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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

モリカケ「納得していない」75%、安倍内閣支持37%で横ばい、毎日新聞世論調査

 毎日新聞が7月28、29日に実施した世論調査の結果が報じられています。安倍晋三内閣の支持率は37%で、6月の前回調査の36%から横ばい。不支持は44%で4ポイント増です。不支持が支持を上回ったのは5カ月連続とのことです。他社の調査と違って、毎日新聞は内閣支持率の回答の選択肢に「関心がない」があります。今回は18%で前回比で4ポイント減でした。関心がなかった層のうち若干が不支持に回った、という評価が可能でしょうか。
 森友学園と加計学園をめぐる安倍首相や政府のこれまでの説明に「納得していない」と答えた人は75%、「納得している」は14%。森友・加計問題で安倍首相に「責任はある」は61%と、6月の前回調査の60%とほぼ変わりません。「責任はない」は26%(前回24%)。毎日新聞の記事は「通常国会が閉会したが、世論の疑念は解消されていない」と指摘しています。
 「モリカケ」への安倍首相や政権への評価は厳しいのに、内閣支持率が落ちないことについては、安倍内閣支持層のモリカケへの関心が低いことが要因ではないか、との仮説を以前、紹介しています
 ほかの項目を見ると、参院定数6増の公職選挙法改正に対しては「評価しない」が67%と、「評価する」18%を大きく上回りました。この改正に対しては自民支持層も「評価しない」が60%とのことで、記事は「有権者の理解は広がっておらず、来夏の参院選に向けて批判がくすぶりそうだ」と分析しています。
 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法の成立も「評価しない」が65%で、「評価する」は20%でした。自民党の杉田水脈衆院議員のLGBT差別寄稿を自民党が容認している問題についての質問はありませんでした。

杉田水脈議員の差別主張を容認する自民党を批判~新聞各紙の社説 ※追記あり

 自民党の杉田水脈衆院議員が7月18日発売の月刊誌「新潮45」に「『LGBT』支援の度が過ぎる」とのタイトルで、性的少数者(LGBT)に対する差別的な論考を寄稿しました。「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるのか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのか」などとする主張は批判を受けて当然だろうと思います。ただ杉田議員は「同性婚を認めれば、兄弟婚や親子婚、ペット婚や機械と結婚させろという声も出てくるかもしれない」とまで書いており、とてもまともな神経とは思えないのですが、国会議員の主張である以上は軽視できません。それ以上に見過ごすことができないのは、自民党が党として杉田議員に何の措置も取ろうとしないことです。
 自民党の二階俊博幹事長は7月24日の記者会見で「党は右から左まで各方面の人が集まって成り立っている。人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」と述べ、静観する方針を表明しています。その後、自民党の国会議員らからも杉田議員を批判する発言が挙がってはいますが、党として杉田議員を注意したりするような動きはないようです。党総裁の安倍晋三首相のコメントも今のところ(7月29日夜の時点)はありません。
 杉田議員の経歴を見ると、2012年衆院選で日本維新の会から立候補し、比例近畿ブロックで復活し初当選しました。その後、次世代の党に移り14年衆院選で落選。17年衆院選で自民党の比例中国ブロックから出馬し当選しています。自民党にはこのような国会議員を生み出した責任があります。党として、杉田議員に主張の誤りを指摘し、非を認めさせるべきでしょう。杉田議員の主張自体、大きな問題ですが、それ以上に一番の問題点は、公党であり巨大与党である自民党が杉田議員の主張を容認し、放置していることだと感じます。

 目に止まった限りですが、この問題を取り上げた新聞の社説を書きとめておきます。やはり、杉田議員に何も措置を取ろうとしない自民党への疑問と批判が目立ちます。

【7月25日付】
・朝日新聞「LGBT 自民の認識が問われる」
 https://www.asahi.com/articles/DA3S13604333.html?ref=editorial_backnumber 

 同じ自民党内の若手議員から「劣情をあおるのは政治ではなくて単なるヘイト」といった批判があがったのも当然だ。
 ただ、こうした認識は党内で共有されていないようだ。
 驚いたのは、きのうの二階俊博幹事長の記者会見である。
 「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観がある」「右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている」
 杉田氏の見解を全く問題視しない考えを示したのだ。
 自民党はもともと伝統的な家族観を重んじる議員が多い。しかし、国内外の潮流に押される形で、昨秋の衆院選の公約に「性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す」と明記、「多様性を受け入れていく社会の実現を図る」と掲げた。杉田氏の主張は、この党の方針に明らかに反する。
 杉田氏はSNSで自身への批判が広がった後、ツイッターで「大臣クラス」の先輩議員らから「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」などと声をかけられたとつぶやいた。こちらが自民党の地金ではないかと疑う。
 少数者も受け入れ、多様な社会を実現する気が本当にあるのか。問われているのは、一所属議員だけでなく、自民党全体の認識である。 

・毎日新聞「杉田水脈議員の差別思考 国民の代表とは呼べない」
 https://mainichi.jp/articles/20180725/ddm/005/070/036000c 

 杉田氏はこれまでも、保育所増設や夫婦別姓、LGBT支援などを求める動きに対し「日本の家族を崩壊させようとコミンテルン(共産主義政党の国際組織)が仕掛けた」などと荒唐無稽(むけい)の批判をしてきた。
 「安倍1強」の長期政権下、社会で通用しない発言が自民党議員の中から後を絶たない。「育児はママがいいに決まっている」「がん患者は働かなくていい」など、その無軌道ぶりは共通している。
 杉田氏は2012年衆院選に日本維新の会から出馬して初当選し、14年は落選したが、昨年、自民党が比例中国ブロックで擁立した。安倍晋三首相の出身派閥である細田派に所属している。杉田氏の言動を放置してきた自民党の責任は重い。
 同時に、杉田氏の寄稿を掲載した出版社の対応にも問題があるのではないか。ネット上のヘイトスピーチに対しては、サイト管理者の社会的責任を問う議論が行われている。

【7月26日付】
・沖縄タイムス「[LGBT差別寄稿]許しがたい排除の論理」
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/289055 

 この寄稿に関して自民党の二階俊博幹事長は「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」と述べ、静観の姿勢を示した。
 昨年の衆院選の党公約で「性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進」を掲げたことを忘れたわけではあるまい。
 政治的立場がどうあれ、差別を助長するような発言は許されない。多様な生き方の尊重は世界的な流れであり、そのための解決策提示が政治の仕事である。
 党として処分を科さないというのなら、暴論に同調したと受け止めるだけだ。 

【7月27日付】
・北海道新聞「LGBT差別 自民の姿勢が疑われる」
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/212663?rct=c_editorial 

 一方的な尺度を振りかざして特定の集団を差別するのは、優生思想と変わらない。
 独身者や子を持たない夫婦なども侮辱する暴論で、福祉行政の否定にも等しい。党内からも批判が出たのは当然だ。
 ところが、二階俊博幹事長は、党の立場は違うとしながらも「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろ」と述べた。
 その「人それぞれ」を否定しているのが杉田氏ではないか。
 自民党は一昨年の参院選からLGBT理解を増進する議員立法の制定を公約に掲げている。
 杉田氏は昨春出版した著書でも同様の偏見を示した。こんな人物を、その後の衆院選の比例代表で当選させた党の責任は重大だ。 

・高知新聞「【LGBT差別】自民公約の真意を疑う」
 https://www.kochinews.co.jp/article/202512/ 

 野党などの批判も受け付けない様子の杉田氏は議員や党人の資質、資格が問われるところだが、同党の二階幹事長は「人生観もいろいろある」と静観する。杉田氏の主張を容認したとも受け止められ、党公約の真意がただされよう。
 自民党内には伝統的な家族観へのこだわりが根強く残る。二階氏も含め時代錯誤的な発言で反発を招くケースが多い。保守層の支持を狙って意図的に発しているのではないかとの指摘もある。
 「1強」の安倍政権下で暴言や失言が止まらない。どういう混乱を起こし、どれほど人を傷つけるのかへの想像力を欠く。「数の力」のおごり、緩みが透ける。 

・琉球新報「LGBTへの差別 自民党は容認するのか」
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-769491.html 

 国連はLGBTへの差別や暴力の解消を求めている。日本社会でも積極的な取り組みが始まっているのに、政権与党の国会議員が逆に差別を助長する見解を示した。国際的にも批判されるだろう。
 しかし、自民党では認識が違うようだ。二階幹事長は杉田氏の寄稿について「党は右から左まで各方面の人が集まって成り立っている。人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」と、静観する姿勢を示した。自民党はLGBTへの差別を事実上、容認しているように映る。
 自民党内には伝統的家族観が根強く、二階氏自身、6月に「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と述べ、世論の反発を招いた。
 杉田氏も自身のツィッターに「先輩議員から『間違ったことを言っていないから、胸を張っていれば良い』と声を掛けられた」「自民党の懐の深さを感じます」と書き込み、党内の意見を紹介している。
 自民党は2016年に「性的指向、性自認の多様な在り方を受け止め合う社会を目指す」との基本方針を公表したが、形骸化していると言わざるを得ない。
 少数者の人権を尊重し、異なる価値観の人々を受け入れる多様性ある社会を目指すのが国会の役割だ。一議員の問題で済まされない。 

【7月28日付】
・神戸新聞「杉田議員の暴論/なぜ自民は不問に付すか」
 https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201807/0011487456.shtml  

 問題提起のつもりなのだろう。しかし暴論としか言いようがない。偏見に苦しむ人たちに思いを寄せる感性がうかがえない。子どもを産まなければ支援は不要との考えは、LGBTだけでなく多くの人を傷つける。
 自民の二階俊博党幹事長が「いろんな人生観、政治的立場がある」と、不問に付す姿勢であることも理解に苦しむ。
 杉田氏は2012年に、兵庫6区で日本維新の会から立候補して比例で復活当選した。前回衆院選は自民党の中国ブロックの比例単独で当選した。政党票のみで議席を得た以上、誤った言動は党がチェックし、厳正に対処するべきではないか。
 寄稿の中で杉田氏は、LGBTのうち性同一性障害には医療行為の充実などの必要性にも言及する。他方で、同性愛などの性的嗜好(しこう)まで認めると「歯止めが利かなくなる」とした。
 欧米では同性婚を合法化する国が増えている。安倍政権の「1億総活躍プラン」もLGBTへの理解を促し、多様性を受け入れる環境整備が明記された。携帯電話各社が家族割引を同性パートナーにも認めるなど、企業の動きも進み始めた。
 「常識を見失っていく社会は秩序がなくなる」とした杉田氏の意見は個人の尊厳を踏みにじり、世界の潮流にも逆行する。 

 

※追記 2018年7月29日22時5分
 沖縄タイムスも7月26日付の社説で取り上げていることをフェイスブック上の知人の方にお知らせいただきましたので、挿入しました。

※追記2 2018年7月31日21時35分
 さらにチェック漏れの新潟日報のほか、7月30日付、31日付の社説もありました。見出しを追記します。

・新潟日報「自民党 『多様な性』に理解足りぬ」(7月26日付)
・中国新聞「LGBT寄稿 なぜ自民はとがめない」(7月30日付)
・信濃毎日新聞「LGBT寄稿 自民は差別容認なのか」(7月31日付)
・東奥日報「国レベルの支援拡充を/LGBT差別」(7月31日付)
・茨城新聞「LGBT差別 国レベルの支援拡充を」(7月31日付)
・北日本新聞「LGBT支援批判/国会議員の資質を疑う」(7月31日付)

※追記3 2018年8月1日22時10分
 8月1日付で愛媛新聞と徳島新聞も社説を掲載しました。
・愛媛新聞「LGBT差別 排除の論理 断じて容認できない」(8月1日付)
・徳島新聞「LGBT差別 政治家の資質を問いたい」(8月1日付)

※追記4 2018年8月1日22時30分
 漏れがありました。
・山陰中央新報「LGBT差別/国レベルの支援拡充を」(7月31日付)

※追記5 2018年8月2日21時25分
 もう2紙掲載しているのを確認しました。
・佐賀新聞「LGBT支援 国レベルの支援拡充を」(7月31日付)
・熊本日日新聞「LGBT寄稿 看過できぬ差別助長発言だ」(8月2日付)

 これで8月2日現在、社説や論説で扱っているのを確認できた新聞は以下の通りです。
 朝日新聞、毎日新聞、北海道新聞、東奥日報、茨城新聞、信濃毎日新聞、新潟日報、北日本新聞、神戸新聞、中国新聞、山陰中央新報、愛媛新聞、徳島新聞、高知新聞、佐賀新聞、熊本日日新聞、沖縄タイムス、琉球新報=計18紙

基地建設の強行「沖縄以外でできるか」~翁長知事が埋め立て承認の撤回を表明

 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画を巡り、沖縄県の翁長雄志知事が7月27日、前知事が出した沿岸部の埋め立て承認を撤回する手続きに入ることを表明しました。現地では埋め立て予定海面を囲う護岸工事が進み、安倍晋三政権は8月17日以降に埋め立ての土砂を投入する予定とされます。さかのぼって承認を取り消す手続きについては、既に最高裁で翁長知事側の敗訴が確定しています。今度は、承認後の日本政府の工事の進め方などに問題があるとして、承認を撤回して埋め立てを認めない、という手続きになります。普天間飛行場の沖縄県内移設阻止を公約にする翁長知事にとって、埋め立て承認の撤回は最後の手段とされますが、安倍政権が執行停止を裁判所に申し立てる方針とみられ、再び日本政府と沖縄県が法廷で争うことになります。
 28日付の東京発行新聞各紙の朝刊で、この翁長知事の方針表明のニュースは二つの意味で扱いが分かれました。一つは重要度の判断です。朝日新聞は1面トップ、つまり朝刊の最重要ニュースの扱いです。毎日新聞、読売新聞、東京新聞も1面で報じましたが、日経新聞は4面(総合面)、産経新聞は3面(総合面)でした。ちなみに、読売新聞が1面の中で、プロ野球巨人の山口俊投手のノーヒットノーラン達成の次に順位づけていることが目を引きました。
 もう一つは翁長知事の方針への評価です。社説で取り上げたのは朝日、毎日、読売、産経の4紙。それぞれ見出し(後掲)からもうかがえるように、朝日、毎日は政府の強硬姿勢に批判的なのに対し、読売、産経は翁長知事に批判的です。沖縄の基地集中の問題で以前からある「二極化」そのままと言っていいと思います。
 沖縄県外、日本本土に住む人たちから見れば、埋め立て承認の取り消しを巡っては一度決着しているのに、また同じような手続きが始まることは分かりにくいだろうと思います。また、本当に埋め立てを止めることができるか、翁長知事側の勝算は乏しいとの指摘もあるようです。翁長知事が埋め立て承認を撤回しても、最終的には司法が国の主張を認め、結果は変わらないだろうと考えるなら、埋め立て承認撤回は大したニュースではない、ということになるかもしれません。しかし、わたしはそうは思いません。
 このブログでも繰り返し書いてきたように、沖縄の基地集中の問題は、沖縄に固有の問題ではなく、日本全体の安全保障の問題です。基地の過剰な集中の解消を求める沖縄の民意は、例えば翁長氏の知事選勝利一つとっても明らかです。それなのに、地元の反対を押し切り工事が強行される―。国家的な大規模事業で、沖縄以外にそのようなことが行われている例があるでしょうか。現在、沖縄で進んでいることが沖縄差別と呼ぶほかないのだとしたら、突き詰めればその責任は日本国の主権者にあるのだと思います。差別解消のためには、まず沖縄で何が起きているかが広く知られなければなりません。本土マスメディアは繰り返し、丁寧に報じるべきだと思います。
 28日付の琉球新報の社説に以下のような指摘がありました。 

 そもそも国土の0・6%にすぎない沖縄県に全国の米軍専用施設面積の約70%が集中していることが問題の根本だ。基地の過重負担を強いながら、基地縮小を求める県民大多数の民意を無視し、貴重な自然を破壊する工事を強行する。このようなことが沖縄以外でできるだろうか。 

※琉球新報:社説「埋め立て撤回表明 新基地建設断念求める」
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-770334.html 

 朝日新聞は28日付朝刊に那覇総局長の署名記事を載せています。その中にも、日本政府の沖縄に対する強硬な措置をいくつも挙げて「沖縄以外で同じ状況が考えられるだろうか」と問いかける一文があります。沖縄県外の日本本土に住む人たちは「自分の周りで同じことが起きたらどうだろうか」と自問するべきなのだと思います。想像力が必要な作業かもしれません。そのためにまず必要なのは、何が起きているかを知り、その歴史的な経緯を知ることだと思います。

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 以下は東京発行各紙の28日付朝刊の主な記事と見出しの備忘です。

▼朝日新聞
・1面トップ「辺野古承認撤回 来月に/翁長知事 防衛局から聴聞へ/国、執行停止申し立て方針」
・2面・時時刻刻「撤回 翁長氏の切り札」「『私の責任。勇気振り絞る』/辺野古 土砂投入迫り表明」「政権は強気 知事選へ着々」
・2面・視点「悲痛な叫び 政府はもっと真摯に」伊東聖・那覇総局長
・37面(第3社会面)「辺野古『傍若無人な工事』/翁長知事 再び法廷闘争へ/支持者 複雑な思い」
・社説「辺野古工事 目にあまる政府の背信」

▼毎日新聞
・1面「辺野古工事 一時停止へ/沖縄知事が証人撤回」/「考え方変わらぬ 官房長官」
・3面・クローズアップ「『最終カード』で対抗/翁長知事 迫られた決断」「知事選へ急ぐ両陣営/移設反対派 出馬を切望/自民党 一本化模索」
・社会面「沖縄知事『傍若無人だ』/辺野古承認撤回 困惑する県民も」
・社説「辺野古埋め立て工事 知事選を待った方がよい」

▼読売新聞
・1面「辺野古工事一時停止へ/政府は推進 影響 限定的か/知事『承認撤回』」
・3面・スキャナー「翁長氏 窮余の策/知事選へ求心力狙う」/「工事中断 政府は冷静/土砂投入へ作業粛々」
・社説「辺野古移設問題 承認撤回は政治利用が過ぎる」

▼日経新聞
・4面「国は対抗措置の構え/翁長知事 移設阻止へ残ったカード/辺野古埋め立て 承認撤回へ」

▼産経新聞
・3面「辺野古埋め立て承認撤回/沖縄知事表明『新基地つくらせぬ』」/「知事選へ『最後のカード』」
・社説(「主張」)「辺野古埋め立て 知事は『承認撤回』中止を」

▼東京新聞
・1面「平和潮流に『取り残される』/翁長知事、辺野古埋め立て承認撤回」
・2面・核心「翁長知事『最後のカード』/迫る土砂投入 政府の法的対抗も必至/11月知事選にらみ徹底抗戦」
・6面・知事会見要旨

 

 琉球新報のサイトには、7月27日の翁長知事の会見での発言全文がアップされています。 

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-769882.html

 会見冒頭の発言の一部を引用して書きとめておきます。

 東アジアにおきましては南北首脳会談、あるいはまた米朝首脳会談のあとも、今月上旬には米国務長官が訪朝をし、24日にはトランプ大統領が北朝鮮のミサイル施設解体を歓迎するコメントを発するなど朝鮮半島の非核化と緊張緩和に向けた米朝の努力は続けられています。 このような中、20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すこともなく強引に押し進めようとする政府の姿勢は、到底容認できるものではありません。私としては平和を求める大きな流れからも取り残されているのではないかと危惧していることを申し上げた上で発表事項に入らせていただきます。 

相模原の障害者殺傷事件から2年

 神奈川県相模原市の障害者施設「やまゆり園」で19人が殺害された事件から7月26日で2年です。東京発行の新聞各紙も26日付の朝刊で関連の記事を掲載しています。
 各紙の記事から伝わってくるのは、犠牲者の家族の癒えることのない悲しみです。その中で朝日新聞は、当時60歳の姉を失った59歳の男性を取材し、拘置所での植松聖被告との接見にも記者が同席しました。初めての接見は1年前。男性はこの1年で、被告に対する感情が変化した一方、被害者の氏名が匿名のままになっていることに対して「『遺族が被害者の実名を明かさないから、被害者は命を奪われただけでなく、この世に存在した事実さえ消し去られている』と言われている感じがして、葛藤を覚えるようになった」とのことです。「実名を出すことは、生きた証しを残すことにもなる」として、男性は家族の了承を得て、名前の「宏美さん」を明らかにしました。
 読売新聞は1面から社会面まで大きく展開。特に目にとまったのは「やまゆり園」入所者の家族ら36人に取材した第2社会面の記事です。被告の公判でも被害者側の意向によっては、被害者は匿名で審理されます。「障害者差別の歴史を考えれば、事件が起きてなお、怖くて名前も顔も出せない人がいるのは当然」との声の一方で「1人の人間なのだから隠す必要はない。被害者だって悔しいはず」との反対の声があることなどを伝えています。
 事件の発生当初から、犠牲者を実名で報じるか匿名とするかの問題は、論議が続いています。神奈川県警は現在に至るまで実名は発表しておらず、各メディアが独自に取材を続けています。実名で報道すべき、というのが新聞各紙の基本的な立場ですが、実際に遺族への取材を続けている中で、理屈だけで割り切って判断できる問題ではありません。いずれにしても、家族らが社会に対して何かを訴えたいときには、マスメディアはその受け皿たり得る、そういう存在でありたいと、マスメディアの内部に身を置く1人として考えています。
 各紙とも接見や手紙を通じて、植松被告本人への取材も続けています。重度の障害者に対する考え方と主張は変わることがないようです。それを認めるわけにはいきませんが、一方で、被告に固有の、社会一般の大多数の人には理解不能で特異な主張かと言えば、そうではないようにも思います。東京新聞は社会面で、旧優生保護法の下で障害者に行われた強制不妊手術の問題と重なり合うことを指摘しています。実はわたしたちの社会では、優生思想や障害者差別につながる考え方や発想は決して珍しくはなく、そういうものに出会った時には、見過ごしたり、他人ごとととらえることなく、一つ一つに向き合わなければならないと思います。
 以下に、各紙の26日付朝刊の主な記事の見出しを書きとめておきます。

▼朝日新聞
・社会面トップ「やまゆり園 宏美さんは生きた/事件2年 姉失った男性向き合う/植松被告と面会重ね 憎しみよりも『更生してやり直そう』」実名が証しに/青空はいいよ

▼毎日新聞
・社会面トップ「写真の娘 そばに居る/浴衣姿や好物ほおばる顔/母の喪失感は埋まらず」ワッペン「もう二度と 相模原殺傷事件2年」

▼読売新聞
・1面「相模原殺傷2年/『やまゆり園』解体進む」
・11面(解説面)論点スペシャル「相模原殺傷2年 共生への課題」:「優生思想 形変えて今でも」日本障害者協議会代表・藤井克徳氏/「隔離せず互いに理解を」コラムニスト伊是名夏子氏/「人の息吹 もっと感じて」NPO法人ハイテンション代表・かしわ哲氏
・社会面トップ「優しい兄 奪われた/風化恐れ 思い語る遺族」/「植松被告 主張変えず/接見・書面 取材に応じ」
・第2社会面「匿名審理 意見分かれる/家族の心境 依然複雑」

▼日経新聞
・社会面トップ「元入所者、揺れる思い/『地域と共生』『施設戻る』」/「あれしか方法なかった 障害者は金かかる/植松被告、正当化なお」

▼東京新聞
・1面「公判日程なお未定/相模原殺傷 責任能力めぐり争い」ワッペン「『やまゆり園』事件から2年」
・社会面トップ「施策と事件 重なる/国の強制不妊も植松被告も/手術女性の義姉 過ち認めぬ姿が差別助長」

 解体工事中のやまゆり園の現地では26日、献花台が設けられ、訪れた人たちが手を合わせたと報じられています。ただ夕刊で大きく報じられたのは、この日午前のオウム真理教元幹部6人の死刑執行でした。6日に松本智津夫(教祖名・麻原彰晃)ら7人が処刑され、わずか20日間に計13人が処刑されました。そのことも書きとめておきます。

「強制の追認でいいのか」(朝日)、「行政の裁量広げすぎでは」(毎日)~君が代訴訟の各紙社説 ※追記 「最高裁は起立斉唱を尊重した」(読売)

 君が代不起立で処分を受け、退職後の再雇用を拒否された東京都立高の元教諭22人が都に損害賠償を求めた訴訟で、元教諭ら勝訴の2審判決を破棄し請求を棄却した19日の最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)の判決について、いくつかの新聞が社説で取り上げているのが目に止まりました。
 朝日新聞、毎日新聞、北海道新聞、中日新聞(東京新聞)は判決に批判的です。日の丸や君が代を巡る職務命令自体には既に最高裁が合憲の判断を示しています。また別の判決では、思想・良心の自由の問題と密接に絡むことから、最高裁は重い処分には慎重さが必要との判断を示していました。そうしたことを踏まえて、定年後の人生設計への影響があまりにも大きい再雇用の拒否を容認した今回の最高裁の判断を批判しています。毎日新聞は「規律違反と不採用という結果の均衡が取れているのか」と疑問を示し、北海道新聞は「今回の判決は従来の枠組みから大きく後退している」と指摘しています。
 判決を支持しているのは産経新聞で、「国旗と国歌を尊重するのは国際常識であり、強制とは言わない」「それほど国歌が嫌いなら公教育を担う教職につかないのも選択肢だ」としています。
 以下に、それぞれの社説の見出しと、本文の一部を引用して書きとめておきます。

▼朝日新聞「君が代判決 強制の追認でいいのか」=7月20日
 https://www.asahi.com/articles/DA3S13595828.html?ref=editorial_backnumber 

 原告たちが長年働いてきた教育現場から追われたのと同じ時期に、都教委は、別の理由で減給や停職などの重い処分を受けた教職員を再雇用した。さらに年金制度の変更に伴い、希望者を原則として受け入れるようになった13年度からは、君が代のときに起立斉唱せず処分された人も採用している。
 都教委が一時期、教職員を服従させる手段として、再雇用制度を使っていたことを示す話ではないか。そんな都教委のやり方を、きのうの判決は結果として追認したことになる。
 最高裁は11年から12年にかけて、日の丸・君が代訴訟で相次いで判決を言い渡している。起立斉唱の職務命令自体は憲法に反しないとしつつ、「思想・良心の自由の間接的な制約となる面がある」と述べ、戒告を超えて減給や停職などの処分を科すことには慎重な姿勢を示した。再雇用をめぐる訴訟でも、教委側の行きすぎをチェックする立場を貫いて欲しかった。 

▼毎日新聞「君が代『再雇用拒否』判決 行政の裁量広げすぎでは」=7月22日
 https://mainichi.jp/articles/20180722/ddm/005/070/046000c 

 君が代斉唱をめぐる処分の可否については決着がついている。最高裁は12年、「戒告より重い減給以上の処分を選択するには、慎重な考慮が必要だ」との判断を示した。この時は停職や減給の処分が一部取り消された。懲戒権者の処分に「行き過ぎ」がないよう一定の線引きをした。
 さらに最高裁は別の判決で「君が代の起立・斉唱行為には、思想・良心の自由に対する間接的な制約になる面がある」とも述べている。
 再雇用は定年後の人生設計を左右する。9割超が再雇用されていた実態もあった。規律違反と不採用という結果の均衡が取れているのか。今回の最高裁判決には疑問が残る。
 日の丸・君が代との向き合い方は人それぞれだ。戦前の軍国主義と結びつける人もいれば、国旗・国歌として自然に受け入れる人もいる。ただし、一方の考え方を力で抑え込めば、最高裁が指摘したように、憲法が保障する思想・良心の自由に抵触しかねない。
 国旗・国歌法が成立したのは1999年だ。当時の小渕恵三首相は国会で、「国旗掲揚や国歌斉唱の義務づけは考えていない」と答弁し、個々人に強制しないと強調した。
 その精神は今後も尊重すべきであり、行政の慎重な対応が必要だ。 

▼産経新聞(「主張」)「『不起立教員』敗訴 国旗国歌の尊重は当然だ」=7月23日
 http://www.sankei.com/column/news/180723/clm1807230001-n1.html 

 門出などを祝う重要な節目の行事で、一部教職員が座ったままの光景がどう映るか。生徒らを顧みず、教職員個人の政治的主張や感情を押しつけるもので、教育に値しない行為だ。
 起立・斉唱の職務命令を「強制」などと言い、相変わらず反対する声がある。しかし、国旗と国歌を尊重するのは国際常識であり、強制とは言わない。
 最高裁は別の訴訟でも、都教委の職務命令は「思想、良心を直ちに制約するものではない」などとして合憲の判断を示している。
 国旗掲揚や国歌斉唱に反対する一部教職員らに対し、校長らは大変な苦労を重ねてきた。平成11年には広島県で校長が自殺する痛ましい事件が起き、これを契機に「国旗国歌法」が制定された。
 職務命令を出すのは、指導に反対して式を混乱させる教職員がいまだにいるからだ。それほど国歌が嫌いなら公教育を担う教職につかないのも選択肢だ。 

▼北海道新聞「君が代訴訟 疑問拭えぬ最高裁判決」=7月23日
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/211224?rct=c_editorial 

 最高裁は「職務命令違反は式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう。再雇用すれば、元教諭らが同様の違反行為に及ぶ恐れがある」と、都の対応を容認した。
 しかし、「内心の自由」は憲法が保障する権利である。思想や信条に基づく行為に不利益を課す場合、相当の理由や慎重さが求められるのは当然だ。
 一、二審判決がそうした原則を考慮し、「式の進行を妨害したわけではなく、職務命令違反を不当に重く扱うべきではない」と判断したことこそ妥当だろう。
 今回の判決は事の本質から目を背けているのではないか。
 忘れてならないのは、最高裁が過去の同種裁判で積み上げてきた慎重な判断である。
 職務命令は思想、良心の自由を保障する憲法に反するとは言えないとしながらも、間接的な制約と認め、処分は抑制的であるべきだとの考えも示している。
 行政の行き過ぎにクギを刺す狙いがうかがえる。
 今回の判決は従来の枠組みから大きく後退している。 

▼中日・東京新聞「君が代判決 強制の発想の冷たさ」=7月25日
 http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018072502000119.html  

 今回の原告二十二人は〇七~〇九年に定年で再雇用を求めたが拒否された。現在の希望者全員が再雇用される制度の前だった。
 その点から最高裁は「希望者を原則として採用する定めがない。任命権者の裁量に委ねられる」とあっさり訴えを退けた。
 失望する。一、二審判決では「勤務成績など多種多様な要素を全く考慮せず、都教委は裁量権の逸脱、乱用をした」とした。その方が納得がいく。
 再雇用は生活に重くかかわる。君が代がすべてなのか。良心と職とをてんびんにかける冷酷な選別である。日の丸・君が代は自発的に敬愛の対象となるのが望ましいと思う。
 自然さが不可欠なのだ。高圧的な姿勢で押しつければ、君が代はややもすると「裏声」で歌われてしまう。 

 

【追記】 2018年7月30日8時10分
 読売新聞が7月30日付で社説を掲載しました。最高裁の判断を評価し「子供たちが、自国や他国の国旗・国歌に敬意を表する。その意識を育むことが、教員としての当然の務めである」としています。

▼読売新聞「君が代判決 最高裁は起立斉唱を尊重した」=7月30日
 https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180730-OYT1T50000.html 

 再雇用した場合、元教員らが再び職務命令に反する可能性を重視した常識的な判断だ。
 1審は、都教委の対応が「裁量権の逸脱で違法」だとして賠償を命じた。2審もこれを支持したが、最高裁は覆した。不起立については、「式典の秩序や雰囲気を一定程度損なうもので、生徒への影響も否定できない」と指摘した。
 入学式や卒業式は、新入生や卒業生にとって一度しかない大切な儀式だ。厳粛な式典で、教員らが調和を乱すような態度を取ることには到底、理解は得られまい。
 (中略)
 言うまでもなく、教員は児童生徒に手本を示す立場にある。小中高校の学習指導要領にも、入学式や卒業式で「国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導するものとする」と明記されている。
 東京五輪・パラリンピックを2年後に控える。子供たちが、自国や他国の国旗・国歌に敬意を表する。その意識を育むことが、教員としての当然の務めである。

「安倍首相の人柄が信用できない」と答える人が増えている

 世論調査の分析で、ネット上の興味深い論考が目に止まりました。日本テレビの世論調査の結果を対象に、内閣支持率、不支持率を巡って、支持の理由、不支持の理由の経緯をたどってみたところ、「安倍晋三首相の人柄が信頼できない」との回答が2017年を境に急増し、過去最高の水準に達しているとの内容です。

note.mu

 不支持の理由の選択肢に「首相の人柄が信頼できない」を挙げている調査はほかにもあります。わたしも試みに、NHKの世論調査結果で、詳細を閲覧できることし1月から7月の計7回の調査で、安倍内閣の支持率、不支持率、不支持の理由のうち「首相の人柄が信頼できない」を挙げた人の割合、不支持の理由で2番目に多い「政策に期待が持てない」を挙げた人の割合を一覧表にしてみました。次の通りです。単位は%です。

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
支持率 45.7 46.4 43.8 37.7 37.8 37.8 44.1
不支持率 37.0 34.3 38.1 44.5 43.5 43.5 38.8
人柄信頼できない 38.7 35.0 40.2 45.5 47.1 54.0 50.8
政策に期待持てず 32.0 34.3 33.3 25.8 24.9 19.8 22.6

 不支持の理由の中で「人柄が信頼できない」が占める割合は、多少のでこぼこはあるものの増加傾向にあって6月、7月は過半数に達しています。2番目に多い「政策に期待が持てない」との差も、2月はほとんど変わりなかったのが6月、7月には倍以上に差が開きました。
 続いて、不支持率とその理由に「人柄が信頼できない」を挙げた人の割合を掛け合わせてみました。調査の回答者のうち、どれぐらいの人が「安倍首相の人柄が信用できない」と明白に意思表示したかが分かります。以下の通りです。 

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
14.3 12.0 15.3 20.2 20.5 23.5 19.7

 7月は少し割り込んだとはいえ、4月以降おおむね2割の人が、6月は4分の1近くの人が「安倍首相の人柄が信頼できない」と明白に意思表示しています。この数字は控え目なものと言うべきで、実際には、安倍内閣を支持している人であっても、例えば自民党の政権だから(公明党も参加している政権だから)支持しているのであって、安倍首相の人柄は信頼できないという人もいる可能性があります。
 ここで思うのは安倍内閣の支持率の高さの理由です。「安倍1強」と言われる理由でもあるのですが、「ほかに代わりがいない」「ほかに適当な人がいない」ということがよく挙げられます。確かに、世論調査の中には内閣を支持する理由としてそうした選択肢を入れているケースがあり、回答に占める割合も高いので、ついそういう評価をしてしまいがちです。その選択肢を選ぶ人が多いこと自体は間違いではありませんが、問題もあります。マスメディアが調査結果を報じる時に、あまりに「ほかに代わりがいない」を強調すると、事実としてそうであると受け取られる恐れがあるということです。実は、このブログの以前の記事に関連して、ほかに適当な人がいないために支持率が落ちない、という見方をSNS上で書いたところ、社会調査に詳しい方から「『ほかにいない』のではなく『ほかにいないと思い込まされている』のです」とご指摘をいただき、それでわたし自身、問題点に気付いた次第です。
 ほかに首相にふさわしい人がいないと考えている人が多いとしても、同時に、「安倍首相の人柄が信頼できない」と考えている人が増えている、ということもマスメディアが合わせて報じるとしたらどうでしょうか。日本の政治の先行きに、今とは少し違った風景が見え始めるかもしれないと思うのですが。 

「命の危険」猛暑災害と東京五輪

 厳しい暑さが続いています。7月23日には埼玉県熊谷市で観測史上最高を更新する41・1度を記録し、東京都内でも青梅市で40・8度と、初めて40度超を観測しました。連日死者も出ており、気象庁は23日午後に異例の記者会見を開き「命の危険がある暑さ。災害と認識している」として、熱中症予防を呼び掛けたと報じられています。
 東京発行新聞各紙の24日付朝刊は、朝日、毎日、読売、産経、東京の5紙は1面トップがこの猛暑でそろいました。日経新聞の1面トップは地球温暖化のニュースですが、経済紙らしい猛暑の切り口のようにも感じます。各紙の1面トップの見出しを書きとめておきます。

・朝日新聞「『災害級』41・1℃/熊谷 国内最高を更新/都内初の40℃超 猛暑日241地点」
・毎日新聞「熱中死の疑い94人/6日間 30都府県/熊谷41・1度 史上最高」
・読売新聞「熊谷41・1度 史上最高/気象庁『災害と認識』/熱中症死13人/五輪まで2年 対策課題」
・日経新聞「2040年1・5度上昇 進む温暖化/IPCC予測 猛暑や豪雨多発/温暖化ガス『実質ゼロ』訴え」
・産経新聞「熊谷 国内最高41・1度/都内も初の40度超/熱中症13人死亡」
・東京新聞「熊谷41・1度 国内最高/酷暑 災害レベル/青梅40・8度」

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 この暑さの中で、どうしても「大丈夫だろうか」と考えてしまうのは2020年の東京五輪です。折しも、7月24日で開幕までちょうど2年とあって、各紙とも24日付朝刊で特集などの関連記事を掲載。その中で目を引いたのは、この猛暑災害に絡めた視点の東京新聞と読売新聞の記事です。
 東京新聞は1面に「東京五輪まで2年 暑さ対策全力/行列に大型冷風機・道路 特殊舗装・木陰冷やす」の見出し、読売新聞は社会面トップに「炎天五輪 どう耐暑/特殊舗装 路面温下げる/観客向け『日陰マップ』」の見出しで、それぞれ暑さ対策のあれこれを紹介しています。主なところでは、マラソンコースなどに温度上昇を抑える特殊な舗装を施すことや、競技場に入る際のセキュリティ・チェックで行列を長くしないようにすることなど。ボランティアにも活動時間に上限を設けるようです。昔ながらの打ち水も推奨されているようです。
 関係者も危機感を持って暑さ対策はいろいろ検討しているのでしょうが、高温多湿で1年でももっとも過ごしにくいこの時期に、なぜわざわざ五輪を設定したのか、との「そもそも論」の疑問を感じている人も少なくないのではないでしょうか。その意味で興味深く読んだのは共同通信配信の長めのサイド記事です。全国の地方紙などに掲載されていると思います。一部を引用します。 

 17日、報道陣に公開された新設の五輪会場の建設現場。日陰のない臨海部の会場には容赦なく日差しが照りつけ、カヌー・スラローム会場では出来上がりつつあるコンクリートの人工コースに、かげろうが揺らめいた。参加者は噴き出す汗を拭い続け、同行した組織委の職員もぐったりした様子で、思わず「これでは死者が出てしまう」と危機感が口を突いて出た。
 1964年の東京五輪は10月10日、さわやかな秋晴れの中で開会式を迎えた。しかし近年の夏季五輪は夏場の開催が定着。米プロフットボールNFLや、米プロバスケットボールNBAなどのシーズンとの競合を嫌う米放送局と国際オリンピック委員会(IOC)の意向があるとされる。20年大会も当初から「7月15日から8月31日の間」と限定されており、日本側に選択の余地はなかった。
 (中略)
 関係者によると、IOCの間では「(04年)アテネ五輪も暑かったから大丈夫だろう」と楽観視する雰囲気があった。ただアテネの夏と違い、湿度の高い日本は熱中症のリスクが格段に高い。この7月、猛暑の中で会場を視察したIOC委員からも「こんなに暑いのか。こんなところでできるのか」と懸念の声も上がり始めた。
 選手や観客の命に関わるレベルの暑さとなった場合、組織委が設ける運営の司令塔「メイン・オペレーションセンター」を中心にIOCや国際競技団体と協議しながら競技実施の可否を判断することになる。ある組織委幹部は、東京が40度超を観測した23日午後「このままいくと、大変なことになるな」と漏らした。 

 もう一つ、日刊スポーツのインタビュー記事の一部を書きとめておきます。東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会会長の森喜朗元首相です。
 ※「森喜朗会長が語る、この猛暑が東京五輪成功のカギに」=2018年7月24日
  https://www.nikkansports.com/sports/news/201807240000148.html 

 丸2年後、東京オリンピック(五輪)が開幕しているその日に東京で40度を超え、森会長は自問自答した。「この暑さが来たら本当に、まっとうにやっていけるのか」。
 全国的に熱中症で救急搬送されるケースが多発し、今夏の酷暑は社会問題となっている。しかし、開催時期は国際オリンピック委員会(IOC)が提示し、東京側も織り込み済みで招致した経緯もあり、日程はずらせない。
 現実から目をそらせない状況で「この暑さでやれるという確信を得ないといけない。ある意味、五輪関係者にとってはチャンスで、本当に大丈夫か、どう暑さに打ち勝つか、何の問題もなくやれたかを試すには、こんな機会はない」と語った。
 暑さ対策としてはこれまで、道路の遮熱性舗装、街頭ミスト、会場の大型冷却器、かち割り氷の配布などが検討されている。昔ながらの「打ち水」なども効果があるとし、東京五輪関連イベントではよく紹介されているが、実際に役に立つか、今夏、実証実験に最大限、利用すべきとの考えだ。 

 わたしが危惧するのは「引き返す」という発想が森氏に感じられないことです。「危ない」と思ったら取りやめる、延期する、その道を探るという柔軟さを持たないまま、「開催ありき」で2020年へ突っ走るしか選択肢はないのでしょうか。それが唯一の正解でしょうか。
 仮にこの夏を乗り切ったとしても、2年後にはさらに暑さが増しているかもしれません。現に日本の最高気温観測の更新は間が詰まってきています。2年後の本番では、日本の猛暑を知らない観客が海外から押し寄せてきます。そもそも気象庁が「災害」と形容している暑さです。災害の中での開催を覚悟せざるを得ないとすれば、あまりにも悲壮であり、そのことに、どこか、何かおかしいと感じる人もいるはずです。前進あるのみ、ではない別の選択肢を考え、提示することも、ジャーナリズムにはあっていいのではないかと思います。

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モリカケ、今後も国会で追及「必要ない」50%(日経・テレ東)、49・3%(共同通信)~カジノ、参院6増、西日本豪雨対応に厳しい民意

 週末実施の電話世論調査の結果3件が報じられています。ここのところの世論調査では、個別の政策課題では安倍晋三政権に厳しい評価が示されるものの、内閣支持率には反映されない、支持率が一定水準以下には下がらない傾向が続いています。今回も、カジノ解禁や参院の定数6増、西日本豪雨への政府対応では安倍政権に厳しい結果が並んだ一方で、内閣支持率は40%台半ばでそろいました。
 共同通信の出稿によると、カジノ法に対しては全体の64・8%の人が反対でした。安倍内閣支持層でも反対が47・6%で、賛成の43・8%を上回ったほか、国会採決で賛成した公明党の支持層では反対が55・5%と過半数だったとのことです。参院の定数6増では、全体の55・6%の人が「問題がある」と回答。うち自民党支持層で「問題だ」とした人は43・2%、「問題ではない」と回答した人は43・7%。記事は「同法を提出した自民党の支持者の間でも評価が二分されている実態が明らかになった」と指摘しています。
 森友学園、加計学園の問題については、読売調査で77%もの人が安倍首相の説明に納得していないと回答した一方で、日経・テレ東、共同通信の調査では、もはや国会で追及する必要はないとの回答が、今後も追及するべきだとの回答を上回り、おおむね半数に達しました。「納得していないが、もう終わりでいいよ」と考えている人が少なくないということでしょうか。ただ、引き続き追及するべきだとの回答も44~45%あります。追及の必要はない、との意見の人たちはなぜそう考えるのか。報道に、そうした点についての突っ込んだ分析もあっていいだろうと思います。

※カッコ内は前回比、Pはポイント
▼内閣支持率
・日経新聞・テレビ東京 20~22日実施
   「支持」45%(7P減) 「不支持」47%(5P増)
・読売新聞 21~22日実施
   「支持」45%(±0) 「不支持」45%(1P増)
・共同通信 21~22日実施
   「支持」43・4%(1・5P減) 「不支持」41・8%(1・4P減)

▼カジノを含む「統合型リゾート実施法」に対して
・日経新聞・テレビ東京
   「賛成」27% 「反対」60%
・読売新聞
   「評価する」28% 「評価しない」62%
・共同通信
   「賛成」27・6% 「反対」64・8%

▼参議院の議員定数を6増とするなどの法改正に対して
 ・日経新聞・テレビ東京
   「賛成」28% 「反対」56%
・読売新聞
   「評価する」20% 「評価しない」67%
・共同通信
   「問題だ」55・6% 「問題ではない」27・6%

▼西日本豪雨の政府対応について
 ・日経新聞・テレビ東京
   「評価する」39% 「評価しない」46%
・読売新聞
   「評価する」43% 「評価しない」45%
・共同通信
   「評価する」27・5% 「評価しない」62・2%

▼森友学園、加計学園の問題について
 ・日経新聞・テレビ東京
   「今後も国会で取り上げるべきだ」44%
   「取り上げる必要はない」50%
・共同通信
   「次期国会でも追及するべきだ」45・7%
   「追及する必要はない」49・3%

 ※安倍首相のこれまでの説明について
 ・読売新聞
   「納得している」17% 「納得していない」77%

 

【追記】 2018年7月24日23時50分
 産経新聞とFNNが7月21、22日に実施した世論調査の結果も報じられました。
 内閣支持率は42・1%で前月比2・5ポイントの減。不支持率は47・3%で1・7ポイント増です。
 興味深く読んだのは、第2次内閣以降の安倍首相の政権運営全般を評価するかどうかの分析です。全体では「評価する」44・6%に対して「評価しない」45・0%と評価は二分です。しかし、年齢別、男女別に見ると、10・20代の男性は「評価する」が73・2%、10・20代の女子も61・2%とほかの世代よりも突出して高くなっています。ちなみに男性では他の世代では「評価する」は56・9~40・7%、女性では38・0%~28・4%でした。

君が代不起立で再雇用拒否、最高裁が容認

 7月19日のことですが、最高裁が気になる判決を言い渡しました。

※47news=共同通信「君が代不起立、元教諭敗訴 再雇用拒否に『合理性』」2018年7月19日
 https://this.kiji.is/392604103450690657?c=39546741839462401 

 卒業式などで起立して君が代を歌うよう指示した校長の職務命令に反したことを理由に、退職後の再雇用を拒否したのは違法として、東京都立高の元教諭22人が都に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は19日、賠償を命じた二審判決を破棄し、元教諭の請求を棄却した。逆転敗訴が確定した。
 第1小法廷は「再雇用の合否判断は任命権者の裁量にゆだねられている。不合格とした結論は合理性を欠いていない」と判断した。 

 報道によると、元教諭らは起立命令に従わなかったことを理由に減給や戒告などの懲戒処分を受けた上に、2007~09年に再雇用を拒否されたとのことです。再雇用されるかどうかは定年後の人生設計の上で決定的に重要です。官公庁や自治体では現在、定年後に希望した人の再雇用が原則として義務付けられており、同様の再雇用拒否は今では起きないとのことですが、それだけ再雇用には重みがあるということでしょう。そうであるなら、過去にさかのぼって救済が図られてもいいように思います。わたし自身は、都教委の裁量権の逸脱を指摘した1、2審判決の方が、納得感が高いと感じます。

 毎日新聞が7月22日付の社説で、この判決を取り上げています。その中で、1999年に「国旗及び国歌に関する法律」(国旗国歌法)が成立した際に、当時の小渕恵三首相が国会で、政府としては掲揚を強制するつもりはないと答弁したことに触れ「その精神は今後も尊重すべき」と指摘しています。重要な論点だと思いますので、一部を引用します。
 ※毎日新聞:社説「君が代『再雇用拒否』判決 行政の裁量広げすぎでは」
 https://mainichi.jp/articles/20180722/ddm/005/070/046000c

 再雇用は定年後の人生設計を左右する。9割超が再雇用されていた実態もあった。規律違反と不採用という結果の均衡が取れているのか。今回の最高裁判決には疑問が残る。
 日の丸・君が代との向き合い方は人それぞれだ。戦前の軍国主義と結びつける人もいれば、国旗・国歌として自然に受け入れる人もいる。ただし、一方の考え方を力で抑え込めば、最高裁が指摘したように、憲法が保障する思想・良心の自由に抵触しかねない。
 国旗・国歌法が成立したのは1999年だ。当時の小渕恵三首相は国会で、「国旗掲揚や国歌斉唱の義務づけは考えていない」と答弁し、個々人に強制しないと強調した。
 その精神は今後も尊重すべきであり、行政の慎重な対応が必要だ。 

カジノ法成立し国会閉会~行政不祥事、まるで他人ごとの安倍首相

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案は7月20日、参院本会議で可決、成立しました。22日までの通常国会はこれで事実上、閉会しました。
 安倍晋三首相は20日夕に記者会見し、今国会の会期中、行政を巡るさまざまな問題が明らかになったとして、「国民の信頼を損なったことについて行政のトップとして深くおわびする」と述べ、森友学園、加計学園の問題を巡っても「首相の立場が周囲に与えうる影響を常に意識し、慎重な上にも慎重に政権運営に当たる」と述べたと報じられています。いずれも他人ごとのような物言いだと感じました。「行政のトップとして深くおわび」とは、国民の信頼を失った責任は官僚にあると考えているようで、首相として自身が責任の当事者であるとの自覚はまるで伝わってきません。森友学園、加計学園の問題についても「これで終わり。逃げ切った」と考えていることが明白です。

 東京発行の新聞各紙のうち日経新聞を除く5紙(朝日、毎日、読売、産経、東京)は21日付朝刊で、「カジノ法」成立を1面トップにすえました。しかし「通常国会閉会」を巡っては、新聞によって論調に差異が出ました。朝日、毎日、東京の3紙は、今国会を通じて与党が強引だったのはカジノ解禁に限ったことではないことを強調し、数の力をたのむ安倍晋三政権と与党に批判的なトーンを打ち出しています。一方の読売新聞には政権、与党批判は見当たらず、産経新聞は逆に野党批判を交えた紙面展開でした。カジノ解禁自体に対しては、産経新聞が社説(「主張」)で「不安払拭し地域に貢献を」としているのが目を引きました。
 以下に、各紙の主な記事の見出しを書きとめておきま

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▼朝日新聞
1面トップ「カジノ法強引取引■森友・加計解明せず/政権応えず 国会閉幕」
1面「首相、来月3選出馬表明へ/自民総裁選 石破氏も準備」
2面・時時刻刻「強引国会 最後まで」「昭恵氏・加計喚問 拒否貫く/森友・加計・日報・文書改ざん」「対立法案 数の力で次々成立/働き方改革・カジノ・参院6増」
3面「公明、選挙にらみ賛成/カジノ法 早めの成立を重視」
3面・焦点採録「県政史上最悪の国会になった 立憲・枝野氏/政権は人の命より賭博優先だ 共産・志位氏」
13面(オピニオン面)耕論「政治家 空疎な言葉」/「平和日本 甘い国民の評価」オフェル・フェルドマン同志社大教授/「失言の背景 有権者にも」著述家 古谷経衡さん/「いちいちギョッとしよう」時事芸人 プチ鹿島さん
第2社会面(32面)「『国会 誰の方向いている』/森友・加計、公文書、カジノ 怒りの声」/「カジノ誘致へ『一歩』■『反対運動続ける』」
社説「カジノ法成立 賭博大国への危うい道」

▼毎日新聞
1面トップ「カジノ法成立/通常国会 事実上閉会」
1面「自民総裁選『改憲争点』/首相会見 出馬表明、来月下旬以降」
2面「国会立て直そう」佐藤千矢子・政治部長
3面・クローズアップ「政府強引 国会に禍根/森友・加計 疑惑解明至らず」「重要法 熟議なく/働き方・参院6増・カジノ」
5面「行政の監視 疑問符/通常国会 事実上閉会」「予算委集中審議/不祥事追及に長時間」「党首討論/1回45分 深まらぬ議論」「合同ヒアリング/野党連携に一定の成果」
5面「開業 20年代前半視野/カジノ法成立 施設、具体像示されず」
5面「公正ルール作り放棄」ギャンブル依存症患者の支援に取り組む井上善雄弁護士(ギャンブルオンブズマン事務局長)/「雇用増など波及効果」各国のカジノ事情に詳しい美原融・大阪商業大教授
社会面(27面)「カジノ法『政治はどこ向く』」/「国会の周辺では市民ら抗議集会」
社説「通常国会が事実上閉会 骨太の議論は乏しかった」

▼読売新聞
1面トップ「カジノ法 成立/23年にも国内開業」
1面「国会 事実上閉会」
2面「依存対策 置き去り/入場回数、貸付金…課題続々/カジノ法」「経済成長期待 名乗り/北海道、大阪、長崎 効果に疑問も」
4面「カジノ法 公明に同調/来年選挙への影響 抑制/自民、今国会成立固執」
4面「総裁選出馬 検討加速へ/『ポスト安倍』候補ら 心境語る」/「首相の記者会見要旨」
4面「『災害よりギャンブル解禁優先』/抵抗延々2時間43分/枝野氏演説 衆院延長」
7面・1ページ特集「基礎からわかるIR実施法」

▼日経新聞
1面「首相、来月出馬表明へ/自民総裁選 国会が事実上閉幕/カジノ法成立」
4面「開業早くて20年代半ば/カジノ法成立 誘致本格化」/「依存症対策 疑問の声残す」
4面「自民総裁選へ号砲/首相『憲法改正、大きな争点』/国会が事実上閉幕」
4面「枝野氏演説 最長2時間43分/不信任案で政権批判」

▼産経新聞
1面トップ「IR実施法 成立/カジノ 2020年代半ば最大3カ所/不信任案否決 国会、事実上閉会」
1面「首相 政権続投に意欲/改憲『総裁選の焦点』」
2面「IR誘致 自治体過熱/選定方針『国は早く策定を』」「地方、投資・雇用に期待」「経済効果5兆円/民間シンクタンク試算」
3面「役所不祥事 国会振り回す/法案成立92%も議論低調/事実上閉会」「野党『18連休』で失速/立民と国民 路線対立露呈」
3面「『野党不信任案』を提出したい」阿比留瑠偉・論説委員兼政治部編集委員
5面「総裁選 せみ時雨聞き 考える」首相会見要旨
第3社会面(24面)「ギャンブル依存 対策これから/『弱さ持った人の逃げ場所』」/「警察当局 暴力団介入を警戒」
社説(「主張」)「IR法成立 不安払拭し地域に貢献を」

▼東京新聞
1面トップ「カジノ法 成立/依存症 懸念残し/制度運用331項目 政省令任せ」
1面「森友・加計 解明なく実質閉会/佐川氏偽証 告発なし」
2面・核心「カジノ 結局疑問だらけ/週6日入場可 業者が客に融資 そもそも合法か 経済効果示さず」
2面「改憲『総裁選の焦点』/首相会見、出馬明言せず」/「枝野氏演説2時間43分 内閣不信任案」
社説「国会あす閉会 政権の横暴が極まった」
社会面(27面)「『首都圏にカジノ』様子見?/横浜市 住民二分、市長『白紙』/東京都 小池氏『慎重に検討』」/「3枠を巡り激戦/大阪府・市、和歌山県など名乗り」