「一律10万円」受け取りと使途は、政治家であれ公務員であれ個人の問題~緊急事態宣言下 在京紙報道の記録4:4月18~21日付

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための緊急事態宣言は4月21日で15日目。3週間目に入りました。4月18日付~22日付の東京発行新聞各紙の紙面の記録です。扱いの大きな1面の記事2本に加え、22日付からは社会面トップの記事の見出しも記録することにしました。

 安倍晋三政権が先週、緊急事態宣言の全国拡大を抱き合わせにする形で表明した「一律10万円」支給は、閣議決定が20日に行われました。来月にも給付が始まると報じられています。
 この10万円を巡って、菅義偉・官房長官は20日午前の記者会見で、自身は申請するかどうかを問われ「常識的にはしないと思う」と答えました。続いて安倍首相は同日午後の自民党役員会で、閣僚は受け取らない方針を示し、自民党の二階俊博幹事長も記者会見では「国会議員は受け取るということではなく、できるだけ皆さんの共感が得られる形で処理したい」(毎日新聞の21日付朝刊5面の記事)と述べた、と報じられています。首相を含め閣僚も国会議員も、今回の新型コロナウイルス禍で収入が減ったり、生活が脅かされたりしているわけではない、ということでしょうか。混乱の末に決まった経緯もあることから、政権および与党として襟を正す、というつもりなのかもしれません。菅長官の「常識的には」という言葉遣いはどういうことを意味しているのかよく分からないのですが、そういうこと(襟を正すべき立場にある)なのか、とも思います。
 しかし、この10万円を受け取るか受け取らないかは個人の問題です。受け取った10万円をどう使うかも私権の問題です。政治家としての活動には関係のないことであり、首相や閣僚の給与の一部返上などとは性質が異なります。所属政党などが方針を決め、それに従わせるとしたら、第三者による私権の制限です。
 日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は、「党として、市町村議員も含めた全員から給付された10万円を集めたい。集めた給付金は状況が厳しい人たちに少しでも行き渡るようにしたい」と述べ、維新所属の国会議員や地方議員、知事や市長から給付金を集め、仕事を失った人や生活に困っている人などに寄付する考えを示したと報じられています(NHKニュースより)。
 ※NHK「10万円給付 所属議員らから集め寄付へ 維新 松井代表」
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200421/k10012398771000.html

 寄付は一つの使途ですが、やはり個々人がそれぞれに行うならともかく、政党が指示するとしたら、その党は根拠なく私権の制限=人権侵害を行う党ということになります。報道によれば松井代表は「全員から集めたい」と言っていますから、任意の判断に委ねるのではないようです。仮に任意だとしても、党の代表が言い出したことですから、「わたしは差し出さない。自分で使う」とは言いづらくなるはず。党内でどんなことを言われるか分かったものではありません。
 政治家が対象ではありませんが、広島県の湯崎英彦知事は、県職員が受け取る現金10万円を自主的な寄付として募り、県の対策事業の財源に活用したい考えを表明しています。新たに設ける基金に積み立てる手法などを念頭に、仕組み作りを急ぐ、とのことです(中国新聞の報道)。これもいくら任意と言っても、県のトップが言ってしまった以上、限りなく強制に近いムードになるのではないでしょうか。県職員は公僕ですが、個人としてはいろいろな側面、生活の事情がそれぞれにあるはずです。
 ※中国新聞「県職員への国給付10万円、コロナ対策に活用の考え 広島知事」
 https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=635857&comment_sub_id=0&category_id=256

 毎日新聞の先の記事の中では共産党の小池晃書記局長の発言が紹介されています。「受け取るか受け取らないかを聞くこと自体をやめた方がいい。国民の中で足の引っ張り合いをすることになる。もらわない選択肢もあるし、もらって全部寄付する人もいる。それぞれが判断すればいい」
 以上のようなことを考えながらネットを見ていたら、埼玉県和光市の松本武洋市長のツイートが目にとまりました。
 https://twitter.com/takeyanm/status/1252422061290475523

  「#10万円もらう政治家」のハッシュタグもできています。わたしは共感しています。

※追記=2020年4月22日18時20分

 広島県の湯崎知事は、県職員に支給される10万円の活用についての発言を事実上、撤回したとのことです。

 中国新聞「【速報】広島知事、県職員の10万円活用を撤回
 https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=636147&comment_sub_id=0&category_id=256

 

 以下は、東京発行の新聞各紙の記録です。
【4月21日(火)付】=緊急事態宣言15日目・拡大6日目
▼朝刊
・朝日新聞
「10万円 来月にも給付開始/対面避け各世帯に申請書」
「首相の新型コロナ対応 『指導力発揮してない』57%」※世論調査
社会面「里帰り出産のはずが/病院 院内感染恐れ 受け入れ中止 『都内の予約満杯』『産後不安』 妊婦」
・毎日新聞
「休業支援18都道県/新型コロナ 要請23に対し」
「補正予算案25兆円/閣議再決定 一律10万円計上」
社会面「本当に収束するのか/居酒屋『先見通せない』 宣言2週間」
・読売新聞
「10万円給付 来月にも開始/市区町村別に 世帯ごと申請」
「首相『長期戦も予測』/緊急事態宣言2週間」
社会面「感染防止 最期会えず/知人男性『心に大きな穴』」
・日経新聞
「朝の人出 地方減り鈍く/札幌3割減 中小集積地は増」
「コロナと世界『「利益至上」見直す契機に』日本電産会長兼CEO 永守重信氏」
社会面「週末の行楽地 自粛緩む/『3密リスク』認識に温度差」
・産経新聞
「10万円給付 補正8.8兆円増/予算案25.6兆円 閣議決定」
「週末 人出7、8割減/7都府県主要駅 新宿13.7万→1.9万人」
社会面「商店街に人 繁華街は減/生活用品購入『家族連れ目立つ』」
・東京新聞
「10万円給付 自己申告制/補正予算案8.8兆円増額」
「院内感染『全職員の検査を』/都内病院医師、体制改善求める」
社会面「感染時 治療受けられるか…/難病ALS患者ら 不安と負担と」

▼夕刊
・朝日新聞
「NY原油価格 初のマイナス/コロナで需要急減 貯蔵施設『限界』に」
(NEWSダイジェスト「辺野古移設 政府が設計変更申請」など3本)
社会面「お遊戯に絵本 おうちで見てね/幼稚園の動画 アプリ会社が配信サービス」
・毎日新聞
「岩手・北海道 津波最大30メートル/日本・千島海溝地震想定 内閣府」
「NY原油先物 初のマイナス/コロナで需要減 懸念拡大」
社会面「SNSでDV相談/外出自粛、急増懸念」
・読売新聞
「原油 初のマイナス価格/NY先物 在庫増懸念で売り」
「岩手・宮古 津波30メートル予想/内閣府検討会 日本海溝 M9地震」
社会面「物流維持 闘うドライバー/『不可欠な仕事』社会守る」
・日経新聞
「NY原油、マイナス価格/在庫増 保管余地少なく」
「米、48兆円追加策/政権・議会詰め 中小支援上乗せ」
社会面「不妊治療 延期に戸惑い/感染リスクで学会要請『年齢考え進めたい…』」
・東京新聞
「動く卒アル 児童にエール/『3月一緒に過ごせず心残り』」
「NY原油暴落 初のマイナス/需要急減で在庫膨らむ」
社会面「間隔空けて 走 快/回避へ『前方と10メートル』『横並び、マスクを』」

【4月20日(月)付】=緊急事態宣言14日目・拡大5日目
▼朝刊
朝日新聞
「接触通知 プライバシー懸念/コロナ感染追跡アプリ 日本でも」
「交付金 休業支援に活用可/経済再生相明言 1兆円 方針転換」
毎日新聞
「治療法 見えぬ正解/もがくNY日本人医師」
「政権対応『評価せず』53%/本社世論調査 内閣支持横ばい41%」
読売新聞
「休業協力金に活用 容認/政府、方針転換 コロナ交付金」
「言語力あっての表現力/『論理国語』新設」地球を読む 劇作家 山崎正和
日経新聞
「雇用維持 瀬戸際の攻防/米 38兆円の融資枠『蒸発』 仏 経済対策12兆円に増」
「コロナと世界『薬開発 競争より結束を』京都大iPS細胞研究所長 山中伸弥氏」
産経新聞
「アビガン増産 治験進む/新型コロナ薬 国内350人投与」
「一律10万円給付の攻防」武蔵野大特任教授 山内昌之 歴史の交差点
東京新聞
「『五反田ヒルズ』沈ませない/資金繰りの悩み共有 金融機関招き説明会」
「外国人 コロナ解雇急増/労組に相談2000件超」

▼夕刊
朝日新聞
「コロナ禍でも 私たちは動く/『グレタ世代』ネットも駆使し訴え」
(NEWSダイジェスト「10万円給付 補正8.9兆円増の見通し」など3本);
毎日新聞
「タクシー 自衛に限界/感染の疑い知らず 病院まで送迎」
(NEWS FLASH「組み替え補正予算案 総額25兆円」など4本)
読売新聞
「『青少年の家』帰国者施設に/4か所改修、活用へ 新型コロナ」
「感染対策に乗車礼拝/ラジオから説教 『集まることに意味』」コロナ最前線@ソウル
日経新聞
「輸出 3月11.7%減/新型コロナ 影響拡大」
「補正予算案を午後決定/『10万円給付』計上 歳出総額25.7兆円に」
東京新聞
「豊洲 マグロ暴落/需要なく価格3割 高級食材 通販に道」
「3月輸出 11.7%減/欧米向け自動車低迷」

【4月19日(日)付】=緊急事態宣言13日目・拡大4日目
朝日新聞
「緊急事態 列島閑散/国内感染者 1万人超す」
「違法な報酬支払い『河井事務所方針』/案里氏秘書が供述」
毎日新聞
「『病院化』苦闘の施設/居住域分離/ゴミ袋防護服 汗だく」
「ミクと結婚 AI実現」デジタルVS 第1部 上
読売新聞
「国内感染1万人超す/30代以下拡大 1/3」
「宛名は『王子様 様』」あれから vol.3 キラキラに決別
日経新聞
「治療薬開発 急ピッチ/新型コロナ 世界で治験650件」
「感染 国内1万人超す/9日で倍増、経路不明拡大」
産経新聞
「国内感染1万人超す/9日間で倍増、死者237人」
「21世紀五輪を阻むリスク/1 気候・感染症の脅威」灯す 第3部 試練を越えて
東京新聞
「『医療崩壊起こりつつある』/日本の対策襲い/死者数試算 首相が示すべきだ」※ゲノム医療権威 中村祐輔・米シカゴ大名誉教授
「国内感染 1万人超す/クルーズ船除き 9日間で倍増」

【4月18日(土)付】=緊急事態宣言12日目・拡大3日目
▼朝刊 
※参照 https://news-worker.hatenablog.com/entry/2020/04/19/093122

▼夕刊
朝日新聞
「『密集回避』 閉ざされた公園/運動や遊びは必要 過剰な規制懸念」
「世界の死者 15万人超える」
毎日新聞
「真っ暗だからこそ、見える光がある/#いまスポーツにできること」
「緊急事態下の昼時」読む写真 ※「人影まばらの丸の内仲通り」と「大勢の人たちが食材や日用品を買い求める吉祥寺サンロード商店街」
読売新聞
「『休業要請』人出まちまち/小樽 消えた観光客 岩手 マスクで行列」
「感染症 日米英にキーマン/会見で首相の隣 尾身茂さん」
日経新聞
「里帰り出産 戸惑う妊婦/受け入れ休止相次ぐ ネットで相談・診療も」
「死者 世界で15万人超え/新型コロナ 米中、集計見直しで増」
東京新聞
「コロナに負けない/アスリートつながる」
「障害者施設 苦境でも前へ/足利のワイナリー 販売激減」