改造で安倍内閣の支持率は上がったのか

 9月11日の安倍晋三内閣の改造後にマスメディア各社が実施した世論調査の結果が、相次ぎ報じられています。一般的に、内閣の顔ぶれが変わると清新なイメージが生まれ支持率が上がる、というのが定説のようです。しかし今回はちょっと事情が異なるようです。
 全国紙系と通信社の計6件の世論調査結果で、前回比で支持率がアップしたのは朝日新聞、毎日新聞、産経新聞・FNN、共同通信の4件。上昇幅は毎日新聞では10ポイントもあり、他の3件も5~6ポイントの上昇です。これだけなら、定説通り内閣改造による政権浮揚効果があった、と評価することも可能かもしれません。しかし、日経新聞・テレビ東京の調査では支持率、不支持率とも「横ばい」(日経の記事の表現)。読売新聞の調査では支持率は5ポイントのダウンでした。
 この違いの要因の一つは、前回の調査の時期にあるようです。支持率がアップした4件の調査で、前回調査の時期がもっとも遅かったのは共同通信の8月17、18日。朝日新聞は7月で、毎日新聞は3カ月前の6月です。これに対して、日経新聞・テレビ東京の前回調査は8月30日~9月1日、読売新聞は8月23~25日です。見かけ上のことをおおざっぱに言えば、改造直後の安倍内閣支持率は、8月中旬以前と比べれば5ポイント以上アップしているが、8月下旬以降との比較では横ばい、ないしダウンしている、ということです。
 内閣改造と支持率の関係に絞って考えれば、3カ月前と比べるよりも、改造直前と比べてどうなったかの方に、より意味があるように思えます。わずか3週間前と比べて「5ポイントダウン」(読売新聞調査)、10日前と比べて「横ばい」(日経新聞・テレビ東京調査)は、安倍政権にとっては実は少なからずショックを受ける結果なのではないでしょうか。
 ただし、横ばい、ないしダウンの要因はよく分かりません。日経・テレビ東京、読売の両調査とも、内閣改造を「評価する」が45、6%あり、「評価しない」を12~15ポイント上回っています。内閣改造それ自体が評価されていないわけではないようです。
 調査結果を分析した読売新聞のサイド記事(9月16日付朝刊2面)は「安全保障上の危機が強まると内閣支持率は上がる傾向がある」とし、前回調査の時期が、韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定した直後で、参院選後の7月22~23日実施の前々回調査の53%から5ポイント上昇していたことを紹介しています。今回は支持率が下がったと言っても、その前に安全保障上の要因で上昇があり、7月調査と比べれば同水準。政権運営にとって不安材料にはならない、ということでしょうか。

 6件の調査結果の支持率の水準自体は48~59%と高く、また不支持率との差も17~29ポイントあり、安倍首相の強気の政権運営は続きそうです。

 以下に、6件の世論調査結果の内閣支持率を書きとめておきます。
【9月14~15日実施】
▼朝日新聞
 支持  48%(6P増)
 不支持 31%(4P減)
 ※前回は7月22~23日実施

▼毎日新聞
 支持  50%(10P増)
 不支持 28%(9P減)
 関心ない21%(±0)
 ※前回は6月15~16日実施

▼産経新聞・FNN
 支持  51.7%(5.1P増)
 不支持 31.9%(6.2P減)
 ※前回は8月3~4日実施

【9月13~15日実施】
▼読売新聞
 支持  53%(5P減)
 不支持 35%(5P増)
 ※前回は8月23~25日実施

【9月11~12日実施】
▼日経新聞・テレビ東京
 支持  59%(「横ばい」=1P増)
 不支持 33%(「横ばい」=±0)
 ※前回は8月30日~9月1日実施

▼共同通信
 支持  55.4%(5.1P増)
 不支持 25.7%(8.9P減)
 ※前回は8月17~18日実施