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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

沖縄・宮古島の新聞労組のアララガマ精神~続く「宮古新報」の自主発行

 社長の一方的な廃業、解雇の通告に対抗して、労組が新聞の自主発行を続ける沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」を巡る状況の続報です。
 週末の19日(土)、20日(日)の2日間、宮古島を訪ねて宮古新報労組に法律面の支援を行った東京の弁護士、加部歩人さんが、事務所のブログにリポートをアップしています。タイトル「『あららがま』、宮古新報労組!!」の「あららがま」は宮古島では「アララガマ精神」=「不屈の精神」として使われると、かつて聞きました。今は宮古新報労組を支援している宮古毎日新聞労組も、自分たちの争議をこのアララガマ精神でたたかいました。
 加部さんはブログで、宮古新報労組の組合員の話を紹介しています。社内では長年に渡り座喜味弘二社長(87歳)のパワハラ、セクハラが横行し、昨年10月、編集長が社長と対立して辞職したのをきっかけに、社員が続々と労組に加入したとのこと。11月には初めて社長退任要求を掲げて、今日に至っています。
 労組結成当初からの組合員は、「昨年10月以降、怒涛の日々だったが、こんなことが今出来ていることに自分でも驚いている。初めて『組合活動をしている!』という感じ。組合だけの力ではなく、支援の皆さんがあってこそ、できていることだ」と話し、昨年10月に加入した組合員は「社長の被害にあっている仲間を助けたかったが、一人で社長に対峙すると個人に報復が来るのが怖い。だから労組に入って、団結した。みんなも同じ思いで加入したと思う」と話したとのことです。
※東京法律事務所ブログ「『あららがま』、宮古新報労組!!」

http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1073577175.html

blog.livedoor.jp

 一方、宮古新報労組が加盟する新聞労連によると、「1名でも欠ければ新聞発行が止まる」という状況は徐々に脱しつつあるとのこと。これまで自粛を要請していた宮古新報労組メンバーへの取材の受け付けを再開するとのことです(取材を希望する報道機関は東京の新聞労連本部へ連絡)。
 先週末の19日夜のTBS「ニュースキャスター」で宮古新報社が取り上げられたことは、このブログでも紹介しました。

news-worker.hatenablog.com

 ネット上で受け止めを少し見てみました。
 ※例えば http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/5017341.html
 座喜味弘二社長に注目が集まる一方で、労組が新聞発行を続けていることの意義は、あまり話題になっていないようです。新聞と雇用、そして働く者の人権と尊厳を守ろうとする宮古新報労組の取り組みの意義は、広く知られていいと思います。

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 宮古新報労組へのカンパや、激励、連帯のメッセージの届け先をあらためて紹介します。世話役の方によれば、組合とは関係なく、管理職もOBも、マスコミ以外で働く人も含めてだれでも参加できる幅広いカンパと激励メッセージの受け皿としているそうです。
■カンパ振込先
ゆうちょ銀行 店名:〇一八(ゼロイチハチ) 店番:018 (普)8761741 恵友会(ケイユウカイ)
■メッセージ送信先
keijinsanwaido@gmail.com