「桜を見る会」を巡る安倍晋三首相の説明にはいくつも疑念が浮かび、東京高検検事長の定年延長を巡っては、検察庁法と国家公務員法の解釈を変更したとする手続きに不自然さがいくつも指摘されています。日本の法治主義や民主主義が大きく揺らいでいます。新聞各紙が社説・論説でこれらの問題をどの程度取り上げているのか、各紙のサイト上でチェックできる範囲で、2月以降を中心に調べてみました(24日付まで)。
全国紙5紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)では、朝日6回、毎日が5回なのに対し、読売、日経、産経は各1回と、大きく分かれました。読売は2月2日付で「桜を見る会」に絡んで、公文書の管理がずさん過ぎると批判した後は1度も取り上げておらず、消極姿勢が目立ちます。逆に産経は2月24日になって初めて取り上げましたが、東京高検検事長の定年延長に対して筋の通った批判を展開しています。
地方紙・ブロック紙では、2度3度と取り上げている新聞も少なくありません。検事長の定年延長に対しては「法の支配否定」「ご都合主義」「論理破綻の開き直り」など、見出しには厳しい表現が並びます。「日本は独裁国家だったのか」(山梨日日新聞)と踏み込んだ新聞もあり、見出しを追っていくだけでも、いかに深刻な問題であるかが分かるのではないかと思います。
以下に、各紙の社説・論説の見出しを書きとめておきます。それぞれのサイトで内容を読むことができる(25日朝の段階で)ものはリンクも張っておきます。
◎全国紙
■朝日新聞
・2月23日付「桜を見る会 首相の説明 破綻明らか」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14376442.html?iref=editorial_backnumber
・2月19日付「検察官の定年 検討の過程 文書で示せ」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14370603.html?iref=editorial_backnumber
・2月18日付「首相と国会 その言動 胸を張れるか」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14369097.html?iref=editorial_backnumber
・2月16日付「検察官の定年 法の支配の否定またも」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14367345.html?iref=editorial_backnumber
・2月11日付「検察と政権 異例の人事 膨らむ疑念」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14360558.html?iref=editorial_backnumber
・2月6日付「桜を見る会 ごまかし答弁極まれり」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14355369.html?iref=editorial_backnumber
■毎日新聞
・2月21日付「検事長の定年延長問題 これでも法治国家なのか」
https://mainichi.jp/articles/20200221/ddm/005/070/038000c
・2月19日付「首相答弁に食い違い このままでは信用できぬ」
https://mainichi.jp/articles/20200219/ddm/005/070/071000c
・2月12日付「検事長の定年延長 検察への信頼を揺るがす」
https://mainichi.jp/articles/20200212/ddm/005/070/067000c
・2月9日付「安倍首相の国会答弁 だれが聞いてもおかしい」
https://mainichi.jp/articles/20200209/ddm/005/070/009000c
・1月29日付「安倍首相の予算委答弁 本人が混乱を広げている」
https://mainichi.jp/articles/20200129/ddm/005/070/088000c
■読売新聞
・2月2日付「桜を見る会 公文書の管理がずさん過ぎる」
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200201-OYT1T50267/
■日経新聞
・2月17日「荒っぽい国会の審議を憂う」
■産経新聞(「主張」)
・2月24日「検事長の定年延長 『解釈変更』根拠の説明を」
https://www.sankei.com/column/news/200224/clm2002240003-n1.html
◎地方紙・ブロック紙
【東京高検検事長の定年延長】
▼2月24日付
・愛媛新聞「検事長定年延長問題 身勝手な法解釈変更許されない」
▼2月23日付
・神奈川新聞「検察への人事介入 『禁じ手』は破綻を招く」
・中日新聞・東京新聞「恐れのなさに恐れ入る 週のはじめに考える」
https://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2020022302000096.html
・山陰中央新報「定年巡る答弁変更/開き直りではないのか」
https://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1582425248737/index.html
▼2月22日付
・秋田魁新報「検事長の定年延長 不自然な解釈の変更だ」
https://www.sakigake.jp/news/article/20200222AK0014/
・山形新聞「検事長定年の答弁変更 論理破綻の開き直りだ」
https://www.yamagata-np.jp/shasetsu/index.php?par1=20200222.inc
・山梨日日新聞「[法解釈も答弁も『変更』]日本は独裁国家だったのか」
・信濃毎日新聞「官僚機構と国会 国政を担う誇りはどこに」/迷走する政府答弁/おもねりが際立つ/有権者が見定める
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200222/KT200221ETI090010000.php
・福井新聞「検事長の定年延長問題 ご都合主義がまかり通る」
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1034179
・高知新聞「【検事長定年延長】『法治』の根幹が揺らぐ」
https://www.kochinews.co.jp/article/347576/
▼2月21日付
・北海道新聞「森氏の答弁 法の支配否定する暴論」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/395242?rct=c_editorial
・新潟日報「国会論戦 政府の答弁に信用置けぬ」
https://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20200221526193.html
▼2月19日付
・北海道新聞「検察官の定年 恣意的法解釈 許されぬ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/394498?rct=c_editorial
・神戸新聞「検察人事介入/官邸は独立性ゆがめるな」
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202002/0013127514.shtml
▼2月18日付
・信濃毎日新聞「検察官定年延長 法治の根幹が問われる」
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200218/KT200217ETI090007000.php
・新潟日報「検事長定年延長 危うすぎる『ご都合主義』」
https://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20200218525536.html
・琉球新報「検事定年法解釈変更 国家を私物化したいのか」
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1075916.html
▼2月16日付
・南日本新聞「[検事長定年延長] 政権介入は許されない」
https://373news.com/_column/syasetu.php?storyid=116007
・沖縄タイムス「[検事長人事と解釈変更]『法治国家』を揺るがす」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/535501
▼2月15日付
・北日本新聞「検事長の定年延長/信頼揺らぐ『法の番人』」
▼2月14日付
・西日本新聞「異例の検察人事 政権の都合なら許されぬ」
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/584012/
▼2月13日付
・秋田魁新報「検事長の定年延長 政治介入の疑念拭えず」
https://www.sakigake.jp/news/article/20200213AK0013/
・山陰中央新報「検事総長人事/国民の信頼を得られるか」
https://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1581559328188/index.html
・沖縄タイムス「[検事長の定年延長]中立揺るがす官邸介入」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/534174
▼2月12日付
・山陽新聞「検事長の定年延長 官邸介入で中立性揺らぐ」
https://www.sanyonews.jp/article/983997?rct=shasetsu
・中国新聞「異例の検察人事 政治介入は許されない」
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=612412&comment_sub_id=0&category_id=142
▼2月11日付
・福井新聞「高検検事長の定年延長 法の番人への介入やめよ」
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1027096
・佐賀新聞「検事総長人事 独立的機関への介入やめよ」=共同通信
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/487248
▼2月9日付
・北海道新聞「異例の検察人事 官邸介入の疑念が濃い」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/391523?rct=c_editorial
・愛媛新聞「検察人事に官邸介入 政治的中立を揺るがす禁じ手」
▼2月8日付
・河北新報「検事長定年延長/政治の介入で独立が揺らぐ」
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20200208_01.html
・徳島新聞「検事長の定年延長 官邸支配が検察のみ込む」
https://www.topics.or.jp/articles/-/320741
▼2月6日付
・山梨日日新聞「[異例の検事長 定年延長]『司法の独立性』守れるのか」
・高知新聞「【検事長定年延長】政治からの独立が揺らぐ」
https://www.kochinews.co.jp/article/343632/
・琉球新報「高検検事長定年延長 恣意的介入は許されない」
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1069511.html
▼2月5日付
・京都新聞「検事長定年延長 司法人事への介入では」
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/154225
【「桜を見る会」】
▼2月21日付
・北日本新聞「『桜』夕食会の釈明/どこまで無理通すのか」
▼2月20日付
・北海道新聞「首相の国会答弁 虚偽の疑い頬かむりか」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/394898?rct=c_editorial
・東奥日報「疑惑否定の裏付けを示せ/『桜を見る会』国会論戦」
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/316002
・山形新聞「『桜を見る会』論戦 疑惑否定の裏付け示せ」
https://www.yamagata-np.jp/shasetsu/index.php?par1=20200220.inc
・福井新聞「『桜』前夜祭疑惑 証拠示してこその否定だ」
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1032769
・山陰中央新報「桜を見る会論戦/疑惑否定の裏付けを」
https://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1582164668210/index.html
・大分合同新聞「桜を見る会論戦 疑惑否定の裏付け示せ」
・佐賀新聞「桜を見る会論戦 疑惑否定の裏付け示せ」=共同通信
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/490703
▼2月19日付
・中日新聞・東京新聞「首相懇親会疑惑 言い逃れはもう無理だ」
https://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2020021902000130.html
・琉球新報「桜『前夜祭』首相答弁 疑惑はますます深まった」
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1076529.html
▼2月17日付
・徳島新聞「荒れる国会 安倍首相の責任は重大だ」
https://www.topics.or.jp/articles/-/324203
▼2月12日付
・北日本新聞「『桜見る会』私物化問題/問われる政治のけじめ」
▼2月11日付
・河北新報「安倍首相の国会答弁/脱法行為の推奨にも等しい」
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20200211_01.html
▼2月1日付
・神戸新聞「首相の国会答弁/ごまかしが疑惑を深める」
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202002/0013079377.shtml
▼1月31日付
・秋田魁新報「桜見る会、隠蔽発覚 資料の再調査が不可欠」
https://www.sakigake.jp/news/article/20200131AK0009/
・愛媛新聞「予算委員会論戦 首相答弁『丁寧、真摯』はどこへ」