沖縄県知事、翁長雄志氏の訃報

 沖縄県知事の翁長雄志氏の訃報に接しました。膵臓がんで闘病中のところ8月8日午後6時34分、入院先の病院で永眠されたとのことです。享年67歳。つつしんで哀悼の意を表します。
 いろいろな思いがあります。
 翁長氏は確固とした世界観と歴史観を備えた政治家でした。おびただしい住民が犠牲になった沖縄戦、それに続いて米国の統治下に置かれた戦後の苦難の日々はもちろんのこと、明治期の琉球処分、さらには薩摩・島津の侵攻にさかのぼるまで、沖縄には沖縄固有の歴史があります。そうした歴史を踏まえた、翁長氏の重厚な数々の言葉から、沖縄の基地集中の問題が、沖縄の人たちの自己決定権の問題であることにあらためて気付かされました。
 翁長氏が公約に掲げた辺野古への新基地建設への反対は、沖縄の民意の所在は明らかなのに、それでも日本政府が建設を強行するような事態に対して、同じようなことが日本の中で沖縄以外にはないことを問うものだったと思います。翁長氏が問い続けていたのはまさに沖縄の人々の自己決定権でした。問い続けていた先は沖縄への基地集中政策を変えようとしない日本政府だけではなく、そうした日本政府のままでよしとする沖縄県外、日本本土の日本国民だったのだとも思います。
 翁長氏の訃報に接して、日本本土に住む日本国民の一人として、わたしの気持ちの中にあるのは、うまく形容のできないざらざらとした感情です。強いて言えば、うしろめたさに近いでしょうか。翁長氏が時々に発した言葉は、このブログでも書きとめてきました。それらを今、読み返してみながら、何も変わらない日本本土の一員である自分自身に対する嫌気、ふがいなさといった感情も胸の中に去来しています。これらの感情、気持ちを忘れることのないよう、自らを戒め、律していきたいと思います。

 

【追記】2018年8月10日
 翁長氏の死去翌日の9日付で沖縄タイムス、琉球新報が掲載した社説や、東京発行の新聞6紙の扱いをまとめアップしました。 

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