基地集中、辺野古、沖縄の民意またも明らか~衆院選雑感

 少し時間がたちましたが、衆院選の結果に思うところを備忘を兼ねて書きとめておきます。

 ◆希望が立たなかった新潟、沖縄は非与党が勝ち越し
 議席数は自民党の大勝に終わりましたが、小選挙区を都道府県別に見てみると、新潟と沖縄では非与党が勝ち越しました。新潟は4勝2敗、沖縄は3勝1敗です。共通している要因は、希望の党の公認候補が立たなかったことです。希望の党と立憲民主党が共倒れになった選挙区でも、両者の票を合計すれば自民党候補を上回っていたところは少なくありません。「たら」「れば」にどこまで意味があるかはともかく、希望の党が立憲民主党の候補に対抗馬を立てたことは、結果的に安倍晋三政権を利することになったのは間違いがなく、「安倍1強政治を終わらせる」との主張はどこまで本気だったのか、実は希望の党が目指していたのは、旧民進内の「左派」「リベラル」潰し、言葉を変えれば保守純化運動だったのではないか、という気すらします。
 今回の衆院選では「左派」「リベラル」と「保守」という切り分けもよく目にしましたが、そうした区分けが妥当か、という問題も浮上しているように思います。立憲民主党の枝野幸男代表は「『保守』か『リベラル』かではなくて、『上からの政治』か『草の根からの政治』か」と訴えました。それが支持を伸ばした一因のように思えます。

 ◆沖縄への差別の責任
 沖縄では、前回の衆院選では四つの小選挙区でいずれも非与党候補が勝利しました。今回は沖縄4区で自民党候補が勝利しましたが、それでも残り三つで共産、社民、無所属(自由党籍)の候補が再び勝利したことは、最大の争点の米軍普天間飛行場の辺野古移設に対して、反対との民意がまたもはっきりと示されたものだと、わたしは受け止めています。沖縄の基地の過剰な集中の問題に対しては、投開票前にこのブログにアップした記事で以下のように書きました。 

 国家事業に対する地元の民意は明らかなのに、それが一顧だにされないとは、その地域の未来への自己決定権が認められていないに等しいことです。ほかにそのような地域が日本国内にあるでしょうか。沖縄だけがそういう状況を強いられているのは、沖縄に対する差別としか言いようがありません。その差別を解消するには、日本政府の方針が変わらなければなりません。それは決して不可能ではありません。日本国の主権者である国民の選択の問題だからです。
 具体的には選挙を通じて、沖縄への差別としか言いようがない政策を撤回し、沖縄への基地負担の過剰な集中を解消する政策を持った政府を誕生させることです。それが実現しないのならば、個々人の投票行動のいかんを問わず(棄権は言うに及ばず)、主権者の一人である以上は誰しも、この差別の当事者であることを免れ得ません。今回に限らず、選挙ではいつもそのことが問われているのだと考えています。 

news-worker.hatenablog.com

 選挙の結果、安倍晋三政権は継続することになりました。沖縄に対する差別は解消されません。今回の衆院選で個々人がどのような投票行動を取ったかに関係なく、沖縄県外に住む日本人はわたしを始めとして、日本国の主権者として差別への責任を等しく負うことも明確だと、わたしは受け止めています。 

 以下に沖縄タイムス、琉球新報の10月23日付の社説の一部を引用して書きとめておきます。

※沖縄タイムス「[衆院選 沖縄選挙区]反辺野古 民意揺るがず」
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/159916 

 自民党が圧勝した全国と比べ、県内の選挙結果は対照的だ。
 名護市辺野古沿岸部への新基地建設に反対する「オール沖縄」の候補が1、2、3区で比例復活組の自民前職を振り切った。
 前回2014年の衆院選に続く「オール沖縄」の勝利は、安倍政権の基地政策や強引な国会運営に対する批判にとどまらない。
 不公平な扱いに対する強烈な異義申し立てが広く県民の間に共有されていることを物語っている。
 とりわけ象徴的なのは、大票田の那覇市を抱える1区は、共産前職の赤嶺政賢氏(69)が接戦の末に自民、維新の前職らを制したことだ。
 共産党候補が小選挙区で当選したのは全国で沖縄1区だけである。
 翁長雄志知事のお膝元での勝利は知事の求心力を高めることになるだろう。 

 ※琉球新報「『オール沖縄』3勝 それでも新基地造るのか」
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-599262.html 

 前回2014年の全勝には及ばなかったものの、1~3区で辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力が当選、当選確実とした。辺野古新基地を容認する自民党は1議席を獲得したが、3氏は選挙区で落選した。
 沖縄選挙区の最大の争点である辺野古新基地建設に反対する民意が上回ったことは、安倍政権の強硬姿勢に県民は決して屈しないとの決意の表れである。
 国土面積の0・6%の沖縄に、在日米軍専用施設の70・38%が集中していることはどう考えても異常である。米軍基地を沖縄に押し込めることは、沖縄差別以外の何物でもない。
 国は迷惑施設の米軍基地の国内移設を打ち出せば、反対運動が起きると懸念しているにすぎない。それをあたかも普天間飛行場の返還には、辺野古新基地建設が唯一の解決策であるかのように偽装している。県民の多くはそれを見透かしている。
 普天間飛行場の一日も早い返還には「辺野古移設が唯一の解決策」とする安倍政権への県民の怒りが選挙結果に表れたといえよう。
 安倍政権が民主主義を重んじるならば、沖縄選挙区で自民党は1人しか当選できなかった現実を真摯(しんし)に受け止め、新基地建設を断念するのが筋である。それでも新基地を造るなら安倍首相はこの国のリーダーとして不適格だ。 

 10月23日付の琉球新報の紙面が手元にあります。1面、総合面、社会面を紹介します。

f:id:news-worker:20171029223348j:plain

f:id:news-worker:20171029223703j:plain

f:id:news-worker:20171029223750j:plain