ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

労働・労働組合

新聞労連・産政研が「新聞再デザイン―明日を拓かにゃイカンぜよ」公表

新聞産業の労働組合でつくる産別組合・新聞労連(日本新聞労働組合連合)が設けている「産業政策研究会(産政研)」が、第2期の中間報告書「新聞再デザイン―明日を拓かにゃイカンぜよ」を公表しました。新聞労連のホームページのトップにあるバナーボタンを…

ブルームバーグ元記者の解雇無効 ※追記:新聞労連が声明公表

経済・金融情報をメインにする米ブルームバーグの東京支局で記者として働いていた男性(50)が、達成困難なノルマを会社に課せられた上、ノルマが達成できなかったことを理由に解雇されたのは不当だとして、ブルームバーグを相手に社員の地位の確認や賃金…

作文ゼミ同窓会

新聞労連の委員長を退任してから今年で6年になります。在任中に力を入れたことの一つに、新聞記者志望の学生、大学院生を対象にした作文講座がありました。各新聞社の採用試験日程をにらみながら、例年1月から3月にかけて、5人から10人程度のゼミ方式…

労働委員会が「支配介入」の可能性を指摘〜大阪市の政治・組合活動アンケート

ひとつ前のエントリーで取り上げた大阪市の職員に対する政治活動・組合活動アンケートで新しい動きがありました。市労働組合連合会から救済申し立てを受けている大阪府労働委員会は22日、不当労働行為に当たるかどうか判断を下すまでの間、アンケートを中…

マスメディアの憲法観も試される〜大阪市職員アンケートは凍結されたが

この1週間ほど、大阪の各マスメディアは、次期衆院選で議席獲得を目指すことを鮮明にした大阪市の橋下徹市長と「大阪維新の会」をめぐるニュースを連日、大きく報じました。維新の会は事実上の政権公約「維新八策」のたたき台を策定。名称は坂本竜馬の故事…

法制度の上に、さらに独自の規制〜橋下市長が「政治活動」「対労組」の2条例案表明

仕事始めの4日、大阪市の橋下徹市長が、自ら代表を務める地域政党「大阪維新の会」の全体会合で、市職員を対象に選挙活動など政治活動を規制する条例案を2月市議会に提出する意向を表明しました。 「大阪で政治活動規制条例提出へ 橋下市長、市職員が対象…

「公務員組合の体質を改めることにしか日本再生の道はない」のか?〜橋下大阪市長が労組と対決姿勢

大阪以外の地域ではどのように報道され、どの程度知られているのでしょうか。大阪市の橋下徹市長が28日に市議会で行った就任後初の施政方針所信表明演説の中で、市職員の労組に敵意をむき出しにし、“適正化”に執念を燃やすと表明しました。産経新聞のサイ…

今なお先進性が色あせない宮古毎日新聞労組〜祝結成5周年

21日から22日にかけて、1泊2日で沖縄県の宮古島を訪ねました。このブログでも何回か紹介しましたが、この島の地域紙の労働組合、宮古毎日新聞労働組合が21日で結成から丸5年となり、その記念式典とお祝いの会に出席しました。 結成当時、わたしは新…

現場取材の皆さんへ〜声を掛け合おう

今月11日に東北地方を中心に東日本を襲ったマグニチュード9・0の巨大地震は、発生から6日目の16日を迎えても、なお被害の全容がはっきりしません。激しい揺れもさることながら、何もかも押しつぶし飲み込んでいった津波被害には言葉もありません。福…

これからの10年は「希望」のために

2010年は、50歳になった人生の節目の年でした。 22歳で「新聞記者」の仕事に就いて以来、20代、30代、40代と10年を節目にその時々で将来を考えるようになっていました。20代は修行、30代の10年間が現場で記者として何がやれるかの勝負…

「記事の評価」を理由にできれば記者の解雇は簡単

記者の働き方を考える上で、見過ごせない出来事が目に留まりました。経済・金融情報をメインにする米ブルームバーグの東京支局で記者として働いていた男性(48)が、達成困難なノルマを会社に課せられた上、ノルマが達成できなかったことを理由に解雇され…

お知らせ:10月24日に東京で新聞労連の就職フォーラム

お知らせです。 今年も新聞労連が主催する、新聞記者志望向けの就職フォーラムを開催します。 ■日時=10月24日(日)の午前10時〜午後5時まで ■場所=飯田橋の東京しごとセンター地下講堂 ■参加費=1000円(新聞業界を概括した資料代の実費です) ■フォーラ…

問われていたのは「団結の価値」〜新聞労連結成60周年

22日の夜、東京都内で開かれた新聞労連(日本新聞労働組合連合)の「結成60周年記念の集い」に参加しました。新聞労連は1950年6月30日の結成から1期1年で執行部をつなぎ、わたしが委員長に在籍した2004、05年度は55期、56期というこ…

シンポ案内「フリーランスのユニオンの可能性」

イベントのお知らせです。知人から連絡をいただきました。 6月24日(木)午後6時半から、東京・本郷の出版労連会議室で、フリーランスで働く人たちの団体交渉権を考えるシンポジウム「組合があって良かったと思う瞬間(とき) フリーランスのユニオンの…

新社会人へ 「労働は商品ではない」

4月になりました。あちこちの職場に、新しい顔ぶれが加わったことと思います。新社会人の皆さん、おめでとうございます。 以下に引用するのは、わたしが新聞労連の委員長当時に運営していたブログ(旧ブログ「ニュース・ワーカー」)の2006年4月のエン…

新聞労連が「記者会見の全面開放宣言」〜個々の記者の後ろ支えになればいい

新聞労連(日本新聞労働組合連合)新聞研究部が4日、「記者会見の全面開放宣言〜記者クラブ改革へ踏み出そう〜」を公表しました。今週、日本新聞協会にも提出するようです。 昨年の衆院選の前から民主党が首相や閣僚らの記者会見の全面オープン化を事実上の…

京品ホテル闘争が勝利的和解〜意義が増す「自主営業」

東京のJR品川駅前にあった老舗の「京品ホテル」をめぐって、経営者が2008年10月、廃業と全従業員の解雇を一方的に通告したものの、従業員が労働組合を結成して自主営業に乗り出し話題になりました。ほぼ1年前の昨年1月、東京地裁の強制執行によって…

お知らせ:新聞奨学生イベント「新聞が絶対に書けない貧困ビジネス」

連絡をいただいたイベントの紹介です。 転送・転載歓迎とのことです。 新聞奨学生イベントvol1 新聞が絶対に書けない貧困ビジネス −新聞奨学生制度の実態と「売るヤクザ」からの脱出大作戦!− それは「社会貢献」なのか「人身売買」なのか−。 「学費全額貸…

東京新聞に「サウナ王城」自主営業の記事(共同通信配信)

以前のエントリーで紹介した東京・上野の「サウナ王城」の労働組合員による自主営業が、東京新聞の24日付朝刊の第2社会面に掲載されています。共同通信の配信記事なので、ほかの地方紙にも掲載されているかもしれません。 東京新聞の見出しは「閉鎖通告 …

「生きるための最後の砦」王城ユニオン自主営業の意義

この年末年始は、昨年の「年越し派遣村」に代わって、東京都が国の費用負担のもとで渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターに失業者らを集め、食事や宿泊場所を提供しました。この様子はマスメディアも「公設派遣村」として連日、紹介しました。4…

憲法メディアフォーラムに記者座談会と前田哲男さん講演録

お知らせです。新聞労連や民放労連などでつくる日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)と日本ジャーナリスト会議(JCJ)が共同で運営しているサイト「憲法メディアフォーラム」に、新年の特集として現場記者座談会「『チェンジ』を本物にしよう〜政…

キャバクラユニオン結成

以前のエントリーで紹介したキャバクラで働く女性たちのための労働組合「キャバクラユニオン」が22日、無事に結成にこぎつけました。報道によると、組合員は10人。27日の正午から午後10時には、賃金未払いなどの相談を電話で受け付ける「キャバクラ…

労働者の権利より企業の負担を重視した最高裁〜偽装請負訴訟判決に違和感

「偽装請負」という違法な雇用形態があります。業務を請け負った体裁をとりながら、実際には発注元の指揮監督下に労働者が置かれる形態です。請負なら請け負った事業者なり個人なりの働き方は自律的であってしかるべきですが、発注元が指揮監督するとなると…

キャバクラユニオンを報道する意味

少し前のことになりますが、キャバクラに勤めていた女性らが中心となって、キャバクラで働く女性の待遇改善を求めて労働組合「キャバクラユニオン」(仮称)設立の準備を進めている、というニュースが流れました。共同通信が1日に配信し、新聞紙面では2日…

明暗2つのニュース〜内外タイムス社破産と宮古毎日新聞社の不当労働行為認定

きのう11月30日は、いずれも新聞界に関連して個人的にとても残念なニュースと、とても嬉しいニュースとがありました。残念なニュースとは首都圏で夕刊紙「内外タイムス」(9月から「リアルスポーツ」に改称)を発行していた内外タイムス社(東京)の自…

作文教室の個人的な思い出〜新聞労連がことしも就職フォーラム

新聞業界を就職先に考えている学生向けに、ことしも新聞労連が12月に「新聞業界就職フォーラム」を開催します。新聞労連のホームページに専用ページへのリンクがあります。東京が12月13日(日)、大阪で12月5日(土)の2カ所です。 ※「就職フォー…

宮古毎日新聞労組が全面勝利〜契約社員の雇い止め撤回(追記:動画あり)

以前のエントリーで紹介した沖縄県・宮古島の宮古毎日新聞労働組合が、契約社員の組合員の雇い止めを撤回させました。会社が3月31日に行った雇い止めは無効として、この組合員は6月、那覇地裁に労働審判を申し立てていましたが、10月5日の第3回審理…

「『一人ではない』と実感できたから頑張れた」〜「派遣」の先駆的な争議だった一橋出版争議(追記あり)

新聞労連の委員長当時に支援に加わっていた労働争議に、「一橋出版=マイスタッフ争議」と呼んでいた争議があります。当事者は東京・荻窪に本社を置いていた教科書出版社「一橋出版」で派遣社員として働き、2003年5月に「雇い止め」に遭った加藤園子さ…

読書:「新しい労働社会―雇用システムの再構築へ」(濱口桂一郎 岩波新書)

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)作者: 濱口桂一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/07/22メディア: 新書購入: 18人 クリック: 401回この商品を含むブログ (84件) を見る 労働組合の専従役員を務めた計3年間を振り返って思うことが…

先進性が色あせない宮古毎日新聞労組〜アエラ「珊瑚礁の島の労組つぶし」掲載

沖縄県の宮古島に宮古毎日新聞という地域紙があります。1955年創刊。公称発行部数は約1万6千部。沖縄には那覇市に発行本社を置く県紙として沖縄タイムス、琉球新報の2紙がありますが、宮古島と周辺の島々に限って言えば、宮古毎日新聞はシェアと紙面…