちに敬意を払うこと―。
 社会の情報流通やメディアを取り巻く環境がどれほど変わろうと、「組織ジャーナリズムの記者」という仕事の基本は変わるはずはありません。SNSの普及によって「だれもが情報発信」「だれでもジャーナリスト」と言われて久しいですが、そうであるからこそ、アマチュアとは異なるプロフェッショナルの記者のプロたるゆえんを常に考えていてほしいと思います。

 昨年は、新人研修が一区切りしたタイミングで、これらの文章を順次アップしました。今年は、これから研修というタイミングになりますが、ぜひ読んでみてください。

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