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「ゆいまーる」 わたしも あなたも一人ではない~労組の自主発行続く「宮古新報」、焦点は事業譲渡

 社長の一方的な廃業、解雇の通告に対抗して、労組が新聞の自主発行を続ける沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」を巡る状況の続報です。
 宮古新報労組は自主発行が始まった1月12日付の紙面から、社内の様子をコラム「社窓風景」で伝えています。9回目となった23日付は、「ゆいまーる」という沖縄の言葉の紹介がありました。
 本文は宮古新報社のサイトで読めます。
 ※「車窓風景⑨ 差し入れ感謝パワー充電」2019年1月23日
  http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=20795&continue=on

 一部を引用します。

 現在私たちの組合は大変な状況に置かれているが、全国の新聞やマスメディアに携わる組合などから支援、激励のメッセージが届いている。
 またカンパを集める呼びかけや購読支援、ビラ配りへの協力など地元の組合から「出来ることはないか」との問い合わせもある。きょうは浦添市の職員組合から「栄養ドリンク」、沖縄タイムス元宮古支局長の稲嶺幸弘編集局次長からは「カップ麺」の差し入れが届いた。 東京新聞「こちら特報部」の取材で同社を訪れた片山夏子記者からはお菓子の差し入れがあった。組合員一同感謝している。
 沖縄には「ゆいまーる」という言葉がある。ゆいは「結い、共同、協働」、まーるは「周る」でともに助け合うという相互扶助の考えだ。同組合には全国のゆいまーるの心が届けられている。私たちも何か自分たちが協力できることを考え、行動に移せる1日となった。

 紙面には「“ゆいまーる”私もあなたも 差し入れ感謝パワー充電」の見出しがついています。

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 ※写真は紙面の一部

 わたし自身、職場を休職しての計3年間の専従を含めて、労働組合の活動で様々なことを学びました。その中で今でも大切にしていることの一つは「わたしは一人ではない」との思いです。それはそのまま、ほかのだれかと向き合ったときに「あなたは一人ではない」と声を掛け、手をつなぐことにつながります。働く者の第一の権利である団結権、そして連帯とは、そういうことだということを実地に学びました。「ゆいは『結い、 共同、 協働』、まーるは『周る』でともに助け合うという相互扶助の考え」とのこと。まさに「わたしも、あなたも一人ではない」ということだと、このコラムを読んで感じ入りました。

 22日には、宮古新報社に新聞用のロール紙が届いたそうです。紙とインクは新聞発行の生命線。労組が自主発行に乗り出した当初は用紙切れも危ぶまれたようですが、これで発行継続の態勢は資材の面では万全のようです。用紙を会社が追加購入、新聞発行も続いている―。ということは、座喜味弘二社長がいったんは従業員に行った廃業の表明は事実上、効力を失っている状態。事業が継続されているので、従業員の解雇も理由がないということになるのではないでしょうか。いよいよ焦点は、きちんとした経営者への事業の譲渡だと思います。

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※写真は、宮古新報社に到着した新聞用紙のロール。新聞労連東京地連の琴岡康二さんのフェイスブックページから転載させていただきました

【カンパと激励メッセージ】

 宮古新報労組へのカンパや、激励、連帯のメッセージの届け先をあらためて紹介します。世話役の方によれば、組合とは関係なく、管理職もOBも、マスコミ以外で働く人も含めてだれでも参加できる幅広いカンパと激励メッセージの受け皿としているそうです。
■カンパ振込先
ゆうちょ銀行 店名:〇一八(ゼロイチハチ) 店番:018 (普)8761741 恵友会(ケイユウカイ)
■メッセージ送信先
keijinsanwaido@gmail.com