「2000万円貯蓄」問題 安倍政権への視線は厳しいが~6月の世論調査から(備忘)

 6月に新聞・放送などのマスメディアが実施した世論調査結果のうち、目に止まったものについて備忘を兼ねて書きとめておきます。安倍晋三内閣の支持率は、6月上旬実施のNHK調査と6月下旬の朝日新聞調査は前月と変化がありませんでしたが、6月半ばに実施した毎日新聞、産経新聞・FNN、共同通信の3件の調査では、そろって支持率が3ポイント前後減少したのが目を引きました。ただ、支持率自体は40%台後半と高い水準の調査結果が目立ちます。

【内閣支持率】※カッコ内は前回(前月)比、Pはポイント
▼朝日新聞 6月22、23日
 「支持」45%(±0)
 「不支持」33%(1P増)

▼毎日新聞 6月15、16日
 「支持」40%(3P減)
 「不支持」37%(6P増)
 「関心がない」21%(2P減)

▼産経新聞・FNN 6月15、16日
 「支持」47・3%(3・4P減)
 「不支持」36・5%(1・6P増)

▼共同通信 6月15、16日
 「支持」47・6%(2・9P減)
 「不支持」38・1%(1・9P増)

▼NHK 6月7~9日
 「支持」48%(±0)
 「不支持」32%(±0)

 個別の設問では、95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要とした金融庁金融審議会の報告書を、麻生太郎金融担当相が受け取り拒否した問題を巡って、朝日、毎日、産経・FNN、共同の各調査が尋ねています。総じて、この問題を巡っては世論が安倍政権に対して厳しい目を向けていることがうかがえます。しかし、朝日新聞の調査では参院選の投票に当たって年金の問題を重視すると回答したのは51%であり、内閣支持率の水準の高さをも考え合わせると、7月21日投票の参院選への影響は、現状では限定的なようにも思えます。
 以下に各社の調査の主な質問と回答状況を書きとめておきます。なお、読売新聞は6月28~30日に世論調査を実施し、結果は7月1日付の朝刊に掲載しているようです。同紙のサイトによると、内閣支持率は前回比2ポイント減の53%、不支持率は4ポイント増の36%でした。


▼朝日新聞
・金融庁の審議会が、公的年金だけでは老後の生活費が2千万円不足するとの報告書をまとめました。この報告書が出たことで、年金について不安が強まりましたか。
 不安が強まった 49%
 それほどでもない 45%
・老後の生活費についてのこの報告書が、世間に不安や誤解を与えたとして、金融担当の麻生大臣は受け取りを拒否しました。この問題をめぐる安倍政権の対応に納得できますか。
 納得できる 14%
 納得できない 68%
・安倍政権は、年金制度の改革に、十分に取り組んできたと思いますか。
 十分に取り組んできた 14%
 十分ではなかった 72%
・今度の参議院選挙で投票する政党や候補者を決めるとき、年金の問題を重視しますか。
 重視する 51%
 重視しない 41%

▼毎日新聞
・夫婦の老後資金として、公的年金だけでは「約2000万円不足する」と試算した金融庁の審議会の報告書がまとまりました。しかし、担当相でもある麻生太郎副総理は「政府の立場と異なる」として受け取りを拒否しました。麻生氏の対応に納得できますか。
 納得できる 15%
 納得できない 68%

▼産経新聞・FNN
・金融庁審議会の「老後2000万円貯蓄」に関する試算について
 試算を受け、年金制度への信頼度はどうなったか
  不信感が増した 51.0%
  変わらない 44.6%
  信頼感が増した 2.2%
 報告書を受け取らないと表明した麻生太郎金融担当相の対応は適切と思うか
  思う 16.9%
  思わない72.4%
 これまで老後は年金だけで暮らしていけると思っていたか
  思っていた 13.9%
  思っていなかった 84.2%

▼共同通信
・金融庁の金融審議会は、老後に夫婦で95歳まで生活するためには、公的年金だけでは賄えず、2000万円の蓄えが必要になるとの報告書をまとめました。あなたは、自分の老後の生活について経済的に不安がありますか、ありませんか。
 不安がある 74.3%
 不安はない 22.7%
・麻生太郎金融担当相は金融審議会のこの報告書を正式には受け取らない意向を表明しました。担当大臣として諮問したにもかかわらず、受け取りを拒否するのは極めて異例です。野党は参院選への悪影響を避けるためだと批判しています。麻生氏の受け取り拒否をどう思いますか。
 問題だ 71.3%
 問題ではない 19.1%
・あなたは公的年金制度を信頼できますか、できませんか。
 信頼できる 28.2%
 信頼できない 63.8%