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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

【憲法メモ】7月3日〜18日:小林恭子さん「政治家が『偏向』報道といって『出演拒否』は短絡的 ―英国メディアだったら、どうなる?」ほか

 憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。


沖縄タイムス社説「[オスプレイ追加配備]不相応な重荷 押し付け」2013年7月3日
 http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-07-03_51213
 琉球新報社説「12機追加配備 民意を無視して民主国家か」2013年7月3日
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-208903-storytopic-11.html
 防衛省は7月1日、米軍輸送機オスプレイ12機の沖縄への追加配備を発表しました。そのことに対し、沖縄タイムス琉球新報の2紙がこぞって社説で批判しています。それぞれ一部を引用、紹介します。

沖縄タイムス
 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長らは、訓練の一部を八尾空港大阪府八尾市)で受け入れる構想を打ち出し、政府に要請した。
 「選挙目当て」との指摘もあるが、安倍首相には、選挙目当てでもいいから、普天間配備されている既存の12機と追加配備分12機の合わせて24機について、日本本土で責任を持って引き受けます、と語ってもらいたい。
 それがだめならせめて追加配備分だけでもご自身の出身地である山口県配備してもらいたい。それもだめなら、グアム、ハワイを含めた米本国での展開を米国に申し入れるべきである。
 米議会調査局は、5月にまとめた日米関係に関する報告書の中で「日本が米国による安全保障の利益を得ている間、沖縄人は不相応な重荷に耐えている」と指摘した。米議会からこのような指摘を受けることを日本の総理は恥じたほうがいい。

琉球新報
 昨年10月に12機が強行配備された後、県内では41の全市町村長と知事が反対を表明し、全市町村議会と県議会が反対決議をしている。今年1月には県議会や41市町村が配備中止を求める建白書を安倍晋三首相に提出し、6月には仲井真弘多知事が安倍首相に配備撤回を直接求めている。にもかかわらず追加配備を強行することは、沖縄の声など切り捨てて構わないという政府の意思の表れだ。沖縄には自己決定権はなく、民主主義も適用しないと言っているに等しい。
 県と宜野湾市に追加配備の方針を伝えたのは沖縄防衛局の企画部長だ。山口県と岩国市に搬入方針を伝えたのは防衛政務官だ。オスプレイを常駐させる自治体には公務員を向かわせ、1週間程度だけ搬入させる自治体には政務官という大臣、副大臣に次ぐ要職の国会議員を向かわせた。沖縄軽視の差別的取り扱いではないか。


大阪府八尾市の田中誠太市長のブログ「八尾市議会で、八尾空港でのオスプレイ訓練に関する決議」2013年7月3日
 http://tanakaseitano1.de-blog.jp/welcome/2013/07/post_67bd.html
 日本維新の会共同代表の橋下徹氏と幹事長の松井一郎氏が提唱している大阪・八尾空港へのオスプレイ訓練誘致に対して、八尾市議会が7月3日に採択した決議の紹介です。
 橋下氏と松井氏は関西広域連合の場でも、沖縄の負担軽減のために訓練受け入れを模索すべきとの趣旨の提案をしています。関西広域連合での橋下氏と松井氏は大阪市長大阪府知事の立場。訓練受け入れに反対する八尾市長には、松井氏は政党人として接していることをみても、これでは政党人と自治体首長の立場を都合よく使い分けている、という批判は免れえないのではないかと思います。


自民党のTBSに対する取材拒否
▼msn産経「自民、TBS取材拒否 報道内容に抗議」2013年7月4日
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130704/stt13070423400012-n1.htm

 自民党は4日夜、TBSの報道内容が公平さを欠いているとして、党幹部に対する取材や幹部の番組出演を当面、拒否すると発表した。6月の通常国会閉会に関する報道内容に問題があったとしている。参院選の選挙期間中に報道機関の取材を拒否するのは異例だ。
(中略)
 党総裁・幹事長室名の発表文によると、TBSの報道番組「NEWS23」は6月26日の放送で、国会会期末の与野党攻防の末に電気事業法改正案などが廃案となった経緯を報道した。番組には「廃案の責任が全て与党側にあると視聴者に誤解させるような内容があった」と主張している。

▼msn産経「自民、取材拒否を解除 TBS報道局長文書受け」2013年7月5日
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130705/stt13070521280005-n1.htm

 自民党は5日夜、TBSの報道内容が公平さを欠いているとの理由による同局から取材拒否について、TBSの西野智彦報道局長名の文書が石破茂幹事長宛てに提出されたことを受けて解除したと発表した。文書には「指摘を受けたことを重く受け止める。今後一層公平、公正に報道していく」と記された。
 安倍晋三首相(党総裁)はBSフジ番組で「今後はしっかりと公正な報道をするという事実上の謝罪をしてもらったので問題は決着した」と説明した。

北海道新聞「TBSへの取材拒否 首相自らが指示、細野氏『権力の横暴』」2013年7月6日
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/477872.html

 自民党がTBSの報道内容に抗議し、党幹部への取材や番組出演を拒否した問題は5日夜、同党が「TBSが謝罪した」と見なし、一応の決着をみた。しかし、複数の政府や党関係者によると、党幹部に取材拒否を指示したのは党総裁でもある安倍晋三首相。政権与党による報道機関の選別につながりかねず、政治とメディアの関係を揺さぶった行為に批判の声が上がっている。

毎日新聞社説「権力とメディア 言論には言論で応じよ」2013年7月11日
 http://mainichi.jp/opinion/news/20130711k0000m070112000c.html

 自民党は、記者会見を開くことをはじめ、自らを主張する場をいくらでもつくれるはずだ。取材拒否をすれば、その道を閉ざすことにもつながってしまう。言論には言論で応じるのが民主主義のルールだ。
 選挙前に政権与党の幹部に取材や出演を拒否されたら、逆に公正な選挙報道が成り立たなくなる可能性もある。それでは国民の知る権利を阻むことになりかねない。
 テレビ放送は放送法で定められた政府の許認可事業であり、権力側が一定の影響力を及ぼすことも可能だという側面がある。だからこそ、自民党は高圧的な態度ではなく、政権党としての器量を示すべきだったのではないか。

 参院選公示の当日の7月4日、自民党はTBSに対する取材拒否の措置を公表しました。当事者間に前段のやり取りはあったようですが、いかにも唐突に思えました。翌5日、TBSから文書が提出されたことを受けて、自民党はこの措置を解除しました。ひとまずは、政権政党が特定メディアを排除する事態は解消されました。しかし、このままでは、特定メディアに対し取材を受けるのも拒否するのも政権党の意向次第、との前例が残りかねないことを危惧しています。
 選挙戦報道のただ中ということもあってか、TBS以外のマスメディアは事実関係をひと通り伝えた後は、関連の報道は散発的でした。毎日新聞のように社説で取り上げ批判したメディアもありますが、各メディアがこぞって足並みをそろえる事態にはなっていません。選挙後にでも、言葉の真の意味で各メディアがスクラムを組み、自民党に対し取材拒否の「解除」ではなく「撤回」を求め、今後はこうした措置を取らないことを表明するよう迫ってもいいのではないか―。表現の自由や知る権利の観点から考えれば、それぐらい大きな問題をはらんでいるのではないかと思います。
 この問題をめぐってはいろいろな意見、考え方があるのだと思いますが、ここでは英国在住のジャーナリスト小林恭子さんの論考を紹介しておきます。
小林恭子さん「政治家が『偏向』報道といって『出演拒否』は短絡的 ―英国メディアだったら、どうなる?」(ブログ「英国メディアウオッチ」2013年7月6日)
 http://ukmedia.exblog.jp/20464856/

―与党あるいは政党がこのような形でメディアを「脅す」べきではない
 私は、一連の経緯を見て、明日以降の日本のメディアが、与党・自民党の対応を厳しく批判することを祈りたい。似たような例(政治家とメディア)を最近散見して、気になっていた。
 先の「続続々、TBS「NEWS23」問題に関する菅官房長官会見(全文=関連部分)」の中で、日本のメディア記者が続々と「問題があるなら、取材拒否ではなく、番組内で反論するのが本筋ではないか」と問いかけていたが、まさにその通りだ。
 こういうことが許されてしまっては、まともな政治報道ができなくなるからだ。
 守るべきは:
 「政治家あるいは政党が、不当ではないと自分たちが思うような報道をメディアがしたとき、言論でこれに反論すること」だろう。民主主義社会の原則中の原則だ。
 批判されたから・不当だからといって、「今後、出演を見合わせる」などと、まるで絶対主義国家のような言葉を発するべきではないと思う。
 「民主主義」なんて、お堅い言葉と思われるかもしれないが、この部分(=言論には言論で)を死守しないと、すべてが崩れてしまう。
 それに、「不当かどうか、偏向しているかどうか」の判断には、恣意的な部分がある。白黒はっきりさせるのが難しい部分があるのだ。
 もしどうしても何か行動を起こしたいのだったら、第3者に「公平さを欠いた報道かどうか」を検証してもらう、という手はなかったのだろうか。自分たちで判断し(=決め付け)、自分たちで「罰を加える」(=出演を見合わせるという判断)をするのは、「絶対王政」的行動に見える。与党という立場を乱用したようにも見える。
 反論しても通じない場合、もし言論が法律に反するような類であれば、司法手段・裁判所で解決するーそういう流れもあるだろうと思う。
 以前にも、政治家がある報道が不当であるとして、これを報じたメディアのグループに入る別の媒体の取材を一切拒否する、と発言したことがあったかと思う。
 その報道自体に暴力性があったということを、日本ではかなりの数の人が感じていたようであるけれども、原則として、政治家がある特定のメディアの取材を「一切拒否」というのは、これ自体が暴力的な行為だと思う。
 今回の自民党の行動は、報道の自由の侵害にもなろう。これを黙認してしまえば、報道機関の側はおちおち、政治家や政権を批判できなくなってしまう。自由に報道ができなくなってしまう。今回はTBSが槍玉にあがったが、ほかのテレビ局の報道部も「気をつけよう」と思うのは必須だ。
 国会議員は、もしそうしようと思えば(現実的にはありえないが)、放送免許についての法律を変えることができるほどの力を持つ。(ギリシャでは財政難の政府が突如、国営放送の活動を停止させたことは記憶に新しい。)
 だからこそ、放送機関が報道の自由を保障されていることが重要だ。自由に批判する・報道する・論評するという権利を脅かされるべきではない。
 政治家の一挙一動にメディアがおびえているようになったら、国民はどうなるだろう?国民だって、萎縮してしまう。
 報道機関は政治家になんと言われようと、簡単に謝罪したり、相手のいうことを鵜呑みにしてはいけない。国民の代表として活動をしているのだから。

―英国ならどうなるか?
 各国によって状況が異なるので、単純な比較はできないが、英国だったらどうなるか?を考えてみた。あくまでも、外国の例と思っていただきたい。
 まず、単刀直入に言えば、同様のことは起きないだろう。
(中略)
 メディアに不当に扱われたと思った政治家側はどうするかというと、「言論には言論で」つまりメディアに出演することで、論調を変えようとする。度を越した偏向報道の場合、放送・通信業の監督組織「オフコム」に調査をさせる、あるいは司法の場に持ち込んで(名誉毀損など)、決着をつける。
 英国で、報道内容によって、政党全体として、大手放送局のいずれかに出演を見合わせることを宣言する・・・・ということはありえない。
 大手放送局はすべて「公共サービス放送」という役割を持ち、国民のために放送しているわけだから、政治家・政党が一律的に「出ない」という決定をするのは、国民の知る権利を踏みにじることになる。そんな大それたことを、政治家、しかも与党がするわけがない。
 「もし」そうしたら?あるいはそうしようとしたら?
 英国のすべてのメディアから総スカンをくらい、新聞も含めて、非難の大合唱が起き、「アナクロ=時代錯誤」といわれてしまうだろう。そんな批判に耐えられるほど「勇気」のある政治家はいないー。
 あくまで、英国の話である。

▼民放各局の労働組合でつくる民放労連は7月5日に委員長談話を公表しています。
 http://www.minpororen.jp/

自民党のTBS「取材拒否」に抗議し、ただちに撤回を求める
2013年7月5日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 赤塚 オホロ
 自由民主党は7月4日、TBSの報道番組「NEWS23」の6月26日の放送について、「報道内容が公平さを欠いている」として、TBSによる党幹部への取材や番組出演要請を当面拒否すると発表した。政権政党は公的存在であり、その言動がさまざまな批判にさらされるのは当然のことである。もし事実誤認などがあるのなら、自ら記者会見を開くなどして公の場できちんと反論すればよい。報道内容を理由に取材拒否という姿勢をとることは、自らの意に沿わない報道にはこうした報復措置を取るという行為にほかならず、私たちは報道機関に働く者として、仮にも国家権力を担う公党が、報道の委縮につながりかねない強圧的な措置をとることを、到底許すわけにはいかない。
 また、折しも参院選公示直後という政治的に重要な時期に、報道機関の取材を拒否することは、有権者に的確な判断材料を提供すべき公党としての責任を放棄するものではないのか。政権政党衆議院第一党という立場を考えれば、国民の審判を仰ぐ判断材料を積極的に発信するべき時に、このような大人気ない態度は一刻も早く改めるべきである。
 私たちは、自民党の「取材拒否」をただちに撤回することを強く求める。
以 上


琉球新報「『沖縄女性、慰安所で頑張った』 橋下氏『感謝の念』 参院選遊説」2013年7月6日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-209070-storytopic-126.html

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は5日、県内から参院選比例代表に立候補している公認候補を支援するため来県した。橋下氏は応援演説で、米施政権下の県内で日本政府による米兵向け慰安所が設置されたとして「レイプを止めるために、沖縄県の女性が一生懸命になってやってくださった。感謝の念を表す」などと発言した。橋下氏は5月の米兵風俗利用発言を撤回し、米側に謝罪の意を示していたが「過去に女性を性の対象に利用していた、とアメリカに言いたい」と述べた。
 橋下氏は沖縄本島中南部の4カ所を遊説した。沖縄市の胡屋十字路では「米軍の沖縄占領時、日本の政府が真っ先に作ったのは、RAAという特殊慰安所協会だ」などと主張した。「女性の人権を蔑視していると言うが、沖縄の女性が特殊慰安所協会で一生懸命頑張ったことを全部無しにするのか」と持論を展開した。
 沖縄女性史研究家の宮城晴美氏によると、日本政府が米国占領下の県内で、慰安所を設置した事実は確認されていない。

 本土のマスメディアではほとんど報じられていない発言のようです。


憲法メディアフォーラム:現場から「東京発:読者の疑念招く新聞社トップと首相の会食」2013年7月10日
 http://www.kenpou-media.jp/modules/bulletin2/index.php?storytopic=14

新聞労連東京新聞労組ニュース『推進』No.44」(6月26日付)から

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 安倍首相が、東京新聞を発行する中日新聞社の小出社長と会食した。このことが東京新聞労働組合の機関紙で取り上げられている。以下はその抜粋である。
(後略)

 東京新聞労組の機関紙の紹介です。


鎌田慧さん「最近の新聞記事から『平和憲法を真っ向否定 自民党石破幹事長』」(公式ブログ、2013年7月17日)
 http://nomorewar77.blog.fc2.com/blog-entry-488.html

 「軍事法廷とは何か。すべて軍の規律を維持するためのものです」。4月21日放映の「週刊BS-TBS報道部」。憲法改正を問うというテーマで招かれた石破氏は持論を展開した。 
 国防軍になると、具体的に何が変わるのかと問われた石破氏はまず、「(改憲草案に)軍事裁判所的なものを創設する規定がある」と述べた。 
 改憲草案九条二の五項には「軍人その他の公務員が職務の実施に伴う罪か国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、国防軍に審判所を置く」とある。 
 続けて石破氏は、現在の自衛隊で隊員が上官の命令に従わない場合は、自衛隊法で最高でも懲役7年が上限であることを説明し、こう語った。
 「『これは国家の独立を守るためだ。出動せよ』と言われたときに、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人がいないという保証はどこにもない。だから(国防軍になったときに)それに従えと。それに従わなければ、その国における最高刑に死刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役三百年なら三百年。そんな目に遭うぐらいなら、出動命令に従おうっていう。人を信じないのかと言われるけれど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」
 こうした重罰を科すために審判所は必要で、石破氏は「公開の法廷ではない」と付け加えた。 

 自衛隊が「軍」になるとはどういうことか、よく分かります。
 続編のブログ記事もあります。旧日本軍の例、現在の自衛隊の警務隊の実情です。
 「最近の新聞記事から 石破幹事長の『軍法会議設置』発言」(公式ブログ、2013年7月18日)
 http://nomorewar77.blog.fc2.com/blog-entry-493.html


沖縄タイムス社説「[普天間問題]『辺野古』を争点化せよ」2013年7月18日
 http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-07-18_51830

 普天間問題は既に全国レベルの焦点ではなくなっているのではないか。参院選をめぐるメディアや世論の動向を見る限り、シビアな現実と向き合わざるを得ない。
 とはいえ、普天間問題は解決に向かうどころか、混迷の度を深めている。
 地元行政や沖縄世論の意向を無視し、政府は米軍普天間飛行場名護市辺野古移設に向けた埋め立て作業を着々と進めている。仲井真弘多知事は今月12日の記者会見で、国の埋め立て申請の可否判断を下す時期について「年末から年明けと考えている」との認識を示した。
 刻一刻、政府と沖縄の間で緊迫の度合いが増す局面に近づきつつある。
 にもかかわらず、沖縄が直面する「国策のゆがみ」に全国の関心が向かないのはなぜか。政府が辺野古移設を「既定路線」として扱い、争点化する機運を意図的に封じ込めているからではないか。
 自民党参院選公約で「辺野古への移設を推進する」と明記。「県外移設」を掲げる沖縄県連と「ねじれ」が生じている。
 公示前日の党首討論会で安倍晋三首相は、自民党本部と沖縄をはじめとする都道府県連の地域版公約の整合について「地域の取り組みを独自に示しているものだ。県連が希望として書いている」との見解を表明。同時に「党本部で出したものが党の公約だ」と断言した。
 これでは、はなから県連の公約を相手にしない意向を示したのも同然だろう。

 参院選は間もなく投開票日を迎えます。選挙報道ではここまで、自民党優位が一貫して伝えられてきました。間もなく示される選挙結果をどう読み解けばいいのか。争点にあいまいさを残したまま、議席さえ獲得してしまえば後は「白紙委任」を得たとばかりに、突き進んでいくことが許されていいのか。沖縄の基地問題でも、憲法改正でも同じ危惧があります。そもそも民主主義の手続きとして、社会のだれの意志をだれがどう代表するのか、それ自体が非常に難しく、悩ましい命題だと、近年は思うようになりました。マスメディアの選挙報道は21日の投開票日の「当確打ち」で頂点を迎えますが、その後に始まること、起こることをどう伝えるのか。マスメディアの大きな課題だと思います。