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読売調査も賛否逆転 安倍元首相の国葬「評価しない」56%~世論の推移をまとめました

 読売新聞とTBS系列のJNNが先週末、それぞれ実施した世論調査の結果が報じられています。安倍晋三元首相の国葬について、読売新聞調査では「評価する」38%に対し「評価しない」56%と、18ポイントもの差で否定的な評価が上回りました。前回8月上旬の調査では「評価する」49%、「評価しない」46%と、わずかですが肯定的な意見が否定的な意見を上回っていました。JNN調査でも「反対」51%、「賛成」38%と、反対が賛成を13ポイント上回っています。前回調査から反対が6ポイント増え、賛成は4ポイント減りました。
 岸田文雄首相から、国葬の理由について納得できる説明は一向にされない一方で、法的な根拠を欠いていること、費用の全額を国費で賄うのは弔意の強制を意味することなど、国葬の問題点が周知されるにつれ、否定的な意見が増えています。8月のNHKや産経新聞・FNNの調査でも、前月と賛否は逆転していました。
 岸田首相は国会の閉会中審査で、自ら国葬について説明するとしていますが、これまでと同じ説明しかできないはずです。別の、そして納得できる説明ができるのなら、こんなことにはなっていません。岸田首相が同じ説明を繰り返すだけなら、世論は否定的な評価にいっそう傾いていくほかないように思います。

 わたしが目にした限りですが、マスメディア各社の世論調査で、安倍元首相の国葬への評価がどう移り変わってきたかを、別記事で書きとめておきます。随時、更新します。読売新聞の調査でも賛否が逆転したことにより、現時点では、肯定的評価が否定的評価を上回っているマスメディアの調査は見当たりません。

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 ※安倍元首相の国葬に対しては、ネット上で賛否の投票を呼びかけたアンケートなども多く目にしましたが、調査対象を無作為に抽出した世論調査とは性格が異なるため除外します。