特警隊員の薬物容疑と組織のモラル

 自衛隊をめぐって、何ともやり切れない思いがする事件です。
 海上自衛隊の特殊部隊である特別警備隊の2等海曹(31)が、覚せい剤など薬物を所持していた疑いで愛知県警に逮捕されました。3日に愛知県警が発表しました。報道によると、昨年12月25日に名古屋駅に到着した新幹線の座席に覚せい剤合成麻薬大麻が入ったカードケースの忘れ物があり、一緒にあったたばこ自販機用のカード「タスポ」から身元が割り出され、2日に逮捕されたとのことです。
 ※忘れたケースに覚せい剤、容疑の自衛官逮捕(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100203-OYT1T00543.htm 

 共同通信によると、この2曹は2008年9月に15人組手の格闘で特別警備隊員が死亡した事件の際、格闘相手の1人でした。戒告処分を受けています。
 ※海自特殊部隊の2曹逮捕 覚せい剤所持容疑(47news=共同通信
 http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020301000342.html

 この集団格闘死事件のことは、何度かこのブログで取り上げてきました。「組織」と「個人」のありよう、職業としての自衛官、さらには憲法9条のもとでの自衛隊のありようなど、いろいろな意味で大きな問題だと思うからです。その集団格闘の当事者の1人が、今度は薬物所持の疑いです。まだ逮捕されたばかりなので軽々に論じるべきではありませんが、規律が厳しいはずの集団生活の中で薬物に手を染めていたとすれば、やはり組織内のモラルやモチベーションの低下を疑わずにはいられません。集団生活の中で、この2曹の周囲は薬物に気づかなかったのか、という疑問もあります。
 続報を待ちたいと思います。

 関連の過去エントリーをまとめておきます。
▽「やはり『現場の責任』が前面に出た処分と最終報告〜海自・集団格闘死事件」(2009年9月10日)
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090910/1252534041
▽「教官の資質の問題ではない集団格闘死事件〜自衛隊の拡大基調は続くのか」(2009年9月6日)
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090906/1252171741
▽「組織の問題として考えるべき海自・集団格闘死事件」(2009年6月12日)
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090906/1252171741
▽「自衛隊に何をどこまでさせるのか〜集団格闘死事件が問うもの」(2009年5月10日)
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090510/1241887234