この週末、9月17、18両日に実施された世論調査の結果が報じられています。岸田文雄内閣の支持率は下落し続け、毎日新聞・社会調査研究センターの調査(以下「毎日新聞調査」)では29%と3割を割り込みました。共同通信の調査では40.2%ですが、8月の前回調査から13.9ポイントも急落。不支持と逆転しました。日経新聞・テレビ東京の調査(以下「日経新聞調査」)でも43%と、8月調査から14ポイント低下です。不支持は49%です。
安倍晋三元首相の国葬に対しては、共同通信調査、毎日新聞調査、日経新聞調査では否定的な回答が6割に上っています。対して肯定的な回答は共同通信調査では4割弱。毎日新聞調査では3割を切りました。1週間後に国葬当日を控え、「反対多数」から「反対が圧倒」へと、さらに民意は変わりつつあるように感じます。
旧統一教会と自民党との関係についても、各調査とも軒並み、自民党の対応に厳しい評価が出ています。
岸田内閣への支持が下がり続けている要因は国葬の強行とその理由の説明不足、旧統一教会と自民党との関係にあることは明らかです。しかし岸田首相は信頼回復に必要な手を打たないまま、さらに下がり続ける、という光景が続いています。内閣支持率はどこまで下がるのでしょうか。信を失った政権が、極端な軍事費増、原発の新増設・建て替えなど、民意を二分するような政策を強行することは極めて危険だと感じます。
調査によっては、自民党の支持率にも変化が見られます。日経新聞調査では、8月調査の46%から9ポイント下がり37%、毎日新聞調査では8月調査の29%から6ポイント下がり23%でした。現在の自民党で、ただちに次の総理総裁に交代する可能性はありません。仮説ですが、岸田政権への不信にとどまらず、安倍政権以来の自民党政治に疑問を持ち始めている人たちが増えているのかもしれません。かと言って、野党が政権交代の受け皿足りうる状況でもありません。支持政党がない「無党派層」が増えることになります。そうなると、無党派層にアピールすることを狙った極論が横行することになるのではないか。そんな危惧も感じ始めています。
以下に、この週末に実施された世論調査のうち、目にとまったものから一部の項目を書きとめておきます。
▼共同通信
・内閣支持率
「支持」 40.2%(前回調査比13.9ポイント減)
「不支持」46.5%
・安倍元首相の国葬
「賛成」「どちらかといえば賛成」計38.5%
「反対」「どちらかといえば反対」計60.8%
・旧統一教会との関係に対する自民党の対応
「十分だ」 16.1%
「十分ではない」80.1%
▼毎日新聞・社会調査研究センター
・内閣支持率
「支持」 29%(前回調査比7ポイント減)
「不支持」64%(同10ポイント増)
・安倍元首相の国葬
「賛成」27%(前回調査比3ポイント減)
「反対」62%(前回調査比9ポイント増)
・旧統一教会との関係に対する自民党の調査
「十分だ」 14%
「不十分だ」76%
▼日経新聞・テレビ東京
・内閣支持率
「支持」 43%(前回調査比14ポイント減)
「不支持」49%
・安倍元首相の国葬
「反対」60%
▼ANN=テレビ朝日系列
・内閣支持率
「支持」 36.3%
「不支持」40.9%
・安倍元首相の国葬
「賛成」30%
「反対」54%
※「安倍元首相『国葬』世論の推移」を更新しました。7月以降の世論調査で賛否がどう推移したかの記録です。
【追記】2022年9月19日14時20分
産経新聞・FNNの世論調査(17、18日実施)の結果も報じられました。やはり岸田内閣の支持は不支持と逆転です。安倍元首相の国葬は、おおむね「反対」が「賛成」の倍です。
▼産経新聞・FNN=フジテレビ系列
・内閣支持率
「支持」 42.3%(前回調査比12.0ポイント減)
「不支持」50.0%(前回調査比9.7ポイント増)
・安倍元首相の国葬
「賛成」31.5%
「反対」62.3%