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国葬「反対多数」と岸田内閣の支持続落に変わりなく~続く混迷と緊張に岸田首相で大丈夫か

 「どんどん反対が増えていったけど、やっぱりやって良かった―」とはならなかったようです。9月27日に行われた安倍晋三元首相の国葬のことです。10月最初の週末、1、2両日に実施された世論調査3件の結果によると、国葬実施に対して、いずれの調査でも否定的な評価が過半数に上っています。国葬直前の世論調査では、否定的評価が6割に達していました。賛否の差は24~12ポイント開いており、世論の「反対多数」に変わりはないようです。

 各調査の結果は以下の通りです。

・朝日新聞 「評価する」35% 「評価しない」59%
・読売新聞 ※国葬実施をよかったと思うか、思わないか
      「思う」41% 「思わない」54%
・JNN  「良かった」42% 「良くなかった」54%

 岸田文雄内閣の支持率も続落傾向のままです。

 ・朝日新聞 「支持」40%(前回調査比1ポイント減)
       「不支持」50%(同3P増)
 ・読売新聞 「支持」45%(同5P減)
       「不支持」46%(同5P増)
 ・JNN  「支持」42.7%(同5.4P減)
       「不支持」53.9%(同5.6P増)

 読売新聞調査でも支持、不支持が逆転しました。どの調査でも不支持が支持を上回る結果になっています。
 岸田内閣の支持率の低下の要因は、国葬の強行に加えて、旧統一教会と自民党議員の関係の問題だと、各メディアとも指摘しています。安倍元首相が自民党内で旧統一教会票を差配する立場だったとの指摘があるのに、岸田首相がかたくなに調査を拒み続けていることで、安倍元首相の国葬と旧統一教会の問題はリンクしています。

 国葬は終わりましたが、日本社会に危惧を覚えるのはむしろこれからです。政権の信頼がどんどん低下し、その要因も明らかなのに、岸田首相は何の対応もせずに、漫然と国葬を強行するばかりでした。政治家としての資質、能力に根本的な疑問を持たざるを得ません。
 このような政権が軍事費の増大、原発の新増設や運転期間の延長など、世論を二分する政治課題を進めることに深刻な危うさを感じます。国際的にも、ロシアはウクライナ侵攻をやめないばかりか、武力占領した地域の併合を宣言し、核兵器の使用の可能性が取りざたされる事態です。この記事を書いているさなかの10月4日朝には、北朝鮮のミサイルが日本列島を越えました。日本政府はJアラートを発して、北海道と青森県を対象地域に指定して避難を呼びかけました。
 混迷と緊張は続きます。政治指導者には迅速に沈着冷静な判断ができる能力と、何よりも今、社会の分断と亀裂を埋めて相互理解を進める強力なリーダーシップが必要なのですが、岸田首相にその資質があるとは思えません。そういう意味では、まさしく“国難”であると感じます。

【追記】2022年10月5日8時20分

 国葬を巡る7月以降の世論調査結果の推移まとめも更新しました。国葬実施前の最後の調査(9月17、18日実施)では、否定的評価は60%超に上っていました。

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