辺野古移設、否定意見が肯定上回る~世論調査3件に共通

 8月最終の週末に実施された4件の世論調査の結果が報じられています。
 目を引くのは沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題です。日米両政府が合意し、安倍晋三政権が進めている沖縄県内、名護市辺野古への移設についての賛否を共同通信、産経新聞・FNN、読売新聞の3件の調査が尋ねています。質問の文章は異なっているのですが、いずれも安倍政権の方針に否定的な回答が肯定的な回答を上回っています。辺野古移設に反対し、沖縄県知事として安倍政権と対峙した翁長雄志氏の訃報が沖縄県外でも大きく報じられたことが、世論調査にも関係しているのかもしれません。いずれにしても、このまま辺野古に新基地建設を強行しても、民意の多数の支持は得られないようです。
 沖縄では、9月に行われる知事選に、翁長氏の後継として出馬することを自由党の玉城デニー衆院議員が8月29日に表明しました。玉城氏は出馬表明の会見で、辺野古新基地建設について「絶対に避けて通れない争点だ。翁長雄志知事は『あらゆる手段を尽くして辺野古新基地建設を止める』と言っていた。しっかり私も受け継いでいく。その方向性は1ミリもぶれることはない」(琉球新報)と述べたと報じられています。
 自民党、公明党の国政与党側の候補として既に出馬を表明している前宜野湾市長の佐喜真淳氏は、宜野湾市長選では辺野古移設の是非には触れず、普天間飛行場の早期返還を訴えて市長になった経緯があります。共同通信の世論調査の記事によると、辺野古移設方針と支持政党との関係では、自民党支持層の62・2%が移設を支持するとしたのに対し、公明党は40・9%にとどまりました。公明党は沖縄の地元組織は移設に反対しています。知事選では佐喜真氏がどういう公約を掲げるのか。注視したいと思います。

 ※琉球新報「玉城氏が知事選出馬を正式表明 『翁長氏の遺志継ぐ』」2018年8月30日
 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-793407.html

 憲法改正を巡っては、安倍首相は自民党の改憲案提出に前のめりですが、世論調査では急ぐ必要はないとの考えが多数派であることがうかがえます。その一方で、自衛隊の存在を明記するかどうかが焦点の9条の改正問題では、改正自体必要ないとの回答も3割以上あります。質問の尋ね方が変われば回答状況も大きく変わる余地もありそうです。
 2020年の東京五輪の猛暑対策として政府が検討に着手したとされるサマータイムに対しては、4件の調査とも、反対が賛成を上回りました。
 以下に、主な調査の結果を引用して書きとめておきます。

▼内閣支持率 ※()は前回比、Pは「ポイント」
・共同通信 8月25、26日実施
 「支持」44・2%(0・8P増) 「不支持」42・4%(0・6P増)
・産経新聞・FNN 8月25、26日実施
 「支持」45・6%(3・5P増) 44・4%「不支持」(2・9P減)
・日経新聞・テレビ東京 8月24~26日実施
 「支持」48%(3P増) 「不支持」42%(5P減)
・読売新聞 8月24~26日実施
 「支持」50%(5P増) 「不支持」40%(5P減)

▼サマータイム導入
・共同通信 賛成30・8% 反対61・6%
・産経・FNN 賛成37・0% 反対57・5%
・日経・テレビ東京 賛成31% 反対55%
・読売新聞 賛成40% 反対50%

▼自民党の憲法改正案
・共同通信
 「自民党としての憲法改正案を次の国会に提出できるよう取りまとめを加速すべきだ」との安倍首相の意向について
 賛成 36・7% 反対 49・0%

・日経・テレビ東京
 秋の臨時国会に提出すべきだ 17%
 提出を急ぐべきではない 73%

・読売新聞
 自民党が憲法改正案を提出する時期は、いつがよいと思うか(一つ選ぶ)
  今年秋の臨時国会 18%
  来年前半 12%
  来年後半 11%
  再来年以降 14%
  改正案を提出する必要はない 31%

▼憲法9条改正
・共同通信
 憲法9条の改正について安倍首相は、戦力を持たないことを定めた9条の2項を維持したまま自衛隊を明記する考え。一方、自民党

内には9条の2項を削除して自衛隊を戦力と位置付ける考えも。
 9条2項を維持したまま、自衛隊を明記すべきだ 40・0%
 9条2項を削除した上で、自衛隊を戦力と位置付けるべきだ 17・8%
 自衛隊の存在を明記する憲法改正は必要ない 30・9%

・産経・FNN
 2項を維持したまま自衛隊を明記する安倍首相案を支持 21・9%
 2項の削除と国防軍の創設を持論とする石破氏案を支持 22・2%
 両案と異なる9条改正 12・1%
 9条改正は必要ない 38・1%
 
・読売新聞
 自民党は、憲法に自衛隊の存在を明記することについて、戦力を持たないことを定めた9条2項を維持したうえで、自衛隊の根拠規

定を追加する案を検討。この案に
 賛成 45% 反対 38%

▼辺野古
 沖縄県の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古へ移設する政府・安倍内閣の方針について
・共同通信
 支持する 40・3%
 支持しない 44・3%

・産経・FNN
 県外移設を目指すべきだ 48・4%
 政府が進める「危険性除去のため早期の辺野古移設」を支持 44・0%

・読売新聞
 評価する 35%
 評価しない 48%