佐川宣寿氏の国会招致を求める民意

 世論調査結果で、前記事に続いてもう1件です。
 森友学園への国有地売却問題に関連して、佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)の昨年の国会での答弁に、虚偽だったのではないかとの指摘が強まっています。そのことに関連しては産経新聞・FNNとNHKが聞いています。
▼産経新聞・FNN
 学校法人「森友学園」への国有地の売却問題をめぐり、財務省の担当局長として、「売却は適正」、「交渉記録は廃棄した」などの答弁を繰り返した、佐川国税庁長官は、国会で説明すべきだと思いますか、思いませんか。
 思う 85・7%
 思わない 11・1%

▼NHK
 佐川長官の証人喚問が必要だと思うか(※質問の詳細は不明)
 「必要だ」 49%
 「必要ではない」 14%
 「どちらともいえない」 27%

 前回の読売新聞、共同通信の各調査でも、佐川氏の国会招致が必要とする回答が大きく上回っています。安倍晋三政権は佐川氏をかばうかのような答弁を続けていますが、世論はまったく納得していないことは明らかです。ただ、内閣支持率が下がらず安定していることから、安倍政権側には危機感はなく、国会で与党が佐川氏の国会招致に応じる可能性は今のところはないようです。

 渦中の佐川氏は、国税庁長官就任時の恒例になっていた記者会見も行わず、マスメディアの取材からは逃げ回っています。確定申告が始まった2月16日には、佐川氏の罷免を求めて、市民団体「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」が主催するデモが東京・国税庁周辺であり、東京新聞によると主催者発表で1100人が参加し、発起人の醍醐聡東大名誉教授(会計学)は「(佐川氏は)安倍さんにとっては『適材適所』かもしれないが、国民を裏切った長官。一日も早く辞めるべきだ」と声を上げました。関係者によるとデモは札幌、名古屋、福岡など十一都市の国税局や税務署前でもあったとのことです。

www.tokyo-np.co.jp

 選挙権がない定住外国人の方でも納税しています。ある意味、私たちの社会の中で納税は選挙権よりも重要と言える側面があるように思うのですが、その徴税の任に当たるトップがこんな体たらくでマスメディアの前にも姿を見せない、そんな人物でいいのか。批判は当然だろうと感じます。

 

※こんな記事も目に止まりました。
「雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のような行動」

www.news-postseven.com

憲法9条改正の世論調査結果はやはりバラバラ ※追記・自衛隊明記「反対」「どちらともいえない」で過半数(NHK調査)

 前回の記事の続きです。
 2月10、11日に産経新聞とFNN(フジテレビ系列)が合同で実施した世論調査とNHKが10~12日に行った調査、時事通信が9~12日に行った調査の計3件の調査結果が報じられました。
 憲法について、各社の問いと回答を書きとめておきます。
▼産経新聞・FNN
 憲法改正に関する、次のそれぞれの質問について、あなたのお考えをお知らせください。
(A)国政政党は、それぞれの党の思想や理念、考えを反映した憲法草案を作り、国民に示すべきだと思いますか、思いませんか。
 思う 83・9%
 思わない 10・6%
(B)憲法9条への自衛衛隊の明記の仕方について、どの案がよいと思いますか。あなたのお考えに近いものを、次の中から1つだけ選び、お知らせください。
 戦力を保持しないことなどを定めた9条2項を維持して、自衛隊の存在を明記する案 27・5%
 9条2項を削除して、自衛隊の役割や目的などを明記する案 28・8%
 憲法9条を変える必要はない 40・6%
(C)テロや戦争などの有事や、大規模災害のときに、政府に強い権限を与えたり、国会議員の任期を延長したりすることを一時的に認める「緊急事態条項」を、憲法に設けることの是非について、あなたのお考えを次の中から1つだけ選び、お知らせください。
 政府に強い権限を与えることにも、国会議員の任期延長にも賛成だ 18・1%
 政府に強い権限を与えることには賛成だが、国会議員の任期延長には反対だ 38・9%
 政府に強い権限を与えることには反対だが、国会議員の任期延長には賛成だ 14・5%
 憲法に「緊急事態条項」を設ける必要はない 22・8%

▼時事通信
 憲法9条改正について(※質問の詳細は不明)
 2項を維持した上で、自衛隊の存在を明記すべき 35・2%
 9条を改正する必要はない 28・1%
 2項を削除し、自衛隊の目的・性格をより明確化すべき 24・6%

 前回の読売新聞、共同通信と合わせると、4件の調査が憲法9条の改正について尋ねており、9条2項を維持するか否か、9条の改正は必要ないか三つから答えを選択方式は4件とも共通しています。4件の調査の結果を整理すると以下のとおりです。 

  読売新聞 共同通信 産経FNN 時事通信
9条2項を維持して自衛隊を明記 36・0 38・3 27・5 35・2
9条2項を削除して自衛隊を明記 35・0 26・0 28・8 24・6
自衛隊の明記は必要ない 20・0 24・9 40・6 28・1

 質問の文章は細部では違いはあるものの、回答は大まかに「9条2項を維持して自衛隊を明記」「9条2項を削除して自衛隊を明記」「自衛隊の明記は必要ない」の三つに集約しました。各調査とも大意は外れていないと思います。
 共同や時事の調査では「9条2項維持」が最多なのに対し、読売や産経・FNN調査では「9条2項維持」と「9条2項削除」が拮抗。しかも読売は「自衛隊明記は必要ない」が20%にとどまっているのに対し、産経・FNNでは倍の40・6%に上っています。ひと言で言えば、調査によって結果はバラバラで、一致した傾向は見出しがたいように思います。なぜそうなるのかはよく分かりませんが、憲法9条の改正論議について、やはり民意の理解が深まっていないことは間違いがないように思えます。

 内閣支持率は次の通りでした。
・産経新聞・FNN 2月10、11日実施
  支持51・0%(1・6P減) 不支持39・0%(0・2P減)
・NHK 2月10~12日実施
  支持46%(±0) 不支持34%(3P減)
・時事通信 2月9~12日実施
  支持48・7%(2・1P増) 不支持31・9%(1・7P減)

 

【追記】2018年2月18日23時50分
 NHKの世論調査の詳報をネットで見たところ、質問の文章は不明ですが、「憲法を改正して自衛隊の存在を明記することに賛成か反対か聞いたところ、『賛成』が33%、『反対』が20%、『どちらともいえない』が37%でした」との記載がありました。
 「賛成」が「反対」を上回ってはいますが、むしろ「どちらともいえない」がもっとも多く、3分の1を超えている上に「反対」を合わせると過半数を超える点に意味があるように思えます。つまり、自衛隊の明記については、憲法改正に必要な国民の過半数の賛成を、現時点では得られそうにないとみるのが妥当ではないか、ということです。
 ほかの4件の調査は選択肢を「9条2項維持」「9条2項削除」「必要ない」の三つにした結果、それ以外の「分からない」や無回答は多くても10%余りです。NHKの「どちらともいえない」37%や、数字は明示されてはいませんが無回答をも含めると、大きな開きがあるように感じます。尋ね方によって、これだけ回答状況に幅があること自体、やはり、9条への自衛隊明記論議に一般の理解は深まっていないことを示していると言っていいでしょう。

www.nhk.or.jp

憲法改正の機運は高まっていない~「安倍晋三首相の下で改憲」なお半数が反対(共同調査)

 読売新聞と共同通信がそれぞれ2月10、11日に実施した世論調査の結果が報じられています。両社とも憲法改正について質問しており、結果は次の通りです。

▼読売新聞
・憲法に自衛隊の存在を明記することについて、自民党は、戦力を持たないことを定めた9条2項を維持する案と、削除する案を検討しています。あなたの考えに最も近いものを、1つ選んでください。
  9条2項を維持し、自衛隊の根拠規定を追加する 36%
  9条2項は削除し、自衛隊の目的や性格を明確にする 35%
  自衛隊の存在を憲法に明記する必要はない 20%
・自民党が憲法改正案を国会に提出する時期は、いつがよいと思いますか。
  次の通常国会 19%
  今年後半の臨時国会 14%
  来年 14%
  再来年以降 10%
  憲法改正案を提出する必要はない 27%

▼共同通信
・あなたは、安倍首相の下での憲法改正に賛成ですか、反対ですか。           
  賛成 38・5%
  反対 49・9%
・自民党は、憲法に自衛隊の存在を明記する憲法改正を目指しています。自民党内では、戦力を持たないことを定めた憲法9条の2項を維持したまま自衛隊を明記する案と、2項を削除した上で、自衛隊の目的・性格を明確にする案の二つが検討されています。あなたは憲法9条改正についてどう思いますか。
  9条2項を維持し、自衛隊を明記すべきだ 38・3%
  9条2項を削除した上で、自衛隊の目的・性格を明確化すべきだ 26・0%
  自衛隊の存在を明記する憲法改正は必要ない 24・9%

 9条改正については2社の質問の選択肢はほぼ同じで、安倍晋三首相が主張する2項維持のまま自衛隊を明記する案に賛成は読売36%、共同38・3%と結果もほぼ同じになりましたが、2項削除案に賛成は読売35%に対し共同26・0%と差が出ました。9条の改正は必要ないとの回答はほぼ同じと言えそうです。
 共同通信は1月の調査では、「安倍首相は、憲法9条に自衛隊の存在を明記する憲法改正を行う考えです。あなたは、この憲法9条改正に賛成ですか、反対ですか」と尋ねていました。結果は 賛成35・3% 反対52・7%と、反対が過半数でした。質問を変えた今回は、自衛隊の存在の明記に反対の人の割合が減ったようにも見えますが、どう解釈するべきでしょうか。「安倍首相の下での憲法改正」の賛否も共同の調査では反対が50%前後で推移しており、少なくとも安倍首相が意気込みを示すほどには、世論に改憲の熱が高まっているとは言い難いように思えます。

 森友学園の国有地払い下げ問題を巡っても、両社はほぼ同じ質問をしています。
▼読売新聞
・学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、廃棄したとされる内部文書が、財務省に存在していました。国会は、「廃棄した」と答弁していた佐川宣寿・国税庁長官を呼んで、説明を求めるべきだと思いますか、その必要はないと思いますか。
  説明を求めるべきだ 69%
  その必要はない 25%
▼共同通信
・学校法人「森友学園」に国有地が売却された問題で、財務省が「廃棄した」と繰り返し説明していた売却交渉を巡る内部文書が新たに見つかりました。野党は、国会で廃棄の答弁をしていた佐川宣寿国税庁長官の国会招致を要求しています。あなたは、このことについてどう思いますか。  
  佐川氏を国会招致すべきだ 66・8%
  佐川氏を国会招致する必要はない 23・2%
・森友学園の国有地問題で、野党は安倍首相の昭恵夫人が売却交渉に関与したのではないかと追及していますが、安倍首相は否定しています。あなたは、昭恵夫人が、記者会見や国会で自ら説明することが必要だと思いますか。
  必要だ 63・7%
  必要ない 32・1%

 そのほか、目に止まった項目は以下の通りです。
▼読売新聞
・安倍内閣は、沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場について、県内の名護市辺野古に移設する方針です。この方針を、評価しますか、評価しませんか。
  評価する 44%
  評価しない 43%

 普天間飛行場の名護移設に対しては、沖縄の民意はこれまでの世論調査ではおおむね6~7割が反対の意思を示しています。読売の調査結果は賛否ではなく、評価するかしないかを尋ねていますが、それでも「評価する」「評価しない」が真っ二つに割れている状況からは、全国的にも、少なくとも多数の支持は得られていないと言えます。

 内閣支持率は、読売は1月の前回調査と同じ54%、不支持率は1ポイント増の36%でした。共同は1月の前回調査から1・1ポイント増の50・8%、不支持率は0・3ポイント増の36・9%でした。

海兵隊が県外、国外移転なら辺野古の基地は必要ない(朝日社説)~名護市長選、在京紙の報道の記録

 前回の記事  (「新市長の公約に『米海兵隊の県外、国外移転』~沖縄・名護市長選の結果は『辺野古移設容認』に直結していない」)の 続きです。2月4日の沖縄県名護市長選の開票結果を、東京発行の新聞各紙は5日付夕刊で大きく報じました(4日は新聞休刊日で5日付の朝刊の発行はありませんでした)。6日付朝刊でも続報を掲載し、そろって社説でも取り上げました。
 当選した渡具知武豊氏が公明党沖縄県本部と交わした政策協定の中に「米海兵隊の県外、国外移転」が盛り込まれていることは朝日新聞の社説が触れており、「海兵隊が使う辺野古の基地は必要なくなるはずである。今後、この公約を果たすべくどう行動していくか。渡具知氏とともに公明党も問われる」と指摘しています。東京新聞は、政策協定に「日米地位協定の改定」も盛り込まれていることにも触れています。社説では「渡具知氏は政策協定を重く受け止め、移設問題に取り組むべきだろう」としています。「米海兵隊の県外、国外移転」と「日米地位協定の改定」が事実上、渡具知氏の公約になっていたことは、本土でも広く報じられるべきだと思います。
 以下に、5日付夕刊については朝日、毎日、読売の3紙、6日付朝刊は日経、産経、東京の3紙を加えた6紙について、主な記事の見出しを備忘を兼ねて書きとめておきます。

【5日付夕刊】
▼朝日新聞
1面トップ「名護市長に辺野古『容認』新顔/『反対』現職破る 移設工事加速へ」/「『争点外し残念』翁長知事」
1面「与党、秋の知事選へ攻勢」
社会面トップ「振興選択 揺れた名護」/「渡具知氏『基地、法律に従う』」/「稲嶺氏『経済優先に敗れた』」
社会面「停滞雰囲気変えて■国からお金を■基地反対続ける/有権者は」
社会面「移設反対『諦めない』/辺野古 続く座り込み」

▼毎日新聞
1面トップ「名護市長に自公系/渡具知氏 移設反対派破る」
1面「政権、次は知事選照準」
社会面「『辺野古はぐらかされた』/稲嶺氏 落選第一声 声振り絞り」

▼読売新聞
1面トップ「名護市長に自公系新人/辺野古反対の現職破る/首相、移設工事『進めていく』」
1面「再編交付金の再開検討 政府」
3面「辺野古移設の進展期待/政府・与党 知事選へ弾み」


【6日付朝刊】
▼朝日新聞
1面「辺野古移設へ政府加速/名護市に交付金再開へ/『容認』新顔当選」
2面・時時刻刻「『辺野古反対』苦境に」/「今秋には沖縄知事選/大敗 翁長氏、迫られる戦略見直し」/「移設 自信深める政権/首相『市民の理解 得ながら進める』」
2面・出口調査分析「渡具知氏 公明票が決め手/稲嶺氏『反対』まとめきれず」
2面・解説「『あきらめ』広がる沖縄」
第2社会面「悩んだ名護 まず暮らし」/「『子どものために』『理想論だけでは』/市長選一夜明け 市民は」/「『複雑な意見 承知』渡具知氏」
社説「名護市長選 民意は一様ではない」

▼毎日新聞
1面「政府、辺野古移設加速へ/名護市長に自公系 翁長氏は、けん制」
2面「翁長氏側に打撃/知事選へ『地元民意』失う」/「再編交付金を検討 政府」/「渡具知氏に投票 3割『移設反対』」
2面「県民投票実施を」名護市辺野古で15年近く聞き取り調査を続ける明星大の熊本博之准教授(地域社会学)/「地方自治に禍根」沖縄大の佐藤学教授(政治学)
3面・なるほドリ「辺野古移設とは? 海を埋め立て 米軍普天間飛行場を移転」
社説「名護市長選で自公系勝利 対立をどうやわらげるか」

▼読売新聞
1面「埋め立て 6月にも着手/名護市長に自公系新人/辺野古」
3面・スキャナー「辺野古移設 加速へ」/「政府・与党『知事奪還』に照準」/「翁長氏 戦略見直し」
4面「公明協力 組織固め奏功/期日前投票 最多の4割超/『自民票の方が多い』けん制も」結果分析
社説「名護市長選 『普天間』の危険性除去を急げ」

▼日経新聞
3面「政府、辺野古移設に弾み/知事選の構図に影響/再編交付金の再開検討」
3面「沖縄の民意 経済を重視」
社説「普天間移設で理解得る努力を」

▼産経新聞
1面「名護市長に自公系新人/現職破る 辺野古移設へ前進」
2面「名護に『交付金』再開検討」/「首相『沖縄の発展 全力支援』」/「与党『知事選弾み』野党に危機感」
社説(「主張」)「名護市長選 辺野古移設を前進させよ」

▼東京新聞
2面・核心「『辺野古』争点化避け/海兵隊県外移転 公明と協定/首相『基地建設進める』」
2面「渡具知氏に投票 3割が建設反対 出口調査」/「市へ交付金再開検討 政府」
26面(特報面)「白黒つけたのは…パンダ?/争点ずれた名護市長選/『ネット批判されやすい招致話』」
社説「名護市長選 移設容認、即断できぬ」

 以下に各紙の社説の一部を引用します。

・朝日新聞「名護市長選 民意は一様ではない」 

 選挙結果は辺野古容認の民意と思いますか。当選した渡具知(とぐち)武豊氏はそう問われると、「思わない」と答え、「市民の複雑な意見は承知している」「国とも一定の距離は置かないといけない」と続けた。
 今回、組織選挙で同氏を支えた公明党県本部は「辺野古移設反対」を掲げる。渡具知氏との政策協定では「米海兵隊の県外・国外移転」をうたった。ならば、海兵隊が使う辺野古の基地は必要なくなるはずである。
 今後、この公約を果たすべくどう行動していくか。渡具知氏とともに公明党も問われる。 

・毎日新聞「名護市長選で自公系勝利 対立をどうやわらげるか」 

 この20年、有権者5万人弱の市で繰り返し移設の賛否を問われる住民に嫌気が広がり「辺野古疲れ」が生まれたとしても不思議ではない。
 しかも今回は辺野古の護岸工事が始まって初の選挙だった。移設に反対でも「工事を止められないのでは」と考える有権者もいただろう。
 政府は3年前から辺野古周辺地区に特別な補助金を出してきた。容認派を増やすための力ずくの手法が分断を助長したことも否定できない。
 「移設容認の民意が示されたとは思っていない。私の支持者にも反対の人がいて複雑な民意だ」。渡具知氏はこう語った。
 正直な心情ではないか。選挙中、移設の賛否を明言しなかった渡具知氏の当選が、直ちに移設容認とはならないはずだ。
 新市長がまず取り組むべきは、長年、市民を切り裂いてきた分断を修復する作業だ。市民の対立をどうやわらげるかに心を砕いてほしい。 

・読売新聞「名護市長選 『普天間』の危険性除去を急げ」 

 渡具知氏は選挙戦で、移設受け入れの是非に言及せず、地域活性化を前面に打ち出した。稲嶺市政は米軍再編交付金の受け取りを拒むなどしたため、地域経済は停滞している。渡具知氏は現状打開を望む民意の受け皿となった。
 名護市長選は1998年以降、移設容認派が3連勝した。2009年に誕生した民主党の鳩山政権が無責任に「県外移設」を掲げたため、保守層内の対立を招き、翌年の稲嶺氏当選につながった。
 移設問題を巡る混乱に終止符を打つきっかけとしたい。
 政府は、埋め立て区域を囲む護岸工事を本格化している。今夏にも土砂の投入に着手する方針だ。22年度以降の完成を目指す。
 関係自治体や住民に対し、移設の意義や作業の手順などを丁寧に説明するとともに、騒音・環境対策にも万全を期すべきだ。 

・日経新聞「普天間移設で理解得る努力を」 

 普天間移設をめぐる政府と沖縄県の調整は20年を超えた。市街地にあり「世界一危険」といわれる飛行場の閉鎖は先送りできない課題だ。日米両政府は「辺野古移設が唯一の解決策だ」と強調してきた。日本周辺の厳しい安全保障の現状を直視すれば、望ましい選択肢であるのは事実だろう。
 一方で政府は「国土面積のわずか0.6%の沖縄になぜ日本にある米軍専用施設の約7割が集中しているのか」という地元の声に長く向き合ってこなかった。これが政府と沖縄の相互不信がここまで高まる原因となっている。
 沖縄県では米軍関係者による暴行事件が後を絶たず、米軍機の墜落事故なども相次いだ。辺野古への移設で市街地での事故の危険性や騒音被害は確かに大きく減る。だが沖縄が担っている重い基地負担を全国でどう分かち合うかという議論は進んでいない。
 今年11月には沖縄県知事選が予定される。名護市長選で与党が推す候補が勝ったからといって、工事をごり押しするような姿勢は次のあつれきを生むだけだ。「県民の気持ちに寄り添う」という首相の言葉を実行し、着実に移設につなげていく必要がある。 

・産経新聞「名護市長選 辺野古移設を前進させよ」 

 移設の進捗(しんちょく)を妨げてきた環境が、大きく改善されることが期待される。政府は適正な手続きの下で、移設工事を着実に進めるべきだ。
 辺野古移設は曲折をたどってきたが、沖縄を含む日本とアジア太平洋地域の平和を保ち、普天間飛行場周辺に暮らす住民の安全を図る方策である。
 中国は、沖縄の島である尖閣諸島を狙っている。原子力潜水艦を尖閣沖の接続水域で潜航させて挑発するなど油断ならない。核・弾道ミサイルを振りかざす北朝鮮は現実の脅威である。
 日米同盟に基づき沖縄に存在する米軍が、軍事的にも政治的にも強力な抑止力となっていることを忘れてはならない。住宅密集地に囲まれた、普天間飛行場の危険性を除くことも急務である。
 昨年12月には、普天間飛行場に隣接する小学校の校庭に米海兵隊のヘリコプターが窓を落とす事故があった。その後も、基地外への米軍ヘリの不時着が相次ぎ、政府が再発防止の徹底を求める事態となっている。
 米軍が運用の改善を図るのは当然として、早期の辺野古移設が必要なのは明らかである。 

・東京新聞「名護市長選 移設容認、即断できぬ」 

 とはいえ、渡具知氏の当選から辺野古移設容認の民意を読み取ることは難しい。政権の全面支援を得たとはいえ、渡具知氏が辺野古移設の容認を明言して選挙戦を展開したわけではないからだ。
 むしろ、移設の是非が争点化することを避け、地域経済の活性化を前面に掲げたことが市民の心をとらえたのではないか。
 渡具知氏を推薦した公明党県本部は辺野古移設に反対の立場で、推薦に当たっての政策協定書には「海兵隊の県外・国外への移転を求める」と明記されている。
 渡具知氏は政策協定を重く受け止め、移設問題に取り組むべきだろう。政権側も、市長選結果を理由に移設工事をこれ以上、強行することがあってはならない。
 首相は二日、沖縄で米軍基地負担の軽減が進まない背景について「移設先となる本土の理解が得られない」と答弁した。本土の理解が得られないことを、沖縄県民に負担を押し付けていい理由にしてはなるまい。翁長氏が「県民をないがしろにする理不尽なものだ」と反発するのは当然だ。
 普天間返還が進まない原因は、沖縄の民意に寄り添おうとしない政権の側にあるのではないか。
 地域振興は名護に限らず、過疎化や高齢化に悩む全国の自治体にとって重い課題だ。地域振興策との引き換えで米軍基地受け入れを迫るような強権的な手法を、政権は改めるべきである。 

 東京新聞の社説(中日新聞も同じ)が指摘している安倍首相の2月2日の「移設先となる本土の理解が得られない」発言は、基地が沖縄でなければならない合理的な理由はないことを問わず語りに語ったものとして、沖縄では反発を呼んでいます。
※琉球新報:社説「『本土理解困難』発言 いつまでも捨て石なのか」2018年2月4日
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-658830.html 

 安倍晋三首相が衆院予算委員会で、沖縄の基地の県外移設が実現しない理由について「移設先となる本土の理解が得られない」と述べた。裏を返せば沖縄県民の理解を得ることは全く念頭にないことを意味する。これが本音だろう。同じ国民に対する二重基準を放置することはできない。
 沖縄の基地負担軽減策のほとんどが県内移設だ。政府は米軍普天間飛行場の移設に伴い、名護市辺野古への新基地建設を進めている。琉球新報が昨年9月に実施した世論調査では80・2%が普天間飛行場の県内移設に反対した。沖縄の理解など得られていない。それにもかかわらず安倍政権は基地建設を強行している。
 国土面積の0・6%しかない沖縄に在日米軍専用基地の70%が置かれている。沖縄への基地集中は米統治下の1950~60年代に日本各地の基地が移転したためだ。
 56年に岐阜、山梨両県から海兵隊第3海兵師団が移転し、69年には安倍首相の地元・山口県岩国基地から第36海兵航空群が普天間飛行場に移転した。本土住民の反対運動に追いやられる形で、沖縄に基地が移転したのだ。
 しかし防衛省は冊子「在沖米軍・海兵隊の意義および役割」の中で「沖縄は(中略)朝鮮半島や台湾海峡といった潜在的紛争地域に近い(近すぎない)位置にある」と記し、沖縄の基地集中は地理的な理由だと主張していた。今回の安倍首相の見解で、それが欺瞞(ぎまん)であることが一層明白になった。 

 

新市長の公約に「米海兵隊の県外、国外移転」~沖縄・名護市長選の結果は「辺野古移設容認」に直結していない

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で注目された沖縄県名護市長選は2月4日の投開票の結果、前市議の新人、渡具知武豊氏が3選を目指した現職の稲嶺進氏を破って初当選しました。移設阻止を前面に掲げる稲嶺氏に対し、市議時代の渡具知氏は移設推進の立場で、市長選では安倍晋三政権の全面支援を受けました。ただ、自身は市長選では移設の是非は示さず「国と県の裁判の行方を注視する」と話すにとどめました。得票は渡具知氏2万389票、稲嶺氏1万6931票で差は3458票。投票率は76・92%。「横一線の激戦」と報じられていたことからすれば、意外なほどに差が開いた感があります。辺野古移設阻止を掲げた稲嶺氏が敗れたことで、移設推進に名護市民の民意の承認を得たとのとらえ方が安倍政権や政権支持のマスメディアでは幅を利かしているようですが、ことはそれほど単純ではありません。
 琉球新報は5日付の「解説」で「市民の中に『反対しても工事は止められない』との諦めムードが漂う中、経済振興を掲げる渡具知氏の訴えが浸透した」と指摘しています。今回の選挙結果によってもなお、辺野古移設への賛否で言えば地元名護市の民意は反対が多数を占めることに変わりはありません。民主主義社会であれば本来、示された民意は結果として形になって当然のはずです。地域の将来を自分たちで選び取ることができるような、そうした選択肢が用意されていないのが沖縄の基地集中の本質的な問題点の一つなのだとあらためて感じますし、そのことの責任は、そうした選択肢を用意できるような政権を選んでいない日本の主権者全体が負うべきなのだろうとも考えています。
 渡具知氏の当選を巡ってとりわけ格段の留意が必要だろうと思うのは、渡具知氏が公明党県本部の支援を受けるに際して交わした政策協定の中に、「米海兵隊の県外、国外移転」があることです。本土マスメディアの報道ではあまり目にしませんが、これは渡具知氏のれっきとした公約であり、渡具知氏に票を投じた名護市民の中には、この点に期待した人も少なくなかったのではないでしょうか。

 ※琉球新報電子版「公明県本が渡具知氏に推薦状 『海兵隊の県外・国外移転』盛り込んだ政策協定結ぶ」=2017年12月28日 

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-638833.html 

 公明党県本部は普天間飛行場の県外移設を求めており、2014年の前回市長選では自主投票としていた。今回は、自民党側から強い要請があり、在沖米海兵隊の国外移転を求めるなど政策を一致させて推薦が決まった。 

 安倍晋三首相は5日、記者団の囲み取材で「(渡具知氏が)公約したことを国としても責任を持って応援していきたい」と話したと報じられています。「米海兵隊の県外、国外移転」の公約にどのような対応を示すのか、本土マスメディアの政治報道の重要な課題です。

 ※産経ニュース「安倍晋三首相『沖縄の発展、全力で支援』 政府、渡具知武豊氏の当選で『再編交付金』支給再開を検討」=2018年2月5日 

http://www.sankei.com/politics/news/180205/plt1802050047-n1.html

 安倍晋三首相は5日、首相官邸で記者団に対し、辺野古移設について「市民のご理解をいただきながら、最高裁の判決に従って進めていきたい。県民の気持ちに寄り添いながら、さらなる沖縄の発展に全力で支援していく」述べた。
 また、「現職市長を破るのは難しいと思っていたが良かった。(渡具知氏が)公約したことを国としても責任を持って応援していきたい」と強調した。 

 

 以下は備忘を兼ねて。
 地元の民意はなお辺野古移設に反対が多数を占める、ということについては、例えば、名護市民を対象にしたマスメディア各社の事前の世論調査の結果があります。普天間飛行場の辺野古移設に対しては、選択肢に強弱をつけた沖縄タイムス、琉球新報、共同通信の合同調査では「反対」が53・0%。「どちらかといえば反対」13・0%を合わせると66・0%が反対です。ほかの2件の調査でも同じように6割以上が反対しています。

◇米軍普天間飛行場の辺野古移設への賛否
・沖縄タイムス、琉球新報、共同通信の3社合同調査(1月28、29日実施)
 「賛成」10・5% 「どちらかといえば賛成」17・8% 「どちらかといえば反対」 13・0% 「反対」53・0%
・朝日新聞、琉球朝日放送の合同調査(1月28、29日実施)
 「賛成」20% 「反対」63%
・読売新聞(1月28、29日実施)
 「(日米両政府の)合意通りにすべきだ」17% 「県外に移すべきだ」69%

 沖縄タイムスなど3社合同調査では、「名護市長選の結果に関係なく、普天間飛行場の辺野古移設を進める考えを示す政府の姿勢を支持するか」の問いにも、「支持しない」56・5%、「どちらかといえば支持しない」10・7%が計67・2%で、「支持する」「どちらかといえば支持する」は計27・9%との結果になっています。安倍政権の強硬姿勢は名護市民には受け入れられていません。
 これらの傾向は記事前投票や投票日当日の出口調査の結果でも変わりがありませんでした。4054人から回答を得たとする琉球新報の調査結果(5日付紙面掲載)によると、普天間飛行場の辺野古移設については「反対」46・5%、「どちらかといえば反対」15・2%に対し「賛成」13・4%、「どちらかといえば賛成」14・5%でした。賛成が計61・7%に対し反対は計27・9%です。投票先は、「賛成」「どちらかといえば賛成」の人の91・2%は渡具知氏、8・7%が稲嶺氏でしたが、「反対」「どちらかといえば反対」の人は稲嶺氏76・0%なのに対し、23・9%もの人が渡具知氏に流れています。「渡具知氏への投票」=「辺野古移設への賛意」とは限らないことが十分にうかがえます。さらに普天間飛行場の移設先については57・2%の人が「県外、国外にすべき」と回答し、「そうは思わない」の27・7%を大きく上回りました。

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【写真】東京発行の各紙5日付夕刊

 選挙結果について、東京発行の新聞各紙は5日付朝刊が休刊日で発行なしのため、5日付夕刊で報じました。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞の4紙は1面トップ、経済専門紙の日経新聞も準トップと大きな扱いでした。東京では夕刊を発行していない産経新聞は6日付朝刊で1面の下段でした。5日は佐賀県神埼市で陸上自衛隊のAH64攻撃ヘリが住宅に墜落し、乗員1人が死亡、1人が不明(翌日遺体で発見)になる事故があり、6日付朝刊では産経のほか日経以外の他紙も1面トップでした。朝日、毎日、読売は名護市長選の続報も1面に入りました。

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 【写真】東京発行の各紙6日付朝刊

 【追記】2018年2月10日19時50分
 名護市長選の結果についての沖縄タイムス、琉球新報の社説の一部を、備忘を兼ねて引用します。
 渡具知氏が公明党県本部と交わした政策協定には、日米安保条約に基づく地位協定の改定も含まれていました。米海兵隊の県外、国外移転とともに、渡具知氏の公約であり、安倍首相が「国としても責任を持って応援していきたい」と言明した対象です。

※沖縄タイムス:社説[名護市長に渡具知氏]「基地疲れ」経済を重視=2018年2月5日
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/204905 

 辺野古の海を切りさくように次々と護岸が造られる中で迎えた選挙である。
 「もう止められない」との諦めムードをつくり、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を争点から外し、経済振興を前面に押し出すのが渡具知陣営の一貫した戦術だった。
 渡具知氏は選挙期間中、全くといっていいほど辺野古を語っていない。現職の失政が市の閉塞感を招いたとして流れを変えようと訴え、暮らしの向上を求める市民の期待票を掘り起こした。
 勝利の最大の理由は、一にも二にも自民、公明、維新3党が協力体制を築き上げ、徹底した組織選挙を展開したことにある。 
 (中略)
 前回選挙との大きな違いは、自主投票だった公明が、渡具知氏推薦に踏み切ったことだ。渡具知氏が辺野古移設について「国と県の裁判を注視したい」と賛否を明らかにしなかったのは、公明との関係を意識したからだろう。
 両者が交わした政策協定書には「日米地位協定の改定及び海兵隊の県外・国外への移転を求める」ことがはっきりと書かれている。
 安倍政権が強調する「辺野古唯一論」と、選挙公約である「県外・国外移転」は相反するものだ。
 本紙などの出口調査では、辺野古移設反対が64・6%に上った。選挙によって辺野古移設反対の民意が否定されたとはいえない。
 渡具知氏が「県外・国外移転」を公約に掲げて当選した事実は重い。市長就任後もぶれることなく「県外・国外移転」を追求し、地位協定見直しに向け積極的に取り組んでもらいたい。 

※沖縄タイムス:社説[名護市長選の後で]SACO合意 検証急げ=2018年2月6日
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/205751 

 実際のところ、名護市民は辺野古の新基地建設をどう見ていたのだろうか。注目したいのは、選挙で示された「民意」と「手法」である。
 本紙など3社が共同で実施した出口調査によると、辺野古移設に「反対」「どちらかと言えば反対」は合わせて64・6%に上った。
 当選した渡具知武豊氏は「海兵隊の県外・国外移転」を公約に掲げ、選挙期間中、辺野古移設の是非には触れなかった。
 辺野古移設に対する反対の声は依然として根強いとみるべきだろう。その反面、「基地問題ばかり主張する『オール沖縄』の手法は通用しなくなった」(自民党県連幹部)ことも否定できない。
 辺野古問題を訴える手法が硬直化し、言葉が若者層に届かなかったのは選挙結果を見ても明らかである。
 基地問題を巡る世代間の断絶は深い。
 選挙で浮かび上がったこうした複雑な現実をしっかりと受け止めることなしに、今後の展望は開けない。
 なぜ新基地建設に反対するのか。今、早急に求められているのは何か。県は原点に立ち返って早急に考えを整理し直してもらいたい。
 重大な分岐点にあって歴史を変えるのは「決断」である。 

※琉球新報:<社説>名護市長に渡具知氏 新基地容認は早計だ=2018年2月5日
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-659247.html 

 渡具知氏の当選によって市民が新基地建設を容認したと受け止めるのは早計である。渡具知氏は、建設容認を明言せず、問題を解決するために国と対話する姿勢を示しただけだからだ。
 安倍晋三首相は2日の衆院予算委員会で、沖縄の基地負担軽減について「移設先となる本土の理解が得られない」との認識を示した。普天間飛行場の県内移設は、軍事上ではなく政治的な理由であることを首相が初めて認めたことになる。政治家として無責任で沖縄に対する差別発言だ。渡具知氏の当選をもって、他府県に移設できない新基地を名護市に押し付けることは許されない。
 当選した渡具知氏は辺野古移設について「国と県が係争中なので注視していく」と語っている。新基地容認とするのは牽強(けんきょう)付会である。
 一例を挙げれば、名護市長選を前に、琉球新報社などが実施した電話世論調査から市民の態度は明白だ。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について、53・0%が「反対」、13・0%が「どちらかといえば反対」を選択し、66%を占めた。一方で「賛成」は10・5%、「どちらかといえば賛成」が17・8%と3割に満たない。
 渡具知氏の当選は、新基地建設の是非を争点化することを避けて経済を前面に出し、前回自主投票だった公明の推薦を得た選挙戦術が奏功したと言える。 

 

 【追記】2018年2月11日0時10分

 2月5日付の東京発行各紙夕刊、および6日付朝刊が名護市長選の結果をどのように報じたか、主な記事の見出しを書きとめた記事をアップしました。

http://news-worker.hatenablog.com/entry/2018/02/11/000313

安倍晋三内閣の支持率の推移(2018年1月~) ※随時更新

 安倍晋三内閣の支持率の推移です。2018年1月以降です。
 ()内は前回比、Pは「ポイント」です。目についたものを随時、更新していきます。

▼2018年

【2月】
・時事通信 2月9~12日実施
  支持48・7%(2・1P増) 不支持31・9%(1・7P減)
・NHK 2月10~12日実施
  支持46%(±0) 不支持34%(3P減)
・産経新聞・FNN 2月10、11日実施
  支持51・0%(1・6P減) 不支持39・0%(0・2P減)
・読売新聞 2月10、11日実施
  支持54%(±0) 不支持36%(1P増)
・共同通信 2月10、11日実施
  支持50・8%(1・1P増) 不支持率36・9%(0・3P増)

【1月】
・朝日新聞 1月20、21日実施
  支持45%(4P増) 不支持33%(5P減)
・毎日新聞 1月20、21日実施
  支持44%(2P減) 不支持38%(2P増) 関心がない16%(1P増)
・産経新聞・FNN(フジテレビ系列) 1月20、21日実施
  支持52・6%(5・1P増) 不支持39・2%(5・4P減)
・共同通信 1月13、14日実施
  支持49・7%(2・5P増) 不支持36・6%(3・8P減)
・JNN(TBS系列) 1月13、14日実施
  支持54・6%(1・9P増) 不支持43・9%(1・8P減)
・時事通信 1月12~15日実施
  支持46・6%(4・0P増) 不支持33・6%(2・5P減)
・読売新聞 1月12~14日実施
  支持54%(1P増) 不支持35%(1P減)

続・議論と理解が進んでいない憲法9条改正と自衛隊~世論調査結果から

 前回の記事の続きになります。
 1月20、21日実施の世論調査結果3件が報じられています。憲法9条の改正問題では、朝日新聞が「安倍政権のもとで」を前提に、自衛隊の存在を明記する改正の賛否を問うたところ、賛成34%に対し反対は46%と12ポイントの差で反対が賛成を上回りました。しかし、自衛隊の明記の賛否だけを尋ねた産経新聞・FNNの調査では、賛成が58%と過半数です。やはり、社会的な議論と理解は進んでいないと言ってよいと思います。

【内閣支持率】(カッコ内は前回比、Pはポイント)
・朝日新聞 1月20、21日実施
  支持45%(4P増) 不支持33%(5P減)
・毎日新聞 1月20、21日実施
  支持44%(2P減) 不支持38%(2P増) 関心がない16%(1P増)
・産経新聞・FNN(フジテレビ系列) 1月20、21日実施
  支持52・6%(5・1P増) 不支持39・2%(5・4P減)

【憲法改正】
・朝日新聞
「安倍首相は新年の記者会見で、『今年こそ憲法のあるべき姿を国民に提示する』と述べ、年内に憲法改正を具体化させていくことに、強い意欲を示しました。あなたは、この安倍首相の姿勢を評価しますか。評価しませんか。」
 評価する 41% 評価しない 42%
「あなたは、憲法改正は優先的に取り組むべき課題だと思いますか。そうは思いませんか。」
 優先的に取り組むべき課題だ 32% そうは思わない 54%
「安倍首相は、憲法9条を改正し、自衛隊の存在を憲法に明記することを提案しています。あなたは、安倍政権のもとで、こうした憲法の改正をすることに、賛成ですか。反対ですか。」
 賛成 34% 反対 46%

・毎日新聞
「自衛隊の存在を明記する憲法改正について、あなたの考えは次のどれに近いですか」
 憲法9条の1項と2項はそのままにして自衛隊を明記する 31%
 憲法9条の2項を削除して自衛隊を戦力と位置付ける 12%
 自衛隊を憲法に明記する必要はない 21%
「大きな災害や外国からの攻撃で国政選挙ができなくなった場合に、国会議員の任期を特例として延長できる規定を憲法に設けるべきだという意見があります。一方、憲法を改正しなくても、参議院の緊急集会で対応可能だという意見もあります。国会議員の任期延長に関する憲法改正に賛成ですか、反対ですか。」
 賛成 33% 反対 46%
「憲法を改正するには、国会が改憲案を発議して国民投票にかける必要があります。憲法を改正するには、国会が年内に改憲案を発議した方がよいと思いますか。」
 年内に発議した方がよい 36%
 年内に発議する必要はない 46%

・産経新聞・FNN
「憲法改正に関する、次のそれぞれの質問について、あなたのお考えをお知らせください。」
A) 「国会は、憲法改正に向けた議論を活発化させるべきだと思いますか、思いませんか。」
 思う 67・2% 思わない 29・6%
B) 「憲法改正の国会発議について、望ましい時期を次の中から1つだけ選び、お知らせください。」
 年内 22・5%
 年内である必要はない 48・9%
 憲法改正は必要ない 26・9%
C) 「あなたは、憲法に自衛隊の存在を明記することに賛成ですか、反対ですか。」
 賛成 58・0% 反対 33・0%

【安倍首相の続投】
・朝日新聞
「安倍首相の自民党総裁としての任期は今年の秋までです。あなたは、今年の秋以降も、安倍首相に自民党の総裁を続けてほしいと思いますか。それとも、続けてほしくないと思いますか。」
 続けてほしい 40% 続けてほしくない 43%
「あなたは、次の自民党総裁にふさわしいのは誰だと思いますか。(択一)」
 安倍晋三 31% 石破茂 20% 岸田文雄 6% 野田聖子 8% この中にはいない 29%

・毎日新聞
「安倍晋三首相は自民党総裁として現在2期目で、任期は今年9発までです。安倍首相が3期目も引き続き、自民党総裁を務めた方がよいと思いますか」
 総裁を続けた方がよい 37%(2P増)
 代わった方がよい 47%(6P減)

・産経新聞・FNN
「秋に行われる自民党総裁選挙で勝った人が、次の首相となる可能性があります。安倍首相が3期目を務めるか注目されています。あなたは、次の首相として、誰がふさわしいと思いますか、次に挙げる自民党所属国会議員の中から1人だけ選び、お知らせください。]

安倍 晋三氏31・7% 石破 茂氏20・6% 岸田 文雄氏6・0% 小泉 進次郎氏18・1% 河野 太郎氏5・0% 野田 聖子4・1%

【防衛費】
・朝日新聞
「日本の防衛費は、新年度予算の政府案で、およそ5兆1900億円に増え、4年連続で過去最大となりました。あなたは、このように防衛費を増やすことに賛成ですか。反対ですか。」
 賛成 39% 反対 45%