ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2016-01-01から1年間の記事一覧

米大統領 謝罪せず、首相は地位協定改定求めず―それ自体「第2の事件」ではないか

沖縄県うるま市の女性遺棄事件で、沖縄県議会が26日、抗議決議を可決しました。沖縄の米海兵隊の撤退を求めており、沖縄県議会の決議として初めてのことです。事件に対する怒り、さらには、もはやどんな再発防止策を示そうとも、海兵隊が沖縄からいなくな…

「オバマ氏、女性遺棄事件謝罪せず 地位協定改定も否定」(琉球新報)「具体性に欠け心に響かず」(沖縄タイムス社説)

沖縄県うるま市で4月から行方不明だった20歳の女性が遺体で見つかった事件は、容疑者の元海兵隊員で米軍属の男が19日に逮捕されてから26日で1週間です。 前日の25日には、伊勢志摩サミットのため来日したオバマ米大統領と安倍晋三首相が会談し、こ…

「民意として基地はいらないと示すことが問題解決策」琉球新報―沖縄2紙の社説・5月25日

沖縄2紙の社説の記録です。沖縄タイムスは台湾の蔡英文総統就任を受けた「沖台関係の進展に期待」でした。 琉球新報は元海兵隊員の米軍属の男が逮捕された女性遺棄事件のほか、米軍基地の土壌汚染問題も取り上げました。こちらも、不平等な地位協定の問題が…

「沖縄の犠牲を前提にした差別的政策」(沖縄タイムス)「沖縄に犠牲強いるのは日本政府」(琉球新報)―沖縄2紙の社説・5月24日

沖縄2紙の社説の記録です。それぞれ一部を引用します。 【5月24日】 ◇沖縄タイムス「[オバマ氏との面談]政府の責任で実現図れ」 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=169592 被害者の父親が23日、事件後初めて、遺体が見つかった恩納村の現…

沖縄タイムス「沖縄の怒り、見誤るな」、琉球新報「大人の責任果たせていない」―沖縄2紙の社説・5月23日

沖縄タイムス、琉球新報両紙の23日付の社説です。 ともに一部を引用して紹介します。沖縄県外(ヤマト)の日本人に読んでほしいと思います。【5月23日】 ◇沖縄タイムス:社説「[無言の意思表示]沖縄の怒り、見誤るな」 http://www.okinawatimes.co.jp/a…

「地位協定見直し」「基地の整理縮小」目立つ地方紙・ブロック紙―沖縄の女性遺体遺棄事件の本土紙社説

沖縄県うるま市で行方不明になっていた20歳の女性が遺体で発見され、元海兵隊員で米軍属の32歳の男が逮捕された事件について、本土(沖縄県外)の新聞各紙も21日以降、社説で取り上げています。米兵や米軍基地関係者による犯罪が繰り返されていること…

沖縄タイムス「再発防止策は破綻」琉球新報「全基地撤去要求に向き合え」―女性犠牲、米軍属逮捕事件の沖縄2紙・22日社説(備忘)

沖縄県うるま市で4月から行方不明になっていた20歳の女性が遺体で見つかり、死体遺棄容疑で元米海兵隊員の軍属の男が逮捕された事件について、沖縄タイムス、琉球新報両紙は22日も関連の社説を掲載しました。沖縄で米軍がらみの性犯罪が続くことに対し…

「この怒りは持って行き場がない」(翁長知事)「植民地主義は限界だ」(琉球新報社説)―胸が苦しくなる事件が沖縄でまたも

沖縄県うるま市で4月から行方不明になっていた20歳の女性が5月19日、遺体で見つかりました。沖縄県警は米国人で元海兵隊員の米軍属の32歳の男を、死体遺棄容疑で逮捕しました。20日までの取り調べで、容疑者は性的暴行が目的だったと供述している…

安倍晋三首相や自民党の改憲案への批判、懐疑目立つ地方紙・ブロック紙

憲法記念日の5月3日付の地方紙・ブロック紙の社説を、自社サイトで公開している新聞を対象にネットで調べてみました。夏の参院選を前に、安倍晋三首相が任期中の憲法改正に繰り返し意欲を示していることを反映して、目にすることができた社説の大半が改憲…

「汝、平和を欲すれば、平和を準備せよ」ケロッグのペンの金言:中日新聞・東京新聞社説―2016憲法記念日・在京メディアの報道(2)※付記・朝日新聞阪神支局事件から29年

安倍晋三首相が憲法改正に積極的な姿勢を見せていることから、東京発行新聞各紙の5月3日付朝刊の社説では、各紙それぞれに「改憲」を論じています。 各紙の社説の見出しと文中の小見出しは以下の通りです。▼朝日新聞「個人と国家と憲法と 歴史の後戻りはさ…

安倍晋三首相が改憲に前のめりになるほど、世論は慎重さを増す―2016憲法記念日・在京メディアの報道(1)

きょう5月3日は69年前の1947年に日本国憲法が施行された「憲法記念日」です。東京発行の新聞各紙の朝刊では、憲法改正の是非を問う世論調査の結果が目に付きました。世論調査の結果を掲載したのは朝日新聞、毎日新聞、日経新聞(テレビ東京と合同)…

電話世論調査、携帯も対象に―内閣支持率50%(読売)

読売新聞が毎月実施している電話世論調査の方法を変更しました。4月4日付の紙面(東京本社発行最終版)に「おことわり」の記事を掲載しています。変更点の一つは、今までは固定電話だけに電話をかけていましたが、今後は携帯電話の番号にもかけること。も…

「改憲必要」多くても半数ちょっと? 民意は憲法と冷静に向き合っている

一つ前の記事で、共同通信社と加盟社の日本世論調査会が2月に面接方式で実施した世論調査結果を一部紹介しましたが、その後、読売新聞社が郵送で実施した「憲法」についての世論調査結果を3月17日付の朝刊で報じました。日本世論調査会の調査でも憲法改…

安倍晋三首相「任期中に改憲」を約半数「評価せず」〜NHK、朝日新聞調査

NHKが3月11〜13日に実施した世論調査と、朝日新聞が12、13日に実施した世論調査の結果が報じられています。 ともに、安倍晋三首相が首相の任期中に憲法改正を実現させたいと述べたことへの評価を尋ねています。結果は以下の通りで、ともに「評価…

東日本大震災から5年

東日本大震災から5年になりました。 警察庁によると3月10日現在、震災の死者は全国で1万5894人、行方不明者は2561人、厳しい避難生活やストレスが原因となった震災関連死は3410人に上るとのことです。東京電力福島第一原発事故の影響も続き…

立地地元ではない滋賀の住民の問い掛けに正面から向き合った司法判断〜大津地裁の高浜原発差し止め、在京紙の報道の記録

福井県高浜町の関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを、隣県の滋賀県の住民が申し立てた仮処分申請で、大津地裁の山本善彦裁判長は9日、運転を差し止める仮処分決定を出しました。仮処分は裁判の判決と違ってただちに効力を持つため、運転中だった3…

戦争が終わった後にも続いた悲劇〜東京大空襲と戦災孤児

太平洋戦争末期の71年前、1945年3月10日未明に、東京の下町地区は米軍B29爆撃機の空襲を受け、一夜にして住民10万人以上が犠牲になりました。「東京大空襲」です。戦後70年だった昨年、企画展「東京大空襲・七十年」を開催した東京都墨田区…

内閣支持率、下落傾向続く〜辺野古移設裁判の和解「評価する」が多数

先週末に実施された読売新聞と毎日新聞の2件の世論調査結果が報じられています。内閣支持率は読売新聞が49%で、前回2月12〜14日の調査から3ポイント減。毎日新聞は42%で、前回1月30〜31日の調査から9ポイント減です。読売新聞も前々回は…

東京新聞・中日新聞社説「国外・県外移設を米側に提起すべき」〜辺野古訴訟、真の「和解」のカギは本土世論

確かに裁判上の手続きは「和解」による決着ですが、これほど言葉の本来の語感と実態がかけ離れた例はほかに思い浮かびません。 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同じ沖縄県内の名護市辺野古に移転する計画をめぐって、全面的に対立し法廷闘争に進んでいた…

高市総務相発言に対する「立憲デモクラシーの会」の見解―放送法4条違反が理由の「停波」は違憲(備忘)※追記・憲法自体が攻撃されているとき

高市早苗総務相が、放送法4条違反を理由に放送局に電波停止を命じることがありうると繰り返し発言していることに対して、法学や政治学の研究者らでつくる「立憲デモクラシーの会」のメンバーが3月2日、記者会見し、見解を公表しました。「立憲デモクラシ…

「私たちは怒っている」―高市総務相「停波発言」への抗議声明(備忘)

高市早苗・総務相が、放送番組が政治的に公平であることを定めた放送法4条の規定に違反していると認めれば、電波法に基づき、その放送局に電波の停止を命じることがありうると、国会で繰り返し表明したことに対し、テレビでも活躍するジャーナリストが29…

内閣支持率7ポイント減「3週間で急落」共同通信世論調査〜総務相「停波発言」消極評価が上回る

2月20、21日に実施された世論調査の結果が報じられました。安倍晋三内閣の支持率は、共同通信の調査では「支持する」が46・7%で、前回(1月30、31日実施)から7・0ポイント減、「支持しない」は3・6ポイント増の38・9%でした。閣僚や…

山田健太さんが解説する高市総務相「停波」発言の意味〜「政府が強引に物事を推し進めようとする場合、古今東西を問わず、秘密保護法制、緊急事態法制、名誉毀損法制(言論規制法制)を整備する。その三つ目と同じ効果」

一つ前の記事で触れた高市早苗総務相の「停波発言」、すなわち高市総務相が、放送番組が政治的に公平であることを定めた放送法4条の規定に違反していると認めれば、電波法に基づき、その放送局に電波の停止を命じることがありうると、国会で繰り返し表明し…

総務相「停波発言」を地方紙社説は批判〜あらためて放送法4条は「倫理規範」

高市早苗総務相が国会で、放送局に対し、番組が政治的に公平であることを定めた放送法の規定に違反した場合、電波法に基づいて電波停止を命じることがありうると、繰り返し表明しました。番組制作が政治的に公平であることを定めているのは放送法4条1項で…

「閣僚スキャンダルに強い安倍政権」〜内閣支持率、朝日「横ばい」、読売はなお50%超

2月13、14両日に朝日新聞と読売新聞が実施した2件の世論調査の結果が報じられました。安倍晋三内閣の支持率は、朝日新聞調査では前回から2ポイント減の40%、不支持は前回と変わらず38%。読売新聞調査では支持率は前回から4ポイント減の52%…

追悼 清水真さん

とても悲しく、残念な出来事がありました。ご面識をいただいていた昭和女子大准教授の清水真さんが1月22日、亡くなられました。47歳の若さでした。謹んで哀悼の意を表します。 以下は共同通信の記事の抜粋です。 清水 真氏(しみず・まこと=昭和女子大…

「北朝鮮ミサイル発射」在京各紙の報道

北朝鮮が2月7日に「地球観測衛星」と称する打ち上げを行いました。東京発行の新聞各紙は8日付朝刊でそろって1面トップで報じています。核開発と歩調をそろえての打ち上げは、核兵器の運搬手段としてのミサイル開発にほかならないことから、各紙とも1面…

「自衛隊に対する厳しい住民感情の払拭を意図したPAC3配備ならばやめるべきだ」琉球新報社説 ※追記「ミサイル防衛を嗤う」

北朝鮮が国際機関に対し、8日以降に「地球観測衛星」を打ち上げることを通告しました。実際はミサイルの発射実験だというのが定説になっています。 通告通りなら、ロケット(ミサイル)は沖縄の石垣島や宮古島などの上空を通過するようです。防衛省は、仮に…

新基地容認の和解案「構造的差別を放置」(琉球新報社説)〜異例の展開、辺野古移設「代執行訴訟」

沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する計画をめぐり、移設を強行する日本政府・安倍晋三政権と、県内移設に反対する翁長雄志知事の沖縄県が法廷で全面的に争う異例の事態になっています。その訴訟の一つの、前知事の退任間際に出さ…

琉球新報社説「辺野古『支持』逆転 誤解への誘導は許されない」

一つ前の記事(「辺野古移設、安倍政権方針「評価」「支持」が「評価しない」「支持しない」を上回る〜読売、共同の世論調査(整理・再録)」)の続きになります。 1月末の読売新聞と共同通信の世論調査で、沖縄・宜野湾市の米軍普天間飛行場を同じ沖縄の名…