ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

沖縄

在沖縄海兵隊の偏見資料、本土メディア(毎日新聞、東京新聞、共同通信)も報道

5月26日付の沖縄タイムス、琉球新報両紙が、英国人ジャーナリストが情報公開制度で入手した米海兵隊の沖縄の研修資料を報じたことはこのブログでも紹介しました。同じニュースを毎日新聞が29日付朝刊の社会面トップ(東京本社発行紙面)で報じています…

「過ちを認めないのなら、何をしに広島に来たのか」平岡敬元広島市長の言葉 ※追記・オバマ米大統領広島訪問の在京各紙の報道の記録

オバマ米大統領が5月27日、現職大統領として初めて広島市を訪れました。平和記念公園で原爆資料館を見学した後、慰霊碑に献花し、約17分間にわたって演説しました。会場に呼ばれた被爆者とも握手し談笑したり、抱擁して語り掛けたりするさまは、資料館…

米大統領 謝罪せず、首相は地位協定改定求めず―それ自体「第2の事件」ではないか

沖縄県うるま市の女性遺棄事件で、沖縄県議会が26日、抗議決議を可決しました。沖縄の米海兵隊の撤退を求めており、沖縄県議会の決議として初めてのことです。事件に対する怒り、さらには、もはやどんな再発防止策を示そうとも、海兵隊が沖縄からいなくな…

「オバマ氏、女性遺棄事件謝罪せず 地位協定改定も否定」(琉球新報)「具体性に欠け心に響かず」(沖縄タイムス社説)

沖縄県うるま市で4月から行方不明だった20歳の女性が遺体で見つかった事件は、容疑者の元海兵隊員で米軍属の男が19日に逮捕されてから26日で1週間です。 前日の25日には、伊勢志摩サミットのため来日したオバマ米大統領と安倍晋三首相が会談し、こ…

「民意として基地はいらないと示すことが問題解決策」琉球新報―沖縄2紙の社説・5月25日

沖縄2紙の社説の記録です。沖縄タイムスは台湾の蔡英文総統就任を受けた「沖台関係の進展に期待」でした。 琉球新報は元海兵隊員の米軍属の男が逮捕された女性遺棄事件のほか、米軍基地の土壌汚染問題も取り上げました。こちらも、不平等な地位協定の問題が…

「沖縄の犠牲を前提にした差別的政策」(沖縄タイムス)「沖縄に犠牲強いるのは日本政府」(琉球新報)―沖縄2紙の社説・5月24日

沖縄2紙の社説の記録です。それぞれ一部を引用します。 【5月24日】 ◇沖縄タイムス「[オバマ氏との面談]政府の責任で実現図れ」 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=169592 被害者の父親が23日、事件後初めて、遺体が見つかった恩納村の現…

沖縄タイムス「沖縄の怒り、見誤るな」、琉球新報「大人の責任果たせていない」―沖縄2紙の社説・5月23日

沖縄タイムス、琉球新報両紙の23日付の社説です。 ともに一部を引用して紹介します。沖縄県外(ヤマト)の日本人に読んでほしいと思います。【5月23日】 ◇沖縄タイムス:社説「[無言の意思表示]沖縄の怒り、見誤るな」 http://www.okinawatimes.co.jp/a…

「地位協定見直し」「基地の整理縮小」目立つ地方紙・ブロック紙―沖縄の女性遺体遺棄事件の本土紙社説

沖縄県うるま市で行方不明になっていた20歳の女性が遺体で発見され、元海兵隊員で米軍属の32歳の男が逮捕された事件について、本土(沖縄県外)の新聞各紙も21日以降、社説で取り上げています。米兵や米軍基地関係者による犯罪が繰り返されていること…

沖縄タイムス「再発防止策は破綻」琉球新報「全基地撤去要求に向き合え」―女性犠牲、米軍属逮捕事件の沖縄2紙・22日社説(備忘)

沖縄県うるま市で4月から行方不明になっていた20歳の女性が遺体で見つかり、死体遺棄容疑で元米海兵隊員の軍属の男が逮捕された事件について、沖縄タイムス、琉球新報両紙は22日も関連の社説を掲載しました。沖縄で米軍がらみの性犯罪が続くことに対し…

「この怒りは持って行き場がない」(翁長知事)「植民地主義は限界だ」(琉球新報社説)―胸が苦しくなる事件が沖縄でまたも

沖縄県うるま市で4月から行方不明になっていた20歳の女性が5月19日、遺体で見つかりました。沖縄県警は米国人で元海兵隊員の米軍属の32歳の男を、死体遺棄容疑で逮捕しました。20日までの取り調べで、容疑者は性的暴行が目的だったと供述している…

内閣支持率、下落傾向続く〜辺野古移設裁判の和解「評価する」が多数

先週末に実施された読売新聞と毎日新聞の2件の世論調査結果が報じられています。内閣支持率は読売新聞が49%で、前回2月12〜14日の調査から3ポイント減。毎日新聞は42%で、前回1月30〜31日の調査から9ポイント減です。読売新聞も前々回は…

東京新聞・中日新聞社説「国外・県外移設を米側に提起すべき」〜辺野古訴訟、真の「和解」のカギは本土世論

確かに裁判上の手続きは「和解」による決着ですが、これほど言葉の本来の語感と実態がかけ離れた例はほかに思い浮かびません。 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同じ沖縄県内の名護市辺野古に移転する計画をめぐって、全面的に対立し法廷闘争に進んでいた…

「自衛隊に対する厳しい住民感情の払拭を意図したPAC3配備ならばやめるべきだ」琉球新報社説 ※追記「ミサイル防衛を嗤う」

北朝鮮が国際機関に対し、8日以降に「地球観測衛星」を打ち上げることを通告しました。実際はミサイルの発射実験だというのが定説になっています。 通告通りなら、ロケット(ミサイル)は沖縄の石垣島や宮古島などの上空を通過するようです。防衛省は、仮に…

新基地容認の和解案「構造的差別を放置」(琉球新報社説)〜異例の展開、辺野古移設「代執行訴訟」

沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する計画をめぐり、移設を強行する日本政府・安倍晋三政権と、県内移設に反対する翁長雄志知事の沖縄県が法廷で全面的に争う異例の事態になっています。その訴訟の一つの、前知事の退任間際に出さ…

琉球新報社説「辺野古『支持』逆転 誤解への誘導は許されない」

一つ前の記事(「辺野古移設、安倍政権方針「評価」「支持」が「評価しない」「支持しない」を上回る〜読売、共同の世論調査(整理・再録)」)の続きになります。 1月末の読売新聞と共同通信の世論調査で、沖縄・宜野湾市の米軍普天間飛行場を同じ沖縄の名…

辺野古移設、安倍政権方針「評価」「支持」が「評価しない」「支持しない」を上回る〜読売、共同の世論調査(整理・再録)

1月30〜31日にかけて毎日新聞、読売新聞、共同通信が実施した計3件の世論調査の結果について、それぞれの「質問と回答」に基づいて、主な結果を整理しておきます。 読売と共同は、沖縄の米軍普天間飛行場を同じ沖縄の名護市辺野古へ移設する政府の方針…

「辺野古移設」反対が出口調査では過半数〜沖縄・宜野湾市長選の在京紙報道の記録

米軍普天間飛行場が立地している沖縄県宜野湾市の市長選の投開票が1月24日に行われ、安倍晋三政権が支援した現職の佐喜真淳氏が、翁長雄志知事の支援を受けた新人の志村恵一郎氏を破って再選されました。 琉球新報「宜野湾市長に佐喜真氏再選 志村氏に5…

辺野古新基地「翁長知事の姿勢を評価」53%(朝日)、「国の進め方不適切」60%(JNN)〜内閣支持率は5割回復も

朝日新聞社、読売新聞社、JNNが前週末にそれぞれ実施した3件の世論調査結果が報じられています。朝日新聞とJNNは11月7、8両日、読売新聞は11月6〜8日の実施です。内閣支持率が読売新聞51%、JNN53・7%と、5割を超えたのが目を引き…

沖縄メディアの報道を知ることの意義〜辺野古本体着工、沖縄タイムス「自治破壊する暴挙だ」 琉球新報「民意無視の強権政治だ」

沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、日本政府が10月29日、名護市辺野古の新基地計画の予定地で埋め立て本体工事に着手したことを伝える琉球新報の10月30日付紙面が手元に届きました。「辺野古 本体着工」「国、民意無視し強行」「県、2日に不服申し…

在京紙の報道ぶりが報じられることの意味〜「辺野古で本体工事着工」の扱いを沖縄タイムスが記事化

沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、日本政府が10月29日、名護市辺野古の新基地計画の予定地で埋め立て本体工事に着手しました。沖縄県の翁長雄志知事は「強権的だ」と激しく反発したと伝えられています。この出来事を東京発行の新聞各紙がどう報じたか…

11月7日に東京で「『日本の歴史歪曲を許さない!』大学生集会〜『戦後』日本の歴史認識と継続する植民地主義〜」

案内をいただいたイベントの紹介です。 詳しくはこちら http://rekishidaigakusei.blog.fc2.com/blog-entry-23.html 「日本の歴史歪曲を許さない!」大学生集会〜「戦後」日本の歴史認識と継続する植民地主義〜 日時:2015年11月7日(土) 13時半開場/14時開…

辺野古埋め立て承認取り消し「評価する」50%「評価しない」34%〜朝日新聞世論調査

朝日新聞が10月17、18両日実施した世論調査の結果が報じられています。 ※「内閣支持41%に上昇 TPP賛成58% 朝日世論調査」=2015年10月20日 http://www.asahi.com/articles/ASHBM53J3HBMUZPS004.html 備忘を兼ねて、結果を以下に書き…

「辺野古承認取り消し」在京紙報道の記録と、翁長知事「日本の政治の堕落」の指摘(備忘)

沖縄県の米軍普天間飛行場の移設計画をめぐり、沖縄県と日本政府・安倍晋三政権の対立が決定的になりました。沖縄県の翁長雄志知事は10月13日、移設先として日米両政府が合意している名護市辺野古の埋め立て承認を取り消しました。以下は琉球新報の記事…

歴史観や倫理観、政治哲学の重みと深みを感じた翁長・沖縄知事の言葉

沖縄県の翁長雄志知事が日本時間の9月22日未明にスイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会総会で演説しました。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に対し、沖縄の人々は同意していないことを強調し、新基地建設が強行されることを沖縄の人々への…

19日付の在京各紙朝刊の記録

前回の記事(「民意の支持を欠いた安保法制は発動されていいのか」)の続きです。 9月19日未明に安全保障関連法案は参院本会議で採決に進み、可決されました。新たな安保法制の成立で、集団的自衛権の行使や他国軍への後方支援などが国家の仕組みとして可…

参加者に特定政党支持者が多いとしても、世論の過半数はデモや集会を好意的にとらえている

朝日新聞と産経新聞・FNN(フジテレビ系列)の2件の世論調査結果が15日付の朝刊紙面に掲載されています。政府・与党が今週中に参院で採決して成立させる方針とされる安全保障関連法案についてみれば、8月末以降のマスメディア各社の調査結果と同様に…

NHK調査も安保法制の今国会成立に「反対」多数

NHKが9月11〜13日の3日間実施した世論調査の結果を報じました。安倍晋三内閣の支持率では、「支持する」は前月より6ポイント増の43%、「支持しない」は7ポイント減の39%で、6月の調査以来3カ月ぶりに「支持」が「不支持」を上回ったとの…

「自民1強 安倍氏1強」下で「異論排除」は変わらないのではないか〜底の浅い安倍首相の陳謝

以前の記事(「『自民1強 安倍氏1強』で『異論排除』がまかり通るのか〜百田尚樹氏より危険な自民議員の言辞」)で触れた自民党議員の勉強会での「異論排除」問題で、安倍晋三首相が7月3日、衆院特別委で陳謝しました。 ※47news=共同通信「報道圧力発…

首相への怒声を報じるマスメディア、報じないマスメディア

もう1週間以上も前のことになってしまいましたが、沖縄の基地の問題や本土マスメディアのありようをめぐる様々な論点にかかわることだと思いますので、備忘を兼ねて書きとめておくことにします。沖縄の「慰霊の日」のことです。 第2次大戦末期の沖縄戦で、…

「自民1強 安倍氏1強」で「異論排除」がまかり通るのか〜百田尚樹氏より危険な自民議員の言辞

自民党の若手議員が6月25日に党本部で開いた勉強会「文化芸術懇話会」で、議員から「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」と発言したことや、講師として招かれた作家百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞は…