ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2017-01-01から1年間の記事一覧

「一人一人が当事者」と本土に問うた翁長・沖縄知事の「慰霊の日」平和宣言

6月23日は沖縄の「慰霊の日」でした。第2次大戦末期の1945年のこの日、沖縄の地上戦では日本軍司令官が自決し、組織的戦闘が終結したとされる日です。沖縄戦の全戦没者は約20万人。このうち一般住民の戦没者は約9万4千人とされます。沖縄戦は、…

「共謀罪」成立、作家高村薫さん「悪いのはぜんぶ私たち」(京都新聞)

6月15日に「共謀罪」(政府呼称「テロ等準備罪」)法が参院で可決、成立されたことに対して、京都新聞が作家の高村薫さんのインタビューを掲載しました。私が読んだのは同紙のサイトに15日夜にアップされた記事です。「共謀罪」が私たちの社会に生まれ…

安倍晋三内閣の支持率急落、読売12P減、朝日、毎日、日経、共同10―6P減

6月15日(木)に「共謀罪」法が成立してから最初の週末に実施されたマスメディアの世論調査結果がいくつか報じられています。安倍晋三内閣の支持率は軒並み急落しました。前回比(前月比)では読売新聞調査では12ポイント減、共同通信調査、毎日新聞調…

悪法は民主主義の基本を否定して誕生〜「共謀罪」法成立、在京紙の報道の記録

かつての共謀罪と本質的に変わりがない「テロ等準備罪」(政府呼称)を新設する組織犯罪処罰法改正案は6月15日朝、参院法務委での採決を飛ばしたまま、本会議で採決が強行され可決、成立しました。安倍晋三政権がどう説明しようとも、改正法の実態をみれ…

「共謀罪」法案、委員会採決を飛ばして参院本会議で採決強行へ ※追記:巨大な忖度、「安倍政治」の到達点

こういうことになるとは思いもしませんでした。 かつての「共謀罪」と本質的には変わりがない「テロ等準備罪」(政府呼称)を新設する組織犯罪処罰法改正案は6月14日、自民党と公明党の与党が、参院法務委員会での採決を飛ばして本会議で採決に持ち込む手…

「共謀罪」法案 在京紙の報道の記録(4) 6月12―14日

一つ前の記事「『共謀罪』法案 在京紙の報道の記録(3)」の続きです。 ◎6月12日(月) 【朝刊】 ※新聞休刊日明けで発行なし【夕刊】 ▼毎日新聞=記事2本 ・2面・特集ワイド「国連の辛口採点 日本に何が― 政権の暴走の現れ メディアは萎縮」※「共謀罪…

「共謀罪」法案 在京紙の報道の記録(3) 6月7―11日

「『共謀罪』法案 在京紙の報道の記録(2)」の続きです。 ▽6月7日(水) 朝日新聞、毎日新聞は朝刊の社会面にそれぞれ「問う『共謀罪』」(朝日)、「『共謀罪』私はこう思う」(毎日)のタイトルのコーナーを設けて、様々な分野の人たちの意見を断続的…

「共謀罪」法案 在京紙の報道の記録(2) 6月4―6日

以前の記事「『共謀罪』法案 在京紙の報道の記録(1)」の続きです。 ▽週明け6月5日の月曜日、東京新聞は1面トップで、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を巡って各国が立法作業をする際の指針とする国連の「立法ガイド」を執筆した刑事司法学者ニコス…

「労働情報」6月号に「共謀罪」報道2極化のリポート寄稿

かつての「共謀罪」と本質的には変わりがない「テロ等準備罪」(政府呼称)を新設する組織犯罪処罰法改正案の新聞の報道ぶりについて、労働問題専門誌に拙稿を掲載していただきました。「協同センター・労働情報」が発行する月刊の「労働情報」6月号(95…

「共謀罪」法案 在京紙の報道の記録(1) 5月30日―6月3日

かつての「共謀罪」と本質的には変わりがない「テロ等準備罪」(政府呼称)を新設する組織犯罪処罰法改正法案の参院での審議が5月29日に始まりました。東京発行の新聞各紙ではかねてより、この「共謀罪」法案に反対ないし批判的な朝日、毎日、東京の3紙…

25年前の検察庁ペンキ事件―特捜検察の威信とマスメディア

東京・霞が関の検察庁庁舎で、「検察庁」と刻まれた石の看板にペンキがかけられたと報じられています。 ※47news=共同通信「『検察庁』石看板にペンキ/器物損壊容疑で60代男逮捕」:2017年5月27日 https://this.kiji.is/241165609937387529 警視…

またも世論が押し切られた―「共謀罪」法案が衆院通過

既にマスメディアでも大きく報道されている通り、かつての「共謀罪」と本質的には変わりがない「テロ等準備罪」(政府呼称)を新設する組織犯罪処罰法改正法案が5月23日、衆院を通過しました。本会議で自民、公明両党に加え日本維新の会が賛成。民進、共…

「共謀罪」報道、朝日、毎日、読売各紙の記事量に開き

前回の記事の続きになります。 かつての「共謀罪」と本質的には変わりがない「テロ等準備罪」(政府呼称)を新設する組織犯罪処罰法改正違反法案について、東京発行の新聞各紙では反対ないし批判的な論調の朝日新聞、毎日新聞、東京新聞と、賛成・支持の読売…

「共謀罪」採決強行で押し切られたのは世論―賛否は拮抗、「政府の説明十分ではない」8割近く

かつての「共謀罪」の構成要件を変えたとしながら、犯罪を広く準備段階で罰し、人間の内心に踏み込む本質には変わりがない「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の採決が19日、衆院法務委員会で行われ、自民、公明の与党に、野党から日本維新の…

沖縄の復帰45年の日、在京紙朝刊の記録―読売はコラムのみ

今年5月15日は、1972年に沖縄が日本に復帰してから45年の日でした。沖縄の基地集中の問題は現在、宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設を巡って、新基地を県内の名護市辺野古に建設して移転させようとする日本政府と、県外移設を求める翁長雄志知事の…

朝日阪神支局事件から30年〜「反日朝日は五十年前にかえれ」の1937年と今日

ここ数年、毎年のように書いていることですが、5月3日は憲法記念日であるのと同時に1987年、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が襲撃された日です。事件では小尻知博記者=当時29歳=が殺害され、記者1人が重傷を負いました。今年は30年の節目にな…

政府の説明がない「米艦防護」―国民は簡単に戦争に向かうし「だまされることの罪」もあることを自覚しておきたい

安全保障関連法に基づき、自衛隊が米軍の武器や艦船を守る「艦船等防護」が5月1日、初めて実施されたと報じられています。報道によると、海上自衛隊で最大の護衛艦であるヘリ搭載型の「いずも」が、神奈川県の横須賀基地を出港して米軍の補給艦と合流。1…

大震災「東北でよかった」発言と沖縄の基地集中は通底していないか

少し時間がたってしまいましたが、備忘も兼ねて書きとめておきます。 復興相だった今村雅弘衆院議員が4月25日、所属する自民党二階派の会合で、東日本大震災の被害に触れる中で「25兆円という数字もある。これがまだ東北で、あっちの方だったから良かっ…

尋ね方で賛否変わる「共謀罪」・政府呼称「テロ等準備罪」―一般の理解は深まっていない

安倍晋三政権が「テロ等準備罪」と呼ぶ組織犯罪処罰法改正案を巡って、朝日新聞社が4月15、16日に実施した世論調査の結果が報じられています。その内容が興味深いので、少し時間がたっていますが書きとめておきます。 調査では「テロ等準備罪」の呼称を…

北朝鮮情勢に冷静な対応求める地方紙各紙

核、ミサイル開発をやめようとしない北朝鮮を巡って、緊張が高まっています。これまで「瀬戸際外交」と言えばもっぱら北朝鮮でしたが、今年1月に発足したトランプ米政権も、4月7日にシリアを巡航ミサイルで攻撃するなど、「次に何をするか先が読めない」…

「共謀罪」と伝える新聞、「テロ等準備罪」と伝える新聞〜衆院審議入りの在京各紙の報道

安倍晋三政権が「テロ等準備罪」と呼ぶ組織犯罪処罰法改正案が4月6日、衆議院で審議入りしました。安倍政権はかつて3度、国会に提出されながらいずれも廃案になった「共謀罪」とは別ものだと強調しますが、実際に実行された犯罪行為やその未遂行為にとど…

森友問題、証人喚問後の内閣支持率、日経・テレ東62%、共同通信52・4%

日本経済新聞社とテレビ東京が合同で3月24―26日に実施した世論調査と、共同通信社が25、26両日に実施した世論調査の結果がそれぞれ報じられています。少し日がたちましたが。備忘を兼ねて書きとめておきます。 3月23日に大阪市の学校法人「森友…

首相夫人付き政府職員が動けば「首相夫人案件」にならないか―森友学園・籠池氏が証人喚問で暴露したファクスの意味

大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長の証人喚問が3月23日、衆参両院で行われました。今春の開校を目指していた系列小学校の用地として払い下げられた国有地の価格が、ごみの撤去に費用が掛かることなどを理由に、大幅に値引きされていたことが…

「共謀罪」か「テロ等準備罪」か、在京紙の見出しは二分

かつての「共謀罪」の構成要件を変えた組織犯罪処罰法改正案の3月21日の閣議決定と国会提出は、マスメディアも大きく報じました。東京発行新聞各紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京の6紙)の22日付け朝刊では、前日の21日夕刊で閣議決定の動き…

立法の必要性に具体例の説明なく、理解も不十分な「共謀罪」―世論調査は逆転、「反対」が「賛成」上回る

過去3回廃案になった共謀罪の構成要件を変えた組織犯罪処罰法改正案が21日、閣議決定され国会に提出されました。政府は2020年東京五輪を前にテロ防止のために必要と強調し、呼び方も「テロ等準備罪」と変えています。菅義偉官房長官は21日の閣議決…

内閣支持率、読売調査は10ポイント低下、NNN調査「稲田氏辞任の必要」57・3%

前回の記事の続きになります。読売新聞社が3月17―19日に実施した世論調査と、日本テレビ系列のNNNが同じ時期に実施した世論調査の結果が報じられています。安倍晋三内閣の支持率は、読売新聞の調査では56%で前回2月から10ポイント低下しました…

7―3ポイント下落するもなお50%前後、安倍内閣の支持率(前週の調査4件)

3月10〜12日にNHKが実施した世論調査と、11〜12日に朝日新聞、毎日新聞、共同通信が実施した3件の世論調査の結果がそれぞれ報じられています。1週間前の調査ですが、記録と備忘を兼ねて書きとめておきます。 安倍晋三内閣の支持率は以下の通り…

稲田朋美防衛相の答弁撤回、謝罪と「一部報道」

大阪の森友学園への土地取引を巡る問題に関連して、稲田朋美防衛大臣が14日午後、前日の参院予算委員会で「森友学園や籠池理事長の事件を受任し顧問弁護士だったことはない。裁判を行ったこともない」としていた答弁を撤回し、謝罪しました。「2004年…

東日本大震災6年「風化させない」岩手日報の特別号外

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故は、3月11日で発生から6年がたちました。 被災地の岩手県の地元紙、岩手日報は3月11日に特別号外を発行しました。東京都内のほか愛知、神奈川、京都、愛媛の各府県で配布したとのことです。 1面のメインの写…

唐突感があった「南スーダンPKO撤収へ」のニュース〜韓国大統領罷免、森友学園、大震災6年の在京紙の取り上げ方

3月10日は大きなニュースが多い日でした。翌11日付の新聞朝刊を想定して考えると、まず東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から6年の当日になります。いまだ2500人以上の方々の行方が分からないままであり、12万人もの方々が避難生活が続い…