先週末に実施した新聞3社の定例世論調査の結果が報じられています。
石破茂首相が自民党の衆院議員1期生に1人10万円の商品券を配布した問題を、民意は厳しく見ていることがうかがえます。石破内閣の支持率は前回、2月の調査から14~7ポイント低下した一方で、不支持率は15~10ポイント上昇し60%前後に達しています。商品券の配布に対しては、「問題だ」との回答が圧倒しています。

商品券の問題が3月13日に報じられて以降、石破首相は一貫して、ポケットマネーからの支出であり法令に違反していないと強調しています。自民党側からは、同党では歴代首相がやってきたことだ、との主張も聞こえてきます。世論調査の結果は、それらの主張が民意の理解を得られていないことを示していると言っていいと思います。
一方で、興味深く感じたことがあります。
朝日新聞の調査では、商品券問題を巡って「石破首相は、首相をやめるべきだと思いますか。その必要はないと思いますか」と尋ねています。回答は「やめるべきだ」32%に対して「その必要はない」60%です。
ざっくりと言えば「石破首相の商品券の配布は問題だが、首相を辞めるほどではない」との受け止めが多数派である可能性があります。ちょっと意外な感じがしています。
石破首相の続投を容認する理由、背景事情は何か、世論調査の結果から直接はうかがえません。推測交じりですが、石破首相が退陣するとして、では次の首相はだれなのか、の問題がありそうです。昨年秋の自民党総裁選の経緯もあって、先週来、一部では高市早苗元総務相の名前が取りざたされているようです。世論調査の結果を見る限り、民意の中で待望論が高まっているとは言い難いようです。
【追記】2025年3月17日9時10分
首相による商品券配布が慣例なのかどうかを巡って3月17日、「えっ」と思うニュースを目にしました。
※「舞立氏『慣例』発言を撤回 商品券配布巡り『誤認』」=共同通信
https://www.47news.jp/12317639.html
自民党の舞立昇治参院議員は17日、石破茂首相による商品券配布を巡り「歴代の首相が慣例として普通にやっていた」とした自身の発言について「事実誤認、推測に基づく発言であり撤回する」とのコメントを出した。
「慣例」が事実だとすれば、自民党の構造的な体質の問題だと考えていました。事実誤認だとすれば、これだけデマやフェイク情報が問題になっているのに、別の意味で自民党の体質を疑わなければなりません。