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安倍内閣支持率は2月下旬から急落モードか~2月の世論調査結果から

 2月にマスメディア各社が実施した世論調査のうち、安倍晋三内閣の支持率、不支持率を書きとめておきます。国会で安倍首相が主催した「桜を見る会」や、東京高検検事長の定年延長を巡る不自然な経緯などが野党から厳しく追及されたこともあってか、支持率が前回1月の調査から急落した調査結果がいくつかありました。一方では、おおむね横ばいと評価すべき調査結果もあります。

【内閣支持率】※カッコ内は前回1月調査比、Pは「ポイント」
・産経新聞・FNN 2月22、23日実施
 「支持」36.2%(8.4P減) 「不支持」46.7%(7.8P増)
・日経新聞・テレビ東京 2月21~23日実施
 「支持」46%(2P減) 「不支持」47%(2P増)
・読売新聞 2月14~16日実施
 「支持」47%(5P減) 「不支持」41%(4P増)
・共同通信 2月15、16日実施
 「支持」41.0%(8.3P減) 「不支持」46.1%(9.4P増)
・朝日新聞 2月15、16日実施
 「支持」39%(1P増) 「不支持」40%(1P減)
・NHK 2月7~9日実施
 「支持」45%(1P増) 「不支持」37%(1P減)
・時事通信 2月6~9日実施 ※個別面接調査
 「支持」38.6%(1.8P減) 「不支持」39.8%(2.8P増)

 以前の記事でも触れましたが、読売新聞の調査と共同通信の調査では、1月に昨年12月と比べて内閣支持率が上昇していました。その要因はよく分かりません。2月は両社の調査とも支持率が急落していますが、前年12月との比較ではほぼ同水準です。そこで試みに、各社の2月の調査結果を昨年12月と比較してみました。

【2019年12月の世論調査結果との比較】
・産経新聞・FNN
 「支持」 43.2%→36.2%
 「不支持」40.3%→46.7%
・日経新聞・テレビ東京
 「支持」 50%→46%
 「不支持」41%→47%
・読売新聞
 「支持」 48%→47%
 「不支持」40%→41%
・共同通信
 「支持」 42.7%→41.0%
 「不支持」43.0%→46.1%
・朝日新聞
 「支持」 38%→39%
 「不支持」42%→40%
・NHK
 「支持」 45%→45%
 「不支持」37%→37%
・時事通信
 「支持」 40.6%→38.6%
 「不支持」35.3%→39.8%

  12月 2月 増減
産経・FNN 43.2 36.2 -7
日経・テレ東 50 46 -4
読売 48 47 -1
共同 42.7 41 -1.7
朝日 38 39 1
NHK 45 45 ±0
時事 40.6 38.6 -2

 2月22、23日に実施した産経新聞・FNN調査は支持率が7ポイント減、ほぼ同時期の日経新聞・テレビ東京調査も4ポイントの減です。一方、その前週以前の調査では、支持率の変動は大きくても2ポイントで、いずれも横ばいと評価すべき範囲内です。2月中旬までは、安倍内閣の支持率は昨年12月の水準を維持していたものの、2月下旬から急落モードに入っている可能性があるのではないかと感じます。不支持率も増加傾向です。
 先週末は、新型コロナウイルス対策を巡って、安倍首相が唐突に小中高、特別支援学校の臨時休校を要請する、といった大きな動きもありました。政府として入念に準備していたものではなく、安倍首相の独断だったとの報道が目立ちました。2月から3月に変わった現時点では、安倍内閣に対する支持状況はさらに大きく変動しているかもしれません。