君が代不起立で再雇用拒否、最高裁が容認

 7月19日のことですが、最高裁が気になる判決を言い渡しました。

※47news=共同通信「君が代不起立、元教諭敗訴 再雇用拒否に『合理性』」2018年7月19日
 https://this.kiji.is/392604103450690657?c=39546741839462401 

 卒業式などで起立して君が代を歌うよう指示した校長の職務命令に反したことを理由に、退職後の再雇用を拒否したのは違法として、東京都立高の元教諭22人が都に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は19日、賠償を命じた二審判決を破棄し、元教諭の請求を棄却した。逆転敗訴が確定した。
 第1小法廷は「再雇用の合否判断は任命権者の裁量にゆだねられている。不合格とした結論は合理性を欠いていない」と判断した。 

 報道によると、元教諭らは起立命令に従わなかったことを理由に減給や戒告などの懲戒処分を受けた上に、2007~09年に再雇用を拒否されたとのことです。再雇用されるかどうかは定年後の人生設計の上で決定的に重要です。官公庁や自治体では現在、定年後に希望した人の再雇用が原則として義務付けられており、同様の再雇用拒否は今では起きないとのことですが、それだけ再雇用には重みがあるということでしょう。そうであるなら、過去にさかのぼって救済が図られてもいいように思います。わたし自身は、都教委の裁量権の逸脱を指摘した1、2審判決の方が、納得感が高いと感じます。

 毎日新聞が7月22日付の社説で、この判決を取り上げています。その中で、1999年に「国旗及び国歌に関する法律」(国旗国歌法)が成立した際に、当時の小渕恵三首相が国会で、政府としては掲揚を強制するつもりはないと答弁したことに触れ「その精神は今後も尊重すべき」と指摘しています。重要な論点だと思いますので、一部を引用します。
 ※毎日新聞:社説「君が代『再雇用拒否』判決 行政の裁量広げすぎでは」
 https://mainichi.jp/articles/20180722/ddm/005/070/046000c

 再雇用は定年後の人生設計を左右する。9割超が再雇用されていた実態もあった。規律違反と不採用という結果の均衡が取れているのか。今回の最高裁判決には疑問が残る。
 日の丸・君が代との向き合い方は人それぞれだ。戦前の軍国主義と結びつける人もいれば、国旗・国歌として自然に受け入れる人もいる。ただし、一方の考え方を力で抑え込めば、最高裁が指摘したように、憲法が保障する思想・良心の自由に抵触しかねない。
 国旗・国歌法が成立したのは1999年だ。当時の小渕恵三首相は国会で、「国旗掲揚や国歌斉唱の義務づけは考えていない」と答弁し、個々人に強制しないと強調した。
 その精神は今後も尊重すべきであり、行政の慎重な対応が必要だ。