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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

ひと言:JR尼崎脱線事故6年

 25日は、2005年に兵庫県尼崎市のJR福知山線で通勤電車が脱線、転覆し、乗客106人と運転士が死亡、562人が重軽傷を負ったいわゆる「JR尼崎脱線事故」から6年の日でした。大阪発行の新聞各紙は夕刊で、尼崎市内で開かれた追悼慰霊式や、6年前と同じ月曜日の朝の事故現場のもようを、一面や社会面で大きく伝えました。
 追悼慰霊式の「慰霊のことば」で、長女を亡くした遺族の男性は東日本大震災に触れ「天災、人災の違いはありますが」としながら、二つの災厄の犠牲者が同じ恐怖を味わったであろうと述べたと、報道は伝えています。この事故も、大震災も、生死を分けたのはまったくの偶然であったことが共通しているでしょう。あらためて脱線事故や大震災で亡くなった方々のご冥福をお祈りします。
 この事故のきわめて今日的な意味として、東京電力福島第一原発の災禍が収束できずにいる中で、経営効率の追求と安全確保を両立できなかった前例である、ということもあらためて想起しておきたいと思います。
 大震災と福島第一原発の事故、あるいはこの二つをめぐる報道についても、いずれ書いていこうと思います。