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安倍内閣の支持率低下~新型コロナ緊急事態宣言 最初の週末

 新型コロナウイルス対策として4月7日に新型インフルエンザ特措法に基づく緊急事態宣言が発せられてから最初の週末、4月11、12日前後に実施されたマスメディア各社の世論調査では、安倍晋三内閣の支持率はそろって低下しました。個別の設問を見ると、緊急事態宣言の発出自体は評価を受けているものの、そのタイミングについては「遅すぎる」との回答が圧倒しており、例えば産経新聞・FNN調査では82.9%、読売新聞調査81%、共同通信調査80.4%となっています。こうした点が支持率の低下につながっているのではないかと感じます。
 それでも支持率の水準自体はおおむね40%を維持しています。以前の記事でも少し触れましたが、ニュースに接するツールがスマートフォンだけという層が増えていることは留意が必要だと思います。深い記事に触れないままに「安倍さん、頑張っているようだから」と「支持」を選ぶ層は確実に存在しており、安倍政権の支持率を底支えしているのではないか―。仮説ですが、そんなことを考えています。

 以下に、目に付いた調査結果のうち、内閣支持率を書きとめておきます。カッコ内は前回調査比、Pはポイントです。

▼共同通信 4月10~13日実施 ※前回は3月26~28日
 支持  40.4%(5.1P減)
 不支持 43.0%(4.2P増)

▼読売新聞 4月11~12日実施 ※前回は3月20~22日
 支持  42%(6P減)
 不支持 47%(7P増)

▼産経新聞・FNN 4月11、12日実施 ※前回は3月21、22日
 支持  39.0%(2.3P減)
 不支持 44.3%(3.2P増)

▼NHK 4月10~12日実施 ※前回は3月6~8日
 支持  39%(4P減)
 不支持 38%(3P減)
 わからない・無回答 23%(6P増)

 NHK調査のみ、支持率と不支持率の両方が減っています。あまり見たことがないパターンです。「わからない・無回答」が6ポイントも増えているのも目を引きます。