もっとも重視「社会保障」「景気・雇用」6割、「改憲」は3%

 12月14日付の朝刊は、朝日新聞、読売新聞、日経新聞が電話調査に基づく衆院選の中盤情勢を掲載しました。電話調査は序盤の時から対象の選挙区を絞り込んだようですが、3紙とも、自民優位の情勢に変わりがないとしています。
 京都新聞神戸新聞には、共同通信のトレンド調査の結果が掲載されています。情勢調査よりもサンプル数は少ないのですが、11月から継続的に行っていて5回目の今回は12月12〜13日に実施。選挙での投票先では、やはり自民が民主を引き離している傾向に変わりはありません。
 ちなみに京都新聞は調査結果の詳報を載せています。それによると、この選挙で何をもっとも重視して投票するか、との問いの回答は、「年金や医療など社会保障」30・3%(8〜9日実施の前回は29・9%)、「景気や雇用」29・1%(前回32・8%)の順でした。以下、「消費税など税制」13・9%(前回11・5%)、「原発問題をめぐるエネルギー政策」6・5%(前回8・2%)、「環太平洋連携協定(TPP)参加の是非」3・5%(前回2・9%)、「外交や安全保障」5・6%(前回5・5%)、「地方分権行政改革」3・3%(前回3・2%)、「憲法改正」3・0%(前回2・3%)となっています。
 回答数が1219人と少ないこと、「もっとも重視」するものを尋ねており複数回答ではないことなどには注意が必要ですが、それでも「外交や安全保障」「憲法改正」よりも社会保障や景気・雇用がはるかに大きな数字を占めている傾向には留意しておきたいと思います。選挙後に成立する政権が、仮に公約に載せていたとの理由で集団的自衛権の行使解禁や憲法改変に動き出したとしても、この選挙で民意はそこまでの信任を与えたのか、都合のいい「白紙委任」の解釈ではないのか、検証の余地があるように感じます。
 批判も多いマスメディアの調査ですが、各紙が複数回重ねた調査結果を詳細に分析することで、選挙後につなげられる何かが見えてくるかもしれません。


 ※以下は各紙の主な衆院選の関連記事の記録です。全国紙は大阪本社発行の最終版です。
▼12月14日付朝刊
【朝日】
1面トップ「自公300議席うかがう」「民主激減 80前後」「維新は50弱か」「衆院選中盤 本社情勢調査」
2面「民主退潮 自民に利」「『一強』小選挙区で優勢」「民主、菅前首相ら劣勢に」「第三極、選挙区の壁厚く」/「『与党頼み』業界団体、自民に回帰」「民主に見切り 加速」/「自民・維新・みんな『防衛力強化』顕著」(朝日・東大共同調査)
3面「競う『充実』重点どこに」(公約を問う9 子育て支援・教育)/「府市エネ会議、抗議へ」「『原発ゼロ』巡る橋下氏発言」
4面「民主、離党組と激突」「51選挙区、vs未来・維新」/「有色人種で近代国家、日本だけ」「石原代表、『暴走』止まらず」
7面「保険料 増す不公平感」「給料安いほど負担上昇」(政策点検 くらし3)
9面(経済)「政党支援 じわり変化」「財界 自民につかず離れず」「労組 地方は民主以外も」「霞が関 予算、選挙後に照準」/「自然エネ普及まで どうしのぐのか 脱原発の道筋示せ」開沼博・「『フクシマ』論」著者(焦点を聞く 下)
15面(オピニオン)「生活保護受給者と生きる」元釧路市ケースワーカー 釧路社会的企業創造協議会スタッフ 櫛部武俊さん
18〜23面・選挙区情勢
33面(生活)「待機ゼロ言ったらやってや」(10代私の声聞いて 4子育て)
社会面トップ「候補8人 民意映すか」(京都4区)

【毎日】
1面「景気の処方箋示せず」「公共事業 見えない効果」/「国の信用守れる人に」福本容子・論説委員(私の視点7)※1面トップは「中国 初の領空侵犯」
2面「民自、原発論戦低調」「再稼働方針も反発恐れ」「脱依存へ司令塔像見えず」
3面「金融緩和で論戦過熱」(1面から、選択の手引 経済政策)
5面(政治)「人気弁士で追い込み」「衆院選 終盤入り」
8面(経済)「経済政策の争点 TPP」農業生産法人 佛田利弘社長/日本電機工業会海老塚清専務理事
第2社会面「道路偏重 航路『置き去り』」「瀬戸内フェリー 廃止相次ぎ」/争点 消費増税 わたしは思う「努力と根拠を示して」「今は勘弁してほしい」

【読売】
1面トップ「自民 過半数の勢い保つ」「民主 苦戦続く」「維新 近畿で接戦」「衆院選終盤情勢」※11〜13日実施、70小選挙区・2万6231人から回答(65%)日経と協力・基礎データを共有
1面「深まらぬ政策論争」(現場から6)
2面「自民 支持層固める」「無党派層 民主と争奪」/「『小沢王国』自らテコ入れ」(衆院選ドキュメント)
4面(政治)「安倍政権へ自民着々」「公共事業増へ予算見直し」/「民主大物 必死の追い込み」(1面続き、現場から)
9面(経済)「社会保障 バランス必要」(選択の視点6)
13面・1ページ「衆院選公約分析」外交・領土・TPP
14、15面・選挙区の情勢
第2社会面「TPP農家の本音は」「『ブランド化進む』『規模かなわない』」

【日経】
1面トップ「自公300の勢い」「接戦区でも優位に」「民主70割れも」「第三極は伸び悩み」※日経リサーチが11〜13日実施、約2万6000人から回答、64・6%
2面「子育て支援 拡充競う」(争点9)/「今こそ人材育成」(横山晋一郎編集委員
3面「第三極 浸透進まず」「維新 近畿も勢い欠く」「民主、支持層離反続く」(終盤情勢)
4面(政治)「読めぬ無党派」大阪4区、東京1区(乱戦8)
5面(経済)「20年後からいまを語れ」社会学者・古市憲寿氏(U−40私の視点6)
6面・接戦選挙区の終盤情勢
社会面「投票先選び サイト活用」

【産経】
※1面選挙記事なし、トップは「中国機 初の領空侵犯」
2面「政策ごと部分連合」「公明との連立は『確定』 安倍総裁」
5面(政治)「業界支援 歓迎と迷い」「建設、JAは自民回帰・医師会は沈黙」/「『公明は敵か味方か』」「維新内部 改憲めぐり対立」
13面(経済)「財政再建と負担増の狭間」(経済政策の焦点3 消費税)
社会面「『看板』替え 民意は」大阪10区、兵庫3区(乱戦のゆくえ3)

【京都】
1面「政策ごとに部分連合」「安倍氏『自公連立』明言」※トップは「中国機、初の領空侵犯」
2面「自民、民主の倍維持」「維新3位に後退」(トレンド調査)
5面「自民右傾化 公明が警戒」「与党巨大化 埋没へ危機感」/「脱原発票は分散」「景気・雇用では自民トップ」(トレンド調査)
10〜15面・選挙区の情勢
31面(地域)「投票率の低下懸念」
第2社会面「ものづくり日本再生を」家電量販店 台頭するアジア製品(託す ここから3)

【神戸】
1面準トップ「支持層交錯 地力が激突」公明王国・兵庫8区(激流ひょうご師走決戦6)※トップは「全17原発で予測訂正」(放射性物質拡散)
2面「自民『民主の倍』維持」(トレンド調査)/「『各政策で部分連合』」「単独過半数でも自公連立 安倍氏
4〜9面・選挙区の情勢
16面(地域経済)「メガソーラーは過熱気味」「各党、再生エネルギー『推進』」
25面(くらし)「電力と暮らし、見つめ直す」原発
第3社会面「障害者施策 訴え注視」「低調な論戦 募る危機感」
社会面「教委改革でも各党火花」「首長権限強化 是非問う」(一票力)

▼社説
【朝日】「総選挙 憲法改正 リセットボタンではない」「総選挙 くらし 公約の先にあるもの」
【毎日】「衆院選こう考える 地方制度 『道州』像がおぼろげだ」
【読売】「衆院選 原発政策 『稼働ゼロ』の副作用も語れ」
【日経】「衆院選 政策を問う 横並び農業保護から脱却を」
【産経】「尖閣の領空侵犯 中国への対抗措置を急げ」(選挙社説なし)
【京都】「北朝鮮ミサイル これ以上の暴挙許すな」「衆院選 原発政策 各党の真意見極めたい」
【神戸】「師走選挙 財政再建 負担に向き合う覚悟示せ」「師走選挙 地域主権改革 今回も不発で終わるのか」

▼14日夕刊
【朝日】
社会面トップ「論戦テーマ まだある」「障害者差別 禁止を」「働く母 育児支援切望」「介護・医療難題語って」
第2社会面「前向きな覚悟あるか」ピンチの製造業 元三洋電機会長・野中ともよさん(選択のために)

【毎日】
1面・写真囲み「反原発の『老舗』自負」社民・福島党首」「中小政党の第1走者」国民・自見代表(東奔西走)
第2社会面「寒くても熱くアピール」「スキーウエアVSコートなし」/「米、福島の民意に関心?」「原発、TPP 陣営で大使館員調査」

【読売】
2面・囲み「11人 参院からのくら替え組」(数字で見る)
第2社会面「ゴタゴタは有権者の迷い」コラムニスト深澤真紀さん(語る7)

【日経】
1面・囲み「小所帯の危機感」改革・舛添代表、日本・田中代表(師走の決戦7)
社会面トップ「三つどもえ激戦拍車」「守る民主 猛攻自民」大阪12区

【産経】
1面「疑問票に虎の巻」「大阪市選管 スピード開票に万全」
社会面トップ「ルミナリエ混雑に懸念」「“投票難民”や運搬支障も」/「教育問題解決へ理念示せ」元ラグビー日本代表 大八木淳史さん(私の視点)
第2社会面「『勝ち馬』傾向ハッキリ」「多数派への安心感?」/「橋下氏に抗議声明へ」「府市エネ会議『維新のためでない』」

▼13日夕刊
【京都】
第2社会面「いじめ対策アピール」「大津中2自殺受け 新法、教育委制度見直し」「9党、公約に盛り込む」
【神戸】
1面・写真囲み「降り積もる雪 立ちすくまず、前へ」(走)
社会面「脱、卒、縮、続…『』」「原発 支持する?」