ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2010-01-01から1年間の記事一覧

新聞が培ったジャーナリズムの今後の居場所〜ネットに抜かれた日に考えたこと

※「新聞ジャーナリズムの居場所〜ネットに抜かれた日に考えたこと」から改題しました(2010年2月24日午後0時半) ここのところ、このブログのエントリーに新聞産業の沈滞と先行きのいっそうの苦境感、その中でのジャーナリズムとジャーナリストのあ…

記者「我々の商売が、なくなっちゃいますねえ」〜山本一太議員のツイートが示すもの

先日、ツイッターのタイムラインを眺めていて、自民党の“ツイッター議員”として知られる山本一太参院議員のツイートが目に止まりました。 舛添氏のぶら下がりが終わった後、取材していた何人かの記者に、こう言われた。「え?一太さん、こんなに細かく、ツイ…

新聞とテレビの「断末魔」〜週刊東洋経済が特集

週刊 東洋経済 2010年 2/20号 [雑誌]出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2010/02/15メディア: 雑誌購入: 4人 クリック: 53回この商品を含むブログ (9件) を見る 今週発売の週刊東洋経済(2月20日号)が「新聞・テレビ 断末魔 再生か破滅か」と題した…

記者会見開放で「北方ジャーナル」の取材を受けました

先日、北海道・札幌で発行されている地域雑誌「北方ジャーナル」から記者会見の開放問題で取材を受けました。その記事が掲載された同誌3月号が手元に届きました。筆者は元地方紙記者でフリーランスの小笠原淳さん。同誌で「倶楽部は踊る―記者クラブはどこへ…

新聞記者は「血の粛清」後、プロとして残れるのか〜読書「フリーからお金を生みだす新戦略」

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2009/11/21メディア: ハードカバー購入: 133人 クリック: 3,796回この商品を含むブログ (531件) を見る 著者のクリス・アンダーソン…

エディターの読者との向き合い方〜週刊朝日編集長に敬意

週刊朝日の山口一臣編集長が同誌の公式サイト「談」で「お騒がせして申し訳ありません」というタイトルの長文をアップしています。小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書に虚偽を記入したとして、小沢氏の秘書だった石川知裕衆…

京品ホテル闘争が勝利的和解〜意義が増す「自主営業」

東京のJR品川駅前にあった老舗の「京品ホテル」をめぐって、経営者が2008年10月、廃業と全従業員の解雇を一方的に通告したものの、従業員が労働組合を結成して自主営業に乗り出し話題になりました。ほぼ1年前の昨年1月、東京地裁の強制執行によって…

特警隊員の薬物容疑と組織のモラル

自衛隊をめぐって、何ともやり切れない思いがする事件です。 海上自衛隊の特殊部隊である特別警備隊の2等海曹(31)が、覚せい剤など薬物を所持していた疑いで愛知県警に逮捕されました。3日に愛知県警が発表しました。報道によると、昨年12月25日に…

お知らせ:新聞奨学生イベント「新聞が絶対に書けない貧困ビジネス」

連絡をいただいたイベントの紹介です。 転送・転載歓迎とのことです。 新聞奨学生イベントvol1 新聞が絶対に書けない貧困ビジネス −新聞奨学生制度の実態と「売るヤクザ」からの脱出大作戦!− それは「社会貢献」なのか「人身売買」なのか−。 「学費全額貸…

公人の疑惑報道のルール

「現実の悪意の法理」と呼ぶ、ということを知りました。米国では、公人に対するマスメディアの報道が名誉棄損にあたるかどうかが争われた場合、一般の人の場合よりもマスメディア側の挙証責任のハードルが低くなる、と聞いていましたが、その考え方のことで…

普天間移設先はヤマトを前提にすべきだ

米軍普天間飛行場の移設問題が争点になった沖縄県の名護市長選は24日の投開票の結果、名護市辺野古地区に移設する現行計画への反対を訴えた新人の稲嶺進氏が、計画を容認してきた現職の島袋吉和氏を破り初当選しました。普天間飛行場の移設問題がどうなる…

東京新聞に「サウナ王城」自主営業の記事(共同通信配信)

以前のエントリーで紹介した東京・上野の「サウナ王城」の労働組合員による自主営業が、東京新聞の24日付朝刊の第2社会面に掲載されています。共同通信の配信記事なので、ほかの地方紙にも掲載されているかもしれません。 東京新聞の見出しは「閉鎖通告 …

お知らせ:「消えた警官」〜ドキュメント菅生事件 出版記念シンポジウム

シンポジウムの紹介です。転送・転載歓迎とのことです。 PDFファイルのチラシもあります。 100130消えた警官シンポ.pdf 戦後に起こった下山事件、三鷹事件、松川事件・・・、その真相が戦後の闇に消えていきました。しかし、昭和27年6月2日深夜、大分県で起…

堀江貴文さん「新聞読まなくてもTwitterで世の中の動きわかる」〜週刊ダイヤモンドが特集

現在発売中の週刊ダイヤモンド(1月23日号)が特集「2010年ツイッターの旅」を掲載しています。表紙はツイッター・ユーザーのアイコンを集めたもので、同誌編集部のアカウントを通じて募集していました。週刊 ダイヤモンド 2010年 1/23号 [雑誌]出版…

飛躍と発展へ、スイッチオン第2期の年明け

16日の土曜日は、午後から東京・池袋の立教大で開かれたスイッチオン・プロジェクトの運営ミーティングに参加しました。運営委員会の学生スタッフが16人、デスクをあわせて計30人近くが出席。昨年11月の仙台キャラバンの感想・反省や、ことしの年間…

「労を惜しんではいけない記者会見の開放」〜Journalism1月号に寄稿

朝日新聞社のジャーナリスト学校が編集している月刊誌「Journalism」1月号のメディア・リポートに「労を惜しんではいけない記者会見の開放」と題した小文を寄稿しました。12日発売です。 ※Journalism1月号 特集「テレビはどこに向かうのか」 http://www.a…

なぜ記者クラブが会見を主催するのか〜総務省と外務省の開放に差

あらかじめ明らかにしておくと、わたしは個人的には、記者クラブはないよりはあった方がいいと考えています。廃止か存続かではなく、ありようが問題です。 政権交代後の閣僚記者会見の開放をめぐって、どうにも気になる動きが年明け早々に起きました。原口一…

「生きるための最後の砦」王城ユニオン自主営業の意義

この年末年始は、昨年の「年越し派遣村」に代わって、東京都が国の費用負担のもとで渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターに失業者らを集め、食事や宿泊場所を提供しました。この様子はマスメディアも「公設派遣村」として連日、紹介しました。4…

「わが罪はつねにわが前にあり」故松橋忠光さんのこと〜「一粒の麦」の生き方

もう26年も前のことになります。1984年に「わが罪はつねにわが前にあり」という本が世に出ました。著者は当時、退職後8年余り経っていた元警察キャリア官僚の松橋忠光さん。副題に「期待される新警察庁長官への手紙」とあるとおり、同期生の中から警…

憲法メディアフォーラムに記者座談会と前田哲男さん講演録

お知らせです。新聞労連や民放労連などでつくる日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)と日本ジャーナリスト会議(JCJ)が共同で運営しているサイト「憲法メディアフォーラム」に、新年の特集として現場記者座談会「『チェンジ』を本物にしよう〜政…

鳩山首相のTwitterで政治報道が変わる?(追記あり)

新年を期して、ということでしょうか。鳩山由紀夫首相が1日、Twitterのアカウントとブログ「鳩カフェ」を開設しました。初のつぶやきは次の通りです。 みなさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。今日からツイッターとブロ…

明けましておめでとうございます

昨年は多くの方に訪問いただき、ありがとうございました。 ことし春には、このブログも運営丸2年になります。この間、わたしが身を置く新聞産業は産業としていよいよ厳しさが増し、なかなか明るい話題がありません。企業としての生き残り競争だけが突出して…