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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

セクハラ問われ「おばあ ばっかり」と口にする宮古新報社長~TBS「ニュースキャスター」が放映

 労働組合がパワハラ、セクハラを理由に社長に退陣を求め、社長が廃業と社員全員の解雇を通告すると、労組が新聞の自主発行で対抗している沖縄県・宮古島の宮古新報を巡る続報です。昨19日夜のTBS「ニュースキャスター」が取り上げました。横綱稀勢の里引退、大阪のあおり運転・殺人罪公判に続いて3番手の扱いでした。以下は、番組を見ての個人的な感想です。
 構成は「社長VS社員の騒動」の切り口にとどまっていました。新聞労連やライバル紙労組「宮古毎日新聞労組」の支援を含めて、労働者による新聞と雇用、そして労働者の尊厳を守り、ひいては地域の民主主義を守る意義を持っている取り組みであることがどこまで伝わるか、という点では残念な感じが残りました。また、ハラスメント被害の紹介も通りいっぺんで、宮古新報労組を支援する立場からは、満足のいく内容とは言い難かったかもしれません。
 ただ、労組の記者会見と社長への直接取材をきちんと対比させていました。ハラスメントについての労組の主張は、社員の胸ぐらをつかむ、突き飛ばすといった暴力的な行為から、女性社員に靴下を脱がせてもらい足の爪を切らせる、社長室の中で大きな音を出していかがわしいビデオを見る、女性社員にアダルトビデオの整理をさせる、ひわいな裸の写真などを女性社員に見えるところでわざと広げる、との証言を伝えました。
 座喜味弘二社長(87歳)に対しては「済んでいることじゃないかよ」「何を言うんだバカ」などと罵倒されながら直撃取材。セクハラを問う質問に社長が「全くのウソ」と繰り返しながら「おばあばっかりだよ」と言って笑う様子も流れました。この一言や、取材に対する社長のキレぶりを視聴者が見れば、それだけでも宮古新報労組の組合員がなぜこの社長を告発するために立ち上がったのか、分かるのではないかと感じました。

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 今の時点で、地上波の全国放送で、こうした社長の言動がそのまま放映されたことの意義は小さくなく、労組への支援の拡大につながる可能性があるように思います。

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 さて、宮古毎日新聞労組のリポートなどによると、19日には弁護士2人が宮古島入りし、法律面での支援も始まりました。全面広告を申し出てきた支援者もおり、20日付紙面は8ページに戻りました。

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 宮古新報労組へのカンパや、激励、連帯のメッセージの届け先をあらためて紹介します。世話役の方によれば、組合とは関係なく、管理職もOBも、マスコミ以外で働く人も含めてだれでも参加できる幅広いカンパと激励メッセージの受け皿としているそうです。
■カンパ振込先
ゆうちょ銀行 店名:〇一八(ゼロイチハチ) 店番:018 (普)8761741 恵友会(ケイユウカイ)
■メッセージ送信先
keijinsanwaido@gmail.com

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※写真は、宮古新報社の玄関横に張り出された横断幕。新聞労連東京地連の琴岡康二さんのフェイスブックページから転載させていただきました