「絶対、止めない」~続く「宮古新報」の労組自主発行

 沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」と宮古新報労働組合の自主発行の続報です。
 宮古新報労組は昨年11月、宮古新報社の座喜味弘二社長によるパワハラやセクハラ行為があったとして、社長の退陣を要求。社長はパワハラ・セクハラを否定した上で、体調不良などを理由に社長退任と事業譲渡の意向を示したものの、その後、廃業を表明して1月10日に全社員に解雇を通知しました。これに対し宮古新報労組は同日、廃業の社告を11日付紙面に掲載する作業を拒否。加盟する新聞労連(日本新聞労働組合連合)や沖縄マスコミ労協(沖縄県マスコミ労働組合協議会)の支援を受けて、11日以降、組合員だけでの新聞発行に乗り出しました。12日付紙面からは労組の自主発行が続いており、10日からの労組の闘争は17日で1週間を超えました。
 宮古新報労組は、自主発行初日となった12日付紙面から、コラム「社窓風景」の掲載を開始。一部は宮古新報社のサイトでも読めます。その5回目では、新聞労連が参加する日本マスコミ文化情報労組会議J(MIC)から 「地域と共に歩む宮古新報の発行継続に支援を」 と書かれた横断幕が届き、組合員一同勇気づけられたことがつづられています。また、取材依頼が続いており、島の中だけでなく全国的な関心の高さがうかがえるようです。
・「社窓風景」1:「全国から頑張れ、激励に応えたい」
 http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=20747&continue=on
・「社窓風景」4:「全国の仲間から連帯、激励」
 http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=20768&continue=on
・「社窓風景」5:「横断幕に勇気もらう」
 http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=20773&continue=on

※写真は、宮古新報社の玄関横に張り出された横断幕。新聞労連東京地連の琴岡康二さんのフェイスブックページから転載させていただきました

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 新聞発行に集中する宮古新報労組の組合員に代わって、新聞労連や同じ宮古島で発行されているもう一つの地域紙「宮古毎日新聞」の一部従業員でつくる「宮古毎日新聞労働組合」が、SNSで活発に情報発信を行っています。
 それによると、編集の記者や制作オペレーターで戻って来られた方がいるほか、新聞制作の経験者が宮古島に来て手伝っているとのこと。マンパワーの面でも、支援は広がっています。宮古毎日労組はフェイスブックページへの17日夜の投稿で、以下のように書き込んでいます。

 皆さん、新報は止まりません。読者にも、市民にも、労働組合にも、フェイスブックの友達の皆さんにも支えられています。当該労組の組合員の言葉です。「絶対、止めない」――。
 引き続き、応援よろしくお願いします。

※宮古毎日労組のフェイスブックページ

www.facebook.com

 宮古毎日新聞労組の結成は2006年5月。当時、新聞労連委員長としてわたしもお手伝いをさせていただきました。正社員であろうと非正規雇用であろうと、雇用形態の違いを問わず組合員として迎え入れるという先進性は、今も色あせません。その後、会社の切り崩しに遭い、組合員は結成当初からは大きく減りましたが、引くことなく幾度も争議を闘い抜いてきました。団結権を具現化した労働組合の存在意義をもっともよく体現している労組の一つです。宮古毎日労組の組合員にとっては、宮古新報は、新聞発行という仕事の上ではライバルです。しかし、地域に複数の新聞があることで、地域社会に多様な意見や考え方が存在する状況を一層担保することができます。支援は、地域社会の民主主義を守るための取り組みでもあるのだと思います。

 以前、争議をたたかう宮古毎日労組の組合員を支援するために、有志がつくった「恵友会」というネットワークがあります。このネットワークを活用して、自主発行に取り組む宮古新報労組の皆さんへのカンパや、激励、連帯のメッセージを届ける支援活動が始まっています。
 世話役の方によれば、組合とは関係なく、管理職もOBも、マスコミ以外で働く人も含めてだれでも参加できる幅広いカンパと激励メッセージの受け皿としているそうです。カンパの振込先や、メッセージの送り先をあらためて紹介します(連絡の際、このブログで知った旨、告げていただいて構いません)。カンパもメッセージも、宮古新報労組に届けられます。
■カンパ振込先
ゆうちょ銀行 店名:〇一八(ゼロイチハチ) 店番:018 (普)8761741 恵友会(ケイユウカイ)
■メッセージ送信先
keijinsanwaido@gmail.com

 宮古新報労組の組合員は自主発行に乗り出して以降は、賃金の保証がない状態です。新聞も通常の8ページから4ページに減っています。焦点は宮古新報の発行事業がきちんとした事業者に譲渡されるかどうかです。
 宮古新報労組の皆さんや、新聞労連を始めとして支援に取り組む皆さんへの敬意を込め、このブログでも引き続きフォローしていこうと思います。

 

【参考】宮古毎日新聞労組については、このブログでも以前に触れています。

news-worker.hatenablog.com

news-worker.hatenablog.com

news-worker.hatenablog.com

 

【追記】2019年1月19日17時20分
 このブログのカテゴリーに「沖縄・宮古島の新聞と労組」を新設しました。
 宮古新報労組の自主発行の取り組みを巡るこのブログの続報や、以前の記事を検索できます。
 宮古毎日新聞労組について書いた過去記事も、一部を含めています。