ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2015-01-01から1年間の記事一覧

「自民1強 安倍氏1強」下で「異論排除」は変わらないのではないか〜底の浅い安倍首相の陳謝

以前の記事(「『自民1強 安倍氏1強』で『異論排除』がまかり通るのか〜百田尚樹氏より危険な自民議員の言辞」)で触れた自民党議員の勉強会での「異論排除」問題で、安倍晋三首相が7月3日、衆院特別委で陳謝しました。 ※47news=共同通信「報道圧力発…

首相への怒声を報じるマスメディア、報じないマスメディア

もう1週間以上も前のことになってしまいましたが、沖縄の基地の問題や本土マスメディアのありようをめぐる様々な論点にかかわることだと思いますので、備忘を兼ねて書きとめておくことにします。沖縄の「慰霊の日」のことです。 第2次大戦末期の沖縄戦で、…

安倍内閣支持率10・7ポイント急落、安保法案「違憲」54・3%〜福島民報・福島テレビ世論調査(備忘)

福島民報社と福島テレビが福島県で実施した世論調査の結果がネットで目にとまりました。備忘を兼ねて書きとめておきます。 国会で審議中の安全保障関連法案が「違憲」との回答は54・3%、集団的自衛権の行使容認に「反対」が51・7%など。安倍晋三内閣…

「自民1強 安倍氏1強」で「異論排除」がまかり通るのか〜百田尚樹氏より危険な自民議員の言辞

自民党の若手議員が6月25日に党本部で開いた勉強会「文化芸術懇話会」で、議員から「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」と発言したことや、講師として招かれた作家百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞は…

政権支持派は主張控え目か〜安保法制国会審議の各紙社説

今週末の28日に、東京で労働組合のセミナーにお招きいただき、講演をさせていただくことになりました。今までと同じように「表現の自由」を軸にして、わたしたちの社会は今、どんな局面にあるのか、これからどんなことが起こるのかなどを話そうと考え、準…

「『辺野古取り消し』77%」「自己決定権拡大87%」琉球新報・OTV世論調査

少し日がたってしまいましたが、備忘を兼ねて書き留めておきます。 琉球新報社が沖縄テレビ放送(OTV)と合同で5月30、31両日に実施した沖縄県内の電話世論調査の結果が、6月2日付と3日付の紙面に掲載されています。 2日付の紙面は1面トップに…

6月13日に東京でJCJ・MIC「憲法とメディアを考える6月集会」:戦争前夜とメディア〜メディアは侵略戦争にどう協力したか

イベントの紹介です。 JCJ・MIC『憲法とメディアを考える6月集会』 戦争前夜とメディア〜メディアは侵略戦争にどう協力したか 1930年代から日本が戦争へと突き進む中で、新聞やラジオはどのような役割を果たしたのでしょうか。新聞各社と日本放送協会は軍部…

記者解雇訴訟、ブルームバーグがまた敗訴

このブログでも以前の記事で触れてきた米通信社ブルームバーグの不当解雇問題で、5月28日に東京地裁でまたブルームバーグ敗訴の判決がありました。 ※産経新聞サイト「2度目の解雇も『無効』 元米通信社記者が勝訴」2015年5月28日 http://www.sank…

「沖縄県民大会に3万5千人」の報じ方〜本土紙の中に生じた変化

日がたってしまいましたが、記録の意味で書きとめておきます。 沖縄の米軍普天間飛行場の移設先として、名護市辺野古に新基地を建設する日米両政府の計画に反対する沖縄県民大会が5月17日、那覇市で開かれました。参加者は主催者発表で3万5千人。主催の…

なぜ橋下徹氏はこんなに潔いのか

大阪市の橋下徹市長の宿願だった「大阪都構想」の賛否を問う大阪市の住民投票は17日、即日開票の結果、賛成69万4844票、反対70万5585票で否決されました。投票率は66・83%でした。 ※「『大阪都構想』否決 橋下氏、政界引退を表明」(47…

「戦場に立つことになる自衛官」を伝える新聞、伝えない新聞〜安保法制閣議決定の在京紙報道の記録

安倍晋三政権は5月14日の臨時閣議で、自衛隊の活動をめぐり、集団的自衛権の行使容認やPKO活動中の駆けつけ警護、他国軍への弾薬の供与など、従来は憲法9条によって「できない」とされていた分野へ拡大する内容の関連法案を閣議決定しました。※「安保…

「大阪都構想」投票1週間前、「反対」が「賛成」上回る

大阪市を廃止し五つの特別区を新設する「大阪都構想」について、大阪市民に賛否を問う住民投票が5月17日に実施されます。投票まで1週間のタイミングで、大阪市民を対象にした世論調査の結果が、東京発行の11日付の新聞紙面でもそろって紹介されました…

6月11日に東京でシンポジウム「ヘイトスピーチとナショナリズム」

案内をいただいたシンポジウムのお知らせです。 ※座席の確保など詳細は創出版のホームページへ http://www.tsukuru.co.jp/ シンポジウム「ヘイトスピーチとナショナリズム」6月11日(木)18時15分開場 18時40分開会 21時半閉会 会場:文京シビック小ホール…

目立つ安倍政権への批判と疑念、改憲派にも高揚感なく〜憲法記念日の各紙社説

安倍晋三首相が改憲への意欲をむき出しにしている中でことしも憲法記念日の5月3日、新聞各紙の紙面では憲法に関連する社説が多く載りました。東京発行の6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)のほか、ネットで26紙(見出しのみを含む)の計32紙…

「想定外」は教訓になっているか〜川内原発再稼働容認の司法判断に対する各紙社説の記録

かなり日がたってしまいましたが、マスメディアの報道、論調の記録として重要だと思いますので、書きとめておきます。 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原発の再稼働差し止めを住民らが求めた仮処分申請で、鹿児島地裁は4月22日、却下する決定を出し…

日米間の軍事協力拡大の報道2極化〜在京紙の紙面の記録

4月末に日米間の軍事協力関係をめぐって大きなニュースが続きました。日米両政府は27日、外務・防衛担当閣僚による協議で、日米防衛協力の新たな指針を決定しました。翌28日には安倍晋三首相とオバマ米大統領が会談しました。※「日米、地球規模へ協力拡…

「辺野古反対広がる世論 全国紙調査で判明」:朝日「安倍政権評価しない55%」毎日「政府の進め方に反対53%」日経「辺野古移設見直すべき47%」

沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古地区への移設問題に対して、日本本土でも徐々に関心が広がってきているように感じます。今週発表された本土マスメディアの世論調査では、安倍政権・日本政府に批判的な意見が過半数に達する例も出ています。…

地方紙・ブロック紙に「脱・辺野古」の論調〜翁長知事・安倍首相会談の社説の記録

沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題をめぐって、沖縄県の翁長雄志知事と安倍晋三首相が17日に初の会談を行ったことについて、地方紙やブロック紙が社説でどのように取り上げているか、ネットで目につく範囲で調べてみました。社説の見出しのみをネットで…

地方紙・ブロック紙は「警告」「警鐘」と受け止め〜高浜原発の福井地裁仮処分

関西電力高浜原発の運転を差し止める福井地裁の仮処分決定についての記事の続きです。 この決定を取り上げた地方紙・ブロック紙の社説をネットでチェックしたところ、見出しのみの例を含めて27紙(中日新聞と東京新聞は1紙とカウント)を確認できました。…

「『16年前に合意』は間違い」:翁長沖縄県知事が安倍首相に真っ先に言ったこと〜初会談の在京紙報道の記録

沖縄県の翁長雄志知事が4月17日、同県宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古地区への移設をめぐって、安倍晋三首相と初めて会談しました。かねて翁長知事が希望していたとはいえ、前日になって政府が日程を公表する慌ただしさでした。以下に、少し長…

読売「偏った判断」産経「奇矯感濃厚」朝日・毎日「司法の警告」〜高浜原発・福井地裁決定の在京紙報道の記録

福井地裁で15日、原子力発電所をめぐる大きな司法判断が示されました。 ※「福井地裁、高浜原発再稼働認めず 初の仮処分決定、『合理性欠く』」(47news=共同通信) http://www.47news.jp/CN/201504/CN2015041401001499.html 関西電力高浜原発3、4号機…

地方紙は問題意識共有〜翁長知事・菅官房長官会談の各紙社説

少し時間がたってしまいましたが、備忘を兼ねて書きとめておきます。 米軍普天間飛行場の名護市辺野古地区への移設をめぐり4月5日に行われた、翁長雄志・沖縄県知事と日本政府の菅義偉・官房長官の会談について、新聞各紙は6日付朝刊、7日付朝刊の社説で…

4月29日に東京で【「メディアの戦後70年」連続研究会】第一回 「言論・表現の自由」と戦後70年

案内をいただいたイベントの紹介です。下記リンクにチラシのPDFファイルがあります。 メディア総研2015連続研究会「メディアの戦後70年」?.pdf 【「メディアの戦後70年」連続研究会】第一回 「言論・表現の自由」と戦後70年2015年04月29日 in東京・神保町…

「辺野古『知事支持』83% 新基地反対76%」沖縄タイムス世論調査

備忘です。 沖縄タイムスが、菅義偉官房長官の沖縄県訪問に合わせて4月3〜5日に県内で実施した緊急世論調査の結果を報じています。 ※「辺野古『知事支持』83% 新基地反対76% 本紙緊急世論調査」2015年4月7日 http://www.okinawatimes.co.jp/artic…

「キャラウエイ」という名前と沖縄の苦難の歴史

自宅で郵送で購読している琉球新報の4月6日付紙面が届きました。5日に那覇市で行われた沖縄県の翁長雄志知事と、日本政府の菅義偉官房長官の初の会談が1面トップ。主見出しは大きく「『キャラウェイ重なる』」です。このブログの以前の記事で触れた通り…

「沖縄の自治は神話」発言を紹介する2009年の琉球新報記事

4月5日に沖縄県の翁長雄志知事が日本政府の菅義偉官房長官と会談した際、菅氏の「粛々と」発言を批判する際に引用した米統治下のキャラウェイ高等弁務官の「沖縄の自治は神話」発言について、琉球新報が2009年3月6日に、詳しく紹介する記事を掲載し…

「政治の堕落」と「『粛々と』の上から目線」〜翁長知事発言を本土マスメディアが報じることの意味

米軍普天間飛行場の名護市辺野古地区への移設計画をめぐり、日本政府の菅義偉官房長官が5日、那覇市内で沖縄県の翁長雄志知事と初めて会談しました。 「辺野古移設で平行線、対話は継続 菅氏と沖縄知事初会談」(47news=共同通信)2015年4月5日 ht…

「『植民地支配』怒る沖縄記者──全国紙は『ひとごと報道』か」琉球新報米倉外昭さんの問いかけ

琉球新報記者で前新聞労連副委員長の米倉外昭さんの寄稿「『植民地支配』怒る沖縄記者──全国紙は『ひとごと報道』か」が日本ジャーナリスト会議(JCJ)のブログ「Daily JCJ」に掲載されています。 米軍普天間飛行場の名護市辺野古地区への移設計画をめぐ…

「おごり、都合のいい解釈」「牽強付会」「非論理的で滑稽ですらある」:菅官房長官を迎える沖縄2紙社説

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐって、菅義偉官房長官が沖縄県の翁長雄志知事と会談するために4日、沖縄県入りしました。 ※「菅官房長官が沖縄入り 5日、翁長知事と初会談へ」(47news=共同通信)2015年4月4日 http://www.47news.j…

琉球新報社説「まるで中世の専制国家 民意無視する政府の野蛮」〜官房長官が知事と会談しても、負担を迫る構図は変わらない

自宅で購読している琉球新報の3月31日付紙面が手元に届きました。米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、沖縄県の翁長雄志知事が沖縄防衛局に出した辺野古での作業停止の指示に対し、林芳正農相が30日に効力を一時的に停止するとの判断を示したことにつ…